82 / 137
81~90
ゴルドールの圧政の証言
しおりを挟む
その夜、村に静けさが戻っていた。
焚き火の炎がぱちぱちと音を立て、橙の光が仲間たちの顔を照らしている。
疲れ切った村人たちは、僕らが持ち込んだ保存食を口にし、ようやく空腹を和らげて眠りについていた。
炎を囲んだのは、僕の仲間たちだけだった。
リンカが膝を抱えて炎を見つめ、ルミナスは薪を投げ入れながら表情を動かさない。
セレスは静かに祈りを捧げ、ミレイユやレイシスは焚き火の明かりに浮かぶ僕をじっと見守っていた。
重い沈黙。
それを破ったのは、やはり僕自身だった。
「……僕は、この地を解放する」
言葉に出した瞬間、胸の奥で揺らいでいた迷いがすっと消えていくのを感じた。
炎の光に照らされた仲間たちの顔が一斉に僕を見つめる。
「追放された過去に縛られるつもりはない。僕はもう、あの日の出来損ないじゃない。……仲間と共に歩き、この地を取り戻す」
焚き火の音が、静かな誓いを刻むように響く。
最初に応えたのはリンカだった。
「セージ君……私はずっと一緒にいる。あなたが進むなら、どこまでもついていくよ」
その瞳には揺るぎない決意が宿っていた。
ルミナスが口元を少しだけ緩め、低く呟く。
「……燃やす相手がいるなら、私の炎は尽きない。ご主人様の敵は、全部焼き尽くす」
セレスは胸に手を当て、真剣な眼差しで言葉を重ねた。
「わたくしは祈りを捧げます。どんな闇があろうとも……共に戦う仲間として」
ミレイユが微笑みながら小さく頷き、レイシスはきっぱりと背筋を伸ばす。
「主様の誓いを、この身をもって支えます。私たちも覚悟はできております」
シャミーは満面の笑顔で拳を掲げた。
「セージ様が本気なら、私たちも全力だよ! 負ける気しないもん!」
アーリアは恥ずかしそうにうつむきながらも、小さく言った。
「……一緒に……戦わせてください」
アンナは無表情のまま、ただ一言。
「ご主人様のためなら、命を賭します」
――一人ひとりの言葉が胸に刻まれていく。
これ以上に強い絆があるだろうか。
僕は改めて仲間たちを見渡し、静かに笑った。
「ありがとう。みんながいるから、僕は戦える」
焚き火の炎が高く揺らめき、その光はまるで未来を示すかのように夜空へと昇っていく。
仲間と共に歩む――その誓いは、揺るがぬものとなった。
僕たちが村を救ったあとも、広場にはまだ緊張が漂っていた。
倒れ伏した徴税官を見下ろしながら、村人たちは息を呑んでいる。恐怖に揺れながらも、その胸の奥から別の感情があふれていた。
「旅のお方……どうか、お礼を言わせてください」
「命を……村を救っていただいた……」
老いた農夫が震える手で頭を下げると、他の村人たちも次々に深々と頭を垂れた。
その光景に、僕の胸は重くなる。
「……僕たちは旅の者に過ぎません。ただ、見過ごせなかっただけです」
そう答えると、村人たちは顔を上げた。
幻色の腕輪で変えた髪色や印象のせいで、誰も僕の正体には気づいていない。
それでも――老農夫はじっと僕を見つめ、懐かしむように呟いた。
「……どこか、若き日のあのお方を思い出させますな……」
その言葉に胸がちくりと痛んだ。けれど僕は小さく首を振る。
「僕はただの旅人です。……皆さんを守りたいと思った、それだけです」
そう言うと、老農夫の目尻に涙がにじんだ。
真実を悟らせないようにしたつもりでも、その言葉が心を打ったのだろう。
しかし安堵と同時に、村人たちの表情には深い影が差していた。
「……ですが、これで領都に知られたら……」
「きっと、兵が報復にやって来ます……」
「家族ごと処刑される……」
感謝と恐怖が入り混じり、声は震え、空気は揺れる。
僕は剣を収め、村人たちを見渡しながら言葉を紡いだ。
「恐れるのは当然です。けれど……僕がいる限り、この村を守ります」
真っ直ぐに告げたつもりだった。
だが恐怖は根深く、村人たちは顔を見合わせるばかりで、すぐには希望に変わらない。
そのとき、ルミナスが前に出て、はっきりとした声を放った。
「怖いのは分かる。でも――未来は作れる。私たちだって怖い。死ぬのは嫌、苦しいのも嫌。……それでも戦った。守りたい人がいるから」
少女の姿をした魔族の言葉は、村人たちの胸に鋭く突き刺さった。
「……未来を……作れる……」
「俺たちにも……できるのか……」
かすかな呟きが広がり、揺れる空気に小さな火を灯す。
セレスが両手を胸に当て、静かに祈りを捧げた。
「神は必ず、勇気を示す者に寄り添います。……どうか、ご自分を諦めないで」
恐怖はすぐには消えない。
けれど――村人の中に芽生えたその火種は、確かに希望の光を宿していた。
僕はその光を見つめ、心の奥で拳を握る。
村を出て次の目的地へ向かおうとした、その時だった。
馬蹄の音が乾いた街道に響き、砂煙を上げながら十数騎の騎馬兵が駆け込んできた。
村の広場に馬を止めると、黒地に金の縁取りをした旗が高々と掲げられる。
タブリンス領の紋章――かつて僕が背負っていたもの。
今はただ、圧政の象徴に過ぎない。
「村の者ども、皆ここに集まれ!」
先頭の使者が鋭い声で命じると、怯えた村人たちが次々と広場へと追いやられていった。
僕たちも周囲に混じり、フードを深くかぶって様子をうかがう。
使者は巻物を取り出し、誇示するように広げて読み上げた。
「領主ゴルドール様のお言葉である! 重税を逃れ、反逆の意思を持つ者――その一族郎党に至るまで処刑とする! 隠し立てを行えば、村ごと焼き払うものと知れ!」
言葉が落ちた瞬間、村人たちの顔が蒼白になった。
すすり泣きが広がり、誰もが震える声で「終わりだ」と呟く。
(……やはり動いたか)
胸の奥で冷たいものが広がった。
僕たちが徴税官を撃退したことは、すぐに領都へ伝わったのだろう。
あえて兵を差し向けるのではなく、威嚇の布告を見せつけに来た。
力を行使する前に、恐怖で人々を縛り付けようということだ。
その手口は、まさしく弱さの証だ。
「……卑怯だね」
隣でリンカが悔しげに呟いた。拳を固く握りしめ、尻尾が怒りで逆立っている。
「人々を守るどころか、鞭打って縛るなんて……!」
セレスは小さく首を振り、祈るように目を伏せた。
「人の心を恐怖で縛る……それは、教団のやり方と同じです。……あの領主は、既に闇に呑まれかけている」
ルミナスは冷淡な声で吐き捨てる。
「脅して従わせる? そんなもの効かない。効かないなら、潰すだけ」
その声音に、僕はほんの少し救われる気がした。
冷たいようでいて、彼女は揺るがない。僕たちが迷っても、彼女は必ず前を見ている。
広場では、村人たちが泣きながら口々に不安を漏らしていた。
「逆らえば……みんな殺される……」
「やっぱり……希望なんて、なかったんだ……」
せっかく芽生えた火が、再び恐怖に押し潰されようとしていた。
――このままでは駄目だ。
僕は前に一歩踏み出し、声を張った。
「皆さん、恐れる気持ちは分かります。でも……恐怖に屈したら、奴らの思うつぼです!」
視線が一斉に僕に集まる。
フードの下で、拳を固めて言葉を続けた。
「ゴルドールは恐れているんです。だから、こうして威嚇を仕掛けてきた。恐怖で縛らなければ、人はもう従わないと気づいているからだ!」
村人の間にざわめきが走る。
僕はさらに声を強めた。
「恐怖に震えるのは、僕たちだけじゃない。奴らもまた恐れている! ――だから、未来を諦めないでほしい!」
沈黙。
だが次第に、人々の目にかすかな光が宿り始めた。
先ほどまで膝をついていた老人が、震える手で杖を支えながら立ち上がり、震え声で言った。
「……たしかに。恐れているからこそ……あのような脅しを……」
その言葉に、村人の間にわずかな熱が戻っていく。
不安はまだ消えていない。けれど、完全に押し潰されたわけでもない。
僕は静かに息を吐き、剣の柄を握りしめた。
(これが、奴のやり方か。だがもう――二度と、この恐怖に屈させはしない)
騎馬兵たちは布告を告げ終えると、鼻で笑って踵を返した。
去り際に「愚民ども、震えて待っていろ」と吐き捨て、砂煙の中へ消えていく。
村には重苦しい沈黙が残った。
だがその中に、かすかに揺れる炎も確かに見えた。
――次は必ず、力をもって押し寄せてくるだろう。
それでも僕は、村人の瞳に宿った光を胸に刻んだ。
これを守り抜かなければならない。
焚き火の炎がぱちぱちと音を立て、橙の光が仲間たちの顔を照らしている。
疲れ切った村人たちは、僕らが持ち込んだ保存食を口にし、ようやく空腹を和らげて眠りについていた。
炎を囲んだのは、僕の仲間たちだけだった。
リンカが膝を抱えて炎を見つめ、ルミナスは薪を投げ入れながら表情を動かさない。
セレスは静かに祈りを捧げ、ミレイユやレイシスは焚き火の明かりに浮かぶ僕をじっと見守っていた。
重い沈黙。
それを破ったのは、やはり僕自身だった。
「……僕は、この地を解放する」
言葉に出した瞬間、胸の奥で揺らいでいた迷いがすっと消えていくのを感じた。
炎の光に照らされた仲間たちの顔が一斉に僕を見つめる。
「追放された過去に縛られるつもりはない。僕はもう、あの日の出来損ないじゃない。……仲間と共に歩き、この地を取り戻す」
焚き火の音が、静かな誓いを刻むように響く。
最初に応えたのはリンカだった。
「セージ君……私はずっと一緒にいる。あなたが進むなら、どこまでもついていくよ」
その瞳には揺るぎない決意が宿っていた。
ルミナスが口元を少しだけ緩め、低く呟く。
「……燃やす相手がいるなら、私の炎は尽きない。ご主人様の敵は、全部焼き尽くす」
セレスは胸に手を当て、真剣な眼差しで言葉を重ねた。
「わたくしは祈りを捧げます。どんな闇があろうとも……共に戦う仲間として」
ミレイユが微笑みながら小さく頷き、レイシスはきっぱりと背筋を伸ばす。
「主様の誓いを、この身をもって支えます。私たちも覚悟はできております」
シャミーは満面の笑顔で拳を掲げた。
「セージ様が本気なら、私たちも全力だよ! 負ける気しないもん!」
アーリアは恥ずかしそうにうつむきながらも、小さく言った。
「……一緒に……戦わせてください」
アンナは無表情のまま、ただ一言。
「ご主人様のためなら、命を賭します」
――一人ひとりの言葉が胸に刻まれていく。
これ以上に強い絆があるだろうか。
僕は改めて仲間たちを見渡し、静かに笑った。
「ありがとう。みんながいるから、僕は戦える」
焚き火の炎が高く揺らめき、その光はまるで未来を示すかのように夜空へと昇っていく。
仲間と共に歩む――その誓いは、揺るがぬものとなった。
僕たちが村を救ったあとも、広場にはまだ緊張が漂っていた。
倒れ伏した徴税官を見下ろしながら、村人たちは息を呑んでいる。恐怖に揺れながらも、その胸の奥から別の感情があふれていた。
「旅のお方……どうか、お礼を言わせてください」
「命を……村を救っていただいた……」
老いた農夫が震える手で頭を下げると、他の村人たちも次々に深々と頭を垂れた。
その光景に、僕の胸は重くなる。
「……僕たちは旅の者に過ぎません。ただ、見過ごせなかっただけです」
