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observer
幻想の双子-2
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ここは、そうか、ここはアーバンデクライン。いつもと同じように、ただただ広がる廃墟の数々と砂っぽい大気。空には、新人の住むインクイリィワールドと呼ばれる研究浮遊都市が3つほど浮かんでいる。
「×××眼が覚めたかい。おはよう」
「あら、起きたのね。×××朝ご飯今作るわね」
この2人は、えっと、誰だっけ。でもとても懐かしい、私を名前で、私の、な・ま・え。わからない、私は誰。
眼を覚ますと、同じ顔が2つ私を見つめているのだが、とにかく近い。
「顔、近っ」
ガバッと、起き上がるとさっきまでのことが、夢だと分かる。
そろそろ、朝が来る。太陽がその頭を見せるか見せないかぐらいまで、空は紅かった。
「姉様」
「おはよう」
「「ございます」」
いつの間にか、噴水広場のベンチに寝かされていたようだ。少しは、この2人の話を聞いてあげようか。
「あんた達が寝かしてくれたの」
私の両隣に座っていた2人は、話しやすいように私の前に立って言う。
「もちろんのこと」
「わたくし共は、姉様に仕える身」
「「当然のことでございます」」
「へっ、へぇ~そう、なんだ」
ドヤ顔で言われても、どう反応すればいいのやら。2人は、エッヘンと腕組みをして立っている。
「話も聞かずに逃げ出したことは、謝る。だが、悪いが2人には・・・」
と言葉を濁すと2人は、お互いに顔を見合わせて、再び私を見据えると、
「心配はいりません」
「私たちは消えません」
<ポニ編み>が、ずいっ、と前に出て来て
「私はコイオス。幻覚を司る神のはしくれ」
と言うと、続いて<ツイ編み>が、のそっ、と出て来ると、
「私はクリオス。幻影を生む神のはしくれ」
と各々、名を告げる
「故に」
「我らは」
「「神なり」」
へぇ~。私は、幼児を見守る親のような眼差しを向けると。
コイオスとクリオスは、慌てた風にあたふたしだした。そして、
「故に」
「我らは」
「か・・・」
「わかった、わかった。神様なんだよねぇ」
また同じことを言おうとしていたので、言葉を遮って2人の頭を撫でてやると、2人は気持ちよさそうな顔をする。
「違うの」
「です」
「私たちは姉様に」
「よしよししてもらいに来たのでは」
「「ありません」」
「こうなったらクリオス」
「はい、あれですね。コイオス」
昨晩の仕返しにと思っていたのだが、少々やり過ぎたらしい。2人は悪意に満ちた顔つきになると
「「ふ☆☆☆☆ん」」
あっ、なんか聞いたことのある掛け声だ。案の定眩しい光の中に、人影が見える。
「姉様これが私のもう1つの姿、幻想を語る神。コリオス」
「へっ、へぇ~。背が高くなったんだ~」
もはや、原形がない。
小学生くらいの背たけが、大人ほどまで伸びている。(私より背が高いのがなんかムカつく)
「コイオスとクリオスが1つになる時、新たな神が生まれるのです」
「じゃあ、ずっとその姿でいいんじゃないの?」
「できればそうしたいのですが、この姿は幻想によって創られています。幻は霧のように消え、時に儚いもの。ですから、せいぜい10分がいいところですね」
ふぅーん。
ふとそんなことを聞いた後、何故か幻が命のようだと思ったことは、敢えて口にしない。
「それで、その姿の時は何ができるの」
「はい、1つとなった私は、さらに上位の物を創造できます。例えば、幻想種の幻獣など、後は、伝説上の聖剣なども。お出ししましょうか」
柔らかい笑顔で、簡単にそんなこと言うあたり本当に出せるのだろう。けど今は必要ないため、今は止めとく、と手のひらをひらひらさせ断ると
「自信ありましたのに」
と肩を落とし、残念そうだ。
断ったのはそろそろ朝を迎えるにあたって、人目につくからであり、決して2人の能力を疑っているわけではない。
「にしてもこれからどうしたものか」
小型のインカムは、昨晩の一件で、音が拾えない。マイクは大丈夫だと思うのだけど。振り返るとコリオスは、分離して、コイオスとクリオスに戻っていた。身長差がありすぎて、消えたのかと勘違いしてしまうほど、2人に分かれると小さく、幼い容姿だ。
「あんた達は、天使じゃないのよね」
「「はい」」
「私たちは」
「神であるため」
「観測は」
「不可能なのです」
「天使じゃないとなると、一旦連れて帰るか、通信機も使えないし仕方ないわね」
すでに、イカロスは起動している。人口的な翼が朝焼けに輝く。
「クリオスこちらに」
「はい、コイオス」
身体が宙に浮くと2人も宙に浮く。
「あんた達飛べるの」
「はい、私、コイオスは幻覚の翼を」
「私、クリオスは幻影の翼を」
見ると右にいるコイオスに背には半透明の翼がぼやけながらだが、生えているのが分かる。一方、クリオスは、黒い翼が、両手首、両足首に生えている。髪型以外に翼で見分けがつくな。むしろ翼の方が分かりやすいかも。
一度2人を家まで連れて来た。
「ちょっと待ってなさい」
私は、とりあえず1人で先に家の中に入る。家主に一言断っておかないと。いきなり、自称神と名のる不審者を勝手に上げるわけにはいかない。若は、書斎にいた。
「やあ、おかえり。通信がいきなり途切れたものだから、心配したてたんだ。無事でなによりだ。でも、朝帰りとは大人として関心しないな」
「まあまあ、それはそれとして実は、今回のミッションは失敗した。それで・・・観測対象を連れて帰って来たのだが」
「へぇ~。て、えぇぇー」
驚きすぎて、若は椅子と共に後ろに横転する。
「観測対象とは」
「無粋な」
「「呼び方なのです。姉様」」
どうしてかなぁ、何故か奴らの声がするのだけど。
「ななな、なんだい君たちは」
おい若、動揺しすぎだ。声がうわずっている。
「悪いな、これが、この2人がそうだ」
「なるほど、確かに天使というよりは普通のお嬢ちゃんだね」
コイオスとクリオスは、幻術で作った拳銃を若に向け、抗議する。
「見た目で」
「判断するとは」
「愚かな」
「人間なのです」
彼女らは、引き金を問答無用に引く。するとパーティークラッカーのようにパンッと、リボンが何本か銃口から勢いよく飛び出した。それでも若にとっては、十分な威力を発揮したのだ。
その後書斎のドアがゆっくりと開く。
「何か大きな音がしたと思ったんだけど、叔父さんあまり大きな音だ・・・してって、なんだい君たちは」
あっ同じ反応。やはり、叔父、姪の関係でも血は繋がっているということか。1人でふむふむと、私は感心するのだった。
書斎で大まかにことの成り行きを説明した後、夕食をいつも通りに済ませると、私は夜風に当たりたいと、1人で都市の手前の橋の柵にもたれて、川を行く程よい風に吹かれながらふと明日のことを思う。すると家の方角から1人の女性が歩いて来た。
「ここにいらしたのですか」
丁寧な口調で私に確認する。
ああ、コリオスか。(コイオスとクリオスが合体?融合?)
「その姿、長く保てないんじゃなかったっけ」
「いいえ。非戦闘時は、1時間程持ちますわ」
そう言って、コリオスも柵に肘をつきもたれる。背中をもたれさせている私と逆の方向を見ている形だ。お互い顔を見合わせず話し始める。
「姉様、わたくしは1つ隠し事をしていることをまづお詫び申し上げます。ですが時が来たら必ずお話しますね」
「そう」
少しばかり肌を刺す風が、何故か心地よい。
「いろいろあったな、この2年間私には分からないことだらけのこの世界で、生きていけるのかなって」
「大変な苦労、為されたのですね」
「ええ、元いた場所には戻れないし、悪魔だってみんな言っていたのに、こっちの世界じゃ神官みたいなことしてるしね」
コリオスを横顔を盗み見ると、少し目を細め、苦々しい表情をしている。が、コリオスは着ているシルクのドレスを翻し私に背を向けて言う。
「ここわ冷えますわ。姉様」
「そうだな、それにもう11時を越した訳だし、心配をかける訳にもいかないからな」
コリオスはすでに歩き出していたがその時、
「ごめんなさい」
