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第3章 それが日常になっていく
ハウザー騎士団はその頃
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ブリステ公国のハウザー騎士団本部は、副団長のシンフォールが責任者になっていた。団長のカイ・ハウザーが旧パース領で任務に当たっているためだ。
「シンさん、団長が旧パースでポテンシアの第二王子を討つ計画に参加するってホントですか?」
ハウザー騎士団の本部でシンにそう尋ねたのは、ポテンシア出身の団員、ファレルだった。
「ああ……そうらしい。旧ルリアーナにいる第四王子、ルイス殿下の計画だよ」
シンはファレルにそう答えたものの、ずっと旧パース領にいるカイを心配していた。
「誰か応援行くんですかね?」
ファレルはそう言って心配そうにしている。
「今のところ、団長からの応援要請は来ていない。ルイス殿下がメインの作戦だからな」
シンはそう言ってファレルを安心させようとしたが、ファレルは口をへの字にして納得していない様子だった。
「僕、ポテンシア出身なので王族のことはある程度把握していますが……ルイス様がユリウス様に勝てるとは、とても思えないですよ」
ファレルがそう言ったのを聞いて、「そんなにユリウス様ってやつは軍事力を蓄えているのか?」とシンが驚いたので、その言葉を聞いたファレルの方が驚いた。
「いや……だってルイス様ですよね?」
ファレルの記憶は、『無気力な第四王子』のルイスから更新されていない。
「ああ、俺はこの間の任務の時に会ってるけど、女性関係以外はマトモそうだったぞ」
シンはそう言って持っている書類の、各地に派遣している団員の情報を眺めている。少ししたらリリスのところに行って数字の確認もしておいた方がいいな、と、何となく考えていた。
「うわ、本当ですか? シンさんがそう言うなら、実はルイス様って実力者なんですかね……?」
ファレルは難しい顔をしている。そこまでルイスが自国民に信用されていなかったとは、シンは意外だった。
「ルイス殿下はルリアーナ王女と婚約まで出来たんだ。王女が2回目の見合いに進めたのは2人しかいなかったことを考えたら、相当なやり手だと思うけどなあ」
シンがファレルにそう言いながらルイスの無能説を否定していると、2人がいる部屋にリリスが現れた。
「シン、ちょっとここの数字見て欲しいんだけどー」
副団長の新妻であるリリスは、団員の前でも堂々とシンへの好意を隠さずに過ごしている。
「ああ、何かあった?」
シンがリリスの持参した書類を覗き込むと、リリスは書類の隙間からファレルを思い切り睨んだ。
(うわ、明らかに邪魔だって顔してる)
ファレルはもう少しシンと話したいことがあったのだが、リリスに恨まれるのは本意ではない。諦めてその部屋を出て行くことにした。
2人の姿を横目に部屋の扉を開けて外に出ようとすると、「あ、ファレル、行くのか?」とシンがファレルに声を掛けたが、相変わらずリリスはファレルを睨んだままだ。
「行きます。怖いんで」
ファレルがそう言ってリリスと目を合わさないようにして部屋を後にすると、誰もいなくなった部屋でリリスは堂々とシンに抱きついて、「邪魔がいなくなったから……副団長のこと、独り占めしたい」と今にも溶けそうな顔でシンに甘えている。
「ちょっ……リリス、ここ、仕事場だから」
シンは強引なリリスに思い切り焦りながら、副団長という肩書きを任された身だと自分を律する。留守を任されるというのは責任が重大だ。
「仮にも今は、ここでトップを任されているんだから……軽率なことは出来ないよ」
シンはそう言うとリリスの額に唇を当て、リリスの背中をさすって言い聞かせる。
「じゃあ、昼休みなら良いでしょ?」
リリスが食らいつくように言うので、「そういう問題じゃない……」とシンはいつになく頭の中に規律の文字を浮かべながら、複雑な表情をしていた。
「シンさん、団長が旧パースでポテンシアの第二王子を討つ計画に参加するってホントですか?」
ハウザー騎士団の本部でシンにそう尋ねたのは、ポテンシア出身の団員、ファレルだった。
「ああ……そうらしい。旧ルリアーナにいる第四王子、ルイス殿下の計画だよ」
シンはファレルにそう答えたものの、ずっと旧パース領にいるカイを心配していた。
「誰か応援行くんですかね?」
ファレルはそう言って心配そうにしている。
「今のところ、団長からの応援要請は来ていない。ルイス殿下がメインの作戦だからな」
シンはそう言ってファレルを安心させようとしたが、ファレルは口をへの字にして納得していない様子だった。
「僕、ポテンシア出身なので王族のことはある程度把握していますが……ルイス様がユリウス様に勝てるとは、とても思えないですよ」
ファレルがそう言ったのを聞いて、「そんなにユリウス様ってやつは軍事力を蓄えているのか?」とシンが驚いたので、その言葉を聞いたファレルの方が驚いた。
「いや……だってルイス様ですよね?」
ファレルの記憶は、『無気力な第四王子』のルイスから更新されていない。
「ああ、俺はこの間の任務の時に会ってるけど、女性関係以外はマトモそうだったぞ」
シンはそう言って持っている書類の、各地に派遣している団員の情報を眺めている。少ししたらリリスのところに行って数字の確認もしておいた方がいいな、と、何となく考えていた。
「うわ、本当ですか? シンさんがそう言うなら、実はルイス様って実力者なんですかね……?」
ファレルは難しい顔をしている。そこまでルイスが自国民に信用されていなかったとは、シンは意外だった。
「ルイス殿下はルリアーナ王女と婚約まで出来たんだ。王女が2回目の見合いに進めたのは2人しかいなかったことを考えたら、相当なやり手だと思うけどなあ」
シンがファレルにそう言いながらルイスの無能説を否定していると、2人がいる部屋にリリスが現れた。
「シン、ちょっとここの数字見て欲しいんだけどー」
副団長の新妻であるリリスは、団員の前でも堂々とシンへの好意を隠さずに過ごしている。
「ああ、何かあった?」
シンがリリスの持参した書類を覗き込むと、リリスは書類の隙間からファレルを思い切り睨んだ。
(うわ、明らかに邪魔だって顔してる)
ファレルはもう少しシンと話したいことがあったのだが、リリスに恨まれるのは本意ではない。諦めてその部屋を出て行くことにした。
2人の姿を横目に部屋の扉を開けて外に出ようとすると、「あ、ファレル、行くのか?」とシンがファレルに声を掛けたが、相変わらずリリスはファレルを睨んだままだ。
「行きます。怖いんで」
ファレルがそう言ってリリスと目を合わさないようにして部屋を後にすると、誰もいなくなった部屋でリリスは堂々とシンに抱きついて、「邪魔がいなくなったから……副団長のこと、独り占めしたい」と今にも溶けそうな顔でシンに甘えている。
「ちょっ……リリス、ここ、仕事場だから」
シンは強引なリリスに思い切り焦りながら、副団長という肩書きを任された身だと自分を律する。留守を任されるというのは責任が重大だ。
「仮にも今は、ここでトップを任されているんだから……軽率なことは出来ないよ」
シンはそう言うとリリスの額に唇を当て、リリスの背中をさすって言い聞かせる。
「じゃあ、昼休みなら良いでしょ?」
リリスが食らいつくように言うので、「そういう問題じゃない……」とシンはいつになく頭の中に規律の文字を浮かべながら、複雑な表情をしていた。
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