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第三章
第109話 エピローグ
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卒業式。
俺達は全員無事に卒業式を迎えた。
あれから竜王教会は全ての支部に監査が入り、全員逮捕となった。
タートルロックは都市区画の一部を除き、順調に復興していった。
人と物資があればすぐに街は生き返るのだ。
逆に復興支援などを含めて潤沢なお金の流れが功を奏したのか。前よりも好景気だともいえる。
これにはカール氏が係わっているためだろう。やはり彼は商売の申し子なのだ。
彼はやや調子に乗るところがあるが、その辺はローゼさんが旨く手綱を握っている。
何も変わらない、微笑ましい二人である。
変わったことと言えば、アンネさんのお腹はかなり大きくなっている。
卒業後に出産。そして結婚式という流れらしい。
俺が唯一驚いたのは。ユーギのやつが妊娠したと言ったことだ。
ローゼさんならまだしも半神であるユーギが妊娠。さすがに驚いた。
相手はハンス君だ。ユーギは元々は男神だったはずだが……。
ユーギは俺に言った。
「いやー、僕はいろんな世界を転生したけど、女性だったときの方が長かったのだよ。もちろん、そういう経験だってあるし子供だってたくさんいた。当然この世界でもそうなるさ、それに……僕は彼の子供を産みたくなっちゃったんだぜ!」
聞きたくなかったな。どいつもこいつもまったく、お盛んなことだ。
俺とシルビアは卒業後はしばらくの間、旅に出ることにしている。
アンにはもっと広い世界を見てほしい。何かさせるわけでもないけど、いろんな景色を見せるというのは悪くないと思った。
しかし、結局はロボさんに、この身体を返す方法は見つからなかった。
いずれは俺の身体の代わりを新しく作る必要があるな。しかし魂のデータはどう移したらいいか。
そもそも魂についての理解が足りない。
理解すれば俺の勇者の魔法によって自由にできるはずだ。
これは俺自身の修行の旅でもある。まあ、それは半分で、実質は新婚旅行だ。
楽しみながらやれば長続きするしな。
家族で旅行、俺はしたことなかった。
娘もいる、俺は正式にアンを俺達の養女として迎え入れた。
彼女はまだろくに喋れない。トラウマから回復できずにいる。
ゆっくりとした何もない時間をすごせば少しづつ改善するだろう。
幸いなことに、俺の知り合いには不老不死が多い。
ならば俺は彼らから貰った時間をありがたく使わせてもらう。
「シルビア、行きたいところはあるかな?」
「ええ、一杯あるわ、でも急がずにゆっくりと、気に入ったらそこにしばらく滞在するのもいいし。そうね、とりあえず陸路で魔法都市ミスリルまで行くのも悪くないと思うの。
それにね、貴方だって辛そうだもの。アンの回復も大事だけど、同じくらいに貴方の回復も必要よ。ゆっくりと旅をしながら、そうね温泉とかあったら素敵ね」
「そうか、ありがとうシルビア。できれば混浴だと素敵だな。いや、俺の身体だと女湯でも問題なかったか、あっはっは」
(マスター、その回答は最低ですね。でもいつも通りのマスターに戻られたようで安心しました。では女性同士でも楽しめるように私もアドバイスさせていただきましょうか。
先日ユーギさんからこっそりと知識のアップデートを受けましたのでそれを試してみますか? 大変気持ちがいいらしいですよ?)
「おいおい、ロボさんや、さすがに子供の前だぞ! って、アン、今、笑った?」
◆
魔法都市ミスリルにて。
魔王とフリージア、リッチにワンドは墓参りをしていた。
「ねえ、魔王様、私達、今まで違和感なくやってたし、習慣化されてる儀式だから言わなかったけど。これって勇者様のお墓参りでしょ? なんで生きてる人のお墓参りをする必要があるのかしら?」
ワンドは魔王に言った。
「え? ああ、習慣だったから考えたことなかったです。でも、実際に異世界さんが眠ってるのは確かだし、でもそういわれると、……でも今さらやめるというのも……」
「確かにそうね、実際には勇者様の遺体はここに眠ってるんだったわね。たしか遺骨があるんだっけ? うん? あれ?
あ! 大変! フリージアが蘇ったときのことを思い出したんだけど。
自我をしっかりと保った魂があれば、肉体はどんなに損壊しても、たとえ土に帰ったとしても私のリザレクションで蘇ったわ。しかも完全な状態で。
なら、勇者様生き返るんじゃない? 大変、今すぐ連絡しないと。勇者様は今どちらに?」
「ああ、異世界さんなら今、旅に出ているみたいです。目的地はここらしいので、その時にお話ししましょうか」
俺達は全員無事に卒業式を迎えた。
あれから竜王教会は全ての支部に監査が入り、全員逮捕となった。
タートルロックは都市区画の一部を除き、順調に復興していった。
人と物資があればすぐに街は生き返るのだ。
逆に復興支援などを含めて潤沢なお金の流れが功を奏したのか。前よりも好景気だともいえる。
これにはカール氏が係わっているためだろう。やはり彼は商売の申し子なのだ。
彼はやや調子に乗るところがあるが、その辺はローゼさんが旨く手綱を握っている。
何も変わらない、微笑ましい二人である。
変わったことと言えば、アンネさんのお腹はかなり大きくなっている。
卒業後に出産。そして結婚式という流れらしい。
俺が唯一驚いたのは。ユーギのやつが妊娠したと言ったことだ。
ローゼさんならまだしも半神であるユーギが妊娠。さすがに驚いた。
相手はハンス君だ。ユーギは元々は男神だったはずだが……。
ユーギは俺に言った。
「いやー、僕はいろんな世界を転生したけど、女性だったときの方が長かったのだよ。もちろん、そういう経験だってあるし子供だってたくさんいた。当然この世界でもそうなるさ、それに……僕は彼の子供を産みたくなっちゃったんだぜ!」
聞きたくなかったな。どいつもこいつもまったく、お盛んなことだ。
俺とシルビアは卒業後はしばらくの間、旅に出ることにしている。
アンにはもっと広い世界を見てほしい。何かさせるわけでもないけど、いろんな景色を見せるというのは悪くないと思った。
しかし、結局はロボさんに、この身体を返す方法は見つからなかった。
いずれは俺の身体の代わりを新しく作る必要があるな。しかし魂のデータはどう移したらいいか。
そもそも魂についての理解が足りない。
理解すれば俺の勇者の魔法によって自由にできるはずだ。
これは俺自身の修行の旅でもある。まあ、それは半分で、実質は新婚旅行だ。
楽しみながらやれば長続きするしな。
家族で旅行、俺はしたことなかった。
娘もいる、俺は正式にアンを俺達の養女として迎え入れた。
彼女はまだろくに喋れない。トラウマから回復できずにいる。
ゆっくりとした何もない時間をすごせば少しづつ改善するだろう。
幸いなことに、俺の知り合いには不老不死が多い。
ならば俺は彼らから貰った時間をありがたく使わせてもらう。
「シルビア、行きたいところはあるかな?」
「ええ、一杯あるわ、でも急がずにゆっくりと、気に入ったらそこにしばらく滞在するのもいいし。そうね、とりあえず陸路で魔法都市ミスリルまで行くのも悪くないと思うの。
それにね、貴方だって辛そうだもの。アンの回復も大事だけど、同じくらいに貴方の回復も必要よ。ゆっくりと旅をしながら、そうね温泉とかあったら素敵ね」
「そうか、ありがとうシルビア。できれば混浴だと素敵だな。いや、俺の身体だと女湯でも問題なかったか、あっはっは」
(マスター、その回答は最低ですね。でもいつも通りのマスターに戻られたようで安心しました。では女性同士でも楽しめるように私もアドバイスさせていただきましょうか。
先日ユーギさんからこっそりと知識のアップデートを受けましたのでそれを試してみますか? 大変気持ちがいいらしいですよ?)
「おいおい、ロボさんや、さすがに子供の前だぞ! って、アン、今、笑った?」
◆
魔法都市ミスリルにて。
魔王とフリージア、リッチにワンドは墓参りをしていた。
「ねえ、魔王様、私達、今まで違和感なくやってたし、習慣化されてる儀式だから言わなかったけど。これって勇者様のお墓参りでしょ? なんで生きてる人のお墓参りをする必要があるのかしら?」
ワンドは魔王に言った。
「え? ああ、習慣だったから考えたことなかったです。でも、実際に異世界さんが眠ってるのは確かだし、でもそういわれると、……でも今さらやめるというのも……」
「確かにそうね、実際には勇者様の遺体はここに眠ってるんだったわね。たしか遺骨があるんだっけ? うん? あれ?
あ! 大変! フリージアが蘇ったときのことを思い出したんだけど。
自我をしっかりと保った魂があれば、肉体はどんなに損壊しても、たとえ土に帰ったとしても私のリザレクションで蘇ったわ。しかも完全な状態で。
なら、勇者様生き返るんじゃない? 大変、今すぐ連絡しないと。勇者様は今どちらに?」
「ああ、異世界さんなら今、旅に出ているみたいです。目的地はここらしいので、その時にお話ししましょうか」
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