21 / 107
< 本編 >
21.切り替えたい気持ちの先に
しおりを挟む「士郎くん!早く早く!こっちだよ!」
教室に到着した俺を、既に式典に向かう列にが出来ていた中にいた祥くんが手招きしてくれた。
「祥くん、ありがと。助かった……!」
「士郎くん、四阿どうだった?ボクも今度一緒に行きたいな~!あっ食堂も今度一緒に行こうね!」
慧明オタクの祥くんの瞳がキラキラしている。かわいい。
俺はそんな祥くんに、うん、と答えて整列した。
四阿で圭介先輩と総兄と別れた後、少しひとりで、ぼうっとした。
あり得ない事ばかりを、勝手に妄想してた自分が恥ずかしくなってしまったからだ。
先輩とのハグは約束してしまったから、最低1日1回は必ずする。けど、それ以上はなるべくしない。
きっと、先輩も初めて自分の体調がマシになって、少し俺に依存気味になっているだけなんだろう。
俺も今まで他人と抱き合ったり、戯れあったりとかの経験がないから、少し、変な方向に気持ちが昂ってしまっただけだ。
だから、必要以上に関わらないようにすれば、いい。
あの変な高揚感はただの勘違いでしかないのだから。
「……俺は、Ωじゃ、ない」
発した言葉は、不思議と俺の感情が勘違いだ、と教えてくれた様な気がした。
先輩には運命の番が現れて、きっと今よりもっと幸せになる。
その時におめでとうって言える関係でいたい。
胸の奥が少しだけ痛んだ気がしたけど……
きっとそれも勘違いだろう ──────
「士郎!同じクラスだったんだな」
ポンと肩を叩かれて声のした方に振り向くと、咲耶が俺の斜め後ろにいた。
「咲耶!あれ?入学式は出ないんじゃ……」
「予定変更になってな。お披露目だから出ろ、だと。ほんと勝手だよなあ。」
お披露目?お披露目って何をするんだろう……?
くあ。と欠伸をしながらそう答えた咲耶に、祥くんが大きい目を更に大きくしながら話しかけた。
「えっ、もしかして、鷲宮コンツェルンの鷲宮さんですか……?!同じクラスだったなんて……!」
「咲耶、で構わない。士郎、この子は?」
「同じクラスの寺畑祥大くんだよ。」
「寺畑、祥大……、ははっ!士郎はすごいな。引き寄せる力でもあるみたいだ。面白い。」
そう言いながら咲耶はニィっと笑った。
?俺、何もしてないけど……。
「祥大、よろしく。鷲宮咲耶だ。この様子だと俺のことは知ってるみたいだな。年齢的にはひとつ上だが、学年は一緒だ。タメ口で構わないからな」
ひえええとなってる祥くんは咲耶の事も詳しく知ってそうだ。
そうこうしてる間に、教授から移動をすると言われ入学式の会場である体育館に移動になった。
新入生は12クラス480名。
在校生は2年生は15クラス550名、3年生は13クラス500名。
1クラス40名計算で数が合わないのは、退学している人がいるという事だ。
頑張って入学出来ても勉強について行けなくて、単位が足りず辞めていくβが山程いる。
俺がどうして、こんなに厳しい学院に必死になって入ったかというと、『総兄がいるから』という理由だけじゃない。
この学院に憧れてる教授が、いる。
その人の講義を受けたい、というのが1番の理由だった。
その講義を受けるには、2年生に上がらないと受けれない専攻分野だったため、振り落とされない様にしなければ。
頑張らないと、いけない。
『新入生の入場です。』
会場の奥の方で呼び声が聞こえる。
新入生の波が動き始めた。
「………………よし。」
闘いが始まる気がして、気合いを入れた。
35
あなたにおすすめの小説
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
【完結】ネクラ実況者、人気配信者に狙われる
ちょんす
BL
自分の居場所がほしくて始めたゲーム実況。けれど、現実は甘くない。再生数は伸びず、コメントもほとんどつかない。いつしか実況は、夢を叶える手段ではなく、自分の無価値さを突きつける“鏡”のようになっていた。
そんなある日、届いた一通のDM。送信者の名前は、俺が心から尊敬している大人気実況者「桐山キリト」。まさかと思いながらも、なりすましだと決めつけて無視しようとした。……でも、その相手は、本物だった。
「一緒にコラボ配信、しない?」
顔も知らない。会ったこともない。でも、画面の向こうから届いた言葉が、少しずつ、俺の心を変えていく。
これは、ネクラ実況者と人気配信者の、すれ違いとまっすぐな好意が交差する、ネット発ラブストーリー。
※プロットや構成をAIに相談しながら制作しています。執筆・仕上げはすべて自分で行っています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる