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第一章
第2話 二度目の転生は魔王の嫁さん
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私の名前はアール。今は亡き創造主である勇者によって作られたメイド型ロボットである。
私の創造主は異世界から転生された勇者であった。
私は彼をマスターと呼び、彼は私をロボさんという。メイド型ロボットだからロボさんである。
ではなぜアールと名乗っているかというと。二代目のマスターである魔王と結婚をしたからだ。
魔王の嫁ということで対外的に名前が必要になったというわけである。しかし私の夫は今でもロボさんと呼ぶ。
まああくまで対外的に呼び方なのでどうでもいいし。むしろそっちの呼び方のほうが愛着があって嬉しいくらいだ。
夫との馴れ初めは、そうですね。私が生まれたころから一緒に暮らして。マスターが亡くなってからは、現魔王の彼が私のマスターになり。
長い時間をかけてお互いを知り、彼にプロポーズをされたといったところでしょうか。
ごく一般的な夫婦の話ではないでしょうか。
少年だった夫は今では立派な魔王となり。私たちの家の近くには魔王城が建てられた。
これは結婚してしばらくたった頃に、成人の魔王になったことで得た、魔王の権能、築城スキルによるものである。
魔王城はあくまで戦争用に最適化されたものであるため広さの割には住むには不便であった。
それに生活基盤はこの家にあるし。長年住んでいたため愛着がある。
現在では魔王城は外交や式典などの公務で使用するにとどめている。
夫は魔王としての仕事で夜遅くまでいることがあるので、私は着替えやお弁当を運んだりしている。
夫の帰りが遅くなるのもよくある夫婦の話ではないでしょうか。私としては別に不満などありませんよ?
なぜなら私はロボットですから。でも、そうですね、たまには愚痴の一つでも言うのも面白いかもしれません。
彼のことだからきっと真剣に聞いてくれるでしょうし。
私はいつも通り、炊事に掃除、洗濯をしていると。私の脳内、正確には頭脳である魔導集積回路に膨大な情報が降りてきた。
「どういうあれだ~!」
脳内で響く間抜けな声、いや、これは私が喋っている。口を抑えようとしても体が動かない。
自分の意思に反して、また私の口から次々と言葉が発せられる
「いやいや、二度目の転生とは聞いてないぞ? いやあるっちゃあるんだが、現状把握だ。俺の体は……は! メイドさん?
いやまて、まさか女性に転生しているだと! 現状把握だ、とりあえず自分の姿を、鏡はどこだ」
そう早口で独り言をいってる、懐かしさすら感じる間抜け口調の主は、私の体を勝手に動かして鏡の前に立った。
「うわ、可愛い顔だ、俺好みの、実に俺好みの顔で安心した。そうこの子には随分お世話になったなぁ……」
(お久しぶりですねマスター。5000年ぶりですか?)
「おお、やはりロボさん、しかし、どういうあれだ? 二度目の転生は自分が作ったロボットだったとうことか?」
(そのようですね。マスター、ちゃっかり私の体を乗っ取っていますよ? どうするつもりですか?)
「むう、君は自分で体を動かせなくなっているのか。これはよくないな、だが君とは意思疎通ができるから少し安心した。
この手の話は、大体乗り移られた人はその後どうなっているんだと心配に思うものだからな」
(おや、相変わらずこんな摩訶不思議な出来事でも順応してしまうなんて流石マスターですね)
「まあ、まかせたまえ。とはいえ、解決策など今のところないのだが……、とりあえず周りの人物に隠すのはよくない。そうだ少年に相談しよう」
(はい、なら案内します。彼は今、王の間でお仕事をされていますので)
こうして、私の体は夫のいる王の間へ向かった。
夫は2000年ほど前に成人して正式に魔王となり。
配下に志願したエルフ、ゴブリン、魔物の一部を受け入れており、それぞれの種族を統括する立場で政治を行っている。
かつては未熟なダンジョンではあったが、今ではダンジョンの中にいくつか町がある。
私の体はふと自分の左手を顔の前に持ってくると。薬指を見た。
「おやおや、君は結婚したんだね? 君を作った身としては、いや父親としてはとてもうれしいよ。で相手は誰なんだい?」
(私の体でニヤニヤするのはやめてほしいですね。ほらもうすぐ王の間ですよ?)
