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金ピカ桜の蜜の味
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見つけた。蜜がおいしすぎて吸うのを止められないとみんなが噂していた金ピカの木を。
僕は羽をバタバタさせて木の枝に着地した。金ピカなのは木じゃなくて花の方だった。
どんな味がするのだろう。花柄をもぎとりくちばしに咥えた。
うめぇ、あめぇ、しあわせだ。でも、他の桜の蜜と同じ味。この希少性と僕の他には誰もいないという優越感がおいしいのであって、噂ほどではない。吸い終わった花をぷっと吐き出し、まあせっかくだからもう一個。
二個、三個と吸っているうちに雨の気配がした。
翼を大きく広げて僕は飛び立つ。また明日来よう。
雨は夜遅くまで降った。朝起きて、曇り空。構わず僕は一目散に金ピカの木まで飛んでいく。
近くまでやってきて、でも、どこを見てもそんな木はまるで見当たらない。
探し疲れて枝に止まった。悲しかった。悔しかった。恋しくなった。三歩歩いて気が変わった。
僕が全部吸い尽くしてやったとみんなに自慢してやろう。
僕はすぐさま飛び立った。
僕は羽をバタバタさせて木の枝に着地した。金ピカなのは木じゃなくて花の方だった。
どんな味がするのだろう。花柄をもぎとりくちばしに咥えた。
うめぇ、あめぇ、しあわせだ。でも、他の桜の蜜と同じ味。この希少性と僕の他には誰もいないという優越感がおいしいのであって、噂ほどではない。吸い終わった花をぷっと吐き出し、まあせっかくだからもう一個。
二個、三個と吸っているうちに雨の気配がした。
翼を大きく広げて僕は飛び立つ。また明日来よう。
雨は夜遅くまで降った。朝起きて、曇り空。構わず僕は一目散に金ピカの木まで飛んでいく。
近くまでやってきて、でも、どこを見てもそんな木はまるで見当たらない。
探し疲れて枝に止まった。悲しかった。悔しかった。恋しくなった。三歩歩いて気が変わった。
僕が全部吸い尽くしてやったとみんなに自慢してやろう。
僕はすぐさま飛び立った。
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鳥は3歩を歩けば全てを忘れる。って言いますけれど、こんなふうに生きるのが理想だなーと思います。
あまり深いことは考えずにただ目の前のことを楽しむ。悲しいことがあってもそれを別の楽しみに変える、生きることを謳歌する姿勢。
すずめが桜の蜜を吸うとき、他の鳥とは違って適当にちぎり食べる光景。それもまた、目の前のことだけを楽しんでいる感じがして良いです。『うめぇ、あめぇ、しあわせだ。』ここが何だか凄く好きでした。楽しそうな心情が凝縮されています。
お読みいただき、また感想をくださりありがとうございます!