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繁華街のレストランと旦那様の悪巧み
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私は今、急いで着替えをしている。
明日はお休み。
今日は早番で、仕事が終わってから真っ直ぐ家に帰宅したら、旦那様が外食をしたいと私を待っていたのだ。
「ただいま」
玄関の鍵を開け、一歩家の中に入ると、旦那様が玄関で正座をしていた。
「おかえり。ずっと待っていたよ」
「えへへ…何かこわいよ。どうしたの?」
「うん。今日はご飯作ってないんだ」
「え!?」
「うん。今日はご飯を食べに行こうと思う!」
「外食ってこと?」
「うん。外食。仕事で繁華街に行ったら、雰囲気が良さそうな新しいレストランが出来ていたんだ。明日は俺も休みだし、久しぶりにそのレストランで外食してみたいなって思ったんだけど… 行く?」
「行こう。久しぶりに行こうよ! じゃぁ私、急いで着替えて来る!」
「うん。ここで待ってる」
「そこで正座していると、何かこわいよ…」
旦那様は時々、私を驚かせようと変な事してくるのでそのまま放置しといて、私は急いで着替えをした。
クローゼットを開けお洋服を見る。夜の繁華街って言ったら、とびっきりお洒落して行くところ。
正座して待っている旦那様は何も食べないで私を待っていたのだろうから、きっとお腹が空いているはず。お洋服を選んでいる時間は無い。
私は久しぶりに夜の街に似合うワンピースを選び着替え、身支度を整えてから旦那様が待っている玄関へ行った。
「お待たせ」
「あれ? いつもより何だか色っぽいよ」
「だって夜の街だよ。お洒落しなきゃ」
そうして、駅前の駐車場に車を止め、繁華街に辿り着いた。
私と旦那様は、お酒を嗜まないのであまり縁が無い所だけど、旦那様は稀に会社のお付き合いで来ている。
結婚する以前は、私の勉強のためにお酒は飲まないけど、居酒屋やレストランへやって来ていた。
記憶にある景観が少し違うけど、夜の路地を看板の光や店から零れる光で明るく夜の街を輝かせているのは変りない。ビルの前では客引きなのか、スーツ姿の男性が立っていたり、キレイなドレスを着た女の人が歩いていた。
私はだんだん夜の街の雰囲気に飲まれ、ドキドキワクワク心が踊り出している。
「着いたよ。ここが新しく出来たレストラン」
旦那様が案内してくれたレストランは、ビルの1階にあり外壁をレンガ作りにして高級感を装っていた。
外看板のメニューを見ると、それなりに高そうなイタリアンレストラン。
旦那様が先にレストランに入り、私はドキドキワクワクしながら店内へ入った。
外看板のメニューだけを見ると高級な店の印象を受けたが、店内は高級なイタリアン店らしい店構えではなく、照明を落とし、キャンドルライトで店内を照らしているような明るさで、夜の街らしい雰囲気を演出したとてもお洒落なレストランだった。
ウエイトレスさんが席を案内してくれて、メニューを持ってくる。
メニューを見ると、客単価が判るくらい高いコースメニューが1ページ目からある。メニューをめくるとアラカルト単品メニューも豊富にあり、飲み物関係は別メニュー帳になっていた。
私は何でも良かったので食事となるメニューは、お腹を空かしている旦那様に任せ、私はノンアルコールのカクテルを注文した。
私は注文した後も店内をキョロキョロしながら店の雰囲気を楽しみ、旦那様に声をかけた。
「良い雰囲気の店だね」
ふと、旦那様の視線を感じキョロキョロしている目を止め、旦那様に目をやるとニコニコしていた。
「うん、雰囲気も良いけど、おっぱいの谷間も雰囲気がいいよ」
私は夜の街に似合うように肩から胸元まで肌が見えるワンピースを着ていたため、胸の谷間が見える。
普段、あまり着る機会がない大人感あるワンピースに、ふっくらした谷間が見える胸元を見て、旦那様は喜んでいた。
「うふふ。セクシーでしょう」
「うん。さわりたい」
「うふふ。お腹いっぱいになったあとでね」
旦那様がニコニコしながら周りを気にする様子で見回し、上着のポケットをモソモソして何かを取り出した。
「見てみて。新兵器だよ」
手をゆっくり広げ、旦那様が言う新兵器とやらを見せてきた。
一瞬、見てみたが良からぬ予感が脳裏に奔り、知らんぷりしてそっぽ向きカクテルはまだかなと待つ。
「ねえ。見てよ。新兵器だよ」
「あとでね」
今、旦那様の顔を見たら、きっと嫌らしい顔してニヤニヤしているだろう。
「悩んで悩んだ挙句、手に入れた新兵器だよ」
「あとでね」
旦那様が諦めるまで、そっぽ向いて旦那様を見ない。
私と旦那様が『見る見ない』のかけ引きしているところに、注文していたカクテルが運ばれて来た。
運ばれて来たのはノンアルコールのカクテル。
カシスソーダのグラスの中に、チェリーとカットレモンが入っていてキレイに飾られている。
旦那様もノンアルコールのカクテルを注文していて、パッションフルーツ&コーラが旦那様の下に運ばれた。パッションフルーツ&コーラにはパイナップルが飾られていた。
キレイに盛り付けされたグラスを見て歓喜していると、旦那様が困惑しているような顔をしていた。
「おれ、よくわからない物注文したら、こんなの来ちゃった」
「うふふ、それ、甘くてさっぱりして美味しいよ」
旦那様が恐る恐る一口飲んでみる。
「うん、本当だ。美味しい… それでね、この新兵器だけど…」
旦那様はカクテルを口に付け、カクテルの味を確認した後、カクテルが運ばれてきた時に、ポケットに仕舞った物を再び取り出して私に見せてきた。
私は怪しいものを見ないように、カシスソーダを飲みながらそっぽ向き知らんぷりする。
「あとでね」
旦那様は再びニコニコ嫌らしい顔しながら諦めずに私を見つめている。
「ん~ 強情だな… 折角、買ったのに…」
「知らないもんね!」
旦那様は少し残念そうな顔をしていたけど、諦めるまで旦那様を見ない。
「よし! わかった! 自分で使ってみる」
開き直った旦那様は、手にしているものを弄り動かした。
BUUUUUUUUUUUUUUUUUU…
そっぽ向いている私の耳に小さな音で振動している音が入り、私は思わず振動しているものを見てしまった。
「フフフ、やっと見た。どう? このローター!」
私が見ないようにしていたのは、旦那様が嬉しそうに手にしていた遠隔操作が出来るリモコン・ローターだ。
明日はお休み。
今日は早番で、仕事が終わってから真っ直ぐ家に帰宅したら、旦那様が外食をしたいと私を待っていたのだ。
「ただいま」
玄関の鍵を開け、一歩家の中に入ると、旦那様が玄関で正座をしていた。
「おかえり。ずっと待っていたよ」
「えへへ…何かこわいよ。どうしたの?」
「うん。今日はご飯作ってないんだ」
「え!?」
「うん。今日はご飯を食べに行こうと思う!」
「外食ってこと?」
「うん。外食。仕事で繁華街に行ったら、雰囲気が良さそうな新しいレストランが出来ていたんだ。明日は俺も休みだし、久しぶりにそのレストランで外食してみたいなって思ったんだけど… 行く?」
「行こう。久しぶりに行こうよ! じゃぁ私、急いで着替えて来る!」
「うん。ここで待ってる」
「そこで正座していると、何かこわいよ…」
旦那様は時々、私を驚かせようと変な事してくるのでそのまま放置しといて、私は急いで着替えをした。
クローゼットを開けお洋服を見る。夜の繁華街って言ったら、とびっきりお洒落して行くところ。
正座して待っている旦那様は何も食べないで私を待っていたのだろうから、きっとお腹が空いているはず。お洋服を選んでいる時間は無い。
私は久しぶりに夜の街に似合うワンピースを選び着替え、身支度を整えてから旦那様が待っている玄関へ行った。
「お待たせ」
「あれ? いつもより何だか色っぽいよ」
「だって夜の街だよ。お洒落しなきゃ」
そうして、駅前の駐車場に車を止め、繁華街に辿り着いた。
私と旦那様は、お酒を嗜まないのであまり縁が無い所だけど、旦那様は稀に会社のお付き合いで来ている。
結婚する以前は、私の勉強のためにお酒は飲まないけど、居酒屋やレストランへやって来ていた。
記憶にある景観が少し違うけど、夜の路地を看板の光や店から零れる光で明るく夜の街を輝かせているのは変りない。ビルの前では客引きなのか、スーツ姿の男性が立っていたり、キレイなドレスを着た女の人が歩いていた。
私はだんだん夜の街の雰囲気に飲まれ、ドキドキワクワク心が踊り出している。
「着いたよ。ここが新しく出来たレストラン」
旦那様が案内してくれたレストランは、ビルの1階にあり外壁をレンガ作りにして高級感を装っていた。
外看板のメニューを見ると、それなりに高そうなイタリアンレストラン。
旦那様が先にレストランに入り、私はドキドキワクワクしながら店内へ入った。
外看板のメニューだけを見ると高級な店の印象を受けたが、店内は高級なイタリアン店らしい店構えではなく、照明を落とし、キャンドルライトで店内を照らしているような明るさで、夜の街らしい雰囲気を演出したとてもお洒落なレストランだった。
ウエイトレスさんが席を案内してくれて、メニューを持ってくる。
メニューを見ると、客単価が判るくらい高いコースメニューが1ページ目からある。メニューをめくるとアラカルト単品メニューも豊富にあり、飲み物関係は別メニュー帳になっていた。
私は何でも良かったので食事となるメニューは、お腹を空かしている旦那様に任せ、私はノンアルコールのカクテルを注文した。
私は注文した後も店内をキョロキョロしながら店の雰囲気を楽しみ、旦那様に声をかけた。
「良い雰囲気の店だね」
ふと、旦那様の視線を感じキョロキョロしている目を止め、旦那様に目をやるとニコニコしていた。
「うん、雰囲気も良いけど、おっぱいの谷間も雰囲気がいいよ」
私は夜の街に似合うように肩から胸元まで肌が見えるワンピースを着ていたため、胸の谷間が見える。
普段、あまり着る機会がない大人感あるワンピースに、ふっくらした谷間が見える胸元を見て、旦那様は喜んでいた。
「うふふ。セクシーでしょう」
「うん。さわりたい」
「うふふ。お腹いっぱいになったあとでね」
旦那様がニコニコしながら周りを気にする様子で見回し、上着のポケットをモソモソして何かを取り出した。
「見てみて。新兵器だよ」
手をゆっくり広げ、旦那様が言う新兵器とやらを見せてきた。
一瞬、見てみたが良からぬ予感が脳裏に奔り、知らんぷりしてそっぽ向きカクテルはまだかなと待つ。
「ねえ。見てよ。新兵器だよ」
「あとでね」
今、旦那様の顔を見たら、きっと嫌らしい顔してニヤニヤしているだろう。
「悩んで悩んだ挙句、手に入れた新兵器だよ」
「あとでね」
旦那様が諦めるまで、そっぽ向いて旦那様を見ない。
私と旦那様が『見る見ない』のかけ引きしているところに、注文していたカクテルが運ばれて来た。
運ばれて来たのはノンアルコールのカクテル。
カシスソーダのグラスの中に、チェリーとカットレモンが入っていてキレイに飾られている。
旦那様もノンアルコールのカクテルを注文していて、パッションフルーツ&コーラが旦那様の下に運ばれた。パッションフルーツ&コーラにはパイナップルが飾られていた。
キレイに盛り付けされたグラスを見て歓喜していると、旦那様が困惑しているような顔をしていた。
「おれ、よくわからない物注文したら、こんなの来ちゃった」
「うふふ、それ、甘くてさっぱりして美味しいよ」
旦那様が恐る恐る一口飲んでみる。
「うん、本当だ。美味しい… それでね、この新兵器だけど…」
旦那様はカクテルを口に付け、カクテルの味を確認した後、カクテルが運ばれてきた時に、ポケットに仕舞った物を再び取り出して私に見せてきた。
私は怪しいものを見ないように、カシスソーダを飲みながらそっぽ向き知らんぷりする。
「あとでね」
旦那様は再びニコニコ嫌らしい顔しながら諦めずに私を見つめている。
「ん~ 強情だな… 折角、買ったのに…」
「知らないもんね!」
旦那様は少し残念そうな顔をしていたけど、諦めるまで旦那様を見ない。
「よし! わかった! 自分で使ってみる」
開き直った旦那様は、手にしているものを弄り動かした。
BUUUUUUUUUUUUUUUUUU…
そっぽ向いている私の耳に小さな音で振動している音が入り、私は思わず振動しているものを見てしまった。
「フフフ、やっと見た。どう? このローター!」
私が見ないようにしていたのは、旦那様が嬉しそうに手にしていた遠隔操作が出来るリモコン・ローターだ。
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