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065 8月22日 午後 そばにいる大人達 1/2
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七緖くんと初めての経験をしてから二週間が経った。
お盆は近くの神社で祭りがあったけど、私と七緖くんは喫茶「銀河」でのアルバイトと勉強漬けで祭りどころではなかった。
夏休みもほぼ終わろうとしている今日も、朝早くから喫茶店「銀河」を訪れ、二階で勉強をする。それからアルバイト。博さんと七緖くんと私の三人で勉強をしたら、次は一緒に仕事をする……と、いう流れにもようやく慣れてきた。
相変わらず勉強はまだまだだけど、途方に暮れていた夏休み前とは大きく違っていた。分からないところが分かる様になり、少しずつだけど難しい問題も解ける様になってきた。そうなると楽しくなる。
それに、七緖くんとの関係も安定して続いている
(エッチをしたのは決着がついたあの日だけ。だけど、付き合っているのは確かだし。心が満たされているって感じるし)
あの行為が衝動的と言えばそうかもしれない。
私は七緖くんと出会ってあまり時間が経っていないのに、恋人の工程を色々すっ飛ばして結ばれた。もちろん後悔はしていない。七緖くんと一緒にいるととても安心するし幸せだと感じる。初めて味わうくすぐったい様な温かい様な感じに私はとても充実していると感じていた。
「お盆ん時は客が変な時間に来よったけど、日常に戻ってきた感じやなぁ。今日もお昼分完売や。昼営業も終わりやな」
七緖くんがぽつりとカウンターの中で呟くと隣でカップを拭いていた博さんが軽く笑った。時間は十四時前。最後のお客さんがお店から出て行ったところだ。
「お盆はなー仕方ないさ。近くで祭りもあるから、花火が終わったぐらいから混み出すんだよな。丁度店を閉める頃にお客が入ってくるから、閉めるに閉める事が出来なかったよな」
私は七緖くんと博さんの会話から、お盆初日の事を思い出した。
◇◆◇
お盆初日は戦場なのかと思うぐらい大盛況だった。
(ここは祭りのある神社も近いしね。立ち寄る人も多いって事なのね)
喫茶店はお盆前に私と七緖くんがアルバイトに入った事で、回転率が上がりリピーターや新しいお客さんが増える様になっていた。口コミも広がり密かな人気店となっていた。
想定以上のお客さんが殺到し、お昼を閉める十四時の三十分前に店を閉める事になった。
「いやぁ~俺の考えたカレーとコーヒーがついに日の目を見る事になって。もう二人には感謝しかないさ。これは夜も期待出来るだろうなぁ」
「ほれなら時給アップしてーな」
七緖くんがほくほくの博さんに口を尖らせた。
「もちろん感謝の気持ちは勉強指導でお返しするからさ」
「ぐっ……ほれを言われたら何も言えんやん」
博さんが髭を剃った艶々の顔で笑うから、七緖くんは何も言い返せないでいた。
がっくりと肩を落とした七緖くんに「そういえば」と博さんは話を続ける。
「俺の部屋の引き出しからさ、コンドームの小箱が一個なくなっていたんだけどさ。駿、知らないか?」
ギクリ!
私は各テーブルにセットするシュガーポットを掃除していた手を止めた。そして肩を上げて固まる。心臓が一瞬止まる様な気持ちになる。
それからゆっくりと呼吸をしながら、カウンターの反対側にいる、七緖くんと博さんの会話に神経を集中する。
「し、知るわけないやん。博が自分の彼女と使うたんちゃう?」
七緖くんは博さんから視線を逸らし、いつもと変わらない様に努めている。が、心なしか声がワントーン高い。
私は博さんがどう出るかと、耳だけそばだてた。
「おかしいなぁ」
「巽さんもおるんにそんな話。セクハラになるで。止めや」
七緖くんは早々に話を切り上げようとしていた。
(ほら、やっぱりバレてるし)
私は聞こえない振りをして、シュガーポットにザラメを流し込んだ。
初めて経験した時、七緖くんは避妊具を博さんからくすねてきたと言っていたが本当だった。
「セクハラって。それは困るなぁ」
博さんはトーンダウンをして呟くが、全然困った様に聞こえない。
恐らく博さんは、私と七緖くんが関係した事を薄々雰囲気から感じ取っているのだろう。
気恥ずかしい私達は、博さんに『付き合い始めました』と報告する事をしないで今に至る。七緖くんの言葉を借りると「ほんなん雰囲気で分かるんちゃうかな」だったけど。
(でもご両親代わりみたいな人だしね博さんって。伝えた方がいいんじゃないかな)
七緖くんの両親はカメラマンで全世界、全国を飛び回っているので不在がちだ。だから七緖くんは博さんに預けられている様な状態なのだ。
そんな事を考えながら私はザラメを次々とポットに入れていく。
「そもそも何箱あるとか何個あるとか数えるもんなん? 知らんけど」
ぽつりと七緖くんが小さく呟いた声が聞こえた。するとトーンダウンした博さんが顎に手を置いて考える素振りをした。
「そうじゃなくてさ。アレ、大きいサイズ用で俺には合わないから」
そんな事を呟いたので、七緖くんと私は思わず二人で声を上げた。
「「ええっ?!」」