と小さく呟いたようだけど、ここに来て1番の風が勢いよく吹き言葉を掻き消してしまいよく聞こえなかった。そうして私たちは帰路についた。風が運ぶのは、星かそれとも明日なのか、そんなことを考えて、フッと少し微笑しコリオスの背中を追った。
「×××眼が覚めたかい。おはよう」
「あら、起きたのね。×××朝ご飯今作るわね」
この2人は、えっと、誰だっけ。でもとても懐かしい、私を名前で、私の、な・ま・え。わからない、私は誰。
眼を覚ますと、同じ顔が2つ私を見つめているのだが、とにかく近い。
「顔、近っ」
ガバッと、起き上がるとさっきまでのことが、夢だと分かる。
そろそろ、朝が来る。太陽がその頭を見せるか見せないかぐらいまで、空は紅かった。
「姉様」
「おはよう」
「「ございます」」
いつの間にか、噴水広場のベンチに寝かされていたようだ。少しは、この2人の話を聞いてあげようか。
「あんた達が寝かしてくれたの」
私の両隣に座っていた2人は、話しやすいように私の前に立って言う。
「もちろんのこと」
「わたくし共は、姉様に仕える身」
「「当然のことでございます」」
「へっ、へぇ~そう、なんだ」
ドヤ顔で言われても、どう反応すればいいのやら。2人は、エッヘンと腕組みをして立っている。
「話も聞かずに逃げ出したことは、謝る。だが、悪いが2人には・・・」
と言葉を濁すと2人は、お互いに顔を見合わせて、再び私を見据えると、
「心配はいりません」
「私たちは消えません」
<ポニ編み>が、ずいっ、と前に出て来て
「私はコイオス。幻覚を司る神のはしくれ」
と言うと、続いて<ツイ編み>が、のそっ、と出て来ると、
「私はクリオス。幻影を生む神のはしくれ」
と各々、名を告げる
「故に」
「我らは」
「「神なり」」
へぇ~。私は、幼児を見守る親のような眼差しを向けると。
コイオスとクリオスは、慌てた風にあたふたしだした。そして、
「故に」
「我らは」
「か・・・」
「わかった、わかった。神様なんだよねぇ」
また同じことを言おうとしていたので、言葉を遮って2人の頭を撫でてやると、2人は気持ちよさそうな顔をする。
「違うの」
「です」
「私たちは姉様に」
「よしよししてもらいに来たのでは」
「「ありません」」
「こうなったらクリオス」
「はい、あれですね。コイオス」
昨晩の仕返しにと思っていたのだが、少々やり過ぎたらしい。2人は悪意に満ちた顔つきになると
「「ふ☆☆☆☆ん」」
あっ、なんか聞いたことのある掛け声だ。案の定眩しい光の中に、人影が見える。
「姉様これが私のもう1つの姿、幻想を語る神。コリオス」
「へっ、へぇ~。背が高くなったんだ~」
もはや、原形がない。
小学生くらいの背たけが、大人ほどまで伸びている。(私より背が高いのがなんかムカつく)
「コイオスとクリオスが1つになる時、新たな神が生まれるのです」
「じゃあ、ずっとその姿でいいんじゃないの?」
「できればそうしたいのですが、この姿は幻想によって創られています。幻は霧のように消え、時に儚いもの。ですから、せいぜい10分がいいところですね」
ふぅーん。
ふとそんなことを聞いた後、何故か幻が命のようだと思ったことは、敢えて口にしない。
「それで、その姿の時は何ができるの」
「はい、1つとなった私は、さらに上位の物を創造できます。例えば、幻想種の幻獣など、後は、伝説上の聖剣なども。お出ししましょうか」
柔らかい笑顔で、簡単にそんなこと言うあたり本当に出せるのだろう。けど今は必要ないため、今は止めとく、と手のひらをひらひらさせ断ると
「自信ありましたのに」
と肩を落とし、残念そうだ。
断ったのはそろそろ朝を迎えるにあたって、人目につくからであり、決して2人の能力を疑っているわけではない。
「にしてもこれからどうしたものか」
小型のインカムは、昨晩の一件で、音が拾えない。マイクは大丈夫だと思うのだけど。振り返るとコリオスは、分離して、コイオスとクリオスに戻っていた。身長差がありすぎて、消えたのかと勘違いしてしまうほど、2人に分かれると小さく、幼い容姿だ。
「あんた達は、天使じゃないのよね」
「「はい」」
「私たちは」
「神であるため」
「観測は」
