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第二章
第62話 竜王vs旧人類
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――ドラゴン殲滅作戦司令部内
ここは都市から離れた場所にある軍事施設である。
山脈を丸々軍事施設にしたこの場所が都市から離れているのは。想定する敵が人類ではないからだ。
かつては山脈のふもとには、それなりに都市があったが。今では民間人はいない。廃墟となった街の残骸があるのみであった。その地下に基地は作られた。
なぜ街が廃墟と化したのか、その地下に軍事施設が出来たのか、理由は一つである。ドラゴンの襲撃にあったのだ。
この時代の人類は原始的な魔法を発展させて、ついに魔法機械文明に突入していた。
人口は爆発的に増え、平地では足りなくなった国土を拡張するために、人類は自然環境を変えていった。
この山脈はそんな人類によって削られ、資源を取るために開発されたが。ここはドラゴンの領域であった。
だからドラゴンは今まで人間に対しては傍観を決めていたが、我慢の限界とばかりに人類に攻撃を開始したのだった。
ドラゴンの怒りを買った山脈の都市は一日で火の海に消えた。
それから100年にわたる人類とドラゴンの戦争はある時期を境に、人類が優勢になっていった。
一人の勇者が自身の命を犠牲に一匹のドラゴンを倒した。ドラゴンの死体は人類の手にわたり研究されたのだ。
勇者の誕生に人類は神の奇跡だと歓喜した。実際に神によって人類には特殊な力をもつ勇者と呼ばれる人間が生み出された。
当代の勇者である司令官は、いよいよ自分に与えられた最後の仕事を完遂すべく、巨大兵器のコックピットに乗る。
ドラゴンの死体から生み出された決戦兵器、対竜王殲滅機動兵器【機竜参号機】。通称メカドラゴン。人類の英知の結晶、これは初代勇者が倒したドラゴンよりもはるかに強力な個体。
おそらく竜王の氏族であろうこのドラゴンの生きた身体を使った最終決戦兵器だ。このドラゴンを倒すために先代の勇者と数万人の英雄たちは命を犠牲にした。
最終決戦、今、人類は竜王に対して一騎打ちを仕掛けるときだ。人類に対して脅威となるドラゴンはもはや竜王のみである。
『おはようございます、マスター、メインコンピューター起動、異常なし、魔力コア、および全システム起動準備完了しました』
「よし、シルビー、機竜参号機、発進せよ!」
『魔力コア起動確認、魔導脊髄へ魔力供給開始、魔導脊髄起動確認、異常ありません』
制御コンピューター、【シルビー】が、状況を報告する。
『脳波、正常、平均シンクロ率60パーセントを維持、クリア、パイロットとの同期完了、戦闘モードに移行、クリア』
魔導脊髄は生きたドラゴンの脊髄を加工した生体パーツであるため。これが起動すると、竜王に居場所が発見されてしまう。
初号機の起動時には実験中に奇襲を受けたため多大な犠牲が生まれた、教訓から、起動と同時に実戦という不利な状況を受け入れるしかなかった。
それでも、ドラゴンの身体を人類が手に入れたことは両者の戦力のバランスを均衡させ、今では数で勝る人類が優勢となっていた。
『反応ありました。竜王が急速接近しています。あと数秒で接敵します』
基地の職員は全員退避できただろうか、いや、分かってたことだが間に合わないだろう。俺たちは英霊として堂々と先輩方に会いに行こうではないか。
目の前に巨大なドラゴンが現れる。このメカドラゴンより一回り大きい竜王。だが、こちらも全身に装甲を追加し様々な装備を施しているため体格では負けていない。
「息子よ、いやそれだった物か、その身体、見るに堪えん、愚かな人間どもよ身の程を思い知るがいい」
竜王はそういうと息を吸い込む。ドラゴンブレスの予兆だ、青白い光の線が薙ぎ払うように人類の基地に降り注ぐ。
岩石や建造物は溶けるよりも速く蒸気になり、その瞬間火柱をあげ基地を含む一帯は吹き飛んだ。
メカドラゴンは無傷だった。
『4重魔法障壁、正常、機体損耗率0パーセント、バリア損耗率60パーセント』
「ち、竜王め、先に基地を破壊したか、それもそうか、多くの人材を減らすのがやつの目的だからな」
おそらく、この機竜にかかわった職員の殲滅を優先したのだろう。彼らは整備士などの末端の職員であり、開発者などのコアメンバーはいない。だがそれでも彼ら失くして成り立たない。
竜王はそれを知っているのだろう。
「ふん、バリアというやつか、小賢しい、今度は貴様に直接浴びせてやろうか」
「4重魔法障壁解除、エネルギー相転移装甲で受け止める。Mk5-疑似ドラゴンブレス収束砲、準備、それまでランダム攻撃、やつの目を殺せ!」
『了解、対ドラゴンミサイル、発射します、全弾発射後に、後部ウエポンラックを破棄、高機動モードに移行後、Mk4改-疑似ドラゴンブレス連装速射砲による牽制射撃で竜王を誘導します』
メカドラゴンの後部ウエポンラックから無数のミサイルが発射される。それに対して竜王は器用に首をひねりながらドラゴンブレスで迎撃する。
が、迎撃されたミサイルは直撃を目的としておらずドラゴンブレスによって蒸発した弾頭の重金属によって煙幕が張られる。
このミサイルは重金属の煙で視界を奪うのと同時にドラゴンブレスの光線の威力の減衰が目的の兵器である。
「ふん、目くらましか、だが我を馬鹿にし過ぎではないか? 愚かな人間よ。そんな煙幕など我がブレスの障害になどならない」
竜王は最大出力でドラゴンブレスを、先程から煙の先から敵が放つ、ドラゴンブレスの真似事であるかのような豆鉄砲の発射元に向かって放つ。
『最大出力のドラゴンブレスの発動を確認しました。エネルギー相転移装甲との相対誤差修正、着弾、エネルギー相転移開始。……エネルギー充填完了、いえ想定よりもオーバーフローしています、エネルギー相転移装甲破損、危険です!』
「いや、耐えろ、これが最大のチャンスなんだ。歴代勇者の末席を汚すわけにはいかない。やるぞ、シルビー、Mk5-疑似ドラゴンブレス収束砲発射!」
メカドラゴンの口から、竜王の放ったドラゴンブレスと同等か、それ以上の光線が竜王めがけて放たれた。
竜王は自身の魔法結界を簡単に貫通してきた光線に全身を焼かれる。生まれて初めて味わったことのない痛みが全身を支配する。竜王は思った、あたりまえか、自分と同等の強さのドラゴンと戦ったことがなかったのだと。
ウロコは焼け焦げ、ところどころから出血がみられる。
対してメカドラゴンも装甲が焼け、所々で爆散した後がみられる。両者とも瀕死の状態といえる。
「あと少しだ、とどめを刺さないとな、シルビー状況を!」
『現状で使える武器は、左腕のMk4改-疑似ドラゴンブレス連装速射砲が一門、右腕の超振動近接戦闘長刀と……脚部に搭載された対人類用の戦略ミサイルのみです』
「なるほど、対人用ね、結局はドラゴンを倒した後のことを考えてなのか、抑止力なのか、まあ、それは政治家の考えることだ。ここまでの兵器を与えてくれたのも彼らだ有効活用しようじゃないか」
竜王は思った。もはや傷がいえるまでドラゴンブレスは使えない。魔力も限界だ、逃げるか? いや、ここで逃げたら人類には二度と勝てないだろう。なんとしてここでこれを破壊しなくては。
「シルビー、いや、シルビア、最後に花火を上げようじゃないか、どうせここにはもう人は住めないしな、やつの気を引くにはうってつけだ」
『了解しました、しかし、この武器は大統領の承認が必要ですが、うふふ、まあ、いいでしょう、生前からずっと私は勇者様のものですから。戦略ミサイル全弾発射!』
竜王の上空でミサイルは爆発した。一つの都市を破壊するほどの爆発だったがドラゴン相手では威力不足である、それでもその爆風は今の満身創痍の竜王にとっては目障りなものであった。
「なめるな、人間! 最後の悪あがきか!」
竜王は冷静さを失いメカドラゴンに突進し、突き出した左腕に噛みつく。メカドラゴンはMk4改-疑似ドラゴンブレス連装速射砲を同時に放つ。
口内で爆発がおこり、竜王は仰け反った。口から血と同時に折れた牙を吐き出した。
「ははは、この歯がな、痛かったんだ。感謝するぞ、これで思いっきりお前をかみ砕くことが出来る」
その瞬間、超振動近接戦闘長刀によって心臓を貫かれた竜王と、コックピットごと魔力コアをかみ砕かれたメカドラゴンが同時に倒れた。
…………。
……。
無人となった鉱山の中に竜王は横たわっていた。心臓を貫かれた竜王はもはや回復の見込みがない。
静かに死を待つのみだった。人類とドラゴンの戦いは決着したのだ。生き残った人間はまたあの機械兵器を作り出すだろう。
それに比べて残された若いドラゴン達の成長は間に合わない。
ゆっくりと目を閉じようとする竜王の前に、小さなランドタートルが近寄ってきた。
「お前はあの時の子亀か、ふん、安心しろ、そこまで成長されると食べる気にならんわ。それに我はもう死ぬ。その瞬間を今か今かと待っているのだ、なんせ生まれて初めての経験だからな。
そうだ、お前に頼みがある。我の牙の間に人間の作った小賢しい機械とやらが詰まってな。不快でしょうがないのだ。一人では取れないくて困っていた所だ、頼めないか?」
人類はその後、数年でドラゴンの絶滅を確認すると、高らかに勝利宣言をし。堂々と自然界に進出していった。文明は大いに発展しその栄華は未来永劫続くと誰もが思った。
だが、今度はその行き過ぎた文明によって、格差社会が進み、また共通の天敵がいなくなったために人類の結束に綻びが生じ、ついには互いを憎しみあい殺し合うようになった。
「うーん、失敗だったかな。人類には新たな脅威が必要だね、魔法機械文明ね、なら今度は人類の最大の天敵として魔王を創ってみようか」
◆◆
「ということが、あったかなー、あの亀ちゃんはそれからずっとあそこで過ごしてたみたいだね。1万年だよ? 亀ってほんとに1万年生きるんだね」
キャンプの帰り道でユーギは俺に話した。なんだそれ、まあ、神なのだからしょうがないか、しかしメカドラゴンか、人間の考えることは大体似たような感じに行きつくんだな。
俺は、馬車でスリープモードになっている、試作機達を見ながら思った。
ここは都市から離れた場所にある軍事施設である。
山脈を丸々軍事施設にしたこの場所が都市から離れているのは。想定する敵が人類ではないからだ。
かつては山脈のふもとには、それなりに都市があったが。今では民間人はいない。廃墟となった街の残骸があるのみであった。その地下に基地は作られた。
なぜ街が廃墟と化したのか、その地下に軍事施設が出来たのか、理由は一つである。ドラゴンの襲撃にあったのだ。
この時代の人類は原始的な魔法を発展させて、ついに魔法機械文明に突入していた。
人口は爆発的に増え、平地では足りなくなった国土を拡張するために、人類は自然環境を変えていった。
この山脈はそんな人類によって削られ、資源を取るために開発されたが。ここはドラゴンの領域であった。
だからドラゴンは今まで人間に対しては傍観を決めていたが、我慢の限界とばかりに人類に攻撃を開始したのだった。
ドラゴンの怒りを買った山脈の都市は一日で火の海に消えた。
それから100年にわたる人類とドラゴンの戦争はある時期を境に、人類が優勢になっていった。
一人の勇者が自身の命を犠牲に一匹のドラゴンを倒した。ドラゴンの死体は人類の手にわたり研究されたのだ。
勇者の誕生に人類は神の奇跡だと歓喜した。実際に神によって人類には特殊な力をもつ勇者と呼ばれる人間が生み出された。
当代の勇者である司令官は、いよいよ自分に与えられた最後の仕事を完遂すべく、巨大兵器のコックピットに乗る。
ドラゴンの死体から生み出された決戦兵器、対竜王殲滅機動兵器【機竜参号機】。通称メカドラゴン。人類の英知の結晶、これは初代勇者が倒したドラゴンよりもはるかに強力な個体。
おそらく竜王の氏族であろうこのドラゴンの生きた身体を使った最終決戦兵器だ。このドラゴンを倒すために先代の勇者と数万人の英雄たちは命を犠牲にした。
