黒の少女と弟子の俺

まるまじろ

文字の大きさ
27 / 32

第27話・ユキの教えは心の中に

しおりを挟む
 ちまたを騒がせていたダークドラゴンの正体。それは『神の心臓』とやらを持つホワイトスノー当主、ライゼリア・ホワイトスノーだった。
 そして俺を街外れの第三結界の際まで誘い出してその正体をあらわにしたライゼリアは、鋭く尖った牙と爪、殺意を剥き出しにして俺に襲いかかろうとしていた。
 相手は熟練のモンスタースレイヤーでも苦戦を強いられる、ダークカラーのドラゴン。そんなダークドラゴンに修行の最中であるモンスタースレイヤー見習いの俺がいくら頑張っても、打ち勝つ事は難しいだろう。
 けど、俺にもモンスタースレイヤーを目指す者としての意地があるし、何より相手はユキの仇だから簡単には引き下がれない。

「相手がモンスタースレイヤー見習いではあっと言う間に終わるかもしれんが、せいぜい頑張ってあらがってみせろ!」
「おわっ!?」

 ダークドラゴンへと変貌したライゼリアは、鋭く尖った爪がある前足を俺へと突き出して攻撃をしてきた。
 そんなライゼリアの動きは今まで俺が遭遇したどんなダークカラーのモンスターよりも素早く、その巨体に似つかわしくない能力に驚きを隠せなかった。

「ほお。見習いのくせに今のをかわすとは、なかなかやるじゃないか」
「馬鹿にするな! いくら俺がモンスタースレイヤー見習いでも、お前なんかにやられたりはしないっ!」

 相手はダークカラーのドラゴン。しかも神の心臓とやらで変貌した元人間。そんなライゼリアの能力が、既存のダークドラゴンと似た様な感じだとは思えない。
 しかしどちらにしろ俺には荷が重い相手なのは間違いないので、俺は最初っから全力で攻撃をすると決めていた。

「クククッ、いい度胸じゃないか! その調子で俺を退屈させない様にしてくれよ?」
「俺はお前の遊び相手になってやるつもりはないっ! ダークオブセイバー!!」

 空高く顕現させた漆黒の剣が、振り下ろした俺の手の動きに従って稲光の如き速さでライゼリアへと落ちる。
 俺のダークオブセイバーを避ける素振りすら見せないライゼリアに対し、俺は確実にダークオブセイバーが決まると思った。だが、その漆黒の剣がライゼリアを貫こうとした瞬間、俺のダークオブセイバーはまるで霧散するかの様に消え去ってしまった。

「なっ!? 何だ今のは!?」
「クククッ、どうした? お前の攻撃はもう終わりか?」
「くっ……ダークハンドスワンプ!」

 俺はライゼリアから距離をとり、次の魔法を放った。
 しかしライゼリアの前に広がった闇の沼から伸びた漆黒の手は、ライゼリアを掴む直前に次々と霧散し、ダークオブセイバーと同様に消え去ってしまった。

 ――どういう事だ? 何で当たる直前に魔法が消える?

「クククッ。解らない――って顔をしてるなあ。まあいい、せっかくだから教えてやるよ。今の俺はなあ、ある魔法を使ってるんだよ」
「ある魔法?」
「ああ。それは今は失われた古代魔法、ディスペルマジックだ。これは便利だぞ。なにせ相手が使う全ての魔法を、ことごとく消し去ってくれるからな」
「なるほど。それで俺の魔法が当たりもせずに消え去ったってわけか」
「そういう事だ。そしてそれが指し示すものは、魔法攻撃は絶対に俺には効かないって事だ!」

 既存のダークドラゴンとは違った能力を持っていてもおかしくはないと思っていたけど、まさか失われた古代魔法を使えるとは思ってもいなかった。
 そして奴の言うディスペルマジックが本当に全ての魔法を無効化するんだとしたら、俺の状況は更に不利なものになる。

