歌の翼に

蜜鳥

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午後の風

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 市場いちばの喧騒が空気を震わせていた。

 野菜売り、軽食の屋台、果物売り、それぞれ独特の節回しで客を呼び込む声が不思議な調和をもってあたり一帯のざわめきを作り上げている。
 真白な太陽が天頂をすぎるのに合わせて盛んに匂いを放つ花や果物が、あちらこちらからその存在を主張し始めていた。

「こんにちは。風向きはどうだ?」
 商売人同士、気楽な挨拶を交わしながらダンは香料屋の主人に片手をあげた。

「ダンか、久しぶりだな。入った入った。おい、お茶を買ってこい。」

 立派なひげを蓄えた店の主人はダンに店の奥に入るように促しながら、丁稚の少年を使いに出した。

 香水の原料調達で成功しているダンはこの市場でも顔だった。人間社会の階級カースト外にいるとはいえ、経済的に成功している獣人はこの町の商業にとって欠かせないものになっていた。
 もっとも、それを心の奥底で疎む者もいるのは事実だったが。

 店の奥で商談していると間口の狭い入口に人の気配がした。鼻をくすぐる香りに気付いたダンが顔を上げた。

「あ。」

 そこに立っていたのはジョアンだった。

 腰の線に沿った仕立てのズボンに、繊維をあえて荒く織った薄手の布のシャツを着ている。入り口からの逆光で布越しに身体の線が透けていた。
 ねっとりとした暑さで鈍くなる人々の感覚をあえて刺激するような服装なのに、高級な素材のおかげか品よく見えるのはさすがだ。

「デルフィン・ダンか。」

 そういい捨てたジョアンはダンを一瞥し、すぐに店主に視線を送った。

「お久しぶりです、ジョアン。香水をお探しですか?」

 膝に手を置いて店主は立ち上がり、奥の部屋にいた調香師を呼び出した。


 調香が始まって長くなりそうだ。手持ち無沙汰になったダンは三人を眺めながら、ジョアンが何度も自分の名を呼ぶ理由を考えてみたけれど、何も思い浮かばなかった。

 大量の小瓶を並べて一つずつ匂いを嗅ぎながらジョアンは特に興味があるでもない表情で指示を出してゆく。

「これと、こっちも少し......最後にこれが出るようにしたい。」

「今回は雪斑は入れないんですか?」

 調香師の問いにジョアンは首を横に振る。黒く艶やかな髪が気温と湿度の高さを無視して軽やかに揺れる。

「いつもと全く違うものがいい。」

 その声にはあと少しで葉先から落ちる滴のような重みがあった。

「饗宴の席で使われるのなら、もう少し華やかな香りを足すのもよいかと......」

 調香師の言葉にジョアンは微笑んで首を振った。

 出来上がりの日を確認すると、売り場の台に肘をついて顎を乗せたジョアンはじっとダンを見詰めてきた。すっかり小生意気そうな表情が戻ってきている。

「あんた、このあと暇? お茶に付き合えよ。」


 連れていかれた市場の一角にある老舗のカフェは、この町のどこからも見ることができない、遠く離れた大洋の青を壁面に使っていた。

 覗きこんでもその先の見えない青。

 本能的に向こう側を見通したいと思う気持ちを阻まれるようで、ダンは落ち着きなく通りの方を向いた。

 数組の客が何やら議論めいたものしていたり、愛を囁き合っている。店の客のほとんどはβで、ジョアンを不思議そうな顔で見つめたが、本人は慣れているのか意に介していなかった。

 ジョアンは椅子に腰かけると、すぐ後ろに座ろうとした警護人を見上げて言った。

「彼は獣人だしプリモスも取引のある相手だ。それにこんな店の中で間違いは起きない。」

 男は一テーブル挟んで離れて座り、お陰で親しくもない二人で黙って通りを眺める羽目になる。

 しかしこの沈黙は前回ほど不愉快ではなかった。甘ったるいお茶をすすりながら耳を澄ませれば、売り子たちの声の間に高く低く響く歌声が聞こえる。

 青空を横切る鳥がいた。大きな翼を広げてわずかな上昇気流をとらえようとゆっくりと旋回している。それを見ているうちに隣にジョアンがいることを忘れて、いつの間にか歌を口ずさんでいた。