最終決戦、今、人類は竜王に対して一騎打ちを仕掛けるときだ。人類に対して脅威となるドラゴンはもはや竜王のみである。
『おはようございます、マスター、メインコンピューター起動、異常なし、魔力コア、および全システム起動準備完了しました』
「よし、シルビー、機竜参号機、発進せよ!」
『魔力コア起動確認、魔導脊髄へ魔力供給開始、魔導脊髄起動確認、異常ありません』
制御コンピューター、【シルビー】が、状況を報告する。
『脳波、正常、平均シンクロ率60パーセントを維持、クリア、パイロットとの同期完了、戦闘モードに移行、クリア』
魔導脊髄は生きたドラゴンの脊髄を加工した生体パーツであるため。これが起動すると、竜王に居場所が発見されてしまう。
初号機の起動時には実験中に奇襲を受けたため多大な犠牲が生まれた、教訓から、起動と同時に実戦という不利な状況を受け入れるしかなかった。
それでも、ドラゴンの身体を人類が手に入れたことは両者の戦力のバランスを均衡させ、今では数で勝る人類が優勢となっていた。
『反応ありました。竜王が急速接近しています。あと数秒で接敵します』
基地の職員は全員退避できただろうか、いや、分かってたことだが間に合わないだろう。俺たちは英霊として堂々と先輩方に会いに行こうではないか。
目の前に巨大なドラゴンが現れる。このメカドラゴンより一回り大きい竜王。だが、こちらも全身に装甲を追加し様々な装備を施しているため体格では負けていない。
「息子よ、いやそれだった物か、その身体、見るに堪えん、愚かな人間どもよ身の程を思い知るがいい」
竜王はそういうと息を吸い込む。ドラゴンブレスの予兆だ、青白い光の線が薙ぎ払うように人類の基地に降り注ぐ。
岩石や建造物は溶けるよりも速く蒸気になり、その瞬間火柱をあげ基地を含む一帯は吹き飛んだ。
メカドラゴンは無傷だった。
『4重魔法障壁、正常、機体損耗率0パーセント、バリア損耗率60パーセント』
「ち、竜王め、先に基地を破壊したか、それもそうか、多くの人材を減らすのがやつの目的だからな」
おそらく、この機竜にかかわった職員の殲滅を優先したのだろう。彼らは整備士などの末端の職員であり、開発者などのコアメンバーはいない。だがそれでも彼ら失くして成り立たない。
竜王はそれを知っているのだろう。
「ふん、バリアというやつか、小賢しい、今度は貴様に直接浴びせてやろうか」
「4重魔法障壁解除、エネルギー相転移装甲で受け止める。Mk5-疑似ドラゴンブレス収束砲、準備、それまでランダム攻撃、やつの目を殺せ!」
『了解、対ドラゴンミサイル、発射します、全弾発射後に、後部ウエポンラックを破棄、高機動モードに移行後、Mk4改-疑似ドラゴンブレス連装速射砲による牽制射撃で竜王を誘導します』
メカドラゴンの後部ウエポンラックから無数のミサイルが発射される。それに対して竜王は器用に首をひねりながらドラゴンブレスで迎撃する。
が、迎撃されたミサイルは直撃を目的としておらずドラゴンブレスによって蒸発した弾頭の重金属によって煙幕が張られる。
このミサイルは重金属の煙で視界を奪うのと同時にドラゴンブレスの光線の威力の減衰が目的の兵器である。
「ふん、目くらましか、だが我を馬鹿にし過ぎではないか? 愚かな人間よ。そんな煙幕など我がブレスの障害になどならない」
竜王は最大出力でドラゴンブレスを、先程から煙の先から敵が放つ、ドラゴンブレスの真似事であるかのような豆鉄砲の発射元に向かって放つ。
『最大出力のドラゴンブレスの発動を確認しました。エネルギー相転移装甲との相対誤差修正、着弾、エネルギー相転移開始。……エネルギー充填完了、いえ想定よりもオーバーフローしています、エネルギー相転移装甲破損、危険です!』
「いや、耐えろ、これが最大のチャンスなんだ。歴代勇者の末席を汚すわけにはいかない。やるぞ、シルビー、Mk5-疑似ドラゴンブレス収束砲発射!」
メカドラゴンの口から、竜王の放ったドラゴンブレスと同等か、それ以上の光線が竜王めがけて放たれた。
竜王は自身の魔法結界を簡単に貫通してきた光線に全身を焼かれる。生まれて初めて味わったことのない痛みが全身を支配する。竜王は思った、あたりまえか、自分と同等の強さのドラゴンと戦ったことがなかったのだと。
ウロコは焼け焦げ、ところどころから出血がみられる。
対してメカドラゴンも装甲が焼け、所々で爆散した後がみられる。両者とも瀕死の状態といえる。
「あと少しだ、とどめを刺さないとな、シルビー状況を!」
『現状で使える武器は、左腕のMk4改-疑似ドラゴンブレス連装速射砲が一門、右腕の超振動近接戦闘長刀と……脚部に搭載された対人類用の戦略ミサイルのみです』
「なるほど、対人用ね、結局はドラゴンを倒した後のことを考えてなのか、抑止力なのか、まあ、それは政治家の考えることだ。ここまでの兵器を与えてくれたのも彼らだ有効活用しようじゃないか」
竜王は思った。もはや傷がいえるまでドラゴンブレスは使えない。魔力も限界だ、逃げるか? いや、ここで逃げたら人類には二度と勝てないだろう。なんとしてここでこれを破壊しなくては。
「シルビー、いや、シルビア、最後に花火を上げようじゃないか、どうせここにはもう人は住めないしな、やつの気を引くにはうってつけだ」
『了解しました、しかし、この武器は大統領の承認が必要ですが、うふふ、まあ、いいでしょう、生前からずっと私は勇者様のものですから。戦略ミサイル全弾発射!』
竜王の上空でミサイルは爆発した。一つの都市を破壊するほどの爆発だったがドラゴン相手では威力不足である、それでもその爆風は今の満身創痍の竜王にとっては目障りなものであった。
「なめるな、人間! 最後の悪あがきか!」
竜王は冷静さを失いメカドラゴンに突進し、突き出した左腕に噛みつく。メカドラゴンはMk4改-疑似ドラゴンブレス連装速射砲を同時に放つ。
口内で爆発がおこり、竜王は仰け反った。口から血と同時に折れた牙を吐き出した。
「ははは、この歯がな、痛かったんだ。感謝するぞ、これで思いっきりお前をかみ砕くことが出来る」
その瞬間、超振動近接戦闘長刀によって心臓を貫かれた竜王と、コックピットごと魔力コアをかみ砕かれたメカドラゴンが同時に倒れた。
…………。
……。
無人となった鉱山の中に竜王は横たわっていた。心臓を貫かれた竜王はもはや回復の見込みがない。
静かに死を待つのみだった。人類とドラゴンの戦いは決着したのだ。生き残った人間はまたあの機械兵器を作り出すだろう。
それに比べて残された若いドラゴン達の成長は間に合わない。
ゆっくりと目を閉じようとする竜王の前に、小さなランドタートルが近寄ってきた。
「お前はあの時の子亀か、ふん、安心しろ、そこまで成長されると食べる気にならんわ。それに我はもう死ぬ。その瞬間を今か今かと待っているのだ、なんせ生まれて初めての経験だからな。
そうだ、お前に頼みがある。我の牙の間に人間の作った小賢しい機械とやらが詰まってな。不快でしょうがないのだ。一人では取れないくて困っていた所だ、頼めないか?」
人類はその後、数年でドラゴンの絶滅を確認すると、高らかに勝利宣言をし。堂々と自然界に進出していった。文明は大いに発展しその栄華は未来永劫続くと誰もが思った。
だが、今度はその行き過ぎた文明によって、格差社会が進み、また共通の天敵がいなくなったために人類の結束に綻びが生じ、ついには互いを憎しみあい殺し合うようになった。
「うーん、失敗だったかな。人類には新たな脅威が必要だね、魔法機械文明ね、なら今度は人類の最大の天敵として魔王を創ってみようか」
◆◆
「ということが、あったかなー、あの亀ちゃんはそれからずっとあそこで過ごしてたみたいだね。1万年だよ? 亀ってほんとに1万年生きるんだね」
キャンプの帰り道でユーギは俺に話した。なんだそれ、まあ、神なのだからしょうがないか、しかしメカドラゴンか、人間の考えることは大体似たような感じに行きつくんだな。
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