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セフレ side攻⁂
しおりを挟む「……何、してんの。……帰るの……?」
時刻は深夜3時。
俺は気怠い身体をベッドサイドに腰掛けながら、シャツのボタンに手を掛けているセフレである受に向けて声を掛けた。
さっきまで、あんなに求め合ってどろどろに溶け合っていたのに。
……受はいつも、淡白だ。
「帰るよ。明日、講義1コマ目からだから……ココからだと朝、ゆっくり出来ないし」
俺たちは同じ大学の同じゼミ仲間。
特に好き合っている訳でも、どっちかが片想いをしている訳でもない。
性的嗜好と
顔の好みと
身体の相性が合致した。
それだけの、関係。
……という前提で、この関係が成り立っている。
ゼミの飲み会で、わざと受の隣に座る。
受の性対象が同性だという事をオープンにしていてくれたから本当に助かった。
俺は受を一目見て、ストン、と恋に堕ちたのだ。
彼がいい。彼とだけ気持ちいい事をしたい。
それまでは、取っ替え引っ替えで。
来るもの拒まず去るもの追わず。特に満たされず、性処理を行うためだけに寄ってくる男も女も喰い散らかした。
その誰も、俺以外とどうなっていようがどうでも良かったのだ。
でも受だけは違った。
他の人間に渡したくない。
絶対に手に入れて俺だけのモノにしたい。
囲って、逃がさない。と、出逢って喋ってもないのに異常な独占欲が顔を覗かせる。
お互いの噂は有名で。
話はトントンと進んだ。
「……なあ……相性いいか……試してみたくね?」
低く、響かせる様にその台詞を彼に耳打ちすると受の頬が赤く染まって、彼の喉が大きく鳴る。
その仕草を同意と捉えて受の腕を引っ張って。
他のメンバーには「ちょっとトイレに行ってくるわ」と嘘を吐いて居酒屋の路地裏で受を抱き締めて……口唇を交わせる。
「……ん、……ぁ、……っ、うま、すぎ……っ、きもち、ぃ……!」
「……ん、ん、……や、ば……とまんね……!」
予想以上に受とのキスは気持ちが良くて。
お互いの凶器が顔を覗かせる。
「……すご……ぐちょぐちょ……」
「……ん、ん……ぅ、っ!や、だめ……ッ、攻……人……っ、きちゃう……!」
「んー?……は、でも……お互い、このままじゃ……戻れないだろ……?あー……ヤバ、ん、きもちぃ……イくまで、やめねぇから……、っ!」
堪らなくなって人が来ないとも言い切れない場所で、お互いのソコを露わにして扱きあって、ふたりともすぐに達した。
それでも全然足りなくて。
俺のひとり暮らしのマンションで一晩中……というかその次の日も一日中、受を散々ぐちゃぐちゃにした。
その時初めて、俺は他人と交わって満足したのだ。
多分。過去イチ……身体の相性が良くて俺の気持ちを満足させられる男。
受とは1年半もセフレという関係が続いている。
俺は付き合いたかったけど受は付き合う事にうんざりしていると言っていたから身体だけでも繋げていたくてこの形に収まった。
俺は毎日の様に受を家に呼び付けては貪る様に口付けて、その凶器を受に打ち付けた。
受の身体に俺を刻んでいる時が唯一満たされるのだ。
それが1年半。あんなに人の出入りが激しかった俺と受が、ほぼ毎日……お互いとしか接触しない現実に周りは「相当相性いいんだなあ。ていうか付き合ってないの?(笑)」と揶揄い気味に笑いながらされる質問に「ただのセフレだから。」と受が返すまでがワンセット。
そのワンセットが、最近、しんどい。
「……帰って、誰か……待ってんの?」
「え。いや、誰もいないけど。……え、なに?ちょ、手入れたら、だめ、……っ、ん、」
ゆっくりと受の後ろにまわって、腕をシャツの中にするりと入れる。
左手は受のお腹をしっかりホールドして、右手は……受の胸の尖りをカリカリと弄る。
「……っ、や、ぁ……ッ!攻、だめ……っ!」
「……ふふ。気持ちいいな……?ビクビクしてる……堪んない。……お前のダメ、はいいよ、って事だと……俺は思ってるから……続けるな?」
「っ。……だめは、だめ、だろ……ッ!」
俺の熱い舌を受の首元に這わせると受がびくびく、と感じて。
その仕草に堪らなくなって、ちゅうちゅうと、舌を這わせたところに赤い跡を大量に散らしていく。
セフレじゃなくて、彼氏に、なりたい。
この子を俺のモノに、したい。
さっきまであんなにお互いを求めて、白濁を吐き出したというのに……お互いの凶器は再度、熱を帯びて硬くなってきていた。俺も受も相当な好きモノだ。
「んー?……うわ、ヤバ。……ここ、敏感になってる……あー……たまんね……コリコリ、じゃん。……気持ちい?」
「……だめ、だって……!俺、帰る……ん、だって……!……ん……っ!」
「……ん、……いっぱい、気持ち良く、なろ」
首元から受の口唇に俺の口唇を移動させて甘美なキスを注ぐ。
受の口内で舌を遊ばせると、とろんとした受の顔に愛しさが募る。
受を纏う不要な布を取り払って桃色に上気した受の上半身にゾクゾクする。
トン、と受をベッドに倒した。
早く、この愛しい子の中に……入りたい。
「……帰んなくていい。もっと、いて。……朝まで……俺を、お前の中に入れときたい。……いっぱい、鳴いて。」
「 ────── 攻……っ!あっ!」
早く、手に入れたい。
いつか、俺だけの、モノに ──── 。
朝まで抱き潰して。昼まで受と過ごした。
過ごしたと言っても俺が抱き潰したせいで受は起きれなかっただけだけど。
俺の腕の中で眠る彼は可愛さが天元突破していた。
それでも『セフレ』という立ち位置に離れていると不安が押し寄せて毎日の様に受を家に呼ぶのが日課になっていた。
大学が終わって、いつもの様に家に呼んでドアが閉まると同時に口唇を貪っていたその時。
「……ん、ぁ。……っ、ね、攻。……セフレ、終わりにしたいん、だけど」
「────── は、?」
受から信じられない言葉が響く。
嘘だろ……?唯一の繋がりを彼は切ろうと、している。
俺以外の誰かか……心の中にいる、のか?
「……何で。……他に、好きな奴でも、できた?」
「出来てない……いや、違うな。好きな奴、出来た。だから……セフレは、終わりに、したい。」
「……ッ!……嘘、だろ……?!……俺が、どれだけお前に男を近づけない様にしてきたか……!……そんな奴……お前が俺と関係持ってから、いる筈……!」
受を掴んでる腕に思わず力が入ってしまって。
痛がる彼を労る余裕すらない。
この子には俺だけを見てて、ほしい、のに。
「……いるよ。目の前に。」
言われて。
思考が停止した。
は 、 ?
「……俺が好きなのは……おまえ。……だから……セフレは、やめたい。……俺と、付き合って……?」
「 ──────ッ!」
信じられない。
上目遣いで頬を赤ながら恥ずかしそうに俺を見つめる受が可愛すぎて思わず腕を引いて抱き締めた。
うわ。心臓の音……めちゃめちゃ、大きくて、早い。
コレ、俺のと受のと……両方の音、だろうな。
「……っ、……お前、絶対……俺の事なんか、そんな風に見てないって、思ってたから……嘘だろ……やば、……嬉しすぎ……!」
「本当だよ。ていうか……俺も気付いたの最近だから。俺、結構態度に出ないから分かんなかったよね。俺はお前の気持ちに結構前から気付いてたけど。かわいすぎた。……攻、大好き、だよ。」
「っ!……俺も……ていうか、なんなら俺は……最初からお前のこと狙ってたから」
「は……?!……マジで……?」
「マジだよ。大マジ。……はー……やっとかよ……もう、絶対に、離さねェ。」
「……それは、コッチの……台詞……ん、」
それから俺たちは、いつものベッドで、ぐっちゃぐちゃに愛し合った。
受が意識を飛ばしてる間に左手の薬指に指輪を嵌める。
「……俺の、受。あー……やば。好き。大好き。……もう、絶対に……離さない」
俺なんかに捕まって、可哀想な受。
でも絶対に。
一生、逃がさない。
<終>
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