    歌の翼に きみを送らん
 
      南はるかなる うるわし国に



「デルフィン・ダン。」

 またもや名前を呼ばれてダンは歌うのを止めた。しかし今度はジョアンの方は向かなかった。

「どうして何度も俺の名前を呼ぶ?」

「話すことがないから。あんたは人間じゃないから無理に楽しませなくてもいいしね。次の主として頼れそうな人間以外、俺は興味ないから。」

 獣人は例えαでも人間のΩを後見する資格はない。つまりダンとジョアンには何の利害関係もない。それが気楽さの理由でもあった。

「じゃあなぜ俺の名前を覚えたんだ?」

「……分からない。けど、あの時は助かった。あの男は俺が余程ひどい目に合わない限り......いや、ちがうな、そんな話がしたいんじゃないんだ。」

「助けてよかったんだな。ところでまだお礼を聞いていない気がする。」

「ふふっ、あんたが覆いかぶさってきた時、本気で気持ち悪かったんだ。だから礼は言わない。」

「酷いな。」

「まあね。」

 自嘲気味に笑うのは、Ωという自らの立場を振り返っているからだろうか。カーニバルで会った時より余程失礼なことを言われているのに腹が立たないのはなぜだろう。

「どうして興味もない俺をお茶に誘った?」

「興味......そうだな......快楽以外のもので時間をつぶしたかったんだ。」

 ジョアンは細い腰から伸びる脚を組み替え、身体を大きく傾けて囁いた。そこだけ違う生き物のように動く唇が妙に扇情的だ。唇からのぞく白い歯が見えた。その奥で子供のように明るい色の舌がうごめいていて目が離せなかった。

 開かれた口から放たれる甘い芳香。澄んだ沼に咲く花のようだった。
 ああ、だから『至高のΩ』なのか。
 番がいるのに獣人の自分ですら惹かれるのだ、見た目だけじゃない。彼には何かがあるのだろう。

「プリモスの館には、快楽なら有り余るほどある。食べ物に不自由することはない、豪奢な生地を持った仕立て屋がやってくるし、白昼に森の精霊と交わりながら何度も絶頂を得られるような幻惑の薬まで、あの男の元ならすべて手に入る。」

 先日とは違う午後の気怠い音楽の様な香水の匂いが鼻をくすぐる。喉の奥で転がすような笑いを含んだ声にのまれないよう、ダンはさらりと返した。

「快楽はあっても幸福はない。太陽と月を重ねて時間が過ぎれば、朝に撒いた水は昼前には跡形もなくなる。」

「ふふ、あんたイルカは水がないと死んでしまうからな。」

 ダンはジョアンの冗談を鼻先であしらった。

「そうだ。そしてお前はプライドがないと死んでしまう。」

 どちらからともなく笑い出し、二人してお茶のカップを持ち上げて祝福しあった。捩れた感情を押し付けられるものと、疎外されるもの。強い日差しで白く輝き、その下に真っ黒な影を落とす世界の中で、こうやって笑い合うのも悪くない。

「この店に来て、会話以外何をするつもりだったんだ。並んで茶を飲みたかったのか?」

 揶揄うようなダンの言葉に、ジョアンは少し首を傾げて考えた。

「そうだな、さっきの歌の続きは? 歌えよ。」

 意外な言葉に内心驚きながら、ダンはカップを置いて指で拍を取りながら歌い始めた。


    歌の翼に きみを送らん
    南はるかなる うるわし国に
    花はかおる園に  月影冴え
    はちす咲き出でて きみを待つよ
    蓮咲き出でて きみを待つよ


 
 はるか昔、この大陸に移住した人々が携えてきた歌の一つだった。獣人の歌ではないものの遠くの地に思いをはせる甘いメロディーが気に入っていた。出だしこそ掠れていたけれど、ダンの身体で美しく響いた声が午後の風に乗って表通りを抜けてゆく。

 歌は終わったのに静かなままのジョアンを不思議に思い、ダンは視線を動かした。

 ジョアンの顔から皮肉気な笑いが消えていた。緑の瞳が見開かれ、空虚だった。眦に踏みとどまっている涙は、一度まばたきすればたやすく頬を伝うだろう。

 忘我のジョアンの手にある小さなカップからは、触ると粘りつく程甘いお茶がとろとろと零れてゆく。最後の一滴と共に陶器は滑り落ちそうだった。手を掴もうとしたダンは、寸でのところで触ってはいけないことを思い出し、指でカップを支えた。

「おい。」

 ぼんやりとした表情に徐々に魂が戻って来た。カップを支えるダンの手は、ジョアンが指を伸ばせば触れられるほど近くにある。大きな手だ。

 細い指が動いてダンの手に縋り付こうとして、諦めたようにぎゅっと握りしめられた。

「......ありがとう。綺麗な歌だった。」
 
 何かに心を奪われていたことには気づかないふりをして、ダンは微笑んで頷いた。病気なのか、一度おこなったつがい解除の治療の後遺症なのか。

 以前会った時とは違い脆く壊れそうな様子にダンの心がざわついた。
 気付くと足の下にあった花が踏みつけられた傷からその痛みを訴えかけるように、切ない匂いが立ち上る。

 αとしてではなく、獣人としてでもなく、その身体を抱いてすくい上げてやりたかった、
 
 ふっと、視界に影が落ちた。視線を上げるとジョアンの警護人が立っている。

「帰る時間です。」

ぼんやりとした表情で「でもまだ…...」と言いかけ、ジョアンは男を見上げた。侮蔑といら立ちのこもった冷たい瞳が見下ろしている。

「さあ。」

 有無を言わさぬ圧力で肘を掴もうとする男にジョアンは顔色を変えて立ち上がった。男の胸元までしか身長のないジョアンの身体が今にもほどけて消えそうな気がして、包み込んで支えてやりたかった。

「ダン、また……またその歌を……」

 振り返って声を出すジョアンの頭を小突き、男は帰路を急かした。

 髪を揺らしながらバランスを失った身体をどうにか立て直したジョアンの背は触るなと叫んでいる、振り返りたいと叫んでいる。しかし、憤る背中が振り返ることはなく、店から歩み出る時にはただ一つのよりどころであるプライドが彼の小さな身体を支えていた。

 表通りを何の感情も籠っていない微笑みをまといながらジョアンが歩いて行く。片手をあげたダンを視界の端でとらえ、横目で視線をよこした顔からなぜか目が離せなかった。

 身体の奥深くにぴりぴりとした痛みと癖になる甘い痺れがある。熱を帯びた棘が引き起こす刺激の心地よさにダンは気付いていなかった。






 夏の盛りを過ぎたあたりからダンがプリモスの館に出入りすることが増えていた。人気のある香木が昨年の天候不順で価格高騰し、どの店も量を確保するために必死で伝手を辿っていたのだ。

 壮麗な石造りの建物が夏の太陽を反射して輝いている。窓の少ない屋内はひんやりとした空気を閉じ込めていた。

 香木の希少性が高まるにつれ通される応接室は屋敷の奥になり、部屋の調度品も分かりやすく高価なものになっていった。その上小さな茶会に招かれたりすることもあったが、そこでジョアンと会うことはなかった。

 今日は調達状況を報告した後ご丁寧に前庭でお茶でも飲んで行けと言われたので、ダンは木陰を選びながら屋根のある所までのんびりと散策を楽しんでいた。

 ふと、微かな音が耳をくすぐった。人間の耳では到底拾いきれないような音量だがダンにははっきりと聞こえた。否、聞こえたのは聴覚のおかげなのか、甘く響く低く掠れた声の持ち主のせいなのか。

 ところどころ歌詞を迷いながら危なっかしく歌は続く。たった一度聞いただけの歌をジョアンは覚えていたのだ。ダンの指にすがりつく代わりに覚えたのだった。

 紡ぎ出される調べに合わせていつしかダンも歌っていた。ジョアンの歌うキーの下で低く響かせる。人の可聴域ぎりぎりの音で。

 一瞬ジョアンの歌が途切れかけたが、ダンが続けると再び音を乗せてきた。
 
 音の波は重なって心が震え合う。人ではないダンと獣人ではないジョアン。ましてや番でもない二人の間を繋ぐのは、口を閉じれば途切れてしまう歌の調べしかなかった。

 
   ともにいこいて 夢にふけらん
   
   夢に耽らん 夢に



 最後のところでジョアンの声は微かに湿り気を帯びていた。

「ダン、いるのか?」

 顔が見えない分感情を隠す必要がないのだろうか。ジョアンの声は昼に鳥たちを呼び寄せる花のような匂いがあった。
 ここにはない、縋り付こうとしていた指先を思い出して、ダンは手を握りしめた。

「小さな声で話していい、聞こえるから。俺の歌で覚えたのか。」

「何しに来た?」

「囚われの身の哀れなΩを慰めに。」

「ふふ、見つかったけど見つけてないな。どこにいる?」

「お茶を飲めと言われてくそ暑い庭にいるよ。」

「ああ、ならそこを見下ろせる涼しい部屋に移動しよう。」

「暑い庭の哀れな獣人を笑うがいいさ。」

 お互いの姿が見えないことで気持ちは綻んで素直になる。以前店で話した時とは比べものにならないほど心は剥き出しになってゆく。雨季の始まりと共にできる川のように、語りたいことは幾らでも流れ出してきた。
   
 ふと、ジョアンが聞いた。

「南はるかなる国っていうけど、南に行ったら何があるんだ?」

 幼いころからすでに将来の美しさを期待されていたジョアンは、後見が決まる前から出来るだけ外を歩かないようにして守られていたため学校も卒業していなかった。世間など知らない方がいい、Ωとして手に入れられる幸せを見つけなさいと。

「この歌が作られた国から見たらここが南はるかなる国なのだろうな。さらに南に行くとどんどん涼しくなる。南の端、地終わる海岸では海に氷が浮かんでいる。」

「お前は獣人だけどαで、遠い土地にも行けるんだな。俺はこの町から出たことがないし、死ぬまで出ることもない。」

 それだけ言った後黙りこくったジョアンは何かをじっと考えているようだった。

 風が運ぶわずかな涼、陽光を透かすことのない肉厚の葉が足元に落とす影。昼の静かな語らいは、気が狂いそうなほど優しく穏やかで、悲しかった。

 羽虫の羽音すら聞こえそうな静寂の後、ダンの耳でもようやく聞き取れるほどの囁き声がした。

「泥に足を取られて、そこで咲くしかない花もあるんだ。」

 二人の会話は穏やかな冷たい声で遮られた。

「部屋にいないと思ったら、こんなところで何をしている?」

「……部屋だと息がつまるから庭が見たくて。」

 窓の外をのぞいたプリモスはダンの姿を認めると鼻で笑い、ジョアンの腕を掴んで部屋の奥に歩いて行った。

 プリモスだけがジョアンに触れることができる。そんな事実を今更ながら目の前につきつけられた。

 遠ざかる二人の話声は小さくなっていったが、鋭敏な聴覚を持つダンの耳はまだ音を拾っていた。

「間もなく発情期だな。孕むこともできないお前でもαを見ると落ち着かないのか? 私という番がいる癖に他のαを呼び寄せるとは思わんが、獣人などに匂いをふりまいても何にもならないぞ。どうせ他人に触れられれば泣きわめく羽目になるのだから、大人しく部屋で私を待っていなさい。」


 それから暫くして、プリモスが新しいΩの後見権を競り落としたという話がダンの元にも届いた。かの男は一度に一人のΩしか囲わないことで有名だった。それはつまり、プリモスがジョアンの後見を辞めることを意味していた。

 ジョアンはどうなる? ダンには何も分からない。急いでセトに連絡を取ると、あきれた声で説明してくれた。

「まだあのΩにご執心なの? やめときな、悲しくなるだけだよ。後見審議で次の主が決まったら二度目の番解消治療を受けるらしいから、心も身体もまともではいられないと思うよ。」
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