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少年編
宮殿にて。
しおりを挟むそこには、宮殿という言葉合う。なかなかに見ない門と、広い庭。真ん中に噴水がある。
「ノヴァ。こっち。」
モカを見るなり、ぺこりとメイド服を着た、ポニーテイルの子がいた。
「モカ様。おかえりなさいませ。可愛らしいお客様ですね。」
「あぁこの子は」
ノヴァは知らない人を見るなり、足の裏へ隠れた。
「ノヴァ。この人は大丈夫だから。」
「ノヴァ様というのですね。」
メイドはノヴァの背に合わせるように少し離れた場所に座った。
「ノヴァ様私はクローバーと言います。モカお嬢様に初めて貴方みたいに助けて頂いたのでおつかいしています。おそらくですが、ここで働くことになったと思います。」
「クローバー。この子は軍に入れる。」
「あぁ。そうですか。」
クローバーは立ち上がり。手を前に合わせ。
「この子は私と同じなんですね。」
「そう!ノヴァをよろしくね。」
ノヴァはまだ、モカの足の裏にいた。
「では案内します。ノヴァ様はここの地下で訓練を始めることになりますが、今日はおつかれだと思います。明日からにしましょう。」
「そうね。クローバー。お腹すいたわ。ノヴァは?」
「お腹…空きました。」
「わかりました。ではこちらでお待ちください。」
その部屋は、暖炉、暖炉の火の熱気に当たるように、テーブルとソファが置かれている。
「ノヴァ。キョロキョロして、貴方の家にはないものばかりなのかしら?」
「はい。あの上についているもののキラキラしているものもこの煉瓦の作り物も、この」
ノヴァは窓に向かって、触れようとしていた。
「それは窓、上のはシャンデリア、レンガのは暖炉。こんなに知らない物がいっぱいあるのね。ノヴァ。」
しばらく。窓の前のノヴァとソファに座ったモカ。モカはノヴァを見ながらに少しの静寂があった。
「お待たせ致しました。モカ様、ノヴァ様。紅茶です。」
クローバーはテーブルに二つ、紅茶の入ったカップを甲高い音を立て、置いた。
「く、クローバーさん。紅茶ってなんですか。」
「ノヴァ。紅茶は飲み物。だけど、ちょっとこれは口を合わないかもしれないから、一回飲んでみない?」
「は、はい。」
ノヴァは紅茶の入ったカップを手に持った。
「ノヴァ熱いからふーふーして飲むのよ。初めての紅茶。」
ノヴァは口を横いっぱいに微妙に開けその口のまま。
「なんかやだこれ。」
といった。
モカは大笑いをした。
その日の夜。
「モカさん。」
「どうしたのノヴァ?」
モカの部屋にノヴァが来た。
「えと。んと。モカさん。こ、怖い」
モカはノヴァの左手を掴みながらにノヴァの背と同じくらいになるように膝を曲げた。
「あの日を思い出してしまうの?」
「うん…」
「クローバーは私より強いわよ。」
「それでも、なんか怖いの。」
「じゃあおいで。お話しましょう。そうしたら、どうやっても眠くなる時が来るわ。」
モカは瓶の水を動かして、紙とペンを水に持たせた。
「モカさん…これ何。」
「あぁこれはね。私の能なの。」
「モカさんの能?」
「私は水を操れる。ただそれだけ。多分ね。」
「モカさんは」
「お話しましょう。ノヴァ。」
モカは何かを隠すようにノヴァの言葉を遮った。
「まず一つね。ノヴァの好きな食べ物はなーに?」
「僕はこだわりがなくて。こ
れが好きっていうのもないよ。」
「じゃあ。」
メモをする水を一瞬見て、モカは続ける。
「嫌いなものは今日できちゃった?」
「紅茶ですか?」
「そう。あれどうだった?」
ノヴァは足をあげては下げてを早くやって、両足交互にし始めた。
「あれはなんか飲んだことの無い飲み物でした。」
「あれにミルクと砂糖を入れると美味しいから明日クローバーに作らせるわね。」
「そ、そうなんですね。」
「砂糖は嫌い?」
「好きではないって感じです。」
「そう。」
「モカ様。ノヴァ様。ぎこちないのはいいのですが、明日の説明なんかはしたのでしょうか。」
「あぁ!ノヴァ説明してなかったね。」
「はいっ!」
「明日は地下に行ってその中には何人かの亜種がクローンとしているの。そいつを一人。」
モカは紅茶をすすった。
「殺すの。」
「こ、殺すんですか…」
「そう。私たちが亜種の駆除を仕事をするのなら。血や何やらからクローンを作ることで、弱点を探った。その結果。わかったの」
モカの水はメモ帳をペラっと一枚出した。文字にはこう書かれていた。
『亜種の尾と耳をちぎること。』と
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