【絶対俺だけ王様ゲーム】美少女幼馴染3人と男オレ1人で始まったゲームが何かおかしい。どんどんNGがなくなっていく彼女達に迫られてます

かくろう

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幕間 新年会

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 初詣の後、俺たちはそのまま移動して――今年最初の「王宮大宴会」へ。
 会場は、ふわり宅タワーマンションの共有パーティールーム。ガラス張りの窓からは夜景と花火が見える豪華な場所だ。大晦日に続いて、今度は母親たちも全員集合。

 テーブルには、鍋、おせち、寿司オードブル、甘酒……圧倒的なご馳走が並ぶ。
 俺が口を開こうとした瞬間――

「はーい、乾杯の音頭はやっぱりれー君でしょ♡」
 杏奈がにっこり笑って俺に振る。
 隣では、そっくりな仙奈さんが同じ調子で笑う。

「そうそう~♡ リンちゃん、ちゃんとお姉さんに見えてる?」
 杏奈とシンクロするようなテンションに、俺は苦笑いするしかない。

「れーじくん~、いっぱい食べてねぇ~」
 ふわりはすでに取り分け開始。
 その横で、あまみさんも同じトーンで「ほんとにねぇ~♡ このお鍋、具材ぎっしりなの~」と追い打ちをかける。
 母娘そろって、のほほんとした空気で場を支配するの、すごすぎる。

「レージ君。あけましておめでとうございます。今年も鈴音をよろしくお願いします」
 紫音さんがぴしっと背筋を伸ばして頭を下げる。その横で鈴音も同じ角度で礼をしている。
 ……シンクロ率100%。まるで二人羽織みたいにぴったりだ。

「……俺も、今年もみんなにお世話になります。よろしくお願いします!」
 改めて挨拶すると、四人の母親から一斉に「よろしく~♡」と返ってきて、思わず笑ってしまう。

 鍋をよそい、乾杯をして、大宴会が始まった。

「れー君、さっきから杏奈ばっかり見てる~♡」
「ママぁっ! そういう言い方やめてってば!」
「ええ~? だって事実でしょ?」
「ち、違っ……うぅ、ほんとママってからかうの好きなんだから!」

 仙奈さんの軽快なボケに、杏奈が本気で赤面してツッコむ。そのテンポが抜群で、周囲は拍手混じりに大爆笑。
 俺はそのやり取りを眺めながら(ほんと親子だな……)と心の中で笑うしかなかった。

「れー君、はい、あーん♡」
「ほらほら~、これも食べて~♡」
 二人同時に箸を伸ばしてきて、俺の口の前に肉と魚がクロスする。
「い、一度に二つは無理だって!」
「「えへへ~♡」」

 のんびりしたペースで食事を進めながらも、代わる代わる俺にあーん攻撃。
 俺の箸が休まる暇もなく、胃袋の容量を心配しながらも(……ああ、幸せってこういう状況を言うんだろうな)と変な納得をしてしまう。

「レージ君、こちらの煮物も召し上がってください」
「そうですそうです。冷めないうちにどうぞ」
 真面目な顔の二人に一斉に勧められると、断れるはずもない。

「えっ……えっと……いただきます」
「「……良い返事です」」

 きっちり揃ったシンクロ二重奏。真面目すぎる親子の迫力に、周囲からは「営業スマイルみたい」「面接官コンビかよ」と笑い声が上がる。
 鈴音は少しむっとして「鈴音は本気です」と言い張るけど、その表情まで紫音さんと一緒で、逆に場が和んでしまう。




「はぁいはぁい、ちょっと皆、うちの子に食べさせすぎだから。胃薬出しといた方がいいんじゃない?」
「わー、母ちゃんまで~」
「さすが母上です。フォローまで完璧」

 場を軽やかに仕切ってくれる我が母に全員が笑顔で頷く。

 鍋から立ちのぼる湯気に、笑い声が響いて、リビングは完全に正月前夜のフェス会場。

「ほら見て~! 親子で同じ口調!」「双子かよ!」なんて突っ込みが飛び交い、誰も手を止めない。

 俺は次から次へと差し出される料理に四苦八苦しながらも――心の奥では、この光景がずっと続けばいいと願わずにいられなかった。


 ◇◇◇

 リビングの中央には、大きな鍋がぐつぐつと音を立て、周りのテーブルには寿司やおせち、唐揚げに甘味までずらっと並んでいる。
 母親たちは「まあまあ一杯!」と盃を回し合い、もう完全に“女子会モード”。笑い声が壁を震わせる勢いで響き渡っていた。

 仙奈さんは杏奈そっくりの快活な笑顔で「はい次は私の番ね!」「れー君、ほら見て見て、この子小さい頃はね~」と暴露大会を始め、杏奈が顔を真っ赤にして「やめてってばママぁ!」と必死に制止。

 あまみさんはふわりそっくりのふわふわトーンで「いやぁ~♡ お酒美味しすぎて止まらないわ~♡」とすでに頬をほんのり赤くしながら豪快に盃を空け、ふわりが「ママぁ~、もうそれ以上飲んだられーじくんに失礼だよぉ~」とオロオロ。

 紫音さんは鈴音そっくりの真面目モードで「……皆さん、少し声が大きいです。隣近所にご迷惑が」と口では言いつつ、実は手元の徳利を誰よりも早いペースで空にしていた。鈴音が「……ママ、それは鈴音が言うことです」と眉を寄せて指摘するも、紫音さんは涼しい顔で「鈴音、宴会は勢いが大事です」と返す始末。

 母親四人が並んでお酒を注ぎ合いながら笑っている様子は、まるで同級生の女子会。零士から見ても、彼女たちが母親同士というよりは“娘たちの未来像”にしか見えなかった。


 あまりの熱気に押され、俺と杏奈・ふわり・鈴音は小声で相談。
「なぁ……そろそろ退避しないとやばくない?」
「だよね……ママ達、完全にギア入ってるし」
「……酔いが回ると、もっと厄介です」

 視線が自然と一致して、全員でベランダへ。
 冬の夜気が頬を撫で、騒がしいリビングの音がガラス越しに少し遠くなる。

 そこから見下ろす街は、新年を迎えてなお灯りが消えない。きらめく夜景が、母親達の賑やかさと対照的に、しんと静かな美しさを放っていた。

「ふぅ……やっと一息」
 杏奈が柵に肘をついて、吐く息を白く染める。
「ねぇ、なんか……こうして外に出ると、落差で余計に静けさが沁みるね」
「わかる~。ママ達、ほんと元気すぎだよぉ~」
 ふわりがくすくす笑いながら肩を寄せる。
「……でも、不思議です。あんなに大騒ぎなのに、嫌な気持ちにはならない。むしろ……心地良いです」
 鈴音は胸に手を当てて呟く。その横顔は、街灯の光に照らされてやけに大人びて見えた。


 俺は三人の顔を順に見て、小さく笑った。
「ま、俺たちのママ達だからな。そりゃあ、騒がしくてもどっか安心できるんだろう」

 杏奈は唇を噛んで少し照れながら、夜景を見て言った。
「……れー君。今日こうしてみんなで集まって、家族も一緒に笑えるのって、すごく幸せなことなんだよね。改めて思った」

 ふわりは頬をほんのり染めて、両手を胸の前で組みながら。
「ん~♡ ふわりね、れーじくんと過ごす時間だけでも幸せなのに、ママも一緒にわいわいできて……なんか“二倍幸せ”だよぉ~」

 鈴音は少しうつむいてから顔を上げ、真剣な瞳で言葉を紡いだ。
「鈴音も……同じ気持ちです。大切な人と、大切な家族と……同じ場所にいられるのは、奇跡のようなことだと感じます」

 俺は胸の奥がじんわり熱くなり、三人の手を順に握った。
「じゃあさ、この先も……こういう日を、ずっと続けていこうぜ」

 三人は同時に笑って「うん♡」「そうだねぇ♡」「賛成です」と頷いた。

 背後では、リビングから「かんぱーい!」という大合唱と、母親達の笑い声。
 でも、このベランダの小さな輪は、誰にも邪魔されない“俺達だけの静かな時間”として確かに存在していた。
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