「くそっ……」
「んん~? さっきまでの勢いはどうしたあ? 魔法が使えないと戦う事もできないのか?」

 正直に言って、魔法が通じないというのはヤバイ。
 しかしだからと言って、魔法無しで戦って勝てるほど甘い相手じゃないのも分かる。

 ――どうする? どうすればいい? 考えろ、考えるんだ……。

「ククク。そっちが攻撃して来ないなら、俺から行くぞ?」

 俺が打開策を必死に考えていると、ライゼリアはニヤリと鋭い牙を見せてから俺に突進して来た。
 そのスピードは本当に巨体とは思えないほどに速く、俺はライゼリアの爪や尻尾による連続攻撃をかわすので精一杯だった。

「はあはあっ」
「どうした? だいぶ息が上がってるじゃないか? そんな調子で俺を倒せるのか?」
「ふーっ……お前にそんな心配をされる覚えはないよ」
「ちっ、相変わらず口の減らないガキだな……ちょっと痛い思いをするか?」

 少し不機嫌な感じでそう言うと、ライゼリアはまた俺に向かって突進して来た。

「くっ! ダークバレット!」

 しかし今度の突進はさっきまでよりも格段に速く、俺はその突進をかわしきれないと思い、咄嗟に両手を前に突き出して魔法を放った。


「!? ディスペルマジック!!」

 闇の銃弾が凄まじい速度で両手から放たれると、ライゼリアはなぜかその動きを完全に止めて防御にまわった。

 ――なんだ? どうして急に突進を止めた?

 そんな事を思ってつい警戒を怠ってしまった次の瞬間、ライゼリアが立ち止まった事で立ち昇った砂煙の向こうから、突然ドラゴンの尻尾が現われた。
 そして砂煙を切り裂く様にして現れたその尻尾の先は俺の腹部をとらえ、そのまま俺を遠くまで弾き飛ばした。

「ぐはっ! く、くそっ……」

 尻尾の一撃で思いっきり弾き飛ばされた俺は、全身が痺れる様な感覚の中、凄まじい痛みが走る腹部を押さえながらなんとか地面に片膝を着いた。そんな俺の口からは大量の血が出ているらしく、俺の下の地面は血を浴びて真っ赤に染まっていた。

「今のはいい感触だったなあ。いい所に当たったんじゃねえかあ?」

 今にも意識を失いそうなほどの痛みに耐えながら声がした方を向くと、ライゼリアが鋭い牙を剥き出しにしてニヤリとしていた。

「しかしまあ、今のは惜しかったよなあ。もう少しで俺に一矢報いる事ができたかもしれないのに。ククク」

 その言葉を聞いた俺は、ライゼリアの言動に妙な違和を感じた。俺の中で何かが引っ掛かったのだ。

「うぐっ……」

 しかしそれに対する思考も激しい痛みが邪魔をし、上手く形になっていかない。
 それでも俺は必死に思考を巡らせ、違和感の正体を探る。

 ――魔法を放った瞬間に立ち止まったライゼリア。そして魔法攻撃を放った俺に対して、『惜しかったな』と言った意味……これには関連があるはずだ。そこを看破できれば、絶対にあとからやって来るティアの役に立つはず……。

 ユキの仇を討つ為に、俺は今までに無いくらいに加速的に思考を巡らせた。
 こうして考えられる可能性を探して思考のパズルをはめ込んでいたその瞬間、俺の脳裏に一つの可能性が浮かんだ。
 そしてその可能性が脳裏に浮かんだ時、俺はライゼリアの身体を観察する為に目を細めて凝視した。

「ずいぶんいい所に当たっちまったみたいだなあ。身動き一つとれないみてえじゃねえか」
「…………」

 俺は軽口を叩くライゼリアを睨み付ける様に見ながら、まだお前には屈していない――という意志を示した。

「ふん。闘志だけは見事なもんだな。だが、その状態でいつまでその闘志が持つかな!!」

 そう言うとライゼリアは、再び俺に向かって突進して来た。
 そしてそれを見た俺は腹部を押さえていた右手を前へと突き出し、手の平に魔力を込めた。

「ダークボール!」

 漆黒の球体が俺の手の平から複数放たれ、ライゼリアと目掛けて飛んで行く。
 だが、俺の放ったダークボールは予想通りに立ち止まったライゼリアの前で霧散した。
 そしてそれを見た俺は、そこから次々に魔法攻撃をその場から放った。そしてその間、ライゼリアはその場からピクリとも動かなかった。

