ツイノベ倉庫

燈坂 もと

文字の大きさ
11 / 16

セフレ side受

しおりを挟む




「……何、してんの。……帰るの……?」

時刻は深夜3時。
ベッドサイドに腰掛けながらシャツのボタンに手を掛ける俺にベッドに横になりながら声をかける人物は俺のセフレだ。

「帰るよ。明日、講義1コマ目からだから…ココからだと朝、ゆっくり出来ないし」

俺たちは同じ大学の同じゼミ仲間。
特に好き合っている訳でも、どっちかが片想いをしている訳でもない。

性的嗜好と
顔の好みと
身体の相性が合致した。

それだけの、関係。

たまたまゼミの飲み会で隣になって。
ふたりとも性対象が同性だという事をオープンにしていたから、話はトントンと進んで。

居酒屋の路地裏で試しにキスしたら恐ろしく気持ちよくて溜まってない筈なのに、ふたりとも滾って。
人にバレないかソワソワしながら声を押し殺して、その場で抜き合った。
それでも足りなくて。ふたりで抜け出して飲み会の場所から近くだった攻が住んでる、ひとり暮らしのマンションで一晩中……というか、その次の日も一日中、散々ぐちゃぐちゃにされて。
その時初めて俺は他人と交わって満足したのだ。

多分。過去イチ……身体の相性が良くて俺の性欲を満足させられる男。

俺は、めちゃめちゃ性欲が強い。
過去の男たちは俺の尽きない欲求に「ごめん。顔はめっちゃ好みなのに、これ以上は付き合えない」と離れていく奴ばかりで。
好きで付き合っても身体目的でセフレになっても1週間ともったためしがなかった。
好きになった相手ほど余計に求める分、拒否された時が辛くて専ら身体だけの関係を求めていく様になった。

そんな俺が攻とは1年半も関係が続いている。

俺の強すぎる欲望に、唯一応えてくれる存在。
そんな攻も俺に満足してくれたのか、毎日の様に俺を家に呼び付けては、貪る様に口付けて、その凶器を俺に打ち付ける。
それが1年半。あんなに人の出入りが激しかった俺と攻がほぼ毎日……お互いとしか接触しない現実に周りは

「相当相性いいんだなあ。ていうか付き合ってないの?(笑)」と揶揄い気味に笑いながらされる質問に「ただのセフレだから。」と俺が返すまでがワンセット。

ワンセットの筈なのに。
最近攻の、様子がおかしい。

「……帰って、誰か……待ってんの?」
「え。いや誰もいないけど……え、なに?ちょ、手入れたら、だめ、……っ、ん、」

いつの間にか俺の後ろにまわっていた攻の腕がシャツの中にするりと入る。
左手は俺のお腹をしっかりホールドして右手は……俺の胸の尖りをカリカリと弄り始めた。

攻の熱い舌が、俺の首元を這って。
その舌が這った部分を、ちゅうちゅうと、口唇で吸われ快感が押し寄せてしまって、ふわふわしてきた。

さっきまであんなにお互いを求めて白濁を吐き出したというのに……お互いの凶器は再度、熱を帯びて硬くなってきていた。俺も攻も相当な好きモノだ。

「んー?……うわ、ヤバ。……ここ、敏感になってる……あー……たまんね……コリコリ、じゃん。……気持ちい?」
「……だめ、だって……!俺、帰る……ん、だって……!……ん……っ!」

首元にいた攻の口唇が俺の口唇を貪って。
舌が俺の口に割って入って口内を蹂躙すると、何も考えられなくなって。
いつの間にか攻にボタンを外されて上半身が露わになった俺は気付いたらベッドに倒されていて。

