地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~

かくろう

文字の大きさ
123 / 137
121~130

集結、希望の刃

しおりを挟む
 王都の空が、朝焼けに染まっていた。
 ギルド本部の鐘が鳴り響き、石畳の上には無数の足音が重なる。
 ――合同訓練の日。

 《奈落の希望》と《煉獄の騎士団》、そして各地から集った中~上級冒険者たちが、一堂に会していた。
 広場を埋め尽くす人数。その顔には緊張と覚悟、そして、ほんの少しの誇りが浮かんでいる。

 アテンさんの号令が響いた。
「――諸君。これより我々は、ラミエルの軍勢に対抗するための“希望の戦線”を築く!」
 その声に、ざわめきがぴたりと止む。
 彼は剣を抜き、朝日を反射させながら高く掲げた。
「敵は血を媒介に人を呪い、土地を穢す。だが、我々はその“血の連鎖”を断つ者だ。誇れ、冒険者たちよ――これは王のためでなく、人のための戦いだ!」

 どっと歓声が上がる。
 その熱の中で、僕もまた胸を張った。
(……そうだ。誰かに命じられて戦うんじゃない。僕たちは、自分の意志で立っている)

 フェンネルが笑いながら肩を小突いてくる。
「セージちゃん、緊張してる~? 顔がちょっと固いわよ?」
「いえ、ただ……責任の重さを感じてるだけです」
「ふふ、真面目~。でもね、あんたがそうやって背負ってくれるから、周りは安心できるのよ」

 その横で、ルミナスが焚き火の灰を指先でいじりながらぽつり。
「セージ。かっこつけすぎ。……でも、嫌いじゃない」
「……褒めてるのか、貶してるのか分からないな」
「両方」
 彼女は唇の端をほんのわずかに上げた。

 リンカはすでに弓の点検を終え、背中の矢筒を締め直していた。
「それにしても……これだけの冒険者が集まるなんて、王都でも久しぶりだね。まるで新しい時代が始まるみたい」
「そうだな」
 僕は頷き、視線を上げる。
 陽光が煉瓦の塔を照らし、金色の光が剣や矢に反射する。まるで、それぞれが“希望の欠片”のようだった。

◇◇◇

 合同訓練は、実戦さながらの緊迫感だった。
 僕たちは前衛組として、煉獄の騎士団の一部と連携を取る。
 巨躯のザークさんが盾を構え、僕の突撃に合わせて敵役の魔物模型を弾き飛ばす。

「おらぁッ! セージ、行けぇっ!」
「――【重ね斬り】!」
 剣閃が閃光のように走り、木製の魔物が粉砕された。
 見守っていた冒険者たちがどよめく。

 後方からフェンネルの詠唱が重なる。
「《フロスト・バリア》展開~! 後衛を守るわよ!」
 氷の結界が展開され、飛来する訓練用の魔弾を全て弾く。

 セレスの声が響く。
「《ホーリーシールド》! 防御陣、重ねます!」
 純白の光が氷の防壁に重なり、眩しい輝きが広場を包み込む。

 その瞬間、アテンさんが笑った。
「見事だ。攻防の連携が完璧だな」
「ありがとうございます!」
 僕は剣を下げて一礼する。

「だが、もう一段階上を目指そう」
 彼はすっと剣を構えた。
「今度は私が相手だ。オメガ級同士の実戦、模擬戦で君の限界を見たい」

「えっ、アテンさんと!?」
 フェンネルが愉快そうに口笛を吹く。
「おー、出た出た! 団長が本気モードね~♪」

 ザークがにやりと笑った。
「がっはは! セージ、お前がどこまでやれるか見物だな!」

 僕は一歩前へ出る。
 胸の奥がざわりと熱くなる――これが、“英雄の試練”。

「……分かりました。全力で、行きます」
「その言葉を待っていた」
 アテンさんの瞳が真紅に燃え上がる。

 その声音は穏やかだが、眼差しは鋭い。
 彼がこの国最強格と呼ばれる理由が、刃を交える前から伝わってくる。
 背後ではフェンネルやシズカ、ザークたちが静かに見守っていた。
 リンカ、ルミナス、セレスも少し離れた場所で息を潜めている。

「セージ様……お気をつけください」
「ん……いける。セージ、やれる」
 セレスとルミナスの声が重なり、僕の背を押した。

「――では、始めようか」

 アテンが剣を構えた瞬間、風が一変した。
 空気が震え、周囲の温度が一気に上がる。
 まるで戦場そのものが彼の意志に呼応しているかのようだった。

 僕もゆっくりと剣を抜く。
 金属音が小さく響くと同時に、胸の奥で魔素が脈打つ。
 だが――破魔技は使わない。
 今日は、人として、冒険者としての力を見せる日だ。

 そして、次の瞬間――地面が爆ぜた。

 剣と剣がぶつかる。
 重い金属音が響き、風が唸る。
 僕は連撃を繰り出し、アテンさんの剣を受け止めながら、斬り上げる。

 その斬撃を彼は片手で受け流し、微笑んだ。
「なるほど……やはり、桁が違う」
「僕もそう思います。アテンさんこそ――」

 再び衝突。
 火花が散り、広場全体が静まり返る。

 観客席のリンカが小さく呟いた。
「すごい……これが、オメガ同士の戦い……」

 セレスが両手を組み、祈るように見守る。
「セージ様……どうか、ご無事で」

 アテンさんの剣が煌めき、僕の頬を掠めた。
 だが僕はそのまま踏み込み、刃を振り抜く。
「――【雷光一閃】!」
 閃光が奔り、二人の間に風圧が爆ぜた。

 静寂のあと、アテンさんがゆっくりと剣を下ろす。
「見事だ、セージ君。……まさしく希望の剣だ」

 その言葉に、胸の奥がじんわりと熱くなる。
(……認められたんだ。この国の最強の一角に)

 拍手と歓声が広場を包んだ。

「噂に違わぬ実力。――だが、それ以上に見事なのは、その“抑制”だ。力を制御できる者こそ、真に強者と呼べる」
「恐縮です。……僕も、ようやくそこまで来られた気がします」

 アテンさんは満足げに頷くと、背を向けて歩き出した。
 フェンネルさんが口笛を吹き、ザークが感嘆の声を上げる。

「お前らの戦い、見応えあったぜ。がっはは――いや、今回は素で言わせてもらう。あれは見事だ」
「ありがとう、ザークさん」

 ルミナスが小声で呟いた。
「セージ。雷、綺麗だった。……濡れた」
「恥ずかしいからそういう事言うのはやめようね」

 頬を染めて言う彼女の横で、セレスが穏やかに微笑む。
「本当に……誇らしいお姿でしたわ、セージ様」

 風が吹き抜け、焦げた地面に冷たい朝露が落ちる。
 新たな戦いの気配を孕んだ空の下、僕らは再び歩き出す。

 ――次なる戦場へと。

◇◇◇

 夜の帳が下り、街は静まり返っていた。
 昼間の合同訓練で響いていた剣戟の音も、今はもう遠い記憶のようだ。
 月光が石畳を照らし、街の灯りがひとつ、またひとつと消えていく。

 僕たちは、エリスの屋敷の広いテラスに集まっていた。
 明日にはそれぞれの持ち場へ散り、国境沿いで血翼の軍勢との戦いが始まる。
 束の間の休息の夜――それを噛み締めるように、誰もが静かに杯を傾けていた。

「……いい月だね」
 リンカが小さく呟いた。
 銀の髪が月明かりを受けて、淡く光る。
 隣に座る僕は、その光景を見つめながら微笑んだ。

「落ち着くな。こうしていると、戦いが迫ってるなんて思えないくらいだ」
「うん。でも……きっと誰もが、同じ気持ちなんだと思う」
 彼女の声には、穏やかな強さがあった。
「戦う理由があるからこそ、こうして静かな夜を愛おしく思えるんだよ」

 その言葉に、胸の奥がじんわりと熱くなる。
 ――あぁ、僕はこの時間を守りたいんだ。
 誰もが笑い合える、たったそれだけの時間を。

◇◇◇

 少し離れた場所では、ルミナスが焚き火の前で膝を抱えていた。
 炎のゆらめきが、彼女の赤い瞳に映り込む。
「セージ。……また、戦うの?」
「そうだな。もう避けては通れない」
「ふむ……面倒。でも、悪くない」
 ぼそりと呟く声は、いつもより少し柔らかかった。

 彼女は焚き火の火を指先でいじりながら、ぽつりと続けた。
「セージ。前の戦いで……ルミナス、怖かった。でも、セージが隣にいたから平気だった」
「……そっか」
「今度も、いる。だから、怖くない。――だから、セージも、怖がらないで」

