12 / 27
第十二話 山で食べるアヒージョは一番うまい⑥
しおりを挟む
アヒージョのブルスケッタの余韻に浸り、満たされた心でエンヒを眺めていた圭吾は、ふと、あることを思い出した。
そうだ、念のためにと、バックパックの奥に辛口の白ワインの小瓶を一本、忍ばせてきたのだった。
アヒージョには、やはりキリッとした白ワインがよく合う。
「ちょっと待ってて」
圭吾はエンヒに一声かけると、テントの中へ入り、少しごそごそと荷物を探った。
あった。
目的の小瓶は、衣類の間に挟むようにして入れてあった。
取り出したのは、360mlほどの小さなボトル。
ラベルには、素朴な字体で「池田町 町民用白ワイン」と書かれている。
北海道の池田町にある、十勝ワインで有名なワイナリーが、地元向けに限定販売しているものらしい。
決して高価なワインではない。
むしろ、都内の専門店でも買える安価なテーブルワインの部類に入るだろう。
しかし、圭吾はこのワインをことのほか気に入っていた。
数年前に北海道出張の際に偶然見つけて飲んで以来、その飾らない美味しさの虜になり、時々取り寄せては、自宅でささやかな楽しみにしていたのだ。
圭吾はテントから出て、予備としてリュックにぶら下げている登山用の軽量樹脂製コップに、淡い黄金色の液体をトクトクと注いだ。
そして、まず自分が一口、ゆっくりと味わう。
ん……美味い。
軽やかで、ぶどうそのものの様な華やかな香りが、まず鼻腔をくすぐる。
口に含むと、まるで質の良い葡萄ジュースのような、フレッシュで豊かなぶどう本来の風味が口の中に広がる。
だが、そのフルーティーな第一印象とは裏腹に、後味はすっきりとドライで、想像するよりもずっと辛口に近いキレがある。
ロゼワインのような甘やかさも微かに感じるが、決して甘ったるくはなく、非常にバランスが取れていて飲みやすい。
そして何より、このワインはアヒージョとの相性が抜群なのだ。
口の中に残っていたニンニクの香ばしさと、オリーブオイルのまろやかなコクが、この白ワインの持つ爽やかな酸味によって、すっきりと洗い流されていく。
味覚が見事にリセットされ、また次の一口が欲しくなる。
油と香辛料が織りなす濃厚な余韻に、ワインの涼やかな風が吹き込むことで、口の中に全く新しい、心地よい調和が生まれるのだ。
これぞ、料理とワインの理想的な対話の一つと言えるだろう。
圭吾が、白ワインがもたらした爽快な余韻に静かに浸っていると、隣に座るエンヒが、その様子をじっと見つめていることに気づいた。
緋色の瞳が、圭吾の持つコップとその中身に注がれている。
「……圭吾、それはなんじゃ? 水とは違う、良い香りがするぞ」
目ざとい、というか鼻が利く。
圭吾は少し意地悪く笑ってみせた。
「これは白ワインだよ。ぶどうから作るお酒だ。まあ、君にはまだ早いかな。もうちょっと君が大人なら、一緒に飲めたんだけどな」
その言葉に、エンヒはむっとした表情になり、椅子の上でぷいとそっぽを向いた。
「なっ……! 無礼なことを言うでない! 私は見た目こそこうじゃが、お主などより遥かに長く生きておる! れっきとした大人じゃ! それも飲ませるのじゃ!」
「へえ、ワインは飲んだことあるのかい? 本当に?」
圭吾がからかうように言うと、エンヒは勢いよくこちらを振り返り、胸を張った。
「勿論あるに決まっておるじゃろう! ワインくらい! ……それより、こちらにまで、ほのかに甘くて爽やかな、ぶどうの良い香りが漂ってくるではないか! 気になって仕方ないのじゃ! 早く! 早くそれをよこせ!」
どうやら、ワイン自体は飲んだことがある様だ。
それがぶどうジュースでなければ良いが。
しかし、エンヒがその香りに強く惹かれているのは間違いない。
エンヒは、飲めるから一口くれ、と必死に言い張っている。
圭吾は少し考えた。
目の前の存在は、見た目こそ少女だが、自らを「龍」だと名乗った。
ならば、人間社会の「未成年」などという法的な括りで判断するのは意味がないだろう。
