【絶対俺だけ王様ゲーム】美少女幼馴染3人と男オレ1人で始まったゲームが何かおかしい。どんどんNGがなくなっていく彼女達に迫られてます

かくろう

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26回目 その1

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 宴会もだいぶ盛り上がってきて、母親チームは完全に酒盛りモードに突入していた。仙奈さんは「杏奈の時代が来たねぇ!」と笑い、あまみさんはふわりに絡んで「ふわりももっと大胆に~♡」と甘い声で焚きつけ、紫音さんは静かに盃を傾けながら「鈴音、顔が赤い。飲みすぎてませんか」と真顔で突っ込みを入れている。
 その光景に俺たちは顔を見合わせて、こっそりソファ側に避難した。

「はいはーい! じゃあここからは、こっちの番だよっ」
 杏奈が手を打ち鳴らして、小さな紙片を袋に入れる。
「題して、“おみくじ王様ゲーム”!」
 声が弾んでる。新年会っぽさをうまく乗せてきたな。

「おみくじ……ですか?」
 鈴音が袋を覗き込む。中には「大吉」「中吉」「小吉」「末吉」「凶」、それに混ざって「ハグ♡」「ほっぺにキス♡」「ひざ枕♡」みたいな甘やかし系の紙も見える。
「うんうん~♡ 引いた人がそのまま“王様の命令”できるんだよぉ~。正月っぽいし、ちょっとドキドキするでしょ?」
 ふわりが楽しそうに微笑む。

「……つまり、結局は“絶対俺だけ王様ゲーム”の正月仕様、ですね」
 鈴音の冷静な指摘に、杏奈が「バレたか」と舌を出した。
「まあまあ、せっかくだし、やろうぜ。どうせまた俺が巻き込まれるんだろうけど」
「当たり前♡」杏奈が笑顔で即答。

 というわけで、一巡目。
 俺が袋から引き抜いた紙には――「大吉」と大きく書かれていた。

「やったー! 最初から零士、大吉だね♡」杏奈が立ち上がって両手を叩く。
「大吉の特典は……これっ!」彼女が別の紙をひらりと差し出した。「“王様キスのご褒美♡”」
「やっぱそうなるのか……」
 心臓が跳ねるのを誤魔化しながらも、杏奈がすっと近づいてきて――頬に軽く口づけ。
「んっ……♡ やっぱお正月はこうでなくちゃ!」

「れーじくん、次はわたしの番~♡」
 ふわりが引いたのは「吉」。
「吉は“ハグして温める”って書いてあるよぉ~」
 そのまま背後から俺の首元に腕を回して、ふわっと抱きつく。195センチの体温が押し寄せてきて、思わず「うわ、あったけぇ……」と口から漏れる。
「えへへ♡ 安心ゲージ、上がった~?」

「では……次は鈴音」
 袋を引いた鈴音が開いた紙には「末吉」。
「内容は……“零士の膝でお昼寝”」
 真顔のまま、すとんと俺の膝に頭をのせる鈴音。さらっとやる分、破壊力が大きい。
「ちょ、ここで寝るなよ!」
「命令ですから」
 きっぱり返されて、俺は何も言えなくなった。

 母親チームの声が飛ぶ。
「あらあら~、青春してるわねぇ♡」
「おみくじでキスだなんて、大盤振る舞いだなぁ!」
「ふふ、可愛い……」
 酒が入った三人の茶化しに、俺の顔はますます熱くなった。

 こうして、おみくじ王様ゲームの幕が切って落とされたのだった。


◇◇◇

 最初の一巡が終わって、場の空気は一気に温まっていた。
 ソファの上では俺の膝に鈴音、背後からふわりが抱きつき、隣で杏奈が腕を絡ませて……三方向から固められている。
 これもう、逃げ場ゼロだろ。

「じゃ、二巡目ね!」
 杏奈が得意げに袋を差し出す。
「待って、まだ鈴音、膝から退いてないんだけど!」
「命令は絶対ですから」鈴音がさらっと返す。
 膝の上で少しだけ重心を変えて、すやすや寝息の真似までし始める。おいおい。

 しぶしぶ袋に手を突っ込む俺。引いたのは……「凶」。
「……うわ、出しちゃったよ」
「れー君、凶は特別ルール♡」杏奈がにやっと笑う。「“三人から一斉にフォローのご褒美攻撃”!」

「えへへ~♡ じゃあ、いっくよぉ」
 ふわりが頬をすり寄せてくる。
「零士、大丈夫。鈴音が守ります」
 鈴音は膝に乗ったまま、ぎゅっと手を握る。
「れー君、こういう時は私の番でしょ♡」
 杏奈がぐいっと顔を寄せて、頬にキス。

 三方向から同時に迫られる衝撃で、思わず「うおおっ」と声が漏れる。
 母親チームから「キャー青春♡」という酔っ払いの歓声まで飛んできて、ますます逃げられない。

「次、ふわりだよねぇ~」
 ふわりが引いた紙は「大吉」。
「ふわりは“王様おんぶタイム”だって♡」
「……おんぶ?」
「うん~♡ 王様はれーじくんでしょ? だから、ふわりが“お姫様抱っこみたいに”おんぶしてあげるの~」
「それ、おんぶっていうのか!?」
 有無を言わさず背後から抱えられ、195センチの腕が俺の体を軽々と持ち上げる。
「わっ……!」
「れーじくん、軽い軽い~♡」
 そのまま部屋の中を数歩ふわっと運ばれて、まるで浮遊感。
「ちょ、降ろせ降ろせ!」
「ダーメ♡ 命令だからぁ~」

 杏奈が「ずるいずるい! 次は私ね!」と声を上げる。
 引いたのは「中吉」。
「内容は“10秒見つめ合い”♡」
「お、おい……」
「じゃあカウントするね? いーち、にーい……」
 至近距離で杏奈の瞳を見つめさせられる。真剣で、少し照れてて、それでも笑顔。
 カウントの途中で俺が耐えきれずに視線を逸らすと、杏奈が勝ち誇ったように「はいっ♡ れー君、照れた~」と笑った。

「最後は鈴音」
 鈴音が引いたのは「小吉」。
「……内容。“耳元で好きなところをひとつ告げる”」
 一瞬の間を置いて、俺の耳に小声で。
「零士は……諦めないところが好きです」
 唐突に真剣な言葉を突き込まれて、心臓が一拍、飛んだ。
「な、なんだよ急に」
「命令なので」
 さらっと返すのがまたズルい。

 こうして二巡目が終わる頃には、俺の心臓は完全にアップテンポ。
 母親チームは酒に夢中になりつつも「きゃー♡」「もっとやれー!」と野次を飛ばしてきて、場の熱気は増す一方だった。

◇◇◇

 二巡目を終えた時点で俺の心臓はフル稼働。
 杏奈の「見つめ合い10秒」、ふわりの「おんぶ移動」、鈴音の「耳元告白」。どれも直球すぎて、息つく暇がなかった。
 母親チームは酒盛りに夢中になりながらも「青春だわぁ~♡」「若いっていいわねぇ」と大声援。もう宴会場はカオスの坩堝だ。

「じゃ、最終ラウンドいこっか♡」
 杏奈が袋を差し出した瞬間、嫌な予感しかしなかった。
 俺が引いたのは――白紙。

「出たっ、“全員スペシャル”だね!」杏奈が即断即決で叫ぶ。
「え、何それ!?」
「ルールは簡単。王様を三人同時に幸せにする♡」

 ……嫌な予感、大当たりだ。

「れー君、覚悟してね♡」
 杏奈がぐいっと顔を寄せ、頬にキス。
「れーじくん~、ふわりも~♡」
 後ろから肩に手を回し、首筋にちゅっ。
「零士、鈴音も……」
 耳元に柔らかい感触。

「ちょ、待っ、ま、待てっ! おいっ!」
 三方向から同時に迫られ、俺は完全にガード不能。
 頬・首・耳を同時に攻撃されると、人間は本当に声が出なくなるんだな。

「ほらほら~♡ まだまだぁ~」
「れーじくん、捕まえたよぉ」
「零士、逃がしません」

 まるで布団団子。俺は三人の腕と髪と香りに埋もれて、身動き取れない。
 その様子を見ていた母親チームは「ぎゃははは!」「若さ爆発~♡」と拍手喝采。完全に観客と化している。

 このままじゃ命が危ない、と本能が告げていた。
「は、はい終了っ! ここで終了ーーーっ!」
 俺が叫ぶと同時に、杏奈・ふわり・鈴音が「えーっ!?」と不満げな声を上げる。
「まだ全然途中だったのに~」
「続き、希望します」
「れー君、あと10分は行けるでしょ♡」

 ダメだ、このままじゃ命日が今日になる。
「次のゲームはまた明日っ! 今日はここで終わり! お開きっ!」
 俺は必死で場を仕切った。

 杏奈がふくれっ面で「……わかったよ、今回は引き分けってことで」と折れ、
 ふわりは「じゃあ次はもっといっぱいだねぇ~♡」とにやにや、
 鈴音は「零士、次回は覚悟しておいてください」と小声で釘を刺す。

 観客席(母親チーム)は「はいはい、若い若い」「明日も楽しみだねぇ」と酒をあおるばかり。

 こうして、おみくじ王様ゲームは強引に幕を下ろした。
 俺はただただ心臓を押さえながら、今日も生き延びたことに安堵した。


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