 その小さな声に、僕はそっと頷いた。
 ルミナスの言葉は、まるで祈りのようだった。

◇◇◇

 そして、テラスの奥――セレスが一人、空に祈りを捧げていた。
 白い指先を組み、月光の下で静かに目を閉じる。
「神よ……この夜に、どうか祝福を。彼らが歩む道が、光に満ちていますように」

 やがて、彼女は僕の方を振り向いた。
 その瞳は、夜の静けさを映したように穏やかで、揺るぎなかった。

「セージ様」
「……なんだい?」
「明日からの戦い……私、怖くはありません。なぜなら、あなたが共にいてくださるから」
「……僕だって、君がいてくれるから立っていられるよ」
 そう言うと、セレスは小さく微笑み、胸の前で両手を重ねた。
「あなたこそが、私の祈りの答えなのです」

 その瞬間――胸の奥が、熱く震えた。
 祈りと覚悟。
 そのどちらもが、僕らの間に確かな絆として存在していた。

◇◇◇

 少し離れた石垣の上では、アテンさんたち《煉獄の騎士団》の面々が談笑していた。
 フェンネルがワインを掲げ、ザークが大声で笑う。
 シズカは竹筒の酒を手に「サクラ国では戦の前にこうして飲むのが風習でござる」と言い、
 セレンが小さく祈りの詩を口ずさんでいる。

「セージ君」
 アテンさんがこちらを振り返り、微笑んだ。
「緊張しているようだな。……だが、それでいい。恐れを知らぬ者は、戦場で命を散らす」
「はい。分かっています」
「だが――恐れを知る者は、仲間を守れる」
 その言葉に、僕は静かに頷いた。

「ならば大丈夫だ。君には、恐れを乗り越える心がある」

 そう言って、アテンさんは盃を掲げた。
 煉獄の騎士団、奈落の希望、そして周辺都市や国境沿いから集まった冒険者たちへ――
 その杯が掲げられた瞬間、誰もが立ち上がる。

「乾杯!」
 声が夜空に響き、無数の杯が月光を反射した。

 焚き火がぱちりと弾ける。
 誰もが笑い、そして――その笑顔の奥に、それぞれの決意を秘めていた。

◇◇◇

 夜が更けていく。
 月が沈み始めた頃、僕は一人テラスに残っていた。
 風が頬を撫で、遠くで鐘が鳴る。

(……もうすぐ夜明けだ)

 これまでに救えなかった命、奪われた笑顔。
 すべてを背負って、明日へ進む。
 それが、僕に与えられた“ためて・放つ”という力の意味だから。

 ふと背後から、小さな足音がした。
「セージ君」
 リンカがそっと隣に立つ。
「明日、必ず勝とうね」
「――あぁ」
 僕は静かに頷き、東の空を見上げた。

 夜明け前の空が、かすかに白み始めていた。
 闇の向こうに、確かな光が生まれる。
 その光こそ――僕たちの希望。

 そして、戦いの始まりを告げる“誓いの夜明け”だった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

社畜だった俺、最弱のダンジョンマスターに転生したので、冒険者を癒やす喫茶店ダンジョンを経営します

☆ほしい
ファンタジー
過労死した俺が目を覚ますと、そこは異世界のダンジョンコアの前だった。 どうやら俺は、ダンジョンマスターとして転生したらしい。 だが、与えられた俺のダンジョンは最低ランクのF級。魔力を生み出す力は弱く、生み出せる魔物もスライムやゴブリンといった最弱クラスばかり。これでは、冒険者を呼び込んで魔力を得るなんて夢のまた夢だ。 絶望する俺だったが、ダンジョンの創造機能を使えば、内装を自由にデザインできることに気づく。 「……そうだ、喫茶店を開こう」 前世で叶えられなかった夢。俺は戦闘を放棄し、ダンジョンの入り口に木造の喫茶店『やすらぎの隠れ家』を作り上げた。メニューは、前世の知識を活かしたコーヒーと手作りケーキだけ。 ところが、そのコーヒーには異常なまでの疲労回復効果が、ケーキには一時的な能力向上効果が付与されていることが判明。噂を聞きつけた訳ありの冒険者たちが、俺のダンジョンに癒やしを求めて集い始めるのだった。