「不可能なのです」
「天使じゃないとなると、一旦連れて帰るか、通信機も使えないし仕方ないわね」
すでに、イカロスは起動している。人口的な翼が朝焼けに輝く。
「クリオスこちらに」
「はい、コイオス」
身体が宙に浮くと2人も宙に浮く。
「あんた達飛べるの」
「はい、私、コイオスは幻覚の翼を」
「私、クリオスは幻影の翼を」
見ると右にいるコイオスに背には半透明の翼がぼやけながらだが、生えているのが分かる。一方、クリオスは、黒い翼が、両手首、両足首に生えている。髪型以外に翼で見分けがつくな。むしろ翼の方が分かりやすいかも。
一度2人を家まで連れて来た。
「ちょっと待ってなさい」
私は、とりあえず1人で先に家の中に入る。家主に一言断っておかないと。いきなり、自称神と名のる不審者を勝手に上げるわけにはいかない。若は、書斎にいた。
「やあ、おかえり。通信がいきなり途切れたものだから、心配したてたんだ。無事でなによりだ。でも、朝帰りとは大人として関心しないな」
「まあまあ、それはそれとして実は、今回のミッションは失敗した。それで・・・観測対象を連れて帰って来たのだが」
「へぇ~。て、えぇぇー」
驚きすぎて、若は椅子と共に後ろに横転する。
「観測対象とは」
「無粋な」
「「呼び方なのです。姉様」」
どうしてかなぁ、何故か奴らの声がするのだけど。
「ななな、なんだい君たちは」
おい若、動揺しすぎだ。声がうわずっている。
「悪いな、これが、この2人がそうだ」
「なるほど、確かに天使というよりは普通のお嬢ちゃんだね」
コイオスとクリオスは、幻術で作った拳銃を若に向け、抗議する。
「見た目で」
「判断するとは」
「愚かな」
「人間なのです」
彼女らは、引き金を問答無用に引く。するとパーティークラッカーのようにパンッと、リボンが何本か銃口から勢いよく飛び出した。それでも若にとっては、十分な威力を発揮したのだ。
その後書斎のドアがゆっくりと開く。
「何か大きな音がしたと思ったんだけど、叔父さんあまり大きな音だ・・・してって、なんだい君たちは」
あっ同じ反応。やはり、叔父、姪の関係でも血は繋がっているということか。1人でふむふむと、私は感心するのだった。
書斎で大まかにことの成り行きを説明した後、夕食をいつも通りに済ませると、私は夜風に当たりたいと、1人で都市の手前の橋の柵にもたれて、川を行く程よい風に吹かれながらふと明日のことを思う。すると家の方角から1人の女性が歩いて来た。
「ここにいらしたのですか」
丁寧な口調で私に確認する。
ああ、コリオスか。(コイオスとクリオスが合体?融合?)
「その姿、長く保てないんじゃなかったっけ」
「いいえ。非戦闘時は、1時間程持ちますわ」
そう言って、コリオスも柵に肘をつきもたれる。背中をもたれさせている私と逆の方向を見ている形だ。お互い顔を見合わせず話し始める。
「姉様、わたくしは1つ隠し事をしていることをまづお詫び申し上げます。ですが時が来たら必ずお話しますね」
「そう」
少しばかり肌を刺す風が、何故か心地よい。
「いろいろあったな、この2年間私には分からないことだらけのこの世界で、生きていけるのかなって」
「大変な苦労、為されたのですね」
「ええ、元いた場所には戻れないし、悪魔だってみんな言っていたのに、こっちの世界じゃ神官みたいなことしてるしね」
コリオスを横顔を盗み見ると、少し目を細め、苦々しい表情をしている。が、コリオスは着ているシルクのドレスを翻し私に背を向けて言う。
「ここわ冷えますわ。姉様」
「そうだな、それにもう11時を越した訳だし、心配をかける訳にもいかないからな」
コリオスはすでに歩き出していたがその時、
「ごめんなさい」
と小さく呟いたようだけど、ここに来て1番の風が勢いよく吹き言葉を掻き消してしまいよく聞こえなかった。そうして私たちは帰路についた。風が運ぶのは、星かそれとも明日なのか、そんなことを考えて、フッと少し微笑しコリオスの背中を追った。
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