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11~20
大躍進の前触れ
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サブランディア平原から戻り、僕たちはドロップアイテムと魔石、それにストレージにしまった魔物の素材を納品することにした。
なんでかプリプリ怒り始めてしまったリンカの機嫌は戻る頃には治っており、これからの事を相談することにした。
「そうだリンカ。ちょっと相談があるんだけどいいかな」
「なぁに?」
「実はさっき言った魔素ストックなんだけど、戦う度に常に消費するものだからできるだけ蓄積しておきたいんだ」
「そうね、それは分かるわ」
「うん。それで、魔石やドロップアイテムで価値の低いものは魔素ストックに変換しておきたいんだ」
「え? 変換できるの?」
「うん。実は魔石やドロップアイテムは魔素ストックに変換できる。ゴブリンとかオークのドロップアイテムって臭い衣服とか錆びた武器とかが多いから、そういうのは自動的に変換しちゃっていいかな?」
「もちろんいいわよ。戦いの中心はセージ君だし、常に消費するなら沢山ストックしておくといいわ」
「ありがとう。レア度の高いものを変換するかは相談するようにするよ」
「うん。今回の換金もかなりの量になるでしょうし、全部卸す必要はないからね。ある程度残してストックに変換しちゃうのもいいかも」
「そうだね。魔素ストックはできるだけ1度に大量変換した方が効率がいいから、ストレージを優先的に上げる事にするよ」
現在のストレージは100㎥。これがどのくらいの広さか分からないけど、川の水はまだまだ大量に入るみたいだし、しばらくは広げなくても大丈夫そうだ。
いや、魔素ストックに余裕があるうちに毎日少しずつ広げる方がいいかもしれない。
いざという時に容量が足りないってことになっても面白くないしね。
よし、とりあえず1万を注いで今の2倍の容量にしておくか。
◇◇◇
冒険者ギルドに戻ってきた僕たち。
早速今日の上がりを報酬に変えるために換金所にやってきた。
荒事を得意とする人間達が放つ独特のヒリついた空気がその場を支配しており、併設された酒場では1日の疲れを酒で癒やす荒々しい者達の喧騒で満たされていた。
「まずは残しておいた魔物を解体所にもっていきましょう。換金したら魔石をトトルムさんに所に持っていって、今日は終わりよ」
「うん。どのくらいの稼ぎになるのかな」
「多分かなりの額になるわね。私もちょっと楽しみかも」
◇◇◇
「おおおっ、こ、これは……!」
トトルムさんとアポイントメントを取り、取得してきた魔石の換金に来ていた。
「ま、まさかここまでとは」
ストレージから取り出した大量の魔石を目の前にして、トトルムさんが目を輝かせている。
ちなみに今回手に入れた魔石の一覧がこれだ。
分かっている。調子に乗りすぎた。
――――――
※変換値は1体分
オーク×22 変換値1200
オーガ×13 変換値2000
オーガバトラー×10 変換値4000
レイビットホーン×5 変換値3500
ゴブリン×59 変換値500
ブルーゴブリン×40 変換値800
グリーンゴブリン×29 変換値1000
キラーラビット×22 変換値2100
サハギン×10 変換値600
マーマンウォーリアー×5 変換値1000
キラークラブ×21 変換値700
フライングバット×11 変換値300
リザードマン×17 変換値1500
ブルーリザードマン×13 変換値2000
グリーンリザードマン×8 変換値2500
ロックリザード×4 変換値4000
デッドフェイス×11 変換値100
スカルナイト×40 変換値500
アンデッドマジシャン×32 変換値700
ゾンビファイター×12 変換値1300
ゾンビジャッカル×10 変換値1100
パイロサーペント×13 変換値4000
バジリスク×10 変換値6900
レッサーヒドラ×2 変換値25000
ポイズンバイパー×12 変換値1500
ワイバーン×5 変換値9000
――――――
「合計で400体以上。ワイバーンにバジリスク、レッサーヒドラ。単独では難しい討伐モンスターまで。一体どれだけ奥地に行ったのですか」
ちなみに矢が足りなくなりそうな話であるが、魔石を回収する際に一緒にストレージに回収することで再利用していた。
大量の魔物を魔石に変換していなかったらストレージの容量が全然足りない所だった。
「いやぁ、ちょっとテンション上がっちゃって」
「すみません。私もちょっと気分が高揚してしまって」
そう、お昼御飯を食べ終わってリンカの索敵スキルを駆使して魔物を探しまくった。
途中でバジリスクに襲われて死にかけている冒険者チームを助けに入ったりもして、色々と動き回っているうちにもの凄い数になってしまった。
「たった1日でこれだけの数を集められるとは。サブランディア平原から魔物がいなくなるかもしれませんね」
一流の商会長であるトトルムさんは無限湧きフィールドから魔物がいなくなることなんてないのは分かっている筈だが、事実としてそういう印象を与えていたらしい。
「これらの魔石は全て売って頂けるということでよろしいでしょうか」
「そうですね。値段の高いものは優先的に換金をしてください。今回は全て持ってきましたが……」
「もちろんセージ様の事情を優先してくださって構いません。正直この半分でも十分過ぎるくらいです。換金は色を付けさせていただきますよ。今後ともごひいきによろしくお願いします」
トトルムさんもこちらの事情を詮索することなく換金に応じてくれた。
魔素ストックに変換すると60万ちょっと。
ほぼ同じ分だけ経験値が入っているので、現在のストックは150万くらいになっている。
次のレベルに必要な経験値が37万強であることを考えると、レベルを上げるにはまだまだ溜めたりないと言った感じだ。
欲張るのも良くないけど、今の所一番強かったレッサーヒドラが相手でもほとんど苦戦しなかった。
そう考えると一番最初に出会ったデビルグリズリーは本当に危険極まりない相手だったわけだ。
「それじゃあ次はドロップアイテムを出しますね」
「お、おおっ、そうか。魔石で驚き過ぎて忘れておりました」
ちなみにドロップアイテムに関しては換金率の低そうなものはあらかじめ魔素ストックに変換してある。
いくらなんでもゴブリンのパンツを大量に持ち込んだらテロ行為と同じになってしまうからな。
「むおおおっ……これは、ヒドラレザーにバジリスクの鱗。レアドロップの回復アイテムもこんなに……。しかもこれは、ワイバーンのレアドロップであるワイバーンの霜降り肉っ! 丁度貴族からの発注があった所だったのです。是非売ってください!」
そんなひと幕があり、お楽しみの換金タイムとなった。
一旦出て行ったトトルムさんの背中を見送り、リンカと二人きりで残された僕たちはワクワクしながらその時を待った。
「冒険者の稼ぎかぁ。大分頑張ったと思うけど、普通はどのくらいからのスタートなの?」
「そうね。最初は本当に少ないわね。ドブさらいとか薬草採集なんて日雇い労働より安いくらいだし。そうね、昔の文献の言葉を借りるなら二束三文、雀の涙ってところね」
「そうだよね。僕もこんな能力をもらわなかったらそこからスタートだったわけだし……ねえリンカ、ちょっと相談なんだけどさ」
「どうしたの?」
「その初心者向けの依頼、僕も受けてみたいんだ。基礎をおろそかにするといい事が起こらないのはどの分野でも同じだと思うから。無駄行動かもしれないのは分かってるんだけど」
「いいと思うわ。ちゃんと私も付き合うからね」
「え、いや。僕の我が儘だし、無理して付き合わなくても」
「いいのいいの。私も一からの出直しだし、初心に返ってドブさらいも悪くないわ」
「ありがとうリンカ。正直心強いよ」
「あはは。めちゃくちゃ強いのにそういう所は少年のままなのね。ちょっと可愛い♪」
「からかわないでよ」
――――――
・感情ゲージ
リンカニア 21/20→21/30にアップ(リンク状態LV2にアップ) 【ためる】共有可能
エリス・ミルミハイド 15/20(リンク状態LV1) 【ためる】共有可能
――――――
おおっ、フィーリングリンクのレベルが上がった。
からかわれて数値が上がるって言うのがちょっと複雑だけど、悪い気はしなかった。
「お待たせ致しました。換金が終わりましたのでこちらをお納めください」
「す、凄いわ……こんな大金見た事ない。ヤバいわね。自分を律するのが大変よ。お金に狂いそう」
「どうどう。落ち着いてリンカ」
換金して机に置かれた金貨袋を前にしたリンカが目を血走らせていた。
ちなみに今回得た報酬の合計は……。
「350万ルクスッ! 一回で稼いだことあるの30万ルクスが限界だったのに」
ベテラン冒険者のリンカから見ても、一回の換金で350万を稼ぎ出すのはアルファランククラスの偉業らしい。
しかも僕らは今日登録したばかりの新人だ。オーナーが秘匿してくれないと超大騒ぎになるだろう。
「ねえセージ君」
「どうしたのリンカ」
「うん、せっかく良い稼ぎもできた事だし、お祝いしない? ちょっと良い店知ってるんだ。親睦会も兼ねて」
「うん、いいね。この町で食事の美味しいお店沢山教えてよ」
「もちろん任せてっ! さ、行きましょ♪」
僕の手を引っ張って太陽みたいに明るい笑顔を向けてくれるリンカに、ちょっと心臓が高鳴るのだった。
なんでかプリプリ怒り始めてしまったリンカの機嫌は戻る頃には治っており、これからの事を相談することにした。
「そうだリンカ。ちょっと相談があるんだけどいいかな」
「なぁに?」
「実はさっき言った魔素ストックなんだけど、戦う度に常に消費するものだからできるだけ蓄積しておきたいんだ」
「そうね、それは分かるわ」
「うん。それで、魔石やドロップアイテムで価値の低いものは魔素ストックに変換しておきたいんだ」
「え? 変換できるの?」
「うん。実は魔石やドロップアイテムは魔素ストックに変換できる。ゴブリンとかオークのドロップアイテムって臭い衣服とか錆びた武器とかが多いから、そういうのは自動的に変換しちゃっていいかな?」
「もちろんいいわよ。戦いの中心はセージ君だし、常に消費するなら沢山ストックしておくといいわ」
「ありがとう。レア度の高いものを変換するかは相談するようにするよ」
「うん。今回の換金もかなりの量になるでしょうし、全部卸す必要はないからね。ある程度残してストックに変換しちゃうのもいいかも」
「そうだね。魔素ストックはできるだけ1度に大量変換した方が効率がいいから、ストレージを優先的に上げる事にするよ」
現在のストレージは100㎥。これがどのくらいの広さか分からないけど、川の水はまだまだ大量に入るみたいだし、しばらくは広げなくても大丈夫そうだ。
いや、魔素ストックに余裕があるうちに毎日少しずつ広げる方がいいかもしれない。
いざという時に容量が足りないってことになっても面白くないしね。
よし、とりあえず1万を注いで今の2倍の容量にしておくか。
◇◇◇
冒険者ギルドに戻ってきた僕たち。
早速今日の上がりを報酬に変えるために換金所にやってきた。
荒事を得意とする人間達が放つ独特のヒリついた空気がその場を支配しており、併設された酒場では1日の疲れを酒で癒やす荒々しい者達の喧騒で満たされていた。
「まずは残しておいた魔物を解体所にもっていきましょう。換金したら魔石をトトルムさんに所に持っていって、今日は終わりよ」
「うん。どのくらいの稼ぎになるのかな」
「多分かなりの額になるわね。私もちょっと楽しみかも」
◇◇◇
「おおおっ、こ、これは……!」
トトルムさんとアポイントメントを取り、取得してきた魔石の換金に来ていた。
「ま、まさかここまでとは」
ストレージから取り出した大量の魔石を目の前にして、トトルムさんが目を輝かせている。
ちなみに今回手に入れた魔石の一覧がこれだ。
分かっている。調子に乗りすぎた。
――――――
※変換値は1体分
オーク×22 変換値1200
オーガ×13 変換値2000
オーガバトラー×10 変換値4000
レイビットホーン×5 変換値3500
ゴブリン×59 変換値500
ブルーゴブリン×40 変換値800
グリーンゴブリン×29 変換値1000
キラーラビット×22 変換値2100
サハギン×10 変換値600
マーマンウォーリアー×5 変換値1000
キラークラブ×21 変換値700
フライングバット×11 変換値300
リザードマン×17 変換値1500
ブルーリザードマン×13 変換値2000
グリーンリザードマン×8 変換値2500
ロックリザード×4 変換値4000
デッドフェイス×11 変換値100
スカルナイト×40 変換値500
アンデッドマジシャン×32 変換値700
ゾンビファイター×12 変換値1300
ゾンビジャッカル×10 変換値1100
パイロサーペント×13 変換値4000
バジリスク×10 変換値6900
レッサーヒドラ×2 変換値25000
ポイズンバイパー×12 変換値1500
ワイバーン×5 変換値9000
――――――
「合計で400体以上。ワイバーンにバジリスク、レッサーヒドラ。単独では難しい討伐モンスターまで。一体どれだけ奥地に行ったのですか」
ちなみに矢が足りなくなりそうな話であるが、魔石を回収する際に一緒にストレージに回収することで再利用していた。
大量の魔物を魔石に変換していなかったらストレージの容量が全然足りない所だった。
「いやぁ、ちょっとテンション上がっちゃって」
「すみません。私もちょっと気分が高揚してしまって」
そう、お昼御飯を食べ終わってリンカの索敵スキルを駆使して魔物を探しまくった。
途中でバジリスクに襲われて死にかけている冒険者チームを助けに入ったりもして、色々と動き回っているうちにもの凄い数になってしまった。
「たった1日でこれだけの数を集められるとは。サブランディア平原から魔物がいなくなるかもしれませんね」
一流の商会長であるトトルムさんは無限湧きフィールドから魔物がいなくなることなんてないのは分かっている筈だが、事実としてそういう印象を与えていたらしい。
「これらの魔石は全て売って頂けるということでよろしいでしょうか」
「そうですね。値段の高いものは優先的に換金をしてください。今回は全て持ってきましたが……」
「もちろんセージ様の事情を優先してくださって構いません。正直この半分でも十分過ぎるくらいです。換金は色を付けさせていただきますよ。今後ともごひいきによろしくお願いします」
トトルムさんもこちらの事情を詮索することなく換金に応じてくれた。
魔素ストックに変換すると60万ちょっと。
ほぼ同じ分だけ経験値が入っているので、現在のストックは150万くらいになっている。
次のレベルに必要な経験値が37万強であることを考えると、レベルを上げるにはまだまだ溜めたりないと言った感じだ。
欲張るのも良くないけど、今の所一番強かったレッサーヒドラが相手でもほとんど苦戦しなかった。
そう考えると一番最初に出会ったデビルグリズリーは本当に危険極まりない相手だったわけだ。
「それじゃあ次はドロップアイテムを出しますね」
「お、おおっ、そうか。魔石で驚き過ぎて忘れておりました」
ちなみにドロップアイテムに関しては換金率の低そうなものはあらかじめ魔素ストックに変換してある。
いくらなんでもゴブリンのパンツを大量に持ち込んだらテロ行為と同じになってしまうからな。
「むおおおっ……これは、ヒドラレザーにバジリスクの鱗。レアドロップの回復アイテムもこんなに……。しかもこれは、ワイバーンのレアドロップであるワイバーンの霜降り肉っ! 丁度貴族からの発注があった所だったのです。是非売ってください!」
そんなひと幕があり、お楽しみの換金タイムとなった。
一旦出て行ったトトルムさんの背中を見送り、リンカと二人きりで残された僕たちはワクワクしながらその時を待った。
「冒険者の稼ぎかぁ。大分頑張ったと思うけど、普通はどのくらいからのスタートなの?」
「そうね。最初は本当に少ないわね。ドブさらいとか薬草採集なんて日雇い労働より安いくらいだし。そうね、昔の文献の言葉を借りるなら二束三文、雀の涙ってところね」
「そうだよね。僕もこんな能力をもらわなかったらそこからスタートだったわけだし……ねえリンカ、ちょっと相談なんだけどさ」
「どうしたの?」
「その初心者向けの依頼、僕も受けてみたいんだ。基礎をおろそかにするといい事が起こらないのはどの分野でも同じだと思うから。無駄行動かもしれないのは分かってるんだけど」
「いいと思うわ。ちゃんと私も付き合うからね」
「え、いや。僕の我が儘だし、無理して付き合わなくても」
「いいのいいの。私も一からの出直しだし、初心に返ってドブさらいも悪くないわ」
「ありがとうリンカ。正直心強いよ」
「あはは。めちゃくちゃ強いのにそういう所は少年のままなのね。ちょっと可愛い♪」
「からかわないでよ」
――――――
・感情ゲージ
リンカニア 21/20→21/30にアップ(リンク状態LV2にアップ) 【ためる】共有可能
エリス・ミルミハイド 15/20(リンク状態LV1) 【ためる】共有可能
――――――
おおっ、フィーリングリンクのレベルが上がった。
からかわれて数値が上がるって言うのがちょっと複雑だけど、悪い気はしなかった。
「お待たせ致しました。換金が終わりましたのでこちらをお納めください」
「す、凄いわ……こんな大金見た事ない。ヤバいわね。自分を律するのが大変よ。お金に狂いそう」
「どうどう。落ち着いてリンカ」
換金して机に置かれた金貨袋を前にしたリンカが目を血走らせていた。
ちなみに今回得た報酬の合計は……。
「350万ルクスッ! 一回で稼いだことあるの30万ルクスが限界だったのに」
ベテラン冒険者のリンカから見ても、一回の換金で350万を稼ぎ出すのはアルファランククラスの偉業らしい。
しかも僕らは今日登録したばかりの新人だ。オーナーが秘匿してくれないと超大騒ぎになるだろう。
「ねえセージ君」
「どうしたのリンカ」
「うん、せっかく良い稼ぎもできた事だし、お祝いしない? ちょっと良い店知ってるんだ。親睦会も兼ねて」
「うん、いいね。この町で食事の美味しいお店沢山教えてよ」
「もちろん任せてっ! さ、行きましょ♪」
僕の手を引っ張って太陽みたいに明るい笑顔を向けてくれるリンカに、ちょっと心臓が高鳴るのだった。
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