科学×魔法で世界最強! 〜高校生科学者は異世界魔法を科学で進化させるようです〜

難波一
ファンタジー
「魔法ってのは……要はエネルギーの制御だろ?」 高校生にして超人的な科学知識を持つ天才・九条迅は、ある日、異世界アルセイア王国に「勇者」として召喚された。 だが、魔王軍との戦争に駆り出されると思いきや—— 「お前、本当に勇者か? 剣も魔法も、まともに使えないのか……?」 「科学的に考えれば、魔法ってのはもっと進化できるはずだ!」 剣も魔法も素人の迅だったが、「魔法を科学的に解析し、進化させる」という異端の方法で異世界の常識を根底から覆し始める! 魔法の密度を最適化した「魔力収束砲」 魔法と人体の関係を解明し、魔力を増大させる「魔力循環トレーニング」 神経伝達を強化し、攻撃を見切る「神経加速《ニューロ・ブースト》」 次々と編み出される新技術に、世界は驚愕! やがて、魔王軍の知将《黒の賢者》アーク・ゲオルグも迅の存在に興味を持ち始め—— 「科学 vs 魔法」「知能 vs 知能」 最強の頭脳戦が今、幕を開ける——! これは、「魔法を科学で進化させる勇者」が、異世界を変革していく物語! ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

最弱弓術士、全距離支配で最強へ

Y.
ファンタジー
「弓術士? ああ、あの器用貧乏な最弱職のことか」 剣と魔法が全てを決める世界において、弓は「射程は魔法に及ばず、威力は剣に劣る」不遇の武器と蔑まれていた。 若き冒険者リアンは、亡き叔父から譲り受けた一振りの弓「ストーム・ウィスパー」を手に、冒険者の門を叩く。周囲の嘲笑を余所に、彼が秘めていたのは、世界をナノ単位で解析する「化け物じみた集中力」だった。 リアンの放つ一矢は、もはや単なる遠距離攻撃ではない。 風を読み、空間を計算し、敵の急所をミリ単位で射抜く精密射撃。 弓本体に仕込まれたブレードを操り、剣士を圧倒する近接弓術。 そして、魔力の波長を読み取り、呪文そのものを撃ち落とす対魔法技術。 「近距離、中距離、遠距離……俺の射程に逃げ場はない」 孤独な修行の末に辿り着いた「全距離対応型弓術」は、次第に王道パーティやエリート冒険者たちの常識を塗り替えていく。 しかし、その弓には叔父が命を懸けて守り抜いた**「世界の理(ことわり)」を揺るがす秘密**が隠されていた――。 最弱と笑われた少年が、一張の弓で最強へと駆け上がる、至高の異世界アクションファンタジー、開幕!

スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う

シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。 当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。 そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。 その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。

僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です1~またクビになったけど、親代わりのメイドが慰めてくれるので悲しくなんてない!!~

あきくん☆ひろくん
ファンタジー
仕事を失い、居場所をなくした青年。 彼に仕えるのは――世界を救った英雄たちだった。 剣も魔法も得意ではない主人公は、 最強のメイドたちに守られながら生きている。 だが彼自身は、 「守られるだけの存在」でいることを良しとしなかった。 自分にできることは何か。 この世界で、どう生きていくべきか。 最強の力を持つ者たちと、 何者でもない一人の青年。 その主従関係は、やがて世界の歪みと過去へと繋がっていく。 本作は、 圧倒的な安心感のある日常パートと、 必要なときには本格的に描かれる戦い、 そして「守られる側の成長」を軸にした 完結済み長編ファンタジーです。 シリーズ作品の一編ですが、本作単体でもお楽しみいただけます。 最後まで安心して、一気読みしていただければ幸いです。

異世界複利! 【単行本1巻発売中】 ~日利1%で始める追放生活~

蒼き流星ボトムズ
ファンタジー
クラス転移で異世界に飛ばされた遠市厘(といち りん)が入手したスキルは【複利(日利1%)】だった。 中世レベルの文明度しかない異世界ナーロッパ人からはこのスキルの価値が理解されず、また県内屈指の低偏差値校からの転移であることも幸いして級友にもスキルの正体がバレずに済んでしまう。 役立たずとして追放された厘は、この最強スキルを駆使して異世界無双を開始する。

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

暁刀魚
ファンタジー
 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

処理中です...