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012 三食・寝床・お給料付き
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「ひ、引き取るって?」
可愛そうな子、奴隷の子、酷い目に合わされて頭がおかしくなってしまった子、様々なレッテルを貼られた私は、ジルさんの引き取る発言に目を丸くした。
「引き取るって言っても、何もしないというのもよくないでしょう? いっそのこと働くっていうのはどうかしら? 三度の食事と寝床付きで。そうだわ! 少しだけれどもお給料も出すわ。いい話でしょ?」
ジルさんにギュッと手を握られる。
「そ、そうですね」
この世界はこの場所は一体どういう所なのか? からはじめなくてはいけない状態だ。
そんな状態でここを放り出されたら、どうしたらいいのか分からない。
先ほどから奴隷だの暴力だの怖い言葉が飛び交っている世界だ。
まずは食事や寝床を確保してから、どうするのかを考えるべきだろう。
私はゴクンと唾を飲み込んで、握られたジルさんの手を上から更に握り返す。
「私は踊りも出来ませんけど、お役に立てますか?!」
ジルさんのお店は宿屋兼酒場だって言っていた。それにマリンさんは踊り子で歌い手。そんな芸当、私にはとても出来そうにない。真剣な顔で尋ねてみる。
「踊るつもりか」
「それは驚きだな」
隣で呆れた様なノアとザックのひそひそ声が聞こえる。
「大丈夫! 踊り子と歌い手は間に合っているから」
ジルさんはウインクした。
よかった! この二つはどんなに頑張っても出来そうにないし。
「踊り子と歌い手は間に合っているって、拒否ですよね」
「ジルさんったら……いつも結構失礼なんですよ」
シンとマリンもひそひそ話しはじめる。
「実はね、ウエイター……じゃない、ウエイトレスと洗い場、掃除係が人手不足でね困っていたのよ」
ジルさんはにっこり笑って私の頭を撫でてくれた。
「今ウエイターって言ったぞ」
「言ったな。やっぱりジルも男だって思っていたんじゃねーのか」
ノアとザックの声が今度はひそひそではなくはっきりと聞こえる。
「それはいいが、力仕事も多いぞ?」
突然やって来たのは左目に傷のある男、シェフのダンだ。
ズンという音共に、突然登場したのでみんなが驚いて振り向いた。気配がしなかった様な……
「そ、それは……」
そう言われると心配になるが、私は両手で握りこぶしを作りダンさんを見上げる。
「体力ぐらいしか能力がないので、頑張ります」
とにかく裸一貫で放り出されるのは何とか避けたい。
ダンさんは両腕を組んで更に続ける。
「俺の指導は厳しいぞ」
「厳しくても結構です! お願いします」
必死になってダンさんを見上げる。何事も一からはじめなければいけない。
ダンさんはそんな私を真剣な眼差しで見下ろしていた。
「……よし、いい目だ。食べ終わったら早速仕事を教える。後で厨房に来い」
ニヤッと笑うとダンさんは去っていった。
「はい!」
去っていくダンさんに頭を下げて、椅子に座り直す。
よかった! 怖そうだけれど真剣に対応してくれそうだ。
「なぁ、ダンさんの事怖くないのか?」
「え?」
小さな声で黒バンダナのシンに話しかけられる。
「確かに顔は怖いけど……」
今の対応だって本当に真面目にするかどうかを見極めるだけで、にらまれたわけではなかったし。
「そうなのよね~ダンは昔から誤解されやすいのよね。昔、一緒に船に乗っていた時に付けられた左目の傷が更に誤解されやすくなってしまってね」
ジルさんが寂しそうに呟いた。
「へぇ~そうなんですか。船乗りだったんですね」
漁船か何かに乗っていたのかな。左目に傷が付くなんて、ハードな漁場だったのかな。じゃぁ、ジルさんも船員だったとか?
「船乗りって、フッ」
「プッ。まぁ、船乗りだろうけど」
ノアとザックが吹き出した後、ぼそぼそ呟いている。何なのだ一体。
「確かに怖いと思いましたけど、こんなにおいしい食事を作ってくれる人で、仕事も厳しいけどしっかり教えてくれそうだし、凄く優しいと思います」
その瞬間、みんなが息を呑んだ。
「凄い、あのダンを初見から優しいとか、俺は今でも慣れないのに!」
シンが驚きの声をあげる。
「今までにそんな子この店でいたかしら?」
マリンさんまでもが考え込んでいた。
「いなかったわねぇ。ダン初の快挙だわ」
ジルさんがワインを再び手にする。
「そ、そんなにですか?」
確かにあの強面では……少しダンさんに同情したのだった。
「さて、ナツミの事も決まったし! お昼の休憩も後少しだから食べてしまいましょう。はい、カンパーイ」
ジルさんがワイングラスを掲げると、みんなも「カンパーイ」とワイングラスを天に掲げた。
程なくして、昼食会がお開きになった。さすが男性三人。すっかりテーブルの料理は綺麗さっぱりなくなっていた。
みんなが口々にお礼を言いながら出口に向かう。
ノアとザックは長身で、立っても座っても絵になる二人だ。
身長は百八十センチ以上あるだろう。しつこい様だが、二人共脚が長い。
二人は軍に属していて、ノアは陸上部隊。ザックは海上部隊なのだそうだ。剣術はもちろん広く武術に長けており、とても優秀なのだとか。ザックの腹心の部下、シンが饒舌に語ってくれた。
更にこの風貌で独身。世間の女の子達が放っておく筈もなく、驚くほど二人はモテるのだとか。こういった酒場の女の子達はもちろん、町の女の子からも黄色い声があがるらしい。
しかしノアは、私が思うにマリンと恋人同士のように見えるけれども。
マリンさんを助けた時も血相を変えて飛んで来たし、蘇生後二人は抱き合っていたし。恐らく間違いないだろう。余計な詮索はしない方がいいのかな。
ザックはどうやら特定の女の子はいないらしいが、相当遊び歩いている様な口ぶりだった。確かに垂れ目のつり眉気味の顔はプレイボーイのド定番とも感じる。
ノアは振り向いて私の前で一つ咳払いをした。一時間ほど前の敵視した対応ではなかった。
「お前は……いや、ナツミだったか。ジルの店で世話になるって事だな。よかったじゃないか。その他困った事があったら言ってこい。奴隷の時の話などももしかしたら聞く事があるかも知れんが、俺達も出来る事があれば力になろう」
ノアが口の端をあげて微笑んでくれた。優しそうな顔に少しドキッとする。いつか奴隷ではない事をきちんと伝えられるといいのに。
「そうだな。ま、頑張れよ! 俺もよくこの店に来るからそん時は顔見せろよ!」
ザックもポンポンと頭を叩いてくれた。何だかんだで優しい人々だ。
「はい。ありがとうございます。よろしくお願いします」
丁寧にお辞儀をして、ニコニコ笑う。
よかったぁ~どうなるかと思ったけれど、深く落ち込まずやっていけそうだ。解決していない事が盛りだくさんだけれど。
「へぇ、笑うと結構いけてるじゃないか、じゃぁな!」
ザックはニヤリと笑うと私の頭をもう一度ポコッと軽く叩いた。これではモグラ叩きの様だ。
百六十センチ少しの身長の私の頭が、彼の手を置くには丁度よい高さの様だ。
「じゃぁ、また来る」
ノアも軽く手をあげてドアを開けて出ていく。
「そこまで送るわ」
マリンも白いワンピースの裾を翻してノア達の後を付いて出ていった。
そして私は手を振ってみんなを送り出した。
さぁ、頑張らないと! シャツの袖をまくった。
可愛そうな子、奴隷の子、酷い目に合わされて頭がおかしくなってしまった子、様々なレッテルを貼られた私は、ジルさんの引き取る発言に目を丸くした。
「引き取るって言っても、何もしないというのもよくないでしょう? いっそのこと働くっていうのはどうかしら? 三度の食事と寝床付きで。そうだわ! 少しだけれどもお給料も出すわ。いい話でしょ?」
ジルさんにギュッと手を握られる。
「そ、そうですね」
この世界はこの場所は一体どういう所なのか? からはじめなくてはいけない状態だ。
そんな状態でここを放り出されたら、どうしたらいいのか分からない。
先ほどから奴隷だの暴力だの怖い言葉が飛び交っている世界だ。
まずは食事や寝床を確保してから、どうするのかを考えるべきだろう。
私はゴクンと唾を飲み込んで、握られたジルさんの手を上から更に握り返す。
「私は踊りも出来ませんけど、お役に立てますか?!」
ジルさんのお店は宿屋兼酒場だって言っていた。それにマリンさんは踊り子で歌い手。そんな芸当、私にはとても出来そうにない。真剣な顔で尋ねてみる。
「踊るつもりか」
「それは驚きだな」
隣で呆れた様なノアとザックのひそひそ声が聞こえる。
「大丈夫! 踊り子と歌い手は間に合っているから」
ジルさんはウインクした。
よかった! この二つはどんなに頑張っても出来そうにないし。
「踊り子と歌い手は間に合っているって、拒否ですよね」
「ジルさんったら……いつも結構失礼なんですよ」
シンとマリンもひそひそ話しはじめる。
「実はね、ウエイター……じゃない、ウエイトレスと洗い場、掃除係が人手不足でね困っていたのよ」
ジルさんはにっこり笑って私の頭を撫でてくれた。
「今ウエイターって言ったぞ」
「言ったな。やっぱりジルも男だって思っていたんじゃねーのか」
ノアとザックの声が今度はひそひそではなくはっきりと聞こえる。
「それはいいが、力仕事も多いぞ?」
突然やって来たのは左目に傷のある男、シェフのダンだ。
ズンという音共に、突然登場したのでみんなが驚いて振り向いた。気配がしなかった様な……
「そ、それは……」
そう言われると心配になるが、私は両手で握りこぶしを作りダンさんを見上げる。
「体力ぐらいしか能力がないので、頑張ります」
とにかく裸一貫で放り出されるのは何とか避けたい。
ダンさんは両腕を組んで更に続ける。
「俺の指導は厳しいぞ」
「厳しくても結構です! お願いします」
必死になってダンさんを見上げる。何事も一からはじめなければいけない。
ダンさんはそんな私を真剣な眼差しで見下ろしていた。
「……よし、いい目だ。食べ終わったら早速仕事を教える。後で厨房に来い」
ニヤッと笑うとダンさんは去っていった。
「はい!」
去っていくダンさんに頭を下げて、椅子に座り直す。
よかった! 怖そうだけれど真剣に対応してくれそうだ。
「なぁ、ダンさんの事怖くないのか?」
「え?」
小さな声で黒バンダナのシンに話しかけられる。
「確かに顔は怖いけど……」
今の対応だって本当に真面目にするかどうかを見極めるだけで、にらまれたわけではなかったし。
「そうなのよね~ダンは昔から誤解されやすいのよね。昔、一緒に船に乗っていた時に付けられた左目の傷が更に誤解されやすくなってしまってね」
ジルさんが寂しそうに呟いた。
「へぇ~そうなんですか。船乗りだったんですね」
漁船か何かに乗っていたのかな。左目に傷が付くなんて、ハードな漁場だったのかな。じゃぁ、ジルさんも船員だったとか?
「船乗りって、フッ」
「プッ。まぁ、船乗りだろうけど」
ノアとザックが吹き出した後、ぼそぼそ呟いている。何なのだ一体。
「確かに怖いと思いましたけど、こんなにおいしい食事を作ってくれる人で、仕事も厳しいけどしっかり教えてくれそうだし、凄く優しいと思います」
その瞬間、みんなが息を呑んだ。
「凄い、あのダンを初見から優しいとか、俺は今でも慣れないのに!」
シンが驚きの声をあげる。
「今までにそんな子この店でいたかしら?」
マリンさんまでもが考え込んでいた。
「いなかったわねぇ。ダン初の快挙だわ」
ジルさんがワインを再び手にする。
「そ、そんなにですか?」
確かにあの強面では……少しダンさんに同情したのだった。
「さて、ナツミの事も決まったし! お昼の休憩も後少しだから食べてしまいましょう。はい、カンパーイ」
ジルさんがワイングラスを掲げると、みんなも「カンパーイ」とワイングラスを天に掲げた。
程なくして、昼食会がお開きになった。さすが男性三人。すっかりテーブルの料理は綺麗さっぱりなくなっていた。
みんなが口々にお礼を言いながら出口に向かう。
ノアとザックは長身で、立っても座っても絵になる二人だ。
身長は百八十センチ以上あるだろう。しつこい様だが、二人共脚が長い。
二人は軍に属していて、ノアは陸上部隊。ザックは海上部隊なのだそうだ。剣術はもちろん広く武術に長けており、とても優秀なのだとか。ザックの腹心の部下、シンが饒舌に語ってくれた。
更にこの風貌で独身。世間の女の子達が放っておく筈もなく、驚くほど二人はモテるのだとか。こういった酒場の女の子達はもちろん、町の女の子からも黄色い声があがるらしい。
しかしノアは、私が思うにマリンと恋人同士のように見えるけれども。
マリンさんを助けた時も血相を変えて飛んで来たし、蘇生後二人は抱き合っていたし。恐らく間違いないだろう。余計な詮索はしない方がいいのかな。
ザックはどうやら特定の女の子はいないらしいが、相当遊び歩いている様な口ぶりだった。確かに垂れ目のつり眉気味の顔はプレイボーイのド定番とも感じる。
ノアは振り向いて私の前で一つ咳払いをした。一時間ほど前の敵視した対応ではなかった。
「お前は……いや、ナツミだったか。ジルの店で世話になるって事だな。よかったじゃないか。その他困った事があったら言ってこい。奴隷の時の話などももしかしたら聞く事があるかも知れんが、俺達も出来る事があれば力になろう」
ノアが口の端をあげて微笑んでくれた。優しそうな顔に少しドキッとする。いつか奴隷ではない事をきちんと伝えられるといいのに。
「そうだな。ま、頑張れよ! 俺もよくこの店に来るからそん時は顔見せろよ!」
ザックもポンポンと頭を叩いてくれた。何だかんだで優しい人々だ。
「はい。ありがとうございます。よろしくお願いします」
丁寧にお辞儀をして、ニコニコ笑う。
よかったぁ~どうなるかと思ったけれど、深く落ち込まずやっていけそうだ。解決していない事が盛りだくさんだけれど。
「へぇ、笑うと結構いけてるじゃないか、じゃぁな!」
ザックはニヤリと笑うと私の頭をもう一度ポコッと軽く叩いた。これではモグラ叩きの様だ。
百六十センチ少しの身長の私の頭が、彼の手を置くには丁度よい高さの様だ。
「じゃぁ、また来る」
ノアも軽く手をあげてドアを開けて出ていく。
「そこまで送るわ」
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