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しおりを挟む投擲も同じだ。今は短剣を投げて中距離の相手に当てているのだが、それもダメージ量が上がれば使い勝手があがる。
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パリィは別にスキルがなくても使えているのだが、スキルとして使えば確実に相手の動きを止められるようだ。
うーん、ただこいつらどいつも20000ゴールドだからなぁ。
一個買ったらお金がなくなる。そもそも、もっと上の値段のスキルには、筋力を強化する……みたいな汎用的に使い勝手の良さそうなスキルもあるしなぁ。
まあ、そのうちゴールドはいくらでも稼げるか。
この中でもっともよく使うのは格闘なので、俺は格闘強化を購入した。
これで多少は俺の格闘ダメージも増え、魔物を狩りやすくなるはずだ。
スキルブックに関してはひとまず金を作らないことには始まらないとわかったので、今後は金策を頑張っていかないとな。
最後に、俺はクラン不動産へと足を運ぶ。
ここで、異邦人たち用のクランハウスが売られているらしい。
中に入ると、恰幅の良い商人らしき男が笑顔と共に頭を下げてきた。
「いらっしゃいませー!」
「ここでクラン関連の受付をしているんだよな? 色々話を聞きたいんだけどいいか?」
「ええ、いいですよ。まず、クランを作るにはレベル30以上の方がリーダーになる必要がありますね。それと、クランハウスです」
「……30以上か」
クランハウスはともかく、そっちはレベル上げをしないことにはどうしようもないな。
「他の条件はあるのか?」
「最初の設立時には十万ゴールドが必要になりますが、それくらいですかね」
「……なるほどな。クランハウスってちなみにいくらくらいなんだ?」
「あっ、見ていきますか? クランハウス、という名称ですがパーティー単位での契約でも構いませんからね」
ニコニコと彼がカタログを渡してきて、俺はそれを確認していく。
詳細情報はカタログの家を確認すると、内部の情報までも事細かくみることができた。
……凄いな。二階建ての普通の家で、だいたい週20000ゴールドくらいでの契約か。
月だと70000ゴールドと少しお得になるのか。
これって……色々な使い方ができるよな?
この仮想現実は、接続されているパソコンと連結させることで、普通にネットとかも見れる。
ここで理想の一軒家を借りて、仮想世界で過ごす、というのも悪くないのかもしれない。
すでにそういったゲームもあるのかもしれないが、このゲーム世界ならではの楽しみ方というのもあるだろう。
家はいくつもあり、立派な建物ともなると契約料が高くなる。
ふーん、なるほどな。
ざっと見ながら、俺が一つ思いついたことを聞いてみる。
「この家を俺が借りて、別の人に高値で貸し出すとかはありなのか?」
俺が問いかけると、彼は少し笑みを強めた。
俺の意図を察してくれたようだ。
「異邦人同士の契約に我々は関与しません。自由にやっていただいて大丈夫です。あっ、契約先が見つからずにこちらへの支払いが滞った場合は、即座に権利を失いますのでそこだけはご注意ください」
「ああ、それはもちろん分かってる分かってる。俺が滞納するように見えるか?」
「いえいえ、そんなこと思っていませんよ。それに万が一滞納した場合は騎士たちが動きますからね。捕まったら痛い目に合うみたいですよ?」
「へえ、騎士ってそんなに強いのか? ぜひとも戦ってみたいな。滞納か……」
「そこに前向きになるのやめてもらえます?」
冗談冗談。騎士と戦ってみたい気持ちはあるが、恐らく負けイベントのような扱いだろうしな。
商人のおかげで、金稼ぎの手段ができたな。
不動産投資だ。
俺が先にすべて契約してしまえばいい。クランを作りたい人は他の街を目指すか、俺から借りるしかなくなるからな。
それに修繕費とかそういうのも一切かからないし、クリーニング、リフォームとかも必要ない。
すべてのプレイヤーがこの街に訪れ、最初にクランを設立したくなるだろうから、そのタイミングを見計らって売りつけるというのはありかもしれない。
……契約料だなんだといえば、色々吹っかけられるな。
異世界でも、建物の売買はしなかったがポーションなどの売買で金を稼いだことはあったからな。
ま、嫌われない程度に金を稼ぐ必要はあるな。だって、スキルブックが高すぎるんだもん。
よし、やることが決まってきたな!
手っ取り早く、盗賊ゴブリンたちを狩って武器を調達したら、この周辺の魔物のドロップを狙っていこう。
あと、舞のために新しい斧も見つけないとな!
ただ、そろそろ夕飯の時間だ。
別に何日か飯を食わなくても生きていけるような体になってしまっているので無理にとる必要はないが、舞の手料理は別だ。
あれのエネルギー回復効果は凄まじい。そのうちガンにも効くだろう。
俺は時間を確認してから、ログアウトした。
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