【絶対俺だけ王様ゲーム】美少女幼馴染3人と男オレ1人で始まったゲームが何かおかしい。どんどんNGがなくなっていく彼女達に迫られてます

かくろう

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27回目 その3

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  テーブルの上が片付けられると、リビングの一角に大きな木製タワーが運び込まれた。
 四角いブロックを交互に積み上げたもので、人の腰くらいの高さになっている。

「はい、次はこれよ!」仙奈さんが誇らしげに指を差す。
「……って、これって」俺は思わず前に出てのぞき込んだ。「まさか“バランス積み木”!?」

 規則は単純。ブロックを一つずつ抜いて上に積み、崩したら負け。
 ただし今回はただのゲームじゃない。母親チームと娘チーム、それに俺も巻き込んでの大勝負になるらしい。

「あはは♡ いいね、れー君絶対崩すでしょ」杏奈がにやにや笑っている。
「れーじくん、手ぇぷるぷるさせてる姿、想像できる~♡」ふわりは手を合わせて嬉しそう。
「レージ君、集中力勝負ですね。鈴音、絶対に負けません」鈴音は既に真剣モードだ。

 そこに母親三人も加勢してくる。
「ほらほら、あんなちゃん。れー君の前で負けたら恥ずかしいわよ~?」仙奈さんが挑発。
「うふふ♡ れーじくん、ふわりママが勝ったら……ご褒美あげちゃおうかしら~」あまみさんは妙に艶っぽい。
「……負けられませんね。りおんちゃん、気合を入れなさい」紫音さんは静かに火をつける。

 母親ズの余裕と色気たっぷりの視線に、娘三人が一斉にむっとなる。
「ママ達に負けるわけないでしょ!」
「そうだよー。れーじくんは渡さないんだから!」
「勝ちます。絶対に!」

 リビングには、再び母娘バトルの火花が散った。
 俺は心臓をどきどきさせながら、そっとつぶやいた。
(……やっぱりこれもカオスになる予感しかしない)


 最初の一手は娘チームから。
「よしっ、ここは……杏奈がいく!」
 杏奈が腕まくりをして前に出る。慎重に下段のブロックを押すと、カタカタッと音を立てて少し動いた。
「よーし……抜けた!」
 得意げに掲げる杏奈に拍手が上がる。

「さすがね、あんなちゃん。じゃあ次は――私かしら?」
 仙奈さんがしなやかに前に出て、しゃがむ。その瞬間、すっと襟元がずれて白い首筋があらわになる。
「おっと……!」思わず目が吸い寄せられた俺。
「れー君♡ 集中してくれなきゃ困るわよ?」
 振り返った仙奈さんが、いたずらっぽく片目をつぶってみせる。心臓が跳ねた。

「も、もうママったら!」杏奈が真っ赤になって突っ込む。

 次はふわりの番。
「ふふ~ん♡ この辺かなぁ~」
 長身をかがめ、胸元が危うく零れそうな角度でブロックを探る。
「ほられーじくん、見てて~? 抜けたぁ♡」
 勝ち誇った顔で振り返ると同時に、軽く俺の頬にキス。
「わっ!?」
「えへへ~♡ ふわりの勝利のチュー♡」

「こらぁーっ! ママに続いてふわりまで!」杏奈がぷんすか。鈴音は耳まで赤くして俯いた。

 続くあまみさんが前に出る。
「じゃあ~、ふわりママも……れーじくんにご褒美あげちゃおうかしら~♡」
 そう言って抜いたブロックを俺の口元に押し当て――そのまま、ほっぺにちゅっ。
「んふふ♡ れーじくん、照れてる~?」
「こ、こらあまみさん!?」思わず声が裏返る。

「ふふ……ママ達、やりすぎです」
 紫音さんが割って入り、すっとブロックを引き抜く。きれいに成功したと思ったら、そのまま俺の横に腰を下ろし、控えめに頬へ軽く口づけを落とした。
「……これで、イーブンです」
 耳まで赤くしながら、凛とした顔で言うから余計にドキッとする。

「ちょっとおおおーーっ!」
 娘チームが一斉に叫んだ。
「れー君は私達の王様なんだから!」
「そうだよ~。ママ達に誘惑されちゃ困るよぉ~」
「レージ君は……鈴音達が守ります!」