いや、むしろ、龍に対してそのような扱いをすること自体が、失礼にあたるのかもしれない。
それに何より……自分の好きなこのワインを、この不思議な少女の姿をした龍が飲んだ時、一体どんなリアクションを見せてくれるのか。
アヒージョの時のような、詳細で情熱的なレビューが聞けるのだろうか。
その好奇心が、圭吾の背中を押した。
「分かったよ。じゃあ、少しだけだぞ」
圭吾は再びテントに戻り、コップをもう一つ取り出すと、そこに白ワインを少量、注いだ。
そして、エンヒへと差し出す。
「ほら」
エンヒは、ぱあっと顔を輝かせ、にんまりと満足げな笑顔でコップを受け取った。
その笑顔は、威厳など欠片もなく、純粋に嬉しそうな子供のようだった。
まず、エンヒはワイングラスでも何でもない、ただの樹脂製のコップに鼻を近づけ、目を閉じて深く香りを吸い込んだ。
ワイングラスでなくとも、このワインからは、まるで収穫したばかりのマスカットのような、瑞々しくフルーティーな香りが豊かに立ち上ってくる。
エンヒの表情が、うっとりと蕩けていくのが分かった。
十分に香りを楽しんだ後、エンヒは意を決したように、小さな唇でコップの縁に触れ、こくり、と一口、ワインを口に含んだ。
そして、アヒージョの時と同じように、しばし目を閉じて、その味を舌の上で転がすようにして吟味している。
やがて、ゆっくりと目を開けたエンヒは、感嘆のため息と共に、またもや詳細なレビューを始めた。
「ふむ……なるほど。これはまだ熟成という点では若いワインじゃな。じゃが、なんと芳醇で華やかな果実味か! そして、この鼻腔をくすぐる、まるで花のようなぶどうの香り! 今まで、これほどまでに果実そのものを感じさせる酒を飲んだことはない……」
エンヒは再びコップを傾け、もう一口、今度は少し多めにワインを味わった。
「一口飲むごとに、この爽やかな香りが口中から鼻へと立ち昇ってくる……まるで、たった今、枝から摘み取ったばかりの瑞々しいぶどうをそのまま丸かじりしておるかのようじゃ。じゃが……驚くべきことに、味わいそのものは決して甘すぎず、むしろ心地よい酸味と共に、後味はしっかりと辛口に仕上がっておる。飲みごたえも良い。この豊かな果実味と、すっきりとした辛口を両立させるなど……このような酒、そう易々と作れるものではないはずじゃが……」
エンヒの的確すぎるコメントに、圭吾は感心しながら頷いた。
「ああ、よく分かるね。このワイン、確かドイツやハンガリー……外国でワイン作りを学んだ人が、その土地の気候に合わせて色々と研究して、ようやく作り上げたワインらしいよ。だから、日本のワインだけど、どこかヨーロッパのワインのような雰囲気も持ってるんだ」
「ほう……わざわざ別の国へ渡り、研究を重ねてか。うむむ、なるほどのう」
エンヒは深く頷き、再びワインを一口、大切そうに味わった。
「それにしても……このような美味なる料理と、これほどに素晴らしい酒が存在する世界があったとは……なんと……なんと夢のような! なぜ私は今まで、あの古びた祠の奥に行かなかったのじゃろうか……! 外の世界には、これほどの喜びがあったというのに! ああ、後悔しかないのじゃ……!」
エンヒは、心からの後悔と感動を込めて天を仰いだ。
その姿は、少し滑稽でもあり、同時に愛おしくも感じられた。
こうして、星が降るような夜空の下、一人と一龍は、ランタンのささやかな灯りのもと、アヒージョの残りと、白ワインを少しずつ楽しみながら、他愛のない会話を続けた。
エンヒが語る、圭吾には想像もつかないような、異世界の絶景の話。
圭吾が語る、エンヒにとっては未知の世界である、現代の人間社会の日常。
話題は尽きることなく、夜は静かに、そして温かく更けていく。
圭吾の心を満たしていたのは、ワインの酔いだけではなく、この予期せぬ出会いがもたらした、幸福感だった。
そうだ、念のためにと、バックパックの奥に辛口の白ワインの小瓶を一本、忍ばせてきたのだった。
アヒージョには、やはりキリッとした白ワインがよく合う。
「ちょっと待ってて」
圭吾はエンヒに一声かけると、テントの中へ入り、少しごそごそと荷物を探った。
あった。
目的の小瓶は、衣類の間に挟むようにして入れてあった。
取り出したのは、360mlほどの小さなボトル。
ラベルには、素朴な字体で「池田町 町民用白ワイン」と書かれている。
北海道の池田町にある、十勝ワインで有名なワイナリーが、地元向けに限定販売しているものらしい。
決して高価なワインではない。
むしろ、都内の専門店でも買える安価なテーブルワインの部類に入るだろう。
しかし、圭吾はこのワインをことのほか気に入っていた。
数年前に北海道出張の際に偶然見つけて飲んで以来、その飾らない美味しさの虜になり、時々取り寄せては、自宅でささやかな楽しみにしていたのだ。
圭吾はテントから出て、予備としてリュックにぶら下げている登山用の軽量樹脂製コップに、淡い黄金色の液体をトクトクと注いだ。
そして、まず自分が一口、ゆっくりと味わう。
ん……美味い。
軽やかで、ぶどうそのものの様な華やかな香りが、まず鼻腔をくすぐる。
口に含むと、まるで質の良い葡萄ジュースのような、フレッシュで豊かなぶどう本来の風味が口の中に広がる。
だが、そのフルーティーな第一印象とは裏腹に、後味はすっきりとドライで、想像するよりもずっと辛口に近いキレがある。
ロゼワインのような甘やかさも微かに感じるが、決して甘ったるくはなく、非常にバランスが取れていて飲みやすい。
そして何より、このワインはアヒージョとの相性が抜群なのだ。
口の中に残っていたニンニクの香ばしさと、オリーブオイルのまろやかなコクが、この白ワインの持つ爽やかな酸味によって、すっきりと洗い流されていく。
味覚が見事にリセットされ、また次の一口が欲しくなる。
油と香辛料が織りなす濃厚な余韻に、ワインの涼やかな風が吹き込むことで、口の中に全く新しい、心地よい調和が生まれるのだ。
これぞ、料理とワインの理想的な対話の一つと言えるだろう。
圭吾が、白ワインがもたらした爽快な余韻に静かに浸っていると、隣に座るエンヒが、その様子をじっと見つめていることに気づいた。
緋色の瞳が、圭吾の持つコップとその中身に注がれている。
「……圭吾、それはなんじゃ? 水とは違う、良い香りがするぞ」
目ざとい、というか鼻が利く。
圭吾は少し意地悪く笑ってみせた。
「これは白ワインだよ。ぶどうから作るお酒だ。まあ、君にはまだ早いかな。もうちょっと君が大人なら、一緒に飲めたんだけどな」
その言葉に、エンヒはむっとした表情になり、椅子の上でぷいとそっぽを向いた。
「なっ……! 無礼なことを言うでない! 私は見た目こそこうじゃが、お主などより遥かに長く生きておる! れっきとした大人じゃ! それも飲ませるのじゃ!」
「へえ、ワインは飲んだことあるのかい? 本当に?」
圭吾がからかうように言うと、エンヒは勢いよくこちらを振り返り、胸を張った。
「勿論あるに決まっておるじゃろう! ワインくらい! ……それより、こちらにまで、ほのかに甘くて爽やかな、ぶどうの良い香りが漂ってくるではないか! 気になって仕方ないのじゃ! 早く! 早くそれをよこせ!」
どうやら、ワイン自体は飲んだことがある様だ。
それがぶどうジュースでなければ良いが。
しかし、エンヒがその香りに強く惹かれているのは間違いない。
エンヒは、飲めるから一口くれ、と必死に言い張っている。
圭吾は少し考えた。
目の前の存在は、見た目こそ少女だが、自らを「龍」だと名乗った。
ならば、人間社会の「未成年」などという法的な括りで判断するのは意味がないだろう。
いや、むしろ、龍に対してそのような扱いをすること自体が、失礼にあたるのかもしれない。
それに何より……自分の好きなこのワインを、この不思議な少女の姿をした龍が飲んだ時、一体どんなリアクションを見せてくれるのか。
アヒージョの時のような、詳細で情熱的なレビューが聞けるのだろうか。
その好奇心が、圭吾の背中を押した。
「分かったよ。じゃあ、少しだけだぞ」
圭吾は再びテントに戻り、コップをもう一つ取り出すと、そこに白ワインを少量、注いだ。
