前世ゲーマーの俺、最悪の寝取られルートをハッピー学園ラブに改造中

かくろう

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第2章 体育祭の思い出作り

第27話「白熱! 体育祭!」

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 騎馬戦の勝利に続いて行われるのは――玉入れ。
 小学生の競技かと思いきや、これがまた油断ならない。人数が多く、接戦になればなるほど混乱しやすい種目だ。

「みんな、落ち着いて狙え! 焦るな!」
 俺は赤組の集合場所で声を張り上げた。

 真白が横で頷き、両手に玉を抱える。
「よーし……! 私、いっぱい入れるから!」
 頬をほんのり赤くして、気合十分。

 その隣で紗和がクスッと笑った。
「真白ちゃん、肩の力抜かないと。ほら、蒼真君も見てるんだし」
「えっ……!」
 真白は一瞬で耳まで赤くなる。


(おい紗和、そこで煽るなよ……!)

 笛の合図と同時に、全員が一斉に駆け出した。
 かごの下に走り寄り、玉を次々と投げ込んでいく。

「よし、ナイス!」
 俺の声に合わせて、赤組のリズムが少しずつ整っていった。

 真白は必死に腕を振り上げる。
「えいっ! ……あっ、入った!」
「いいぞ真白!」
 俺が叫ぶと、彼女は嬉しそうに笑顔を浮かべ、さらに気合を入れる。

 一方、紗和は冷静そのもの。
 フォームが綺麗で、放った玉が次々と正確にかごに吸い込まれていく。
「紗和、すげぇ……!」
「ふふ、やるでしょ?」

 残り時間はわずか。
 白組も必死に追い上げてきている。

「赤組、最後まで諦めるな! 一気に決めるぞ!」
 俺の叫びに、全員がさらに玉を放り込む。

 汗が飛び、歓声が響き、玉が宙を舞う。
 そして、終了の笛。

「勝者、赤組!」

 そのアナウンスに、グラウンドが歓声で揺れた。
 真白が「やった!」と跳び上がり、俺の腕にしがみつく。
 紗和も微笑みながら近づいてきて、軽くハイタッチをしてきた。

(順