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第6話
しおりを挟む「お、お願い……や、やめてよ、レベッカ! あ、あなた聖女でしょ!? こ、こんな悪魔がやりそうなことをしてもいいの! ! か、神に申し訳ないとは思わないの!?」
ジャネットが涙を流しながら、必死に頭を下げていた。
そこで、ジャネットと仲の良かった二人が、私のほうにしがみついてきた。
私へとしがみついてきたアインが、泣きながら叫ぶ。
「れ、レベッカ! 違う! 違うのよ! 私、実はジャネットに脅されていて! ずっとあなたとは仲良くしたかったの!」
そうアインが言った次の瞬間、ツヴァイも叫ぶ。
「そ、そうなの! 私たちは決してあなたのことを見捨ててはいないのよ! ど、どうにか助けようと従っていただけなの!」
ジャネットが二人に驚いた様子で声をあげてきた。
「あ、あなたたち! 何を嘘ついていますの! れ、レベッカ! 逆なの! 私こそ、二人に脅されて――!」
私はこちらへと近づいてきたジャネットに『スロウ』の魔法をかけながら、アインの肩を掴んだ。
「……アイン、そうだったの?」
「は、はい! そうなんです! こ、これからはレベッカ様と呼ばせてください」
私はにこりと微笑んでから、すっとぼけるように問いかける。
「アインって確か……豚が大嫌いでしたわよね?」
「え? は、はい」
「それでは今日から豚と呼ばせてもらいますね」
にこり、と微笑んでから私は彼女の体に魔法をかけた。
その体が一瞬で豚へと変化する。彼女は変化に気付いたようで、慣れない様子で鏡の前まで動き、そして涙を流した。
私のその魔法を見て、ツヴァイはかたかたと震えて私から離れていく。
「ツヴァイは確か……イモムシが、嫌いでしたね」
「や、やめて……! やめてよ! わ、私は、あ、あなたに何もしていないでしょ!?」
「助けても、くれませんでしたよね」
私はそういってから、彼女の体に変化の魔法を使用した。
そして、彼女は緑色のイモムシへと姿を変える。人間の手の平サイズほどの大きさで、ちょっと不気味……。
彼女は体を必死に動かし、鏡を見て、泣き出してしまった。
そして最後は……ジャネットね。彼女をちらと見てから、私は彼女の顔だけ魔法を解除した。
そうすると、彼女は普通に話ができるようだった。ゆっくりと流れていた涙があふれてくる。
「お、お願い……レベッカ! こ、これまでのことは謝るから!」
これまでのこと? 今日まで私は、あなたに毎日いじめられた。聖女候補としてこの城につられてきたのが五歳のときだ。
そこから……私は心を殺して生きて、耐えてきた。すべては、この日を信じて。
「……やっぱり、Gかしら?」
「お願い! やめて! それだけは本当にやめて! お願いよ! なんでもするから!」
「なんでも、ですか?」
「え、ええ! なんでもするわ! あなたの靴だって舐めるし、お金だってたくさんあげる! 綺麗な服だって! 甘いお菓子だってなんでもあげるわ!」
「それじゃあ、Gを食べてくれますか?」
私は周囲を探知し、見つけ出したGをこの場へと連れてくる。風魔法で包んでいる。Gは必死に逃げようとしていたが、私の風魔法に包まれ、動けない様子だった。
顔を青ざめるジャネットの口元に、私は近づけていった。
「どうしたの、ジャネット? あなただって私に虫を食べさせてきたことがありますよね?」
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