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変な浦島太郎

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昔、浦島太郎という青年がおりました
この青年、亀にレイプされるということで近所に評判で、よく少年たちに石つぶてを投げられておりました
そんな青年を、流石にかわいそうに思ったレイプ魔の亀は竜宮城で乙姫に進言しました
「地上で少年たちにいじめられている青年がおります
近隣住民からも見放され、見るのも辛い有様です
どうでしょうこの龍宮城に一時的に住まわせてみませんか?」
心優しき乙女は目に涙を浮かべながら言う
「そんな可愛そうな青年が地上におるのか
よし、ここへ連れてきてしばし休ませることを許可する」
亀は青年を龍宮城まで誘拐した
この青年、どういうわけか心はすっかり亀のもの
まるで抵抗しなかった
「よく来た
そなたのことは亀から聞いておる
しばしここで休むが良い」
青年は早口でありがとうございますと言った
「それにしても精悍な顔をしておる
わらわの大好物じゃ」
それを聞いて亀ははっとする
「乙姫様、どうでしょう食事にされては
この通り、青年はとても痩せこけておられます」
乙姫はうむ、と短く返事をし、食事の準備をさせる
その間も乙姫は男を誘う
服も脱ぎ始めた
亀は気が気ではない
今更乙姫なんかにこの青年をとられてたまるか
乙姫が痴女だということを忘れていた私も私だが…
亀は名案を思いついた
「そうだ、乙姫を誘拐すればいいんだ
地上にさえ連れていけば乙姫は何もできない
あとは思うがままだ」
亀はすぐに実行した
青年は置き去りだ
地上に乙姫を連れて行くと案の定何もできない
しかし何もできない乙姫は乙姫なりに周りの男を使うことを考えた 
流石に痴女なだけはある
男は手足のように動いた
そしてあろうことか、男たちは亀である私に石つぶてを投げ始めた
「乙姫様、やめさせてください」
私は懇願する
乙姫様は無邪気に笑う
「嫌じゃ
今まで姫ということでできたなかったが、実は弱いものいじめが大好きなのじゃ」
なんてことだ
私はなんて人を地上に連れてきてしまったのだ
その時、待てと声がした
声をしたほうを振り向くと浦島太郎が立っていた
「浦島太郎様、助けに来てくれたのですね」
亀と浦島太郎は互いに歩み寄った
しかし、浦島太郎は亀に目をくれることもなく、乙姫へ向かっていった
浦島太郎は目をキラキラさせて言う
「あなたのような人を探していた
あなたにいじめられるために生まれてきた」
亀は舌打ちする
「くそっ、あの青年は生粋のマゾヒスト
彼をいじめることでSMクラブへ通う金も浮いていたのに
独占しようとした下心が仇になったか…」
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