【完結】二度目の転生は一度目の転生で俺が作ったメイドロボットでしかも人妻だった件

神谷モロ

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第一章

第28話 勇者様感謝祭

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 ――ついに勇者様感謝祭が始まる。

 日本で言う大晦日だ。

 この日は朝から大賑わいである。街を歩けば、子供たちはみんな勇者の剣を模したおもちゃを手に駆け回っている。

 子供、特に男の子は剣が好きなんだな。俺は修学旅行のお土産で木刀を買ったのを思い出した。

 だが少年達よ、勇者は剣を持っていない。魔法使いだったのだ。

 どちらかといえば剣を持ってるのは魔王だ。しかもその剣も俺がスコップに改造してやったのさ……いや、そんなこと言ったら最低な大人として一生嫌われるだろうか。

 

 午前中はシルビアさんは生徒会の仕事で忙しいので俺は街を見物しているのである。

 服飾店の前を通ると、よくエッチな下着をお勧めしてくる店員と目が合った。とても元気に手を振っている。

 俺も照れ笑いしながら手を振り返した。この間、はみパン対策で黒いのを買って以来あれやこれやとお勧めしてくるので困ったものだ。


 しょうがない、ちょっとだけ店に入ってみよう。やはり勇者様祭りでお店もにぎやかである。ちなみに今日は午前で閉店なのでバーゲンっといった感じだ。

 この雰囲気は嫌いではない。お祭りムードはそこにいるだけでも楽しいのだ。

 ちなみにサンタドレス用の赤い布はここで調達した。そのせいだろうか、赤ブルマが新商品として並んでいた。

 そうだ、カール氏の服飾店はここだったのだ。俺が赤い布を買いあさっているのに何かインスピレーションを得たらしい。

 ……しかし結構売れ残っている。まあそうだろう、さすがにこれはちょっと……。


 いやまてよ、これはオリンピックっぽいので有りかもしれない。

 学生時代に近所の姉ちゃんが着ていた生々しい物とは違って、これにはテレビで見るアスリート達が着ていた神聖なものという価値観があった。
 それで有りだと思ってしまったのだ。

 あと、これの発案者としての責任感もある。せめて4着くらい買っておくか。ブルマを手に持つと、店員さんたちはニッコリ顔で対応してきた。


 同時に赤い下着をお勧めしてきたのはご愛嬌である。はみパンは恥ずかしいからな、悔しいが店員さんの思惑通りに買ってしまった。商売上手め。


 さて、まだ少し早いがそろそろ学院に戻るとしよう。

 午後から学院でパーティーが行われる。パーティーってどうなんだろう、立食パーティーなんだろうか。

 俺が聞いているのはダンスパーティーだということだけだ。覚悟していた。授業でもダンスは必須科目だった。

 魔法使いというのは平民でも準貴族扱いになる。卒業後は社交界にデビューすることもあるのだろう。

 単純に魔法を学ぶだけではない。品行方正な大人になるための教育機関として魔法学院はあるのだ。


 ちなみに、よほどの運動音痴でなければ男女両パートは皆踊れるようになっている。

 これも将来の為だ。魔法使いは家庭教師になることも多い。できることが多ければ引く手あまたということである。



「はい、これ履いておいて、今回のサンタドレスは思ったよりもミニスカになってしまったからパンチラ対策ね」


 着替え中のシルビアさんにさっそく買い物袋から取り出して渡す。

 ここで赤ブルマが役に立つとは思わなかった。寸法合わせは気を使ったがそれでもいざ着ると小さめになってしまったのだ。

 膝上スカートは現代日本のギャルとしては常識かもしれないがこの世界の帰順としては短い。しかもそれでダンスを踊るのは危ないだろう。

 無駄な買い物にならなくてよかったと心底思ったのだった。

 
 着替え終わると鏡の前に立つ。うん、可愛い。というか可愛すぎてて自分が怖い。

「ちょっと、アール、鏡ばかり見てないでこっちも見てよ、どう? 似合ってるかしら。初めて着たからよくわからないけど、似合ってると嬉しいな……」

 天使だ、いやサンタクロースだ、北米のテレビショーでみるあれだ。ボディーラインを主張する赤と白のアクセントのドレス、それに彼女の金髪がよく似合う。

「うん、完璧、本物みたい」

 俺はグッドサインをすると、シルビアさんは明るく笑った。よかった、これで少しはドレス恐怖症を克服できただろうか。
 

 パーティー会場に着くなり、俺たちは注目の的である。

 これはどこで手に入れたの? とても可愛い、とか皆さんの質問攻めにあうが、さすがにマナーというのがあるのかすぐに落ち着きを取り戻した。


「あーあ、こんなことなら私のドレスもアールさんにお願いしとけばよかった」

「アンネ、それだと、間に合わないからってことだったでしょ? でもほんとに素敵、私も着てみたくなった」

 いやいや、アンネさんにローゼさんや、君たちのドレスも素敵だ、まるで貴族のお嬢様みたいだ、いやほんとに貴族のお嬢様なんだが。

 というかそっちの方が絶対にお金も手間もかかってるからね。そこは間違えないように。

「これはこの季節限定の衣装だから、でも来年でよければ二人の分も用意できるよ」

 お二人は互いを見ながらパァっと明るい表情になった。


 ひそひそと聞き耳を立てているご令嬢諸君、欲しいのだろう。今のうちから予約注文でも受けておくか。


 俺の、打倒勇者祭り、クリスマスの逆襲、は静かに進行中である。
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