「お、ロボさんでも照れ隠しするんだね。ま、誰かなんて言わなくても分かってるんだけど」
扉が開いた。ちょうど、夫は休憩中だったらしい。私の体は迷うことなくつかつかと玉座に向かった。
「やあ、少年、結婚したんだね、おめでとう。しかしすっかり立派になったね。見違えたよ」
夫は、私をみると少し首をかしげたがすぐに理解したのか、ポンと手を叩くと。
「あ、異世界さんだ。どうしたんですか? お久しぶりです」
……私の夫はこういう性格だった。最近は魔王としての威厳が出てきたのですっかり忘れていたが。
それに少し懐かしい気持ちになった。
ちなみに夫はマスターの事を、異世界さんと呼ぶ。異世界から転生された勇者だから異世界さんである。
私の創造主は異世界から転生された勇者であった。
私は彼をマスターと呼び、彼は私をロボさんという。メイド型ロボットだからロボさんである。
ではなぜアールと名乗っているかというと。二代目のマスターである魔王と結婚をしたからだ。
魔王の嫁ということで対外的に名前が必要になったというわけである。しかし私の夫は今でもロボさんと呼ぶ。
まああくまで対外的に呼び方なのでどうでもいいし。むしろそっちの呼び方のほうが愛着があって嬉しいくらいだ。
夫との馴れ初めは、そうですね。私が生まれたころから一緒に暮らして。マスターが亡くなってからは、現魔王の彼が私のマスターになり。
長い時間をかけてお互いを知り、彼にプロポーズをされたといったところでしょうか。
ごく一般的な夫婦の話ではないでしょうか。
少年だった夫は今では立派な魔王となり。私たちの家の近くには魔王城が建てられた。
これは結婚してしばらくたった頃に、成人の魔王になったことで得た、魔王の権能、築城スキルによるものである。
魔王城はあくまで戦争用に最適化されたものであるため広さの割には住むには不便であった。
それに生活基盤はこの家にあるし。長年住んでいたため愛着がある。
現在では魔王城は外交や式典などの公務で使用するにとどめている。
夫は魔王としての仕事で夜遅くまでいることがあるので、私は着替えやお弁当を運んだりしている。
夫の帰りが遅くなるのもよくある夫婦の話ではないでしょうか。私としては別に不満などありませんよ?
なぜなら私はロボットですから。でも、そうですね、たまには愚痴の一つでも言うのも面白いかもしれません。
彼のことだからきっと真剣に聞いてくれるでしょうし。
私はいつも通り、炊事に掃除、洗濯をしていると。私の脳内、正確には頭脳である魔導集積回路に膨大な情報が降りてきた。
「どういうあれだ~!」
脳内で響く間抜けな声、いや、これは私が喋っている。口を抑えようとしても体が動かない。
自分の意思に反して、また私の口から次々と言葉が発せられる
「いやいや、二度目の転生とは聞いてないぞ? いやあるっちゃあるんだが、現状把握だ。俺の体は……は! メイドさん?
いやまて、まさか女性に転生しているだと! 現状把握だ、とりあえず自分の姿を、鏡はどこだ」
そう早口で独り言をいってる、懐かしさすら感じる間抜け口調の主は、私の体を勝手に動かして鏡の前に立った。
「うわ、可愛い顔だ、俺好みの、実に俺好みの顔で安心した。そうこの子には随分お世話になったなぁ……」
(お久しぶりですねマスター。5000年ぶりですか?)
「おお、やはりロボさん、しかし、どういうあれだ? 二度目の転生は自分が作ったロボットだったとうことか?」
(そのようですね。マスター、ちゃっかり私の体を乗っ取っていますよ? どうするつもりですか?)
「むう、君は自分で体を動かせなくなっているのか。これはよくないな、だが君とは意思疎通ができるから少し安心した。
この手の話は、大体乗り移られた人はその後どうなっているんだと心配に思うものだからな」
(おや、相変わらずこんな摩訶不思議な出来事でも順応してしまうなんて流石マスターですね)
「まあ、まかせたまえ。とはいえ、解決策など今のところないのだが……、とりあえず周りの人物に隠すのはよくない。そうだ少年に相談しよう」
(はい、なら案内します。彼は今、王の間でお仕事をされていますので)
こうして、私の体は夫のいる王の間へ向かった。
夫は2000年ほど前に成人して正式に魔王となり。
配下に志願したエルフ、ゴブリン、魔物の一部を受け入れており、それぞれの種族を統括する立場で政治を行っている。
かつては未熟なダンジョンではあったが、今ではダンジョンの中にいくつか町がある。
私の体はふと自分の左手を顔の前に持ってくると。薬指を見た。
「おやおや、君は結婚したんだね? 君を作った身としては、いや父親としてはとてもうれしいよ。で相手は誰なんだい?」
(私の体でニヤニヤするのはやめてほしいですね。ほらもうすぐ王の間ですよ?)
「お、ロボさんでも照れ隠しするんだね。ま、誰かなんて言わなくても分かってるんだけど」
扉が開いた。ちょうど、夫は休憩中だったらしい。私の体は迷うことなくつかつかと玉座に向かった。
「やあ、少年、結婚したんだね、おめでとう。しかしすっかり立派になったね。見違えたよ」
夫は、私をみると少し首をかしげたがすぐに理解したのか、ポンと手を叩くと。
「あ、異世界さんだ。どうしたんですか? お久しぶりです」
……私の夫はこういう性格だった。最近は魔王としての威厳が出てきたのですっかり忘れていたが。
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