そして、エンヒへと差し出す。
「ほら」
エンヒは、ぱあっと顔を輝かせ、にんまりと満足げな笑顔でコップを受け取った。
その笑顔は、威厳など欠片もなく、純粋に嬉しそうな子供のようだった。
まず、エンヒはワイングラスでも何でもない、ただの樹脂製のコップに鼻を近づけ、目を閉じて深く香りを吸い込んだ。
ワイングラスでなくとも、このワインからは、まるで収穫したばかりのマスカットのような、瑞々しくフルーティーな香りが豊かに立ち上ってくる。
エンヒの表情が、うっとりと蕩けていくのが分かった。
十分に香りを楽しんだ後、エンヒは意を決したように、小さな唇でコップの縁に触れ、こくり、と一口、ワインを口に含んだ。
そして、アヒージョの時と同じように、しばし目を閉じて、その味を舌の上で転がすようにして吟味している。
やがて、ゆっくりと目を開けたエンヒは、感嘆のため息と共に、またもや詳細なレビューを始めた。
「ふむ……なるほど。これはまだ熟成という点では若いワインじゃな。じゃが、なんと芳醇で華やかな果実味か! そして、この鼻腔をくすぐる、まるで花のようなぶどうの香り! 今まで、これほどまでに果実そのものを感じさせる酒を飲んだことはない……」
エンヒは再びコップを傾け、もう一口、今度は少し多めにワインを味わった。
「一口飲むごとに、この爽やかな香りが口中から鼻へと立ち昇ってくる……まるで、たった今、枝から摘み取ったばかりの瑞々しいぶどうをそのまま丸かじりしておるかのようじゃ。じゃが……驚くべきことに、味わいそのものは決して甘すぎず、むしろ心地よい酸味と共に、後味はしっかりと辛口に仕上がっておる。飲みごたえも良い。この豊かな果実味と、すっきりとした辛口を両立させるなど……このような酒、そう易々と作れるものではないはずじゃが……」
エンヒの的確すぎるコメントに、圭吾は感心しながら頷いた。
「ああ、よく分かるね。このワイン、確かドイツやハンガリー……外国でワイン作りを学んだ人が、その土地の気候に合わせて色々と研究して、ようやく作り上げたワインらしいよ。だから、日本のワインだけど、どこかヨーロッパのワインのような雰囲気も持ってるんだ」
「ほう……わざわざ別の国へ渡り、研究を重ねてか。うむむ、なるほどのう」
エンヒは深く頷き、再びワインを一口、大切そうに味わった。
「それにしても……このような美味なる料理と、これほどに素晴らしい酒が存在する世界があったとは……なんと……なんと夢のような! なぜ私は今まで、あの古びた祠の奥に行かなかったのじゃろうか……! 外の世界には、これほどの喜びがあったというのに! ああ、後悔しかないのじゃ……!」
エンヒは、心からの後悔と感動を込めて天を仰いだ。
その姿は、少し滑稽でもあり、同時に愛おしくも感じられた。
こうして、星が降るような夜空の下、一人と一龍は、ランタンのささやかな灯りのもと、アヒージョの残りと、白ワインを少しずつ楽しみながら、他愛のない会話を続けた。
エンヒが語る、圭吾には想像もつかないような、異世界の絶景の話。
圭吾が語る、エンヒにとっては未知の世界である、現代の人間社会の日常。
話題は尽きることなく、夜は静かに、そして温かく更けていく。
圭吾の心を満たしていたのは、ワインの酔いだけではなく、この予期せぬ出会いがもたらした、幸福感だった。
28
あなたにおすすめの小説
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~
カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。
気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。
だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう――
――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる