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一、運動能力抜群

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「今日は体力測定があるぞー」 
  春達のクラス一年A組の教壇に立ち、声高らかと言うのはA組担任の左馬進 翔太だ。
  入学してから高校生活二日目。身体測定だ。
「じゃあ、道狂師と、そうじゃない奴に分かれてくれー」
道狂師とそうじゃない人間ではそもそも身体能力が違う。又、聴覚、視覚など、五感も優れている。その為、普通の人間と別で身体測定する必要がある。比較が出来ないからだ。
説明が不足したが、なぜみんながみんな道狂師じゃないのか。それは、一回ウイルスに感染したら、薬がまだ無いため、薬が生成されるまでは一生ウイルスと向き合っていかなくてはならないからである。ウイルスは当人の免疫力によって制御されて均衡を保っているが、その免疫力が何かしらの原因で低下し、ウイルスが制御出来なくなったら、暴走する可能性がある。それを恐れて、道狂者にならない人もいる。
現に20代の若者がウイルスを抑制出来なくなり殺人事件を起こし、一生を棒に振ったと言う事例もある。寧ろ、類似した事件で世間を騒がすことは日常茶飯事になりつつある。警察の調べによると丁度その若者が風邪を発症して免疫力が低くなっている時に制御出来なくなったらしい。
就職には困らない。しかし、抑制できなくなった途端一生が終わる。一生と言うと大袈裟かもしれないが、事件を起こした人間と社会からレッテルを貼られることは間違いない。難しい判断だ。
体力測定は全員終わった。
奇跡的に今日は暴力事件はなかった。
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