そう答えると、村人たちは顔を上げた。
幻色の腕輪で変えた髪色や印象のせいで、誰も僕の正体には気づいていない。
それでも――老農夫はじっと僕を見つめ、懐かしむように呟いた。
「……どこか、若き日のあのお方を思い出させますな……」
その言葉に胸がちくりと痛んだ。けれど僕は小さく首を振る。
「僕はただの旅人です。……皆さんを守りたいと思った、それだけです」
そう言うと、老農夫の目尻に涙がにじんだ。
真実を悟らせないようにしたつもりでも、その言葉が心を打ったのだろう。
しかし安堵と同時に、村人たちの表情には深い影が差していた。
「……ですが、これで領都に知られたら……」
「きっと、兵が報復にやって来ます……」
「家族ごと処刑される……」
感謝と恐怖が入り混じり、声は震え、空気は揺れる。
僕は剣を収め、村人たちを見渡しながら言葉を紡いだ。
「恐れるのは当然です。けれど……僕がいる限り、この村を守ります」
真っ直ぐに告げたつもりだった。
だが恐怖は根深く、村人たちは顔を見合わせるばかりで、すぐには希望に変わらない。
そのとき、ルミナスが前に出て、はっきりとした声を放った。
「怖いのは分かる。でも――未来は作れる。私たちだって怖い。死ぬのは嫌、苦しいのも嫌。……それでも戦った。守りたい人がいるから」
少女の姿をした魔族の言葉は、村人たちの胸に鋭く突き刺さった。
「……未来を……作れる……」
「俺たちにも……できるのか……」
かすかな呟きが広がり、揺れる空気に小さな火を灯す。
セレスが両手を胸に当て、静かに祈りを捧げた。
「神は必ず、勇気を示す者に寄り添います。……どうか、ご自分を諦めないで」
恐怖はすぐには消えない。
けれど――村人の中に芽生えたその火種は、確かに希望の光を宿していた。
僕はその光を見つめ、心の奥で拳を握る。
村を出て次の目的地へ向かおうとした、その時だった。
馬蹄の音が乾いた街道に響き、砂煙を上げながら十数騎の騎馬兵が駆け込んできた。
村の広場に馬を止めると、黒地に金の縁取りをした旗が高々と掲げられる。
タブリンス領の紋章――かつて僕が背負っていたもの。
今はただ、圧政の象徴に過ぎない。
「村の者ども、皆ここに集まれ!」
先頭の使者が鋭い声で命じると、怯えた村人たちが次々と広場へと追いやられていった。
僕たちも周囲に混じり、フードを深くかぶって様子をうかがう。
使者は巻物を取り出し、誇示するように広げて読み上げた。
「領主ゴルドール様のお言葉である! 重税を逃れ、反逆の意思を持つ者――その一族郎党に至るまで処刑とする! 隠し立てを行えば、村ごと焼き払うものと知れ!」
言葉が落ちた瞬間、村人たちの顔が蒼白になった。
すすり泣きが広がり、誰もが震える声で「終わりだ」と呟く。
(……やはり動いたか)
胸の奥で冷たいものが広がった。
僕たちが徴税官を撃退したことは、すぐに領都へ伝わったのだろう。
あえて兵を差し向けるのではなく、威嚇の布告を見せつけに来た。
力を行使する前に、恐怖で人々を縛り付けようということだ。
その手口は、まさしく弱さの証だ。
「……卑怯だね」
隣でリンカが悔しげに呟いた。拳を固く握りしめ、尻尾が怒りで逆立っている。
「人々を守るどころか、鞭打って縛るなんて……!」
セレスは小さく首を振り、祈るように目を伏せた。
「人の心を恐怖で縛る……それは、教団のやり方と同じです。……あの領主は、既に闇に呑まれかけている」
ルミナスは冷淡な声で吐き捨てる。
「脅して従わせる? そんなもの効かない。効かないなら、潰すだけ」
その声音に、僕はほんの少し救われる気がした。
冷たいようでいて、彼女は揺るがない。僕たちが迷っても、彼女は必ず前を見ている。
