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プロローグ
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「お前道狂師に興味はないのか?」
ふと声がかけられた。
「お前」と誰に対して言っているのか分からなかったが、数秒後判断にまで追いついた。
いまいち冴えない新高校一年生春真 春に声をかけてきたのは親友の真戸 大雅だった。
今、入学式が終わったばかりである。春と大雅が入学したのは門道高校。中高一貫の公立高校だ。しかし、中高一貫だと言うのに非常にエスカレーター式で中学校から入学してくる人は少ない。理由は簡単だ。治安が悪いのである。事件が起こらない日はないと言っても過言ではないくらいに、ほぼ毎日何かが起きる。それは時に暴力事件。時に窃盗事件など、様々だ。
そりゃ普通の親なら自分の子どもをそんなとこには入れたくないと思うのは普通のことだ。しかし、そんな高校にも一つ長所があった。それは、ツールウイルスというウイルスに自分の体を感染させ特殊能力を持つ「道狂師」、そして、それを仕事として、使う人たちがいる。そこへの就職率が異常に高いのである。ほぼ、一〇〇パーセントであり、この高校へ入学した者の大半がこの理由だった。
この高校には「普通科」もあるが、より専門的に道狂師について学ぶ「道狂科」がある。じゃあ、普通科に道狂師はいないのかと言うとそうではない。あくまで、専門的に学びたい人が入るのが「道狂科」であり、そこまで興味が無い人や、学ぶ必要が無いと思った者は「普通科」で通常の学習に取り組む。
ではなぜこの世界には道狂師という者が存在しているのか。簡潔に言うと、将来の為である。現世界は人工知能が急激に発達し、人類の仕事が、ほとんどAIに取られていると言っても過言ではない。それでは人類がまずいと政府が発表したのがツールウイルスだ。ツールウイルスとは一つの道具を自由に扱えるようになるという夢のようなウイルスだ。ウイルスに感染し、その感染者が最初に触ったものを体内のウイルスが記憶し、その直後から触れたものを簡単に扱えるようになる。
例えば一人の会社員がウイルスに感染し、コピー機を一番最初に触れたとする。そうすると、遠隔操作が可能になったり、宙に浮かせる、投げる、等可能になる。無論、投げるなど物騒なことはしないはずなのだが。
しかし、のちに政府はツールウイルスの開発、発表を悔やむことになる。
「どうでもいい」
少し間が空いて、尋ねてきた大雅に向かって小さく呟いた。
ふと声がかけられた。
「お前」と誰に対して言っているのか分からなかったが、数秒後判断にまで追いついた。
いまいち冴えない新高校一年生春真 春に声をかけてきたのは親友の真戸 大雅だった。
今、入学式が終わったばかりである。春と大雅が入学したのは門道高校。中高一貫の公立高校だ。しかし、中高一貫だと言うのに非常にエスカレーター式で中学校から入学してくる人は少ない。理由は簡単だ。治安が悪いのである。事件が起こらない日はないと言っても過言ではないくらいに、ほぼ毎日何かが起きる。それは時に暴力事件。時に窃盗事件など、様々だ。
そりゃ普通の親なら自分の子どもをそんなとこには入れたくないと思うのは普通のことだ。しかし、そんな高校にも一つ長所があった。それは、ツールウイルスというウイルスに自分の体を感染させ特殊能力を持つ「道狂師」、そして、それを仕事として、使う人たちがいる。そこへの就職率が異常に高いのである。ほぼ、一〇〇パーセントであり、この高校へ入学した者の大半がこの理由だった。
この高校には「普通科」もあるが、より専門的に道狂師について学ぶ「道狂科」がある。じゃあ、普通科に道狂師はいないのかと言うとそうではない。あくまで、専門的に学びたい人が入るのが「道狂科」であり、そこまで興味が無い人や、学ぶ必要が無いと思った者は「普通科」で通常の学習に取り組む。
ではなぜこの世界には道狂師という者が存在しているのか。簡潔に言うと、将来の為である。現世界は人工知能が急激に発達し、人類の仕事が、ほとんどAIに取られていると言っても過言ではない。それでは人類がまずいと政府が発表したのがツールウイルスだ。ツールウイルスとは一つの道具を自由に扱えるようになるという夢のようなウイルスだ。ウイルスに感染し、その感染者が最初に触ったものを体内のウイルスが記憶し、その直後から触れたものを簡単に扱えるようになる。
例えば一人の会社員がウイルスに感染し、コピー機を一番最初に触れたとする。そうすると、遠隔操作が可能になったり、宙に浮かせる、投げる、等可能になる。無論、投げるなど物騒なことはしないはずなのだが。
しかし、のちに政府はツールウイルスの開発、発表を悔やむことになる。
「どうでもいい」
少し間が空いて、尋ねてきた大雅に向かって小さく呟いた。
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