「俺に敵わないと悟ってヤケクソの攻撃か? 少しは骨があるかと思ったが、お前も大した事はなかったなあ」

 落胆した様な声でそんな事を言うライゼリアだが、ここまでは俺の思惑通りだ。
 だが俺の立てた仮説を立証するには、あと一手間足りない。そしてそれを行えるのは俺ではなく、ティアを置いて他に居ない。

「そろそろお前と遊ぶのも飽きてきたし、そろそろ死ぬか?」
「残念だけど、俺を殺してもお前はティアに倒される。俺の師匠、最強のモンスタースレイヤーであるティアにな!」
「ククク……アーハッハッハッ! 何を言い出すかと思えば、あの小娘が俺を倒すだと? あの小娘と並び評されるユキですら、俺には敵わず殺されたんだぞ? それを分かってるのか?」
「お前こそ何も分かっていない。真の強者たるモンスタースレイヤーが、モンスターを相手に一矢も報いずやられるわけがないって事をな」
「何だと?」
「お前のディスペルマジックは決して完全無欠じゃない。それはお前の身体にいくつかある小さな傷が物語っている。そしてその傷は、まだそんなに日が経っていないものが多い。て事は、その傷は戦ったモンスタースレイヤー達につけられたものだと考えるのが妥当だ。そしてその中には、明らかに魔法によってできた傷もある。つまり、お前を倒す術は絶対にあるって事だ! だから倒す術が存在するなら、ティアがお前に負ける事は絶対にないっ!」
「ククク……伊達にユキの師事を受けたわけじゃないって事か。大した観察眼だ。だが、俺を傷付ける術があっても、俺に挑んだモンスタースレイヤーはみんな殺されちまったって事を忘れてねえか?」
「忘れてないさ。それでもティアは、絶対にお前を打ち倒す」
「ちっ……どこまでもクソ生意気なガキだな……。もういい、お前はここで死ね。そしてお前の死体を手土産に、あの小娘もすぐに同じ場所へ送ってやる」

 そう言うとライゼリアは体勢を低くして後ろ足をグッと踏み込み、俺へ向けて突撃する準備を始めた。
 本当ならティアが来るまでの時間稼ぎをしたいところだが、最初っから全力で戦っていた俺に残されている力はほぼ無い。
 だが、ここでむざむざと相手の好きにやられては、あの世でユキに怒られてしまう。俺は残された魔力の全てを集め、最後の抵抗を試みようと決めた。
 俺はふらふらと定まらない突き出した右手の手首を左手で掴み押さえ、ライゼリアの方へと向けた。
 そして俺は突進を始めたライゼリアへ向けて最後の魔法を放ったが、それもディスペルマジックによって霧散し、俺はもう、魔法を掻き消して再突撃を始めたライゼリアを止める術なく見つめるしかなかった。

 ――ユキ……俺の手で仇を討てなくてごめん……。

 走り迫るライゼリアを見ながら心の中でユキに謝る。
 そしていよいよライゼリアが目前に迫った時、空の高い所から何かが空を切る音が聞こえてきた。

「なっ、何だ!?」

 向かって来ていたライゼリアと俺の間の大地に、一本の巨大な漆黒の剣が突き刺さった。それは紛れもなく、ティアの使うダークオブセイバーだった。
 そしてそれを見た俺は、寸でのところで来てくれたティアに対して安堵の笑みを浮かべた。

「ティア。来てくれてありがとう……」
「遅くなってごめんね。お兄ちゃん」
「なんとかここまで頑張ったけど、俺にはユキの仇を討てなかったよ……」
「大丈夫。ユキの仇とお兄ちゃんをこんな目に遭わせた償いは、私がきっちりとさせるから」
「うん。信じてるよ、ティア。でもその前に――」

 俺は今にも途切れそうな意識をなんとか繋ぎ止め、ティアにライゼリアのディスペルマジックに対する仮説と、その仮説が正しかった場合のそれを破る道筋を伝えた。

「――分かったよ、お兄ちゃん。あとは私に任せておいて」
「ああ……こんな時ばっかり頼ってごめんな……ティア…………」

 俺はそれを伝え終えると同時に、意識がぷっつりと途切れた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

処理中です...