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064 8月7日 初めての経験 4/4
いつから好きか? だなんて、何てつまらない質問だろう。
七緖くんがそのままの私で良いと言ってくれた事、自分の弱さを見せてくれた事。短い間だけどあっという間に私の心に入り込んだの。
部屋の中が濃密な空気で満たされる。
「んっ、はぁ」
「もっと、口開けて?」
「うん……んっ」
激しいキスを受けながら七緖くんの手の動きを感じる。ゆっくりとスパッツとショーツをずらして、足の付け根に触れてくる。長くて熱い指が触れるのは私もそんなに触れた事のない場所。
「ぁ……」
小さく声を私が上げるとゆっくりと七緖くんの指がぬかるみに浸かっていく。粘り気のある水の音がする。そこは恐ろしく濡れていて、周辺の肉を優しく撫でながら深く潜る事の出来る部分を探っている。長い指はゆっくり場所を探す為に上から下まで行ったり来たりする。上の方まで行くと膨らんだ部分を見つけて円を描く様にゆっくりと触れてくる。
その部分は恐ろしく感じやすくて触れられれば触れられるほど、お腹の奥が切なくなる。そして自分の足の付け根を閉じようとすると違和感を抱くほど膨らんでいるのが分かった。でも当然七緖くんの体が入り込んでいるから私は足を閉じる事が出来ない。
(駄目。その膨らんでいるところを触れるとたまらなくなるのに)
「んっふっ、んっ~っ」
触れられる度に変な声が漏れてしまって必死にこらえる。でも七緖くんは全然止めてくれない。私はこのたまらない快感から必死に逃れようと体をひねって、ベッドのヘッドボードに向かって手を伸ばす。
上半身はうつ伏せで下半身は上向きというねじった状態だったが、七緖くんが下半身もコロンと転がし完全にうつ伏せにする。しかも私を膝立ちにさせてうつ伏せにさせたものだから、お尻と秘所を七緖くんに丸出しにしてしまう。腰を高く上げた状態の私に七緖くんは後ろから近づく。そして両手でお尻を左右に広げて、秘所を後ろからもっと見える様に広げた。
「こっ、こんなかっこう嫌っ」
拒否をしたが秘所の部分に七緖くんの吐息を感じる。凄く近くにいる。そして低い声で呟かれた。
「逃げたらアカンよ」
言われた瞬間ジュルリと口で溢れた体液を吸い上げられ私は悲鳴を上げた。
「ひっ、あっあああ!」
「んんっ。はぁ。凄い溢れてくる」
七緖くんは息を飲みながらベロリと秘所を舐める。同時に大きくコリコリした前の部分をその長い指で撫で始めた。たっぷりと濡れたその指と舌で私は泣く様な声を上げる。
「あっ、うっ。んんんっ。駄目、そんなの汚い」
(信じられない。直接口で舐められるなんて。お風呂もシャワーも浴びてないのに!)
「汚い事ないよ。凄く、綺麗……良い匂いするし」
涙声の私を優しく慰める七緖くん。
言葉も声も優しいのに、激しく吸い上げる事も指で触れる事も止めてくれない。私は「駄目」とひたすら言いながら、体がビクビクと震えてたまらなくなる。
(何なの信じられない。こんなかっこうで)
恥ずかしさでどうにかなりそうなのに、体が開いていくのが分かる。
気持ちが良い、もう少し先に何かありそう。そう感じるから腰を後ろに更に突き出してしまう。
「あっ、ヤダっ、駄目っ!」
それは突然やって来た。
指で触れた大きく膨らんだ部分がたまらず、はじける感じになる。目の前がチカチカして火花が散ったら次に甘いしびれが支配した。
「あっ……はっ……ああっ」
体の力が抜けて大きく息をしながらベッドに沈む。涙で目の前がかすむけど悲しくて泣いているのではない。
「良かった……いけたみたいやね?」
私の背中に覆い被さる様にして、耳元でぽつりと呟いた七緖くんはすぐに離れてベッドの端に座りごそごそと何かし出した。
(いけたって……何かもう疲れた。さっきからずっと変なところに力が入りっぱなしだし。なのに凄く気持ちよくって。エッチってこんなに疲れるの?)
何もかも初めてでわけが分からない。このまま眠ってしまいたいけど、七緖くんがなかなか側に戻って来ないのも気になる。
ベッドにうつ伏せになったまま視線を七緖くんに向ける。七緖くんはシャツを着たまま背中を丸めて何かごそごそしている。
「七緖くん?」
私が名を呼んだ時、七緖くんが丸めていた体を伸ばしてズボンを脱ぎながら戻ってきた。
「すぐにつけれんで、かんにんな」
そしてコロンと私をベッドの上に転がし、仰向けにする。
「えっ。きゃぁ」
私は最初何の事か分からなかったが、仰向けになってすぐに理解出来た。
私の開いた股の間に七緖くんは体を滑り込ませる。そしてその見つめる先には──太くて長い七緖くんの性器が見えた。
薄いピンク色のコンドームに覆われたそれは、七緖くんが言う標準的なサイズからずいぶん外れていると思う。大きなバナナだなんて、何と失礼な事を言ったのだろう。
バナナどころではない。大きく開いた傘に太い幹。おへその方まで反り返ったそれに驚くばかりだ。
「ほんなに見つめられたら恥ずかしいやん」
私が無言でそれを凝視するので、七緖くんは笑って私の頬をすくい上げたキスをした。
「そ」
ベッドに再び沈みながら私は七緖くんの顔を見つめて一言だけ声を上げた。
「そ?」
「そんなの入らない!」
「大丈夫やって……多分」
「多分って。だってそんなの入れた事ないし!」
「何か入れた事あったらほれはほれでびっくりやん」
「だってそんなの、さけちゃう」
「さけるなんてないって、うん……多分。ほんな泣きそうな顔されると興奮してまうやん」
やたら軽快に言い返されてしまって、私はパニックになる。だから尋ねてしまう。
「何でそんなに余裕あるの? って言うかどうしてコンドームがあるの?」
なければ困るけど、何故あるの?
すると七緖くんは私の髪の毛をかき上げながら口を尖らせた。
「余裕なんてないない。でもさっきパンツ濡らしてるのんとか、恥ずかしいのん見られたし。もうええかなぁって。開き直りやな。ほれにコンドームは、博のんをくすねたん」
「ひっ、博さんの?!」
くすねちゃったら七緖くんが使ったってバレちゃうんじゃないの? そんな事を考えると、七緖くんが急に低い声で呟いた。
「もうおしゃべりやね。ここまでや。僕、もう待てん」
「えっ? あっー!」
突然七緖くんがぐぐっと大きく太くなったそれを私の足の付け根に押しつけてきた。
私は思わず背中を反らせて胸を突き出す。七緖くんが片手で自分の太い幹の部分を押さえながら、潜り込む部分を探している。たっぷりとぬかるんでいるその部分を探り当てるのは簡単だった様で、大きく広がった傘の部分が潜り込んできた。
「痛っ!」
激痛が走る。本当にさっき言った通りさける様な痛さだ。
入るサイズじゃないはずなのに、そんな入らない部分にツルリとして、ヌメッとした先端が無理矢理入り込もうとしてくる。
(何なのこの痛さ! 本当に痛いよ。それにそもそもそれの形っておかしくない? 何で先端だけあんなにぼってりしているの?)
あまりの痛さにわけが分からない思考になる。
七緖くんとつながりたくて仕方なかったのに。つながりたいと素直になると今度は別の事が気になって仕方ない。
私は足をばたつかせて空中の何もない部分を蹴る。
(痛いって連呼したら、嫌われるかもしれない。でも、でも、でも)
ぐるぐると考えると、あまりの激痛に生理的な涙が目の縁にたまってきた。
ぎゅっと目を閉じていると七緖くんが私の耳元で小さく呟いた。
「好きや」
囁く声は低くて切なく掠れている。そんな風に囁かれたら私はたまらなくなる。その瞬間、フッと体の力が抜けた。
そして強く押しつけられた七緖くんの腰がメリメリと音を立てた様な感覚で私の奥に突き進んだ。
「あああー!」
突き抜けた痛みに私は声を上げて喉を反った。ゆっくり様子見とか、そんな事はなかった。一瞬で串刺しになった。
かんにんな──そう七緖くんは言うけど、すぐにゆっくりと腰を前後に動かし始めた。まだヒリヒリと痛いそこを容赦なくついてくる。ズンズンという音が聞こえそうだ。
「アカン、気持ちよすぎて……止められへん」
動きが止められないと七緖くんは呟く。ボタボタと七緖くんは汗の雨を私の上に降らせる。
「ああっ、駄目。待って、待ってよっ。あっ、ああっ」
私は、激しく揺らされて、痛みに耐え喘ぎ続ける。
だって腰を引かれても突き上げられても鈍い痛みがする。痛みと一緒に何かがついてくる。けれども、それが何なのか分からない。
「はぁはぁはぁ」
七緖くんの激しい息づかいが聞こえて、閉じていた目を開く。
そして、覆い被さる七緖くんを見た。整った綺麗な顔をゆがませている。まるで痛みに耐えている様だ。
(痛いのは私のはずだけど、七緖くんも辛い?)
その顔が切なくて、胸が締め付けられて私は揺らされながら七緖くんの顔に手を伸ばした。頬に触れた途端、七緖くんが苦しいながら笑って首を振った。
「痛いよなぁ。かんにんなぁ。んんっ。でも、すぐやからっっ!」
七緖くんが私の腰を掴んでガツガツと三回、奥までねじ込む様に腰をぶつけた。
「ああっ!」
あまりの衝動に私は仰け反って生理的な涙をポロリとこぼした。それを見た七緖くんがフッと力を抜いて溜め息の様な声をこぼす。
「あっ! はっ……あぁ……」
七緖くんはブルブルと震えながら腰を奥まで二、三度つく。息を止めてぎゅっと私の腰を痛いぐらい掴んだ。
そして、最後、私の上にドサリと倒れて大きく何度も肩で息をした。
「はぁはぁはぁ……」
(七緖くんも達したのね)
私は七緖くんを抱き留め背中に手を回して抱きしめる。
合わさった胸の部分から七緖くんの心臓が恐ろしく早鐘を打っている事が分かった。まるで全速力を走った後みたいで、私は心配になってぽつりと名を呼んだ。
「七緖くん」
すると七緖くんは大きく溜め息をついて私の顔を覗き込んだ。
「かんにんなぁ。痛いよなぁ。僕は……死ぬほど気持ちええんやけど」
七緖くんの方が泣きそうな顔をする。琥珀色の瞳が細くなって涙がたまっているのが見えた。それを見た時七緖くんも私と同じ気持ちだった事が分かった。
「うん……痛かったけど。でも凄く幸せ」
痛いのは初めてだからだと思う。
これから体を合わせる度に痛いのは続くかもしれない。つながって溶け合う度に、何かを見つけるのはもう少し先だろう。
(気持ちよくなる事だけが目的じゃないんだね。だってこんなに幸せな気持ちってない)
すると私の心を読んだのか七緖くんがキスを落としながらぽつりと呟いた。
「僕、幸せや。好きな子と一緒になれて、その上気持ちよすぎて、死んでまうかも」
七緖くんはヘニャっと溶ける様に笑って私を抱きしめた。
「うん……私も同じ」
私と七緖くんは再び抱きしめ合った。
七緖くんがそのままの私で良いと言ってくれた事、自分の弱さを見せてくれた事。短い間だけどあっという間に私の心に入り込んだの。
部屋の中が濃密な空気で満たされる。
「んっ、はぁ」
「もっと、口開けて?」
「うん……んっ」
激しいキスを受けながら七緖くんの手の動きを感じる。ゆっくりとスパッツとショーツをずらして、足の付け根に触れてくる。長くて熱い指が触れるのは私もそんなに触れた事のない場所。
「ぁ……」
小さく声を私が上げるとゆっくりと七緖くんの指がぬかるみに浸かっていく。粘り気のある水の音がする。そこは恐ろしく濡れていて、周辺の肉を優しく撫でながら深く潜る事の出来る部分を探っている。長い指はゆっくり場所を探す為に上から下まで行ったり来たりする。上の方まで行くと膨らんだ部分を見つけて円を描く様にゆっくりと触れてくる。
その部分は恐ろしく感じやすくて触れられれば触れられるほど、お腹の奥が切なくなる。そして自分の足の付け根を閉じようとすると違和感を抱くほど膨らんでいるのが分かった。でも当然七緖くんの体が入り込んでいるから私は足を閉じる事が出来ない。
(駄目。その膨らんでいるところを触れるとたまらなくなるのに)
「んっふっ、んっ~っ」
触れられる度に変な声が漏れてしまって必死にこらえる。でも七緖くんは全然止めてくれない。私はこのたまらない快感から必死に逃れようと体をひねって、ベッドのヘッドボードに向かって手を伸ばす。
上半身はうつ伏せで下半身は上向きというねじった状態だったが、七緖くんが下半身もコロンと転がし完全にうつ伏せにする。しかも私を膝立ちにさせてうつ伏せにさせたものだから、お尻と秘所を七緖くんに丸出しにしてしまう。腰を高く上げた状態の私に七緖くんは後ろから近づく。そして両手でお尻を左右に広げて、秘所を後ろからもっと見える様に広げた。
「こっ、こんなかっこう嫌っ」
拒否をしたが秘所の部分に七緖くんの吐息を感じる。凄く近くにいる。そして低い声で呟かれた。
「逃げたらアカンよ」
言われた瞬間ジュルリと口で溢れた体液を吸い上げられ私は悲鳴を上げた。
「ひっ、あっあああ!」
「んんっ。はぁ。凄い溢れてくる」
七緖くんは息を飲みながらベロリと秘所を舐める。同時に大きくコリコリした前の部分をその長い指で撫で始めた。たっぷりと濡れたその指と舌で私は泣く様な声を上げる。
「あっ、うっ。んんんっ。駄目、そんなの汚い」
(信じられない。直接口で舐められるなんて。お風呂もシャワーも浴びてないのに!)
「汚い事ないよ。凄く、綺麗……良い匂いするし」
涙声の私を優しく慰める七緖くん。
言葉も声も優しいのに、激しく吸い上げる事も指で触れる事も止めてくれない。私は「駄目」とひたすら言いながら、体がビクビクと震えてたまらなくなる。
(何なの信じられない。こんなかっこうで)
恥ずかしさでどうにかなりそうなのに、体が開いていくのが分かる。
気持ちが良い、もう少し先に何かありそう。そう感じるから腰を後ろに更に突き出してしまう。
「あっ、ヤダっ、駄目っ!」
それは突然やって来た。
指で触れた大きく膨らんだ部分がたまらず、はじける感じになる。目の前がチカチカして火花が散ったら次に甘いしびれが支配した。
「あっ……はっ……ああっ」
体の力が抜けて大きく息をしながらベッドに沈む。涙で目の前がかすむけど悲しくて泣いているのではない。
「良かった……いけたみたいやね?」
私の背中に覆い被さる様にして、耳元でぽつりと呟いた七緖くんはすぐに離れてベッドの端に座りごそごそと何かし出した。
(いけたって……何かもう疲れた。さっきからずっと変なところに力が入りっぱなしだし。なのに凄く気持ちよくって。エッチってこんなに疲れるの?)
何もかも初めてでわけが分からない。このまま眠ってしまいたいけど、七緖くんがなかなか側に戻って来ないのも気になる。
ベッドにうつ伏せになったまま視線を七緖くんに向ける。七緖くんはシャツを着たまま背中を丸めて何かごそごそしている。
「七緖くん?」
私が名を呼んだ時、七緖くんが丸めていた体を伸ばしてズボンを脱ぎながら戻ってきた。
「すぐにつけれんで、かんにんな」
そしてコロンと私をベッドの上に転がし、仰向けにする。
「えっ。きゃぁ」
私は最初何の事か分からなかったが、仰向けになってすぐに理解出来た。
私の開いた股の間に七緖くんは体を滑り込ませる。そしてその見つめる先には──太くて長い七緖くんの性器が見えた。
薄いピンク色のコンドームに覆われたそれは、七緖くんが言う標準的なサイズからずいぶん外れていると思う。大きなバナナだなんて、何と失礼な事を言ったのだろう。
バナナどころではない。大きく開いた傘に太い幹。おへその方まで反り返ったそれに驚くばかりだ。
「ほんなに見つめられたら恥ずかしいやん」
私が無言でそれを凝視するので、七緖くんは笑って私の頬をすくい上げたキスをした。
「そ」
ベッドに再び沈みながら私は七緖くんの顔を見つめて一言だけ声を上げた。
「そ?」
「そんなの入らない!」
「大丈夫やって……多分」
「多分って。だってそんなの入れた事ないし!」
「何か入れた事あったらほれはほれでびっくりやん」
「だってそんなの、さけちゃう」
「さけるなんてないって、うん……多分。ほんな泣きそうな顔されると興奮してまうやん」
やたら軽快に言い返されてしまって、私はパニックになる。だから尋ねてしまう。
「何でそんなに余裕あるの? って言うかどうしてコンドームがあるの?」
なければ困るけど、何故あるの?
すると七緖くんは私の髪の毛をかき上げながら口を尖らせた。
「余裕なんてないない。でもさっきパンツ濡らしてるのんとか、恥ずかしいのん見られたし。もうええかなぁって。開き直りやな。ほれにコンドームは、博のんをくすねたん」
「ひっ、博さんの?!」
くすねちゃったら七緖くんが使ったってバレちゃうんじゃないの? そんな事を考えると、七緖くんが急に低い声で呟いた。
「もうおしゃべりやね。ここまでや。僕、もう待てん」
「えっ? あっー!」
突然七緖くんがぐぐっと大きく太くなったそれを私の足の付け根に押しつけてきた。
私は思わず背中を反らせて胸を突き出す。七緖くんが片手で自分の太い幹の部分を押さえながら、潜り込む部分を探している。たっぷりとぬかるんでいるその部分を探り当てるのは簡単だった様で、大きく広がった傘の部分が潜り込んできた。
「痛っ!」
激痛が走る。本当にさっき言った通りさける様な痛さだ。
入るサイズじゃないはずなのに、そんな入らない部分にツルリとして、ヌメッとした先端が無理矢理入り込もうとしてくる。
(何なのこの痛さ! 本当に痛いよ。それにそもそもそれの形っておかしくない? 何で先端だけあんなにぼってりしているの?)
あまりの痛さにわけが分からない思考になる。
七緖くんとつながりたくて仕方なかったのに。つながりたいと素直になると今度は別の事が気になって仕方ない。
私は足をばたつかせて空中の何もない部分を蹴る。
(痛いって連呼したら、嫌われるかもしれない。でも、でも、でも)
ぐるぐると考えると、あまりの激痛に生理的な涙が目の縁にたまってきた。
ぎゅっと目を閉じていると七緖くんが私の耳元で小さく呟いた。
「好きや」
囁く声は低くて切なく掠れている。そんな風に囁かれたら私はたまらなくなる。その瞬間、フッと体の力が抜けた。
そして強く押しつけられた七緖くんの腰がメリメリと音を立てた様な感覚で私の奥に突き進んだ。
「あああー!」
突き抜けた痛みに私は声を上げて喉を反った。ゆっくり様子見とか、そんな事はなかった。一瞬で串刺しになった。
かんにんな──そう七緖くんは言うけど、すぐにゆっくりと腰を前後に動かし始めた。まだヒリヒリと痛いそこを容赦なくついてくる。ズンズンという音が聞こえそうだ。
「アカン、気持ちよすぎて……止められへん」
動きが止められないと七緖くんは呟く。ボタボタと七緖くんは汗の雨を私の上に降らせる。
「ああっ、駄目。待って、待ってよっ。あっ、ああっ」
私は、激しく揺らされて、痛みに耐え喘ぎ続ける。
だって腰を引かれても突き上げられても鈍い痛みがする。痛みと一緒に何かがついてくる。けれども、それが何なのか分からない。
「はぁはぁはぁ」
七緖くんの激しい息づかいが聞こえて、閉じていた目を開く。
そして、覆い被さる七緖くんを見た。整った綺麗な顔をゆがませている。まるで痛みに耐えている様だ。
(痛いのは私のはずだけど、七緖くんも辛い?)
その顔が切なくて、胸が締め付けられて私は揺らされながら七緖くんの顔に手を伸ばした。頬に触れた途端、七緖くんが苦しいながら笑って首を振った。
「痛いよなぁ。かんにんなぁ。んんっ。でも、すぐやからっっ!」
七緖くんが私の腰を掴んでガツガツと三回、奥までねじ込む様に腰をぶつけた。
「ああっ!」
あまりの衝動に私は仰け反って生理的な涙をポロリとこぼした。それを見た七緖くんがフッと力を抜いて溜め息の様な声をこぼす。
「あっ! はっ……あぁ……」
七緖くんはブルブルと震えながら腰を奥まで二、三度つく。息を止めてぎゅっと私の腰を痛いぐらい掴んだ。
そして、最後、私の上にドサリと倒れて大きく何度も肩で息をした。
「はぁはぁはぁ……」
(七緖くんも達したのね)
私は七緖くんを抱き留め背中に手を回して抱きしめる。
合わさった胸の部分から七緖くんの心臓が恐ろしく早鐘を打っている事が分かった。まるで全速力を走った後みたいで、私は心配になってぽつりと名を呼んだ。
「七緖くん」
すると七緖くんは大きく溜め息をついて私の顔を覗き込んだ。
「かんにんなぁ。痛いよなぁ。僕は……死ぬほど気持ちええんやけど」
七緖くんの方が泣きそうな顔をする。琥珀色の瞳が細くなって涙がたまっているのが見えた。それを見た時七緖くんも私と同じ気持ちだった事が分かった。
「うん……痛かったけど。でも凄く幸せ」
痛いのは初めてだからだと思う。
これから体を合わせる度に痛いのは続くかもしれない。つながって溶け合う度に、何かを見つけるのはもう少し先だろう。
(気持ちよくなる事だけが目的じゃないんだね。だってこんなに幸せな気持ちってない)
すると私の心を読んだのか七緖くんがキスを落としながらぽつりと呟いた。
「僕、幸せや。好きな子と一緒になれて、その上気持ちよすぎて、死んでまうかも」
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