前世ゲーマーの俺、最悪の寝取られルートをハッピー学園ラブに改造中

かくろう

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第2章 体育祭の思い出作り

第28話「障害物競走と騎馬戦再び」

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 次の競技は――障害物競走。
 ハードルにネット、麻袋ジャンプに平均台。体力とバランス感覚の総合勝負だ。

「蒼真君、頑張ってね!」
 応援席から真白が両手でメガホンを作り、声を張ってくれる。
「任せろ!」
 胸に熱が走る。あの声援を受けて負けるわけにはいかない。

 スタートの笛が鳴った。
 一斉に飛び出す。最初のハードルは問題なく飛び越えた。
 続くネットくぐりも順調――だったのだが。

「うわっ!」
 前を走っていた白組の生徒がもつれて転んだ。
 その拍子にネットが大きくずれて、俺の進路を塞ぐ。

「蒼真君!」
 応援席から真白の声が飛ぶ。

「大丈夫だ!」
 俺は体を低くしてネットの隙間に潜り込む。服に土が付こうが関係ない。

 次は麻袋ジャンプ。
 袋に両足を突っ込んで跳ぶ――が、ここでもアクシデント。
 白組の男子がわざとぶつかってきて、袋が傾いた。

「っ、この……!」
 バランスを崩しながらも必死で体勢を立て直す。
 その瞬間、観客席からブーイングが飛んだ。
「今の当てにいっただろ!」
「フェアにやれよ!」

 俺は歯を食いしばりながら跳び続けた。
(負けるもんか……真白が見てるんだ!)

 最後は平均台。
 狭い板の上を渡りきればゴールだ。
 ここで一気に差を詰めるしかない。

 集中する。呼吸を整え、一歩一歩を確実に踏みしめる。
 白組の選手が焦って足を滑らせた隙に、俺は一気に前へ。

 ゴールテープが目の前に迫る。
 全力で駆け抜け――

「赤組、トップゴール!」

 アナウンスが響いた瞬間、胸の奥に熱いものが広がった。

「やった! 蒼真君、すごい!」
 真白が駆け寄り、汗だくの俺にタオルを差し出してくれる。
 その笑顔に、疲れなんて一瞬で吹き飛んだ。

「ありがとな、真白。お前の声援が力になった」
「えっ……あ、う、うん!」
 頬を真っ赤にしてうつむく真白。

(やっぱり……この瞬間のために走ってるんだ)

 俺は拳を握りしめ、次の競技に向けて心を燃やした。

 ◇◇◇

 午後のプログラム、ふたたび騎馬戦。
 午前の勝利で勢いに乗った赤組だが、白組も黙ってはいない。
 第二ラウンドはさらに激しい戦いになると誰もが予想していた。

「蒼真君、気をつけてね!」
 真白が応援席から身を乗り出して叫んでくれる。
 その瞳に映る俺は、もう後戻りできない存在なんだと実感する。

「任せとけ!」
 拳を突き上げて応えた。

 笛の音と共に戦いが始まる。
 砂煙が舞い、雄叫びが飛び交う。
 白組の動きは午前中よりも組織的で、明らかに赤組の大将――つまり俺を狙っている。

「来たな……!」
 真正面から突っ込んでくる騎馬に身構える。
 だが仲間の騎馬が素早く回り込み、盾となってくれた。

「蒼真! 後ろは任せろ!」
「頼んだ!」

 仲間との声のやり取りが、戦場の緊張をわずかに和らげてくれる。

 敵が次々と突撃してくる。
 そのたびに赤組が壁を作り、互いに声を掛け合って踏ん張る。
 俺は仲間の肩にしがみつきながら、冷静に全体の動きを見ていた。

(今だ……右が手薄だ!)

「右から一気に攻めろ!」
 声を張ると、仲間の騎馬が即座に動き出し、白組の一騎を捕まえる。

 赤いハチマキが高々と掲げられた瞬間、応援席が沸いた。


 だが――白組も必死だ。
 俺に狙いを定めた三騎が同時に突っ込んでくる。

「くそっ、囲まれる!」

 仲間の支えがぐらりと揺れる。
 汗が背中を伝い落ちる。
 相手の手が俺のハチマキにかかりかけ――

「蒼真君、負けないでぇーー!」

 真白の声が届いた。
 その瞬間、全身に力が湧き上がる。

「まだだ……絶対に渡さない!」

 俺は体をひねり、敵の腕を振り払う。
 すかさず仲間の騎馬が突撃し、敵の騎手を引きずり下ろした。

「ハチマキ確保ーー!」

「赤組、逆転勝利!」

 審判の声と共に歓声が爆発した。
 全員が抱き合い、勝利を分かち合う。

 その中で俺は、応援席で涙を光らせて笑う真白の姿を見つけた。

(やっぱり……守りたいのは、この笑顔だ)

 握った拳を胸に当て、熱い息を吐き出す。
 戦いはまだ続く――だが、絶対に譲るつもりはなかった。

◇◇◇

【side真白】

 グラウンドに砂煙が立ちこめる。
 その中で、蒼真君が仲間を指揮しながら必死に戦っていた。
 背筋を伸ばし、声を張り上げる姿は、クラスの中心で笑っていたときよりもずっと頼もしい。

(蒼真君……本当に格好いい……!)

 けれど次の瞬間、白組の三騎が同時に彼を狙って突撃してきた。
 思わず胸が締めつけられる。

「蒼真君、負けないでぇーー!」

 声が勝手に飛び出していた。
 必死に、届いてほしいと願って叫ぶ。

 その叫びに応えるように、蒼真君は全身をひねり、敵を振り払った。
 仲間と連携して逆転の一手を決めると――赤組が勝利を手にした。

「やったぁ……!」

 涙が滲む。
 誇らしくて、嬉しくて、胸がいっぱいで、拍手しながら笑うしかなかった。

(守りたいって言ってくれる蒼真君に……私が守られてるんだ)

 そう思ったら、涙が止まらなかった。

◇◇◇

【side紗和】

 砂煙の中で戦う蒼真君を見て、私は冷静に状況を追っていた。
 午前よりもずっと激しい攻防。白組が本気で彼を潰そうとしているのは明らかだった。

(狙われるのは当然よね……あれだけ目立つ存在なんだもの)

 でも、追い詰められた瞬間――真白ちゃんの叫び声が響いた。
「蒼真君、負けないでぇーー!」

 あの声で、蒼真君が一気に息を吹き返した。
 振り払う姿はまるでヒーローのようで、クラスの歓声が一気に爆発する。

 勝利の瞬間、私は拍手しながら小さく笑った。
(やっぱり、結局は真白ちゃんの声が一番届くのね……)

 胸に、ちくりとした痛みが走る。
 でも同時に、二人を誇らしく思う気持ちも確かにあった。

(……いいわ。せめて私は、陰からでも支えてみせる)

 そう心に決めて、真白ちゃんと蒼真君の笑顔を見守り続けた。

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