天使の住む街、知りませんか?

河津田 眞紀

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天使の住む街、知りませんか?

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 ――午前九時。

 クレイダー九十九号は、とある街の駅に着きました。
 扉が開き、列車の中から運転手が降りて来ます。

 黒い髪に紺碧の瞳を持つ、背の高い青年でした。
 運転手の印であるキャスケット帽に、緑色のつなぎ。右手にはガイドブックを携えています。


 青年は街のメインストリートを進むと、開店準備をしていた八百屋の店主に声をかけます。


「おはようございます。僕はクレイダーの運転手・クロルといいます。ちょっとお尋ねしたいことがあるのですが……」


 口髭を生やした店主は、彼を見るなり少し顔をしかめました。


「いらっしゃい。おや……背中のそれ、本物かい? 珍しいね、黒い羽なんて……」
「そうなんです。有翼人の中でも羽が黒いのは僕だけ。世界中でたった一人の珍しい人間なんです。そんな僕に会えるなんて、ご主人はラッキーですね」
「おお、そうなのかい? へへ、なんだか嬉しいねぇ。それで、聞きたいことってのは?」
「実は、僕の大切な人が住んでいる街を探していまして」
「大切な人? それは一体、どんな人なんだい?」


 彼はにこっと微笑んで……こう言いました。




「――"天使"です。天使の住む街、知りませんか?」







 ―完―


 
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感想 2

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みんなの感想(2件)

・めぐめぐ・
ネタバレ含む
2025.08.31 河津田 眞紀

めぐめぐさん
最後までお読みいただき、感想まで……! ありがとうございます!!
いろいろな思いを込めた作品なので、うるっときていただけて本当に嬉しいです!

ご想像の通り、クロルは優しさと包容力に溢れた好青年に成長します!!!(大声)

最後にタイトル回収するの、好きなんですよね……ダブルミーニングに気付いていただけて感無量です。
この作品を書いて良かったです。ありがとうございました!!

解除
ぱんぱかぱーん

今までにない世界観にとても心躍ります。
どんな街が広がっていくのか楽しみです。

2025.08.23 河津田 眞紀

ぱんぱかぱーんさん
感想ありがとうございます!
そのように言っていただけて嬉しいです。
クロルたちの旅を最後までお楽しみいただければさいわいです。

解除

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