NoVA（ノヴァ）

少年編

能を持った赤ん坊。

「じゃあ。言うよ。シャル。今からいうのは君の耳と尻尾。それがいるものといないもの。それが何故出来たか。その歴史。空白の第一隊部屋が鍵付きの扉なのか。それが出来た。歴史だ。俺も隊長になる時に聞かされて。そんな目を細く、不安そうに聞いたと思う。あの人の真実でもあったからね。じゃあ聞いて。」
　そういうと、イケおじで、軍服を着た男性はある辞典のように厚く古い、本を取り出し、開いてこういった。

「この軍の始まり」
　
　僕はやっと。解読した。これは。嘗てあった国の言語と。今の言語を合わせた言葉。そうか。
　僕は読めるよう現代文に訳して解読した。これは。僕が読み解いた。物語だ。ガルシアエヴァ。
　
「早くこの子を。」
　そこには血だらけで、まだ、歩きもしなく、喋りもしない赤子を抱いた男がいた。その赤ん坊は、その男の子であったが、もう。ダメだ。亜種と言われる、耳と尻尾で形成された人間たちに追われている時に、負傷したのだろう。私は、その子だと聞いた。名前は。
「この子はノヴァと名付けた。かっこいいだろ…その子を守れ。その子は…」
「早く！ガル！」
「ソフィアこの子あいつから預かったけど！どうしよう！今でも逃げれるかもわからない。」
　その会話共に。後ろから、亜種が追いかけてきている。
　地下から、逃げ出したが、この子を預かった時と共に、バレてしまった。
「ガル！この子はあのひとの形見かもしれないけど！それがあって貴方も疲れているからこの子連れて…」
　足元に砂が発生したとき。砂の壁が生成されていた。
「ねぇガルここまで来たら…あのさ。ガル。あの砂の壁なに。」
「ソフィア。この子。能持ちだ。」
「ガル。この子は絶対に育てて、行かなくてはならない。なんでかはわかるよね。あいつらに革命できる日まで。この子にかけよう。」
　その子の目は黒ではなかった。
　私たちはこの子を育てた。ソフィアはその子を撫でて、本当の母親のように温かく。ガルは、強い男にするために頑張っていたが一向に強い子供になるというよりも、臆病な少年となっていき。ソフィアの足の裏に隠れるなど、森の奥地のところに一軒屋を建てたからなのか、ノヴァは虫でも叫んでしまうし、動物だと、ソフィアの足の裏に隠れる。そんなある日。
　ガサっと。あの日聞いた。走る低い足音。奴らがここまで来た。
「ノヴァ早くベッドの下に隠れて！」
　ノヴァは何もわからない。あの日は赤ん坊だったし、目も思うように動かず、あの惨事を聞いただけなのだから。
「ノヴァ。大好き。」
　ソフィアは、ガルが不在のままきたものだから、何かに隠れた。そしてベッドの前に亜種が来た時にソフィアは顔出した。
　その日。ノヴァはこの世の現実を知った。この世は残酷で弱肉強食であり。
　亜種は両親を殺した。ベッドの中でそう。感情的になっていたらあの日の砂が集まり出した。ノヴァは。亜種をその砂で串刺しにして殺し。倒れてしまった。
「救護班！！早くこっちに！子供が生きてるみたい！」
　軍服を上だけ着て、水着をきた。大きな瓶を持っている女が怒号のような声で叫んだ。
「モカ隊長…この方はもうだめみたいです。銃で頭を一発で、時間もかかっています。」
「そんなの診たらわかるでしょ！でも診てもわからないのはこの砂の串刺しよ。これは誰がやったの。」
「隊長！子供が目を覚ましました！」
　ノヴァは目が覚めた時。目の前にいた、モカに殴りかかった。それをモカは動体視力で止めた。
「貴方は能なのね。」
「いやモカ隊長！それはないかと思いますよ。だってこんなガキですし。」
「いい？能同士は、把握が出来る。能である時の能力はわからないけどね。能であることだけはわかるの。」
　ノヴァの感情は高ぶっていった。そこに危険を察したモカは片手でノヴァの両手を掴み。そっと頭に手を置いた。
「もう大丈夫。ここには私たち人間しかいないの。大丈夫。いつまでかかってもいい。安心して。」
「ママとパパ。動かないの。僕がいけなかった？悪いことしたのかな。言うことも聞かなかったから？僕が強くないから…？僕が強くなったら。」
　モカは、ノヴァの頭をグシャと髪を乱れさせ。
「お前うちに来い。名前はなんて言うんだ？なんて呼ばれてた？ママとパパから。」
「ノヴァって呼ばれてた。」
「じゃあノヴァ。君を鍛えてやるよ。」
「ほんと！？こんな僕でも！強くなれるの？」
「なれるわよ。きっとここにいる誰よりも私よりも。ううん。今から行く、非公式隊『クジョーグン』の誰よりも。」
「俺たちを超えてみろよ。少年。モカ隊長は強いぞぉ。亜種よりも。」
「亜種？」
　ノヴァはその言葉にだけ。反応し、睨んだ。
「ノヴァ。亜種について何か引っかかるの？」
「母さんはそれがきた時に僕をベッドの下に隠した。その時破裂音というかの音がしたんだ。その後に。母さんは倒れた。けど、そのところにいたやつは知らない人だった。でも人だとしたら、倒れる理由って…」
　ノヴァはさっきとは裏腹に流暢に喋り始めた。まるで別人のように。
「ノヴァ。とりあえず私たちの馬車に乗って訓練所へ行きましょう？貴方を早急に鍛えてあげるわ。あと。」
　ノヴァとモカは馬車で2人きりで話していた。
　モカはノヴァを見てこう言った。
「能は使ってはいけないわ。自分の身体能力で頑張りましょう。ある時が来たら私は死んでしまうでしょう。」
「死ぬって何？」
「体が動かないし、目を開けないということよ。残念だけど。ノヴァの両親は殺されてしまったの。私たちの天敵。亜種によって。その討伐こそが私の仕事。貴方のような人たちを救いたいの。」
「亜種…？それが僕らの敵？それがママパパを動かなくしたの。亜種もそうしたらいいの？そうしたらみんな幸せになるの？」
「なるわ。きっとなる。私たちと頑張りましょう。それとノヴァ。貴方の能は」
　
「ここよノヴァ。」