思わず私達二人は博さんを見つめる。
「あれさーアメリカにいる友達に貰ったものなんだ。ほらサイズが大きいヤツもいる国だろ。だけど俺標準だから。出番なんか当然なくて。引き出しからなくなっているのはおかしいなぁ──と」
チラリと七緖くんと私を流し目で見つめる博さん。
そんな事を言う博さんに七緖くんは冷や汗をだらだら流さんばかりに身を乗り出した。私がプレゼントした猫のバンスクリップで前髪を上げている。だからひどく焦っている表情がよく見えた。
「ほ、ほほ、ほんなはずはないやろ! 僕のんにはピッタリやったし」
綺麗なラインのおでこに汗を滲ませ、七緖くんが早口になる。
(だからあんなに痛かったのかな? さける様な痛みって言うか。あの後もずっと何か入っている様な感覚だったし)
私が思わず口を真一文字にして七緖くんと博さんのやりとりを凝視する。心当たりがある事にゴクリと唾を飲み込む。
「いやぁ~アレが駿にピッタリ合うなんてなぁ。凄いなぁ。男として驚いちゃう」
髭を綺麗に剃った顎をさすりながら博さんが、私と七緖くんの様子をチラチラと行ったり来たりしながら呟く。
「驚いちゃう……て、ほんなん僕がまるで巨根みたいな言い方止めてや。はっ、恥ずかしいやろ」
七緖くんが白い頬を真っ赤にして声を強め、博さんの胸元のシャツを掴んだ。
すると博さんが両手を挙げて七緖くんを薄目で見た。
「──っていうのは全部嘘だけどな」
「う」
「そ」
私と七緖くんは一言ずつ呟いた。
それから七緖くんは博さんのシャツを掴んでいた手を離し私と一緒に胸をなでおろす。
「はぁ~焦ったやんか。僕、変に目立つ容姿なんに。男前でもないのに更に巨根みたいな要素いらん。普通でええのに」
へなへなと両手をカウンターの上について海より深い溜め息をついていた。
(いや、七緖くん結構男前だよ? でも猫背に前髪で顔が隠れて下駄を履くという残念男子だけど。それにしても、別に七緖くんが人よりも大きいって事じゃないのね。良かったぁ。って、良かったって何を私は安心しているの)
私も一人恥ずかしくなって頬を赤らめる。
改めてシュガーポットにザラメを入れる作業を再開しようとした時、博さんのはっきりした声が聞こえた。
「やっぱり駿だったんだな。俺のコンドーム一箱持っていったの。そして使ったんだな?」
改めて私と七緖くんは二人で小さくなるしかなかった。
お盆は近くの神社で祭りがあったけど、私と七緖くんは喫茶「銀河」でのアルバイトと勉強漬けで祭りどころではなかった。
夏休みもほぼ終わろうとしている今日も、朝早くから喫茶店「銀河」を訪れ、二階で勉強をする。それからアルバイト。博さんと七緖くんと私の三人で勉強をしたら、次は一緒に仕事をする……と、いう流れにもようやく慣れてきた。
相変わらず勉強はまだまだだけど、途方に暮れていた夏休み前とは大きく違っていた。分からないところが分かる様になり、少しずつだけど難しい問題も解ける様になってきた。そうなると楽しくなる。
それに、七緖くんとの関係も安定して続いている
(エッチをしたのは決着がついたあの日だけ。だけど、付き合っているのは確かだし。心が満たされているって感じるし)
あの行為が衝動的と言えばそうかもしれない。
私は七緖くんと出会ってあまり時間が経っていないのに、恋人の工程を色々すっ飛ばして結ばれた。もちろん後悔はしていない。七緖くんと一緒にいるととても安心するし幸せだと感じる。初めて味わうくすぐったい様な温かい様な感じに私はとても充実していると感じていた。
「お盆ん時は客が変な時間に来よったけど、日常に戻ってきた感じやなぁ。今日もお昼分完売や。昼営業も終わりやな」
七緖くんがぽつりとカウンターの中で呟くと隣でカップを拭いていた博さんが軽く笑った。時間は十四時前。最後のお客さんがお店から出て行ったところだ。
「お盆はなー仕方ないさ。近くで祭りもあるから、花火が終わったぐらいから混み出すんだよな。丁度店を閉める頃にお客が入ってくるから、閉めるに閉める事が出来なかったよな」
私は七緖くんと博さんの会話から、お盆初日の事を思い出した。
◇◆◇
お盆初日は戦場なのかと思うぐらい大盛況だった。
(ここは祭りのある神社も近いしね。立ち寄る人も多いって事なのね)
喫茶店はお盆前に私と七緖くんがアルバイトに入った事で、回転率が上がりリピーターや新しいお客さんが増える様になっていた。口コミも広がり密かな人気店となっていた。
想定以上のお客さんが殺到し、お昼を閉める十四時の三十分前に店を閉める事になった。
「いやぁ~俺の考えたカレーとコーヒーがついに日の目を見る事になって。もう二人には感謝しかないさ。これは夜も期待出来るだろうなぁ」
「ほれなら時給アップしてーな」
七緖くんがほくほくの博さんに口を尖らせた。
「もちろん感謝の気持ちは勉強指導でお返しするからさ」
「ぐっ……ほれを言われたら何も言えんやん」
博さんが髭を剃った艶々の顔で笑うから、七緖くんは何も言い返せないでいた。
がっくりと肩を落とした七緖くんに「そういえば」と博さんは話を続ける。
「俺の部屋の引き出しからさ、コンドームの小箱が一個なくなっていたんだけどさ。駿、知らないか?」
ギクリ!
私は各テーブルにセットするシュガーポットを掃除していた手を止めた。そして肩を上げて固まる。心臓が一瞬止まる様な気持ちになる。
それからゆっくりと呼吸をしながら、カウンターの反対側にいる、七緖くんと博さんの会話に神経を集中する。
「し、知るわけないやん。博が自分の彼女と使うたんちゃう?」
七緖くんは博さんから視線を逸らし、いつもと変わらない様に努めている。が、心なしか声がワントーン高い。
私は博さんがどう出るかと、耳だけそばだてた。
「おかしいなぁ」
「巽さんもおるんにそんな話。セクハラになるで。止めや」
七緖くんは早々に話を切り上げようとしていた。
(ほら、やっぱりバレてるし)
私は聞こえない振りをして、シュガーポットにザラメを流し込んだ。
初めて経験した時、七緖くんは避妊具を博さんからくすねてきたと言っていたが本当だった。
「セクハラって。それは困るなぁ」
博さんはトーンダウンをして呟くが、全然困った様に聞こえない。
恐らく博さんは、私と七緖くんが関係した事を薄々雰囲気から感じ取っているのだろう。
気恥ずかしい私達は、博さんに『付き合い始めました』と報告する事をしないで今に至る。七緖くんの言葉を借りると「ほんなん雰囲気で分かるんちゃうかな」だったけど。
(でもご両親代わりみたいな人だしね博さんって。伝えた方がいいんじゃないかな)
七緖くんの両親はカメラマンで全世界、全国を飛び回っているので不在がちだ。だから七緖くんは博さんに預けられている様な状態なのだ。
そんな事を考えながら私はザラメを次々とポットに入れていく。
「そもそも何箱あるとか何個あるとか数えるもんなん? 知らんけど」
ぽつりと七緖くんが小さく呟いた声が聞こえた。するとトーンダウンした博さんが顎に手を置いて考える素振りをした。
「そうじゃなくてさ。アレ、大きいサイズ用で俺には合わないから」
そんな事を呟いたので、七緖くんと私は思わず二人で声を上げた。
「「ええっ?!」」
思わず私達二人は博さんを見つめる。
「あれさーアメリカにいる友達に貰ったものなんだ。ほらサイズが大きいヤツもいる国だろ。だけど俺標準だから。出番なんか当然なくて。引き出しからなくなっているのはおかしいなぁ──と」
チラリと七緖くんと私を流し目で見つめる博さん。
そんな事を言う博さんに七緖くんは冷や汗をだらだら流さんばかりに身を乗り出した。私がプレゼントした猫のバンスクリップで前髪を上げている。だからひどく焦っている表情がよく見えた。
「ほ、ほほ、ほんなはずはないやろ! 僕のんにはピッタリやったし」
綺麗なラインのおでこに汗を滲ませ、七緖くんが早口になる。
(だからあんなに痛かったのかな? さける様な痛みって言うか。あの後もずっと何か入っている様な感覚だったし)
私が思わず口を真一文字にして七緖くんと博さんのやりとりを凝視する。心当たりがある事にゴクリと唾を飲み込む。
「いやぁ~アレが駿にピッタリ合うなんてなぁ。凄いなぁ。男として驚いちゃう」
髭を綺麗に剃った顎をさすりながら博さんが、私と七緖くんの様子をチラチラと行ったり来たりしながら呟く。
「驚いちゃう……て、ほんなん僕がまるで巨根みたいな言い方止めてや。はっ、恥ずかしいやろ」
七緖くんが白い頬を真っ赤にして声を強め、博さんの胸元のシャツを掴んだ。
すると博さんが両手を挙げて七緖くんを薄目で見た。
「──っていうのは全部嘘だけどな」
「う」
「そ」
私と七緖くんは一言ずつ呟いた。
それから七緖くんは博さんのシャツを掴んでいた手を離し私と一緒に胸をなでおろす。
「はぁ~焦ったやんか。僕、変に目立つ容姿なんに。男前でもないのに更に巨根みたいな要素いらん。普通でええのに」
へなへなと両手をカウンターの上について海より深い溜め息をついていた。
(いや、七緖くん結構男前だよ? でも猫背に前髪で顔が隠れて下駄を履くという残念男子だけど。それにしても、別に七緖くんが人よりも大きいって事じゃないのね。良かったぁ。って、良かったって何を私は安心しているの)
私も一人恥ずかしくなって頬を赤らめる。
改めてシュガーポットにザラメを入れる作業を再開しようとした時、博さんのはっきりした声が聞こえた。
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