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二章
32 伝わらない想い③
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「ーーーーー無事か!?」
生徒の安否を確認するようにイルミナ教師とハーマン教師が慌てて駆けつけて来られました。
「えぇ。どなたも怪我はされておられません。ヴェンデル様は魔力の著しい低下で気を失われてしまったようですが」
「そうか、、、大体の事情は分かっているつもりだが、きっとあんたにはすぐに学園長からお呼びが掛かるだろう。身体に異常はないか?」
「大丈夫です」
私がそう答えると、イルミナ教師は胸を撫で下ろしたように安堵の表情を浮かべられました。
「ーーーーー授業はこれで終わりにする!各自教室に戻り待機するように!ハーマン、そこのバカ王子を医務室まで連れて行け」
「ヴェンデル王子ですよ、イルミナ。言葉には気をつけてください」
ハーマン教師がそのように言いながらヴェンデル様を魔法で浮かせて医務室に向かわれて行きました。
教師陣がその場から離れていくと、他の生徒たちは教師の言いつけ通りに教室へと戻って行かれます。
「ーーーーーカヤ!」
「クレナ様、ご無事でしたか」
「もう!それはこっちの台詞よ!ほんと無茶ばっかりして、心配したんだから!」
「その、、、申し訳ございません」
私が頭を下げると、クレナ様が優しくも力強く抱きついて来られました。
「謝らなきゃいけないのもこっちだからね。ごめん、無茶なことさせちゃって。カヤは私たちを護ろうとしてくれたんだもんね。ありがと」
「、、、クレナ様」
「ーーーーー二人ともいつまでそうしてるつもりなの!」
ネモ様が膨れたお顔でそのように仰り、クレナ様の服の裾を引っ張っていました。
「ほらもういいでしょ!さっさと離れなよ!皆んなもう教室に戻ってるんだからさ!」
「そ、そうだよね、、、戻ろっか」
そしてクレナ様と私が離れると、その間に押し入るような形でネモ様が私の腕を掴みました。
「そうそう。早く戻んなきゃね。クレナは特別クラスの方にさ」
「ネ、、、ネモちゃん、、、?」
「さぁ僕たちは一緒に教室に戻ろうね。僕たちのクラスに」
ネモ様は何故か不敵な笑みをクレナ様に向けておりました。
「、、、なになに!もしかして嫉妬!?ネモちゃんすっごく可愛いー!!!ねぇカヤ!この子やっぱり私に頂戴!!?」
「え?いえ、そもそもネモ様に対する権限を私は何一つ有しておりませんのでーーーーー」
「ダメに決まってるでしょ!?僕はカヤのモノなんだから!!?」
「ネモ様!!?」
「キャー!!!可愛い!!!」
ヴェンデル様は大丈夫でしょうか。
いえ、私の大切な方々に刃を向けられた方を心配するわけではありませんが、此度の事件は私なりに腑に落ちない点もありました。
そもそもヴェンデル様はきっとエーデルトラウト様がここにおられたのなら、あのような事は致さなかったでしょう。ですが今日は緊急のお仕事が入ったからと合同授業を行う直前に早退されていました。
それにヴェンデル様が初めに魔法をこちらへと向けられた際、教師の方々も校内放送にて急遽お呼びされており、一時的に魔法禁止の自習時間となっておりました。
その全てが偶然かもしれません。しかしそれもこれもヴェンデル様が私と一対一の勝負を行うのに打って付けの状況がこれ見よがしに用意されたように、今更ながらに思うのです。
そして極め付けはあの勝負の際に投げ込まれた一本の剣。
その剣自体はイルミナ教師が回収されていきましたが、いったいどなたが、どこから投げ込まれたのでしょう?
分からないことが多すぎますね。
これでは情報の整理もままなりません。
「ーーーーーどこの世も人間関係というものは複雑のようですね」
生徒の安否を確認するようにイルミナ教師とハーマン教師が慌てて駆けつけて来られました。
「えぇ。どなたも怪我はされておられません。ヴェンデル様は魔力の著しい低下で気を失われてしまったようですが」
「そうか、、、大体の事情は分かっているつもりだが、きっとあんたにはすぐに学園長からお呼びが掛かるだろう。身体に異常はないか?」
「大丈夫です」
私がそう答えると、イルミナ教師は胸を撫で下ろしたように安堵の表情を浮かべられました。
「ーーーーー授業はこれで終わりにする!各自教室に戻り待機するように!ハーマン、そこのバカ王子を医務室まで連れて行け」
「ヴェンデル王子ですよ、イルミナ。言葉には気をつけてください」
ハーマン教師がそのように言いながらヴェンデル様を魔法で浮かせて医務室に向かわれて行きました。
教師陣がその場から離れていくと、他の生徒たちは教師の言いつけ通りに教室へと戻って行かれます。
「ーーーーーカヤ!」
「クレナ様、ご無事でしたか」
「もう!それはこっちの台詞よ!ほんと無茶ばっかりして、心配したんだから!」
「その、、、申し訳ございません」
私が頭を下げると、クレナ様が優しくも力強く抱きついて来られました。
「謝らなきゃいけないのもこっちだからね。ごめん、無茶なことさせちゃって。カヤは私たちを護ろうとしてくれたんだもんね。ありがと」
「、、、クレナ様」
「ーーーーー二人ともいつまでそうしてるつもりなの!」
ネモ様が膨れたお顔でそのように仰り、クレナ様の服の裾を引っ張っていました。
「ほらもういいでしょ!さっさと離れなよ!皆んなもう教室に戻ってるんだからさ!」
「そ、そうだよね、、、戻ろっか」
そしてクレナ様と私が離れると、その間に押し入るような形でネモ様が私の腕を掴みました。
「そうそう。早く戻んなきゃね。クレナは特別クラスの方にさ」
「ネ、、、ネモちゃん、、、?」
「さぁ僕たちは一緒に教室に戻ろうね。僕たちのクラスに」
ネモ様は何故か不敵な笑みをクレナ様に向けておりました。
「、、、なになに!もしかして嫉妬!?ネモちゃんすっごく可愛いー!!!ねぇカヤ!この子やっぱり私に頂戴!!?」
「え?いえ、そもそもネモ様に対する権限を私は何一つ有しておりませんのでーーーーー」
「ダメに決まってるでしょ!?僕はカヤのモノなんだから!!?」
「ネモ様!!?」
「キャー!!!可愛い!!!」
ヴェンデル様は大丈夫でしょうか。
いえ、私の大切な方々に刃を向けられた方を心配するわけではありませんが、此度の事件は私なりに腑に落ちない点もありました。
そもそもヴェンデル様はきっとエーデルトラウト様がここにおられたのなら、あのような事は致さなかったでしょう。ですが今日は緊急のお仕事が入ったからと合同授業を行う直前に早退されていました。
それにヴェンデル様が初めに魔法をこちらへと向けられた際、教師の方々も校内放送にて急遽お呼びされており、一時的に魔法禁止の自習時間となっておりました。
その全てが偶然かもしれません。しかしそれもこれもヴェンデル様が私と一対一の勝負を行うのに打って付けの状況がこれ見よがしに用意されたように、今更ながらに思うのです。
そして極め付けはあの勝負の際に投げ込まれた一本の剣。
その剣自体はイルミナ教師が回収されていきましたが、いったいどなたが、どこから投げ込まれたのでしょう?
分からないことが多すぎますね。
これでは情報の整理もままなりません。
「ーーーーーどこの世も人間関係というものは複雑のようですね」
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