 積み木タワーの勝負どころじゃない。
 リビングの空気は、完全に母娘入り乱れての“零士争奪戦”になっていた。

 そして積み木は――カタカタ、カタタ……ガシャーン!
「「「「あああーーっ!」」」」

 崩れた。大騒ぎの中で。


 積み木タワーがガラガラと崩れ落ちた瞬間、リビング中に大歓声が響いた。
「よっしゃーっ! 勝った!」
杏奈が両手を上げて飛び跳ねる。ふわりも「やったねぇ~♡」とハイタッチ。鈴音は控えめに拳をぎゅっと握りしめて「勝利……ですっ」と小さく喜んでいた。

 一方、母親チームは顔を見合わせて、そろってくすくす笑った。
「仕方ないわね~、負けは負け。でも……」
仙奈さんがにやりと唇をつり上げる。
「あまみ達ママチーム、罰ゲームを用意してあるんだよね~♡」
「そうそう~。“れーじくんをドキドキさせる”っていうね~」
「レージ君、覚悟してください」紫音さんまで真顔で加わってくる。

「はぁっ!?」
 俺は目を丸くするが、娘チームがそれ以上に慌てた。
「ママ! それはダメ!」
「ずるいよぉ~! れーじくんは渡さないんだからっ」
「……許可できません!」

 しかし母親ズは止まらない。仙奈さんは袖をわざと落として白い肩をチラリ、あまみさんは立ち上がる拍子に裾を揺らして太ももがきらり。紫音さんは無言で近づいてきて、俺の頬に――。
「ちゅっ」
「っっ!?」
 反射的に声が詰まった。

「あら~♡ いい反応」
「やだぁ~、れーじくん真っ赤になっちゃってる~」
「……やはりかわいいです」

「ちょっと! ママ達なにやってんの!」
杏奈が突っ込むと、ふわりと鈴音も必死で母親を引きはがそうとする。だが四人まとめてソファに倒れ込み――

「うわっ!?」
 結果、全員がぎゅうぎゅうの団子状態になった。
「ちょ、重いって! 押すな!」
 そう叫んでも誰も止まらない。母親たちはけらけら笑い、娘たちは「れー君を守る!」と余計に抱きついてくる。

 リビングはドタバタで、笑い声と叫び声が入り混じっていた。
 俺はというと――胸の鼓動が早すぎて、もはや笑うしかなかった。


 笑い声と温もりに埋もれたまま、俺は身動きが取れずにいた。
 六人分の香りと体温に囲まれて、頭がふわっと軽くなる。寿司の満腹感もあって、なんだか夢を見てるみたいな心地だった。

「れー君、完全に降参の顔してる~♡」
「ふふふ~、やっぱり娘チームの勝利だよねぇ~?」
「……いえ、まだ判定は早いです。最後に“王様”本人の言葉を聞かないと」

 杏奈、ふわり、鈴音がそれぞれに顔を寄せてきて、母親三人も負けじと俺を見下ろしている。
「そうそう。ゲームは“王様の判定”で締めるものだものね」
「ねぇ~。じゃあれーじくん、今日の勝者を決めてぇ~♡」
「レージ君、責任重大ですよ」

 全員の視線が俺に突き刺さる。
 ……でも、俺はもう答えを決めていた。

「勝ち負けなんて決められないよ。だって、みんなのおかげで最高に楽しかったんだから」

 一瞬の静寂。
 それから、六人が同時に笑い出した。
「「「「「「あはははは♡」」」」」

 母親も娘も、全員同じくらいの笑顔。
 その光景を見ているだけで、胸の奥がじんわり温かくなっていく。

「……じゃあ、今日のゲームは引き分けってことで」
「うん、それでいいっ♡」杏奈が嬉しそうに頷く。
「ふわりも納得~。だって楽しめたんだもんねぇ~」
「鈴音も……満足です」

 仙奈さんが肩をすくめる。
「ま、仕方ないわね。れー君がそう言うなら」
「あらあら~。次は絶対勝つんだからねぇ~」あまみさんが茶目っ気たっぷりにウィンク。
「次は……もっとハードルを上げましょうか」紫音さんの静かな笑みが、不思議と挑戦的に見えた。

 こうして、母娘入り乱れた新年会ゲームは、笑いと甘さの中で幕を閉じた。

~ゲーム27回目 終了~
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