【R18】ライフセーバー異世界へ

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083 開き直った変態

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 ザックの熱い杭は一気にねじ込まれると痛さを伴う。十分に受け入れる為にしっかりと潤っていてもだ。

「いっ!」

 私はねじ込まれた衝撃に力一杯と瞳を閉じる。
 声をこらえるのは無理な話だ。「痛い」と発した言葉は叫ぶ程ではないが倉庫の裏に響いた。

「おーい? ザック、ナツミ。全く何処に行ったんだあの二人は」
 ノアの声の大きさから中庭の向こうにいるのが分かる。今の私の声が聞こえたとは思えないが、ザックが達するまでには見つかる距離だろう。


 こんな場所で、こんな事をしているのがノアにバレてしまうのは時間の問題だ。
 まだ仕事が終わっていないのに何しているんだ? とか呆れられるだろう。
 いや、呆れられるどころか怒られるかも……


「シーッ」
 ザックが私の片足を自分の腰に担ぐともう片方の手で私の体を支える。
 バランスが悪くて直ぐにその場に倒れそうなのに、ザックに軽々と引きあげられてしまう。声を上げない様に促されるが、そんな事は無理だと涙目でザックに訴える。

 昔、ザックとノアがこういった色事を好んでいたとしても。
 お互いの裸に慣れていたとしても。
 私はノアに見られるなんてとんでもなし、あられもない姿を晒すなんて。

 しかも私の姿ときたらスカートならともかく、ハーフパンツなのでずり下げられて下半身は丸出し。

 違う! そうではないでしょ私。スカートだって恥ずかしいのは変わりないのだけれど。

 こんな姿を見られたりしたら、恥ずかしくて今後ノアの顔なんてまともに見られない。ノアだってこんな私の貧素な半裸を見せられてどう思うやら。

 そうではなくても、この間別荘で激しくキスしていたところを見られて呆れられたのに!

 ザックの顔はきっと悪戯に満ちていると思っていたが、意外にも私と同じで顔は苦しそうに歪んでいる。
 静かにする様に促す割りには、ザックの方が歯を食いしばって呻き声を耐えているといった様子だ。

 挿入前は「自分は早い」と開き直った態度だったけれど、余裕がないのは本当なのだろう。ザックのこめかみから顎にかけて汗が一筋流れたのが見えた。

 狡いよザック。そんな色っぽい顔を見てしまったら、文句を言えなくなるよ。

 奥までザックと繋がった私の体は、誰かに見つかるかもしれない状況でも反応する。無意識にザックの沈み込んだ熱い分身を締めつけてしまう。
 
「っ……」
 ザックがうっすらと瞳を開いて私の頬にキスを落とす。熱い息が頬にかかる。それだけでも体がピクリと反応する。
「痛い?」
 余りにも苦しそうに眉を寄せて瞳を細めるザックの姿に私は小声で問いかける。快楽を逃そうとする表情は痛さに耐える様でもある。ザックは口角だけを少し上げて、小さく首を振る。
「痛いどころか、俺は気持ちよすぎて、直ぐにいかれそう」
 ザックも私を抱きしめながら耳元で小さく呟く。声が上ずっていてその度に沈み込んだ熱い杭がピクリと動く。
「本当にヤバイ。抱く度によくなるってナツミって何なの?」
 ザックが困った様に笑って私の唇の輪郭を舌でなぞる。
 
 それは私も分かる。
 よくなっていくと言うか、自分の気持ちがザックに向いている事が分かって、そしてザックの気持ちが私に向かっている事が分かって。
 それが愛しいと感じた途端、体の繋がりや快楽が桁違いで感じる様になった。だからその、潮吹きする様になったのかなとか。

 いやいやいや、そうではなくて。恥ずかしい思考に私は慌てる。

 だからこんな風にノアや他の誰かに見つかるかもしれない場所で抱かれているのに抵抗なく受け入れているのだろうか?

 ザックが腰をゆっくりと横八の字に動かすと、繋がったところから泡立った様な水音が聞こえる。背筋に寒さと似ている甘く突き抜ける様な堪らない感覚が下半身から這い上がってきた。

 顎を上げてその快感を少しだけ逃そうとする。が、ザックの唇に捕まりそうになる。私はお腹の奥が切なくて、目尻から涙が溢れた。
「ザック好きだよ」
 ザックが私の唇を奪おうとしたその瞬間呟くと、ゆっくりと吸いつく様に口を塞がれる。声が漏れない様に唇の隙間が空かない様に、角度を少しずつ変えながら舌を絡める。
 
 それから、ザックのちゆうそうがはじまって私は揺さぶられる。繋がった部分が熱くてとろけそうだ。

 こんな場所で見つかったら。
 こんな下半身丸出しなのに。
 分かっているのに。
 止められないなんて。

 私はギュッと目をつぶってザックの首に両腕を回して振り落とされない様にしがみつく。
 グンとザックが私の一番奥に杭を擦り付ける。とても大きくて熱い。

 ザックも私の背中に回した片手に力を込める。持ち上げた片方の足は更に抱き込む様にきつく握りしめる。太股にザックの指が食い込むのが分かる。

「っ!!!」
 ザックも同じなのか二人でお互いの息を吸いあげる。私の中でザックの質量が増した様に感じる。これ以上大きくなるって何で?!
 私は目を見開いてザックの頬越しに夜空を見上げた。植えられている木の枝にはびっしりと青い葉が見えるがその隙間から月の光が見える。

 ザックの腰の動きが細かくなって奥だけを意地悪に擦りあげる様に突く。

 は一番駄目な場所だ。

 片足だけつま先立ちになり、内太股がブルブルと震える。

 もう駄目! 私は達する直前だった。

 短い芝を踏みしめる音が聞こえた。ノアの足音だった。
「倉庫の鍵……開いてる。中か?」
 少し前までザックといた倉庫の前にいる様だ。

 直ぐそこまで来ている声だった。

 ノア、お願いだから。こちらには来ないで!

「ザック?」
 そうノアが呟いた様に思う。どの辺りにいたのかは分からない。


 私は──


「イッ……」
 ザックに口を吸われながら呻いて涙が溢れた。痛いとか辛いとかそういう涙ではない。気持ちよくても幸せでも涙は流れるのだ。

 私の体を突き抜ける快感。心臓の音と、血液の流れる様な音しか聞こえない。ノイズの様なその音にガクンと力が抜ける。息が一瞬詰まった様な苦しさから解き放たれる。
 それと同時にザックの熱い飛沫を体の奥で受け止める。ザックが何度か腰を動かす。それから一番奥を突いて少しの間そのままでいた。
 数秒なのか数十秒なのか分からないけれど、しばらくしてからズルリと私の中から抜け出ていく。ザックの唇が私の下唇を柔らかく噛んで離れていった。
「はぁっ……」
 私は大きく肩で息を吸ってザックの首に両腕を回してしがみついたまま大きく溜め息をついた。
「泣くなよ」
 ザックが私の片足を腰から離すと親指の腹で何度も両目尻を交互に擦る。日焼けした頬が上気して困った様に垂れ下がる瞳が見えた。
「だって声。ゴホッ、声も出せないし……」
 声を発したら予想以上に掠れていて、一つ咳をして言い直す。ザックが私の背中をさすってくれる。
「ごめん。苦しかったか? ちょっと暴走した」
 ザックが私を抱き寄せる。間抜けな事に私もザックもズボンが足首までずり下がっていて、下半身丸出しという姿だった。
 それでザックが抱き寄せたものだから、ザックのまだ少し堅さを保っているアレが私の下腹部に当たる。私の体液とザックの体液が混ざってしっとりしているものが皮膚に張り付いた。
「ちょっと? もう、ベタベタだし」
「ハハ本当だ。お、凄ぇ。俺のとナツミの汁が芝生の上」
「も、もう言わなくていい!」
 私は慌ててザックの口を両手で塞ぐ。

 そこで気がついた。

「ノ、ノアは?」
 倉庫の裏手に曲がる角を見つめたが誰の姿も見えない。それにノアの姿も。
「あ、あれ? さっきその側の角までノアが来ていた様に思うんだけど?」
 私は訳が分からないといった様子でザックを見上げる。ザックは私と同じ様に倉庫の角を見つめながらスッと瞳を細めた。
「ザック?」
 私は無言のザックに問いかける。すると頬の辺りをピクリと動かして低い小さな声で呟いた。
「ノアは姿ぜ。そうだな、俺達が見つからなくて諦めて戻ったんだろう……」
 ザックは倉庫の角をジッと見つめたままそう呟いた。
「本当に!? よかったぁ~」
 私は大きく息を吸い込んで、盛大な溜め息と共に呟いた。

 よかったこんな姿を見られなくて。急に安心すると私は足の力がかくんと抜けてしまう。

「あっ」
「こらこら、芝の上だけど座り込むなよ」
 ザックが笑いながら腰を抜かす様に崩れ落ちる私を支えてくれた。
「そろそろズボンをはけよ。あ、でも下着の上に俺のも垂れ」
「だから言わなくていいから!」
 私は足にしっかり力を入れ、芝の上に落ちていたズボンに手を伸ばした。勢いよく腰の上まで引きあげる。

 が──盛大に後悔した。

 私の体の中からはザックの残汁が溢れてきたし。そもそも、その前の前戯で下着はぐちゃぐちゃだし。つ、冷たい様な生温かい様な。
 うわぁ……これで部屋まで戻るのか。

 ハーフパンツと下着を同時に装着した私が、固まったまま酷くおかしな顔をしたのがザックの目に留まった様だ。
 ザックは肩を揺らして笑いはじめる。
「ハハッ。面白い顔だな」
 そういうザックも自分のズボンを引きあげてファスナーを上げるとボタンを留める。ザックの先程まで繋がっていた分身もまだ濡れていた様に思うのに。何もなかった様に、むしろスッキリした面持ちで服装を整えていた。
「ザックは気持ち悪くないの?」
 私は思わずザックの下半身をジッと見つめながら尋ねた。
 
「俺? ほら、俺はこういうの慣れてるから。あ」
 ザックは笑いながら説明するが、最後慌てて自分の口を自分の両手で塞いでいた。

 風が吹き抜けて、ザックと私の情交の香りを流していく。
 
「ふーん。慣れてるねぇ」
 私は思わず目を細めて、ザックに向かって呟く。思った以上に自分の声が低くて驚いた。
「いや、その。えーと。慣れていた様な、慣れていない様な……」
 ザックが目を泳がしてポンと手を叩いた。
「まぁ、とにかく。後の仕事は俺がやっておくから。ナツミは部屋で先に休んでおけよ、な? ほら、部屋まで送るから」
 下手に誤魔化しながらザックは私の手を握った。
「もう。ザックの馬鹿」
 私は小さく呟いてザックの手を握り返した。
 ザックは私が手を握り返した事に安心したのか肩の力を抜いた。
「悪かったよ。でも……俺、今までになく興奮した。その証拠に凄い最短記録を更新した様な気がする」
「最短記録更新って。ザック大丈夫。開き直った変態みたいだよ?」
「開き直った変態?」
「誰かに見せるなんて、変態だよ。そういうのは」
 実際ノアに見られるかと思うと気が気ではなかった。

 そういった性癖の人がいるのかもしれないけれども、私はそういうのは違うみたいだ。うん。私は自分にそう言い聞かせながら部屋に戻ろうと歩みはじめる。

「やっぱり見せるものじゃないと思うよ? こういうのは」
「見せるもんじゃないか──でもさ、外でヤルのは開放的でいいだろ?」
「もう~ザックもネロさんと同じ変態だね」
「ネロ程じゃないさ。男なら結構そういうのあると思うぜ」
「えぇ~そうなの?」
「ナツミもそのうち分かるさ」
「分かりたくない……」
 私とザックはなんとも言ない会話をしながら二人すごす部屋に戻りはじめる。


 その会話の直前まで倉庫の裏手に回り込む角でノアが立っていた事を、私は知らなかった。
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