【絶対俺だけ王様ゲーム】美少女幼馴染3人と男オレ1人で始まったゲームが何かおかしい。どんどんNGがなくなっていく彼女達に迫られてます

かくろう

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28回目 その1

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 ふわりのマンション。大理石の床に反射する光と、広々としたアイランドキッチン。
 テーブルの上には色とりどりの豪華な食材が並んでいた。霜降り肉に、山盛りの海鮮、色鮮やかな野菜たち。見ただけで気分が浮き立つ。

「うわっ……これ、食材フェスか?」
 俺が思わず口にすると、三人は待ってましたと言わんばかりに笑顔で揃った。

「れー君、今日の王様ゲームはね――“クッキングバトル”なの♡」
 杏奈が胸を張る。声まで弾んでいる。

「れーじくん~、ふわりのキッチン、前から“遊んで”みたかったんだぁ~」
 ふわりはうきうきした声で包丁を握る真似をする。

「レージ君。鈴音は……こういう共同作業、とても楽しみにしていました」
 鈴音は小さくうなずき、目を輝かせていた。

 そして――その背後から現れたのは、母親チーム。
 仙奈さん、あまみさん、紫音さんが、それぞれ振袖の上にエプロンを重ねて現れた。

「ふふっ、どう? このギャップ。れー君、びっくりでしょ?」
 仙奈さんは水色の振袖に白いフリルエプロン。若さと色香の入り混じった笑顔に、俺は反射的に息を呑んだ。

「あらあら~♡ 和服の上にエプロンって、案外似合うでしょ~?」
 あまみさんは桃色の牡丹柄振袖に、同じ色の艶っぽいエプロンを重ねていて、迫力と柔らかさが同居している。

「……レージ君。こちらは“清楚エプロン仕様”です」
 紫音さんは濃紺の振袖の上からシンプルな生成りのエプロン。凛とした姿が逆に艶っぽい。

(おいおい……振袖エプロンとか、どんな攻撃力だよ……)

 娘チームも負けていない。
 杏奈は水色のフリルたっぷりのエプロンをつけ、くるりと回ってみせる。
 ふわりは大人っぽい桃色のロングエプロンで、195センチの長身に完璧に映える。
 鈴音は黄色のシンプルな清楚系エプロンで、逆に奥ゆかしさが際立っていた。

「さーて! まずは恒例の“王様カード”ね!」
 杏奈がカードを掲げる。くじのように引いていくと――出た命令は三連続。

「杏奈はれー君にエプロンを着せる!」
「ふわりはれー君と手を繋いで包丁練習!」
「鈴音はれー君のエプロンのひもを結ぶ!」

 ……完全に俺を狙い撃ちのカードだ。

「はい、じゃあれー君、じっとして♡」
 杏奈が楽しそうに俺の胸元にエプロンを掛け、首の後ろでひもを結んでくる。
 顔が近すぎて、思わず視線を逸らした。

「うふふ~♡ れーじくん、手~出して?」
 ふわりが俺の手を取って、自分の手に重ねる。そのまま包丁を握らされ、彼女の指が優しく俺の指を包み込む。
 耳元で小さく笑われるたびに、首筋が熱くなっていく。

「……エプロンの腰ひも、結びますね」
 鈴音が俺の背後に回り、そっと結び目を整える。指先がかすかに腰に触れて、背筋に電流が走った。

「おーっ、見て見て。れー君、完全にシェフ仕様じゃない」
「えへへ~、ふわり達の王様シェフだねぇ~」
「……素敵です。似合っています」

 三人が口々に褒めてくる。その視線を受けて、俺の顔は完全に火照っていた。

(いや……これ、もう料理どころじゃない気がするんだが……)


 キッチンに移動した瞬間から、空気は一気に戦場モードに変わった。テーブルの上には切り分けられた野菜、肉、魚、調味料。おしゃれな料理番組のセットみたいに整ってるけど――実際は「絶対俺だけ王様ゲーム」の真っ只中だ。

「れー君、王様カード引いて♡」

 杏奈がニヤリと笑って差し出してきたカード。俺が引いてめくると、そこに書かれていたのは――。

『杏奈はれー君にあーんすること』

「ほら来たっ♡ れー君、はいっ、にんじんスティック!」
 杏奈がわざわざハート形に切ったにんじんを突き出してくる。俺が口を開けた瞬間、カメラマン気取りでふわりが「はい、ぱくっ♡」と横で実況している。

「お、思ったより甘いな」
「でしょ? れー君は甘いのが似合うの♡」

 ニヤリと得意げな杏奈。……まあ、うまいのは事実だ。

 次のカードは――。

『ふわりはれー君を後ろから抱きしめながら味見すること』

「えへへ~♡ れーじくん、ぎゅ~しながらねぇ~」
 ふわりが背後からすっぽりと腕を回してくる。195センチの包囲力、エプロン越しに伝わる柔らかさ、肩越しに「はい、トマトソースちょびっと♡」とスプーンを差し出されて、正直集中できるわけがない。

「お、おい……これ調理になんねぇだろ……」
「なってるよ~。だって“愛情”が隠し味だもん♡」

 鈴音が冷静に突っ込む。
「ふわわん、それは隠し味ではなくて、妨害要素です」
「えへへ~♡ バレた?」

 そして三枚目のカード。俺が引いたらこう書いてあった。

『鈴音はれー君に耳元で料理の実況解説をすること』

「……承知しました」
 鈴音が俺の右耳に顔を近づけて、小さく息をかける。
「零士の手元、今、玉ねぎを切っています。左から右へ、一定のリズム。……みじん切り、上出来です」
 耳元で淡々と囁かれるだけで、体温が一気に上がる。料理教室というより、なんだこれは。羞恥心と緊張感が入り交じる。

 ――と、そこに母親チームがずいっと割り込んでくる。

「は~い♡ 嫁力チェックの時間よ!」仙奈さんがさっと俺の作ったサラダをつまんで口に入れる。

「あらあら~♡ れーじくん、サーモンはもっと厚めが好きよ?」あまみさんは勝手に味見。
「レージ君……こちらのスープ、塩加減は悪くありません」紫音さんは真顔で評価。

「ちょっ、ママ達! それ私達のターンでしょ!」
 杏奈が顔を真っ赤にする。

「そうだよー。れーじくんに食べさせるのは、ふわり達の役目なのにぃ~」
「そうです! これは娘チームの戦場です!」

 母親たちは悪びれもせずににこにこ。
「だって、れー君に食べさせたいのは母親だって同じだもの♡」
「そうそう~♡ “未来のお婿さんチェック”だよねぇ」
「試食は重要です」

 娘チームと母親チームが火花を散らす横で、俺は玉ねぎの涙と混ざった苦笑いをこぼすしかなかった。

 結局、あれやこれやでキッチンは完全にお祭り状態になった。
 完成したのは――

 前菜:彩り野菜のサラダ(杏奈&仙奈担当)

 メイン:サーモンのクリームソース(ふわり&あまみ担当)

 スープ:和風コンソメ(鈴音&紫音担当)

 デザート:苺とチョコのムース(全員)

「れー君、今日の王様ディナー、召し上がれ♡」

 六人の視線を浴びながら、俺は一口目を口に入れた。
 ……味は間違いなく最高。けど、それ以上に「嫁力チェック合戦」の熱気がスパイスになってて、胃袋より心臓が満腹だった。






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