目の前には、獰猛な、獣。

「……帰んなくていい。もっと、いて。……朝まで……俺を、お前の中に入れときたい。……いっぱい、鳴いて。」
「 ────── 攻……っ!あっ!」


最近。攻の様子が……変、なのだ。




「受、おはよー!おはようってのもおかしな時間だな。あれ?今日……1コマ目から来るって言ってなかった?もう、昼だけど」
「おう。……行くつもりだったよ。行くつもりだったけど、行けなかったの。」

俺に話しかけてきた友人に、はぁ、と溜息を吐きながら応える。
結局、攻は俺の中で硬度が衰える事なく朝まで俺を鳴かせ続けたのだった。
まあ、気持ちよかったし気持ちよかったから……許してやろう。

というか俺は最近……その様子のおかしい攻の行動に嬉しさを感じているのだ。

すると友人が俺の首をまじまじ見て口を開いた。

「……ていうか……受、さ。攻と、本当に付き合ってないの……?本当にセフレ???……キスマ、凄いんだけど。」

キスマ、と聞いて吃驚する。
まさか。朝、鏡を見た時にはそんなモノ存在していなかったのに。
ココ、と友人が指し示したのは首の後ろ側。
……ああ。あの時か。
俺が夜中、帰ろうとしていた時に攻は口唇を首元に這わせていた。
あの時に……どうやら大量に付けられていたらしい。

最近の攻のおかしな様子は俺の心を簡単に絡めとる。
俺は、いつの間にか……彼の事しか頭になかった。
攻が好きなのだと自覚したのは、ほんの数日前。
攻が俺を事が終わった後に抱きしめながら眠るその顔を見ながら愛しさが込み上げたのだ。

俺はもう、彼しか、欲しくない。
だから『セフレ』を辞めたいと、提案する事にした。
攻が、俺にこれからも後腐れない関係を望んでいるのならこの関係を続けていても……虚しくなるだけ。

だから、その場合は。
この関係も終わりにするつもりで。




「……ん、ぁ。……っ、ね、攻。……セフレ、終わりにしたいん、だけど」
「────── は、?」

大学が終わって、いつもの様にマンションに呼ばれて。
玄関に入るなり貪る様に口付けされて……その合間に俺の放った一言に攻の空気が凍った。

これは予想……してない。

「……何で。……他に、好きな奴でも、できた?」
「出来てない……いや、違うな。好きな奴、出来た。だから……セフレは、終わりに、したい。」
「……ッ!……嘘、だろ……?!……俺が、どれだけお前に男を近づけない様にしてきたか……!……そんな奴……お前が俺と関係持ってから、いる筈……!」

俺を掴んでる腕に力が入っていて、すごく、痛い。
近づけない様にしてくれてたって事実に胸が高鳴る。

好きだ。君が。

「……いるよ。目の前に。」
「は……?」
「……俺が好きなのは……おまえ。……だから……セフレは、やめたい。……俺と、付き合って……?」
「 ──────ッ!」

攻の顔が、真っ赤になった。
やば。めっちゃかわいい。
なんて、ぼんやり考えてたら腕を引かれて攻に抱き締められて。

うわ。心臓の音……めちゃめちゃ、大きくて、早い。
コレ、俺のと攻のと……両方の音、だろうな。

「……っ、……お前、絶対……俺の事なんか、そんな風に見てないって、思ってたから……嘘だろ……やば、……嬉しすぎ……!」
「本当だよ。ていうか……俺も気付いたの最近だから。俺、結構態度に出ないから分かんなかったよね。俺はお前の気持ちに結構前から気付いてたけど。かわいすぎた。……大好き、だよ。」
「っ!……俺も……ていうか、なんなら俺は……最初からお前のこと、狙ってたから」
「は……?!……マジで……?」
「マジだよ。大マジ。……はー……やっとかよ……もう絶対に、離さねェ。」
「……それはコッチの……台詞……ん、」



それから俺たちは、攻のベッドで、ぐっちゃぐちゃに愛し合った。
俺は、意識を飛ばして……目が覚めたら。

左手の薬指に指輪が嵌めてあって。


「へ……おま、コレ……!」
「……それ貰ってもらえるか分かんなくて、安物だから……本物は、今日買いに行こ。……お前の事、一生、離さないから。覚悟しといて。……あーマジ可愛い……ね、今からもっかい、シよ。……受、大好き。……愛してる……ん、」
「~~~っ!」



攻の俺への重い想いに改めて気付かされたのだった。




<終>


攻サイドもあります。
改めてアップします。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

僕の彼氏は僕のことを好きじゃないⅠ/Ⅱ

MITARASI_
BL
I 彼氏に愛されているはずなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。 「好き」と言ってほしくて、でも返ってくるのは沈黙ばかり。 揺れる心を支えてくれたのは、ずっと隣にいた幼なじみだった――。 不器用な彼氏とのすれ違い、そして幼なじみの静かな想い。 すべてを失ったときに初めて気づく、本当に欲しかった温もりとは。 切なくて、やさしくて、最後には救いに包まれる救済BLストーリー。 Ⅱ 高校を卒業し、同じ大学へ進学した陸と颯馬。  別々の学部に進みながらも支え合い、やがて同棲を始めた二人は、通学の疲れや家事の分担といった小さな現実に向き合いながら、少しずつ【これから】を形にしていく。  未来の旅行を計画し、バイトを始め、日常を重ねていく日々。  恋人として選び合った関係は、穏やかに、けれど確かに深まっていく。  そんな中、陸の前に思いがけない再会をする。  過去と現在が交差するその瞬間が、二人の日常に小さな影を落としていく。  不安も、すれ違いも、言葉にできない想いも抱えながら。  それでも陸と颯馬は、互いの手を離さずに進もうとする。  高校編のその先を描く大学生活編。  選び続けることの意味を問いかける、二人の新たな物語。 続編執筆中

親に虐げられてきたβが、Ωと偽ってαと婚約してしまった話

さるやま
BL
◆瑞希(受け)語り
□アキ(攻め)語り

攻め→→→→←←受け

眞鍋秋人(攻め)
優秀なα。真鍋家の次期当主。本質は狡くて狡猾だが、それを上手く隠して好青年を演じている。瑞希にはアキさんと呼ばれている。

高宮瑞希(受け)
Ωと偽っている平凡なβ。幼少期の経験からか自己肯定感が低く、自分に自信がない。自己犠牲的。

有栖蕾
花の精のように美しいと名高い美少年のΩ。アキさんの元婚約者(と言っても、正式な婚約関係になく、幼少期の口約束程度)であり、アキさんのことをまだ好いている。瑞希のことを秋人の婚約者として紹介され、許せない相手になった。

短編集

ミカン
BL
一話完結のBL小説の短編集です

藤崎さんに告白したら藤崎くんに告白してた件

三宅スズ
BL
大学3年生の鈴原純(すずはらじゅん)は、同じ学部内ではアイドル的存在でかつ憧れの藤崎葵(ふじさきあおい)に、酒に酔った勢いに任せてLINEで告白をするが、同じ名字の藤崎遥人(ふじさきはると)に告白のメッセージを誤爆してしまう。 誤爆から始まるBL物語。

悪役令息に憑依したリーマン。ゲームの中か知らないがそこは全く知らない世界だったので、どうしようもないからとりあえず推しを愛でようと思う

ペンタブー
BL
社畜リーマンが死んで悪役令息に憑依するけど、色々頑張って幸せを掴まさせて頂こうとする話

キミがいる

hosimure
BL
ボクは学校でイジメを受けていた。 何が原因でイジメられていたかなんて分からない。 けれどずっと続いているイジメ。 だけどボクには親友の彼がいた。 明るく、優しい彼がいたからこそ、ボクは学校へ行けた。 彼のことを心から信じていたけれど…。

普通のβだった俺は

りん
BL
普通の大学生として過ごす白瀬凪が、αの先輩に絡まれる話

処理中です...