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第五章 学園編2
第61話 償い
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今日はニコラス殿下は欠席した。
当たり前だが、それなりの処分があったのだろう。ルーシーとしては少しだけ心配であった。
ニコラスは決して悪人ではないのだ。それにあの変態、ことあるごとに生贄で解決してきたハヴォックに身体を乗っ取られていたというのに一人も死者を出さずに耐えていたのだ。
それは凄いことではと感心するくらいだった。
…………。
翌日、授業に出席したニコラス皇子の顔にははっきりと見える青あざがあった。そして目の周りが腫れてふくらんでいた。
皇子に鉄拳制裁したのは……状況的にも身分的にも間違いなくニコラスの兄、皇室騎士団長ウィリアム殿下だろう。
そして回復魔法を使えば治りそうなものだが、わざとそのままにしているので、それがニコラスに下された罰ということだろう。
イレーナが教室に入り授業を開始しようとするが、ニコラスは手を上げ教壇の前に立つ。
尋常じゃないニコラスの表情に教室は静まり返った。
ニコラスは大きく息を吸い。そして深々とお辞儀をする。
「申し訳なかった。俺は魔法学科の皆の名誉を傷つけた。あろうことか呪いの魔法道具の誘惑に憑りつかれ扱いを間違えてしまった。
友であるアベルとゴードンを危険な目に合わしてしまった。そしてソフィアやルーシーには……謝罪してもしきれない過ちを犯してしまった。本当にすまなかった!
……今後は魔法道具など研究しないと約束する――」
なんとなく噂話で皇子が事件を起こしたことを知っている者、全く知らない者、様々な生徒たちがひそひそと話をしているのを見ながら、
ルーシーは手を上げて席を立ちニコラスに発言した。
「あのー、殿下は魔法道具が好きなんでしょ? そんなに危険なら選択必修科目である闇の魔法に対する防衛術の授業を履修してはいかがですか? マーガレット先生はお待ちしていましたよ?」
ニコラスは、目に涙を溜めながらルーシーの言葉を噛み締めた。
「ルーシー・バンデル。お、俺は君に酷いことをしたんだぞ? 俺を許してくれるのか?」
ルーシーは答えなかった。
ルーシーとしては一方的に悪態を吐かれただけで、ニコラスに対する個人的な恨みはない。
特に何かされたわけでもない。だから許すかどうかについては何も答えず、ただ満面の笑みで返すのみだった。
それだけでニコラスの心は救われたのだった。
あの傲慢だった皇子が泣いている。
クラス中からは自然と拍手が起こる。
「さてさて、ニコラス殿下も席についてください。授業を始めますよ。それにしても殿下、酷い顔ですね。回復しないでよろしいのですか?」
「イレーナ先生。これが俺の罰だ。自然に治るまでこのままでいるさ」
こうして授業は何事も無く始まった。
…………。
午前の授業の後。
皆は昼食を取るために席を立つ。
「ルーシー・バンデル。少し待ってくれ」
何事かと振り向くルーシーの目の前には大きな紙袋を二つ持ってきたニコラスがこちらに近づいてきた。
「本当に君には迷惑をかけた。受け取ってくれ」
一つ目の紙袋を開けると中には新品の制服が入っていた。ブレザーにスカート、シャツ、ネクタイ。そして下着まで。
ブレザーを広げる。サイズはぴったりだった。
もう一つの袋には黒いドレスが入っていた。
ルーシーの好みの色、なぜニコラスがそれを知っているのかは謎だが。服のサイズが分かるのだからそれくらい知っていて当然といえるだろう。
それに気になることは他にある。
二袋ともルーシーにくれるそうだがソフィアには何も用意していないのだ。
やはりニコラスはダメ皇子なのだろうか。
ルーシーはソフィアには何もないのかと言おうとしたが。
ニコラスはそれを察したのか答える。
「ソフィア・レーヴァテイン。君にも、償いをしたいところだが。政治的な理由でレーヴァテイン家に皇族からなにか物品を送ることは許されていない。
後で兄上からご実家に正式な謝罪とお礼の書面が届くだろう……。
本当にすまない。そして、俺なんかの為に貴族の義務を果たしてくれたこと。本当に感謝してる。ありがとう、もし困ったことがあったら何でも言ってくれ、俺に出来る範囲でなら何でもしよう」
ソフィアも当然事情を理解してるので顔色一つ変えずに答える。
「殿下、それは構いませんわ。別に何も困ってもいませんし、仮にもしあったとしても、殿下に頼んでしまったら特権としてとらえられてしまうでしょう。謝罪の言葉だけで結構ですわ。
それよりも殿下。貴方は何でルーシーさんの服のサイズをご存じなんですか?
それに下着のサイズまで。……な、ぜ、ですか? 弁明を聞きたいと思います。
場合によっては、もう一つそのお顔に青あざが出来てしまいましてよ?
まさか裸を見ただけでサイズが分かってしまう変態さんだったのですか?」
もちろん誤解である。ニコラスは昨日、兄にルーシーの服を魔法で粉々にしてしまったと白状したのだ。もちろんそれはニコラスではなくハヴォックではあるのだが。
それを聞いた兄はニコラスの顔面を思いっきり殴り、お前の全てを使って償えと言ったのだ。
ニコラスは言われたとおりに全力で町中の服屋をさまよい、制服が売っている店を見つけ、店主に泣きつき、ルーシーの顧客情報を探し。今に至る。
「だから、誤解だソフィア。……こほん。ルーシー・バンデル……俺は君の裸を見てしまった。だからこれからも償いをさせてくれ。もし君が許してくれるなら俺は……。いや、これだけは誓う。今生において俺は君の味方になると。
……邪魔をした。ではまた」
ソフィアはてっきり、裸を見た責任からプロポーズの流れを想像してしまったが、さすがに貴族社会でも古い価値観の話だ。
それにニコラスごときではルーシーには釣り合わないだろうと思った。
「ではルーシーさん。お食事に行きましょう。リリアナさん達を待たせてしまっていますし。ちょっと! こんなところで試着を始めないでくださいまし!」
当たり前だが、それなりの処分があったのだろう。ルーシーとしては少しだけ心配であった。
ニコラスは決して悪人ではないのだ。それにあの変態、ことあるごとに生贄で解決してきたハヴォックに身体を乗っ取られていたというのに一人も死者を出さずに耐えていたのだ。
それは凄いことではと感心するくらいだった。
…………。
翌日、授業に出席したニコラス皇子の顔にははっきりと見える青あざがあった。そして目の周りが腫れてふくらんでいた。
皇子に鉄拳制裁したのは……状況的にも身分的にも間違いなくニコラスの兄、皇室騎士団長ウィリアム殿下だろう。
そして回復魔法を使えば治りそうなものだが、わざとそのままにしているので、それがニコラスに下された罰ということだろう。
イレーナが教室に入り授業を開始しようとするが、ニコラスは手を上げ教壇の前に立つ。
尋常じゃないニコラスの表情に教室は静まり返った。
ニコラスは大きく息を吸い。そして深々とお辞儀をする。
「申し訳なかった。俺は魔法学科の皆の名誉を傷つけた。あろうことか呪いの魔法道具の誘惑に憑りつかれ扱いを間違えてしまった。
友であるアベルとゴードンを危険な目に合わしてしまった。そしてソフィアやルーシーには……謝罪してもしきれない過ちを犯してしまった。本当にすまなかった!
……今後は魔法道具など研究しないと約束する――」
なんとなく噂話で皇子が事件を起こしたことを知っている者、全く知らない者、様々な生徒たちがひそひそと話をしているのを見ながら、
ルーシーは手を上げて席を立ちニコラスに発言した。
「あのー、殿下は魔法道具が好きなんでしょ? そんなに危険なら選択必修科目である闇の魔法に対する防衛術の授業を履修してはいかがですか? マーガレット先生はお待ちしていましたよ?」
ニコラスは、目に涙を溜めながらルーシーの言葉を噛み締めた。
「ルーシー・バンデル。お、俺は君に酷いことをしたんだぞ? 俺を許してくれるのか?」
ルーシーは答えなかった。
ルーシーとしては一方的に悪態を吐かれただけで、ニコラスに対する個人的な恨みはない。
特に何かされたわけでもない。だから許すかどうかについては何も答えず、ただ満面の笑みで返すのみだった。
それだけでニコラスの心は救われたのだった。
あの傲慢だった皇子が泣いている。
クラス中からは自然と拍手が起こる。
「さてさて、ニコラス殿下も席についてください。授業を始めますよ。それにしても殿下、酷い顔ですね。回復しないでよろしいのですか?」
「イレーナ先生。これが俺の罰だ。自然に治るまでこのままでいるさ」
こうして授業は何事も無く始まった。
…………。
午前の授業の後。
皆は昼食を取るために席を立つ。
「ルーシー・バンデル。少し待ってくれ」
何事かと振り向くルーシーの目の前には大きな紙袋を二つ持ってきたニコラスがこちらに近づいてきた。
「本当に君には迷惑をかけた。受け取ってくれ」
一つ目の紙袋を開けると中には新品の制服が入っていた。ブレザーにスカート、シャツ、ネクタイ。そして下着まで。
ブレザーを広げる。サイズはぴったりだった。
もう一つの袋には黒いドレスが入っていた。
ルーシーの好みの色、なぜニコラスがそれを知っているのかは謎だが。服のサイズが分かるのだからそれくらい知っていて当然といえるだろう。
それに気になることは他にある。
二袋ともルーシーにくれるそうだがソフィアには何も用意していないのだ。
やはりニコラスはダメ皇子なのだろうか。
ルーシーはソフィアには何もないのかと言おうとしたが。
ニコラスはそれを察したのか答える。
「ソフィア・レーヴァテイン。君にも、償いをしたいところだが。政治的な理由でレーヴァテイン家に皇族からなにか物品を送ることは許されていない。
後で兄上からご実家に正式な謝罪とお礼の書面が届くだろう……。
本当にすまない。そして、俺なんかの為に貴族の義務を果たしてくれたこと。本当に感謝してる。ありがとう、もし困ったことがあったら何でも言ってくれ、俺に出来る範囲でなら何でもしよう」
ソフィアも当然事情を理解してるので顔色一つ変えずに答える。
「殿下、それは構いませんわ。別に何も困ってもいませんし、仮にもしあったとしても、殿下に頼んでしまったら特権としてとらえられてしまうでしょう。謝罪の言葉だけで結構ですわ。
それよりも殿下。貴方は何でルーシーさんの服のサイズをご存じなんですか?
それに下着のサイズまで。……な、ぜ、ですか? 弁明を聞きたいと思います。
場合によっては、もう一つそのお顔に青あざが出来てしまいましてよ?
まさか裸を見ただけでサイズが分かってしまう変態さんだったのですか?」
もちろん誤解である。ニコラスは昨日、兄にルーシーの服を魔法で粉々にしてしまったと白状したのだ。もちろんそれはニコラスではなくハヴォックではあるのだが。
それを聞いた兄はニコラスの顔面を思いっきり殴り、お前の全てを使って償えと言ったのだ。
ニコラスは言われたとおりに全力で町中の服屋をさまよい、制服が売っている店を見つけ、店主に泣きつき、ルーシーの顧客情報を探し。今に至る。
「だから、誤解だソフィア。……こほん。ルーシー・バンデル……俺は君の裸を見てしまった。だからこれからも償いをさせてくれ。もし君が許してくれるなら俺は……。いや、これだけは誓う。今生において俺は君の味方になると。
……邪魔をした。ではまた」
ソフィアはてっきり、裸を見た責任からプロポーズの流れを想像してしまったが、さすがに貴族社会でも古い価値観の話だ。
それにニコラスごときではルーシーには釣り合わないだろうと思った。
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