広場では、村人たちが泣きながら口々に不安を漏らしていた。
「逆らえば……みんな殺される……」
「やっぱり……希望なんて、なかったんだ……」
せっかく芽生えた火が、再び恐怖に押し潰されようとしていた。
――このままでは駄目だ。
僕は前に一歩踏み出し、声を張った。
「皆さん、恐れる気持ちは分かります。でも……恐怖に屈したら、奴らの思うつぼです!」
視線が一斉に僕に集まる。
フードの下で、拳を固めて言葉を続けた。
「ゴルドールは恐れているんです。だから、こうして威嚇を仕掛けてきた。恐怖で縛らなければ、人はもう従わないと気づいているからだ!」
村人の間にざわめきが走る。
僕はさらに声を強めた。
「恐怖に震えるのは、僕たちだけじゃない。奴らもまた恐れている! ――だから、未来を諦めないでほしい!」
沈黙。
だが次第に、人々の目にかすかな光が宿り始めた。
先ほどまで膝をついていた老人が、震える手で杖を支えながら立ち上がり、震え声で言った。
「……たしかに。恐れているからこそ……あのような脅しを……」
その言葉に、村人の間にわずかな熱が戻っていく。
不安はまだ消えていない。けれど、完全に押し潰されたわけでもない。
僕は静かに息を吐き、剣の柄を握りしめた。
(これが、奴のやり方か。だがもう――二度と、この恐怖に屈させはしない)
騎馬兵たちは布告を告げ終えると、鼻で笑って踵を返した。
去り際に「愚民ども、震えて待っていろ」と吐き捨て、砂煙の中へ消えていく。
村には重苦しい沈黙が残った。
だがその中に、かすかに揺れる炎も確かに見えた。
――次は必ず、力をもって押し寄せてくるだろう。
それでも僕は、村人の瞳に宿った光を胸に刻んだ。
これを守り抜かなければならない。
3
あなたにおすすめの小説
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
社畜だった俺、最弱のダンジョンマスターに転生したので、冒険者を癒やす喫茶店ダンジョンを経営します
☆ほしい
ファンタジー
過労死した俺が目を覚ますと、そこは異世界のダンジョンコアの前だった。
どうやら俺は、ダンジョンマスターとして転生したらしい。
だが、与えられた俺のダンジョンは最低ランクのF級。魔力を生み出す力は弱く、生み出せる魔物もスライムやゴブリンといった最弱クラスばかり。これでは、冒険者を呼び込んで魔力を得るなんて夢のまた夢だ。
絶望する俺だったが、ダンジョンの創造機能を使えば、内装を自由にデザインできることに気づく。
「……そうだ、喫茶店を開こう」
前世で叶えられなかった夢。俺は戦闘を放棄し、ダンジョンの入り口に木造の喫茶店『やすらぎの隠れ家』を作り上げた。メニューは、前世の知識を活かしたコーヒーと手作りケーキだけ。
ところが、そのコーヒーには異常なまでの疲労回復効果が、ケーキには一時的な能力向上効果が付与されていることが判明。噂を聞きつけた訳ありの冒険者たちが、俺のダンジョンに癒やしを求めて集い始めるのだった。
科学×魔法で世界最強! 〜高校生科学者は異世界魔法を科学で進化させるようです〜
難波一
ファンタジー
「魔法ってのは……要はエネルギーの制御だろ?」
高校生にして超人的な科学知識を持つ天才・九条迅は、ある日、異世界アルセイア王国に「勇者」として召喚された。
だが、魔王軍との戦争に駆り出されると思いきや——
「お前、本当に勇者か? 剣も魔法も、まともに使えないのか……?」
「科学的に考えれば、魔法ってのはもっと進化できるはずだ!」
剣も魔法も素人の迅だったが、「魔法を科学的に解析し、進化させる」という異端の方法で異世界の常識を根底から覆し始める!
魔法の密度を最適化した「魔力収束砲」
魔法と人体の関係を解明し、魔力を増大させる「魔力循環トレーニング」
神経伝達を強化し、攻撃を見切る「神経加速《ニューロ・ブースト》」
次々と編み出される新技術に、世界は驚愕!
やがて、魔王軍の知将《黒の賢者》アーク・ゲオルグも迅の存在に興味を持ち始め——
「科学 vs 魔法」「知能 vs 知能」
最強の頭脳戦が今、幕を開ける——!
これは、「魔法を科学で進化させる勇者」が、異世界を変革していく物語!
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
最弱弓術士、全距離支配で最強へ
Y.
ファンタジー
「弓術士? ああ、あの器用貧乏な最弱職のことか」
剣と魔法が全てを決める世界において、弓は「射程は魔法に及ばず、威力は剣に劣る」不遇の武器と蔑まれていた。
若き冒険者リアンは、亡き叔父から譲り受けた一振りの弓「ストーム・ウィスパー」を手に、冒険者の門を叩く。周囲の嘲笑を余所に、彼が秘めていたのは、世界をナノ単位で解析する「化け物じみた集中力」だった。
リアンの放つ一矢は、もはや単なる遠距離攻撃ではない。
風を読み、空間を計算し、敵の急所をミリ単位で射抜く精密射撃。
弓本体に仕込まれたブレードを操り、剣士を圧倒する近接弓術。
そして、魔力の波長を読み取り、呪文そのものを撃ち落とす対魔法技術。
「近距離、中距離、遠距離……俺の射程に逃げ場はない」
孤独な修行の末に辿り着いた「全距離対応型弓術」は、次第に王道パーティやエリート冒険者たちの常識を塗り替えていく。
しかし、その弓には叔父が命を懸けて守り抜いた**「世界の理(ことわり)」を揺るがす秘密**が隠されていた――。
最弱と笑われた少年が、一張の弓で最強へと駆け上がる、至高の異世界アクションファンタジー、開幕!
スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う
シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。
当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。
そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。
その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。
僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です1~またクビになったけど、親代わりのメイドが慰めてくれるので悲しくなんてない!!~
あきくん☆ひろくん
ファンタジー
仕事を失い、居場所をなくした青年。
彼に仕えるのは――世界を救った英雄たちだった。
剣も魔法も得意ではない主人公は、
最強のメイドたちに守られながら生きている。
だが彼自身は、
「守られるだけの存在」でいることを良しとしなかった。
自分にできることは何か。
この世界で、どう生きていくべきか。
最強の力を持つ者たちと、
何者でもない一人の青年。
その主従関係は、やがて世界の歪みと過去へと繋がっていく。
本作は、
圧倒的な安心感のある日常パートと、
必要なときには本格的に描かれる戦い、
そして「守られる側の成長」を軸にした
完結済み長編ファンタジーです。
シリーズ作品の一編ですが、本作単体でもお楽しみいただけます。
最後まで安心して、一気読みしていただければ幸いです。
異世界複利! 【単行本1巻発売中】 ~日利1%で始める追放生活~
蒼き流星ボトムズ
ファンタジー
クラス転移で異世界に飛ばされた遠市厘(といち りん)が入手したスキルは【複利(日利1%)】だった。
中世レベルの文明度しかない異世界ナーロッパ人からはこのスキルの価値が理解されず、また県内屈指の低偏差値校からの転移であることも幸いして級友にもスキルの正体がバレずに済んでしまう。
役立たずとして追放された厘は、この最強スキルを駆使して異世界無双を開始する。
『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる
暁刀魚
ファンタジー
社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。
なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。
食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。
そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」
コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。
かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。
もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。
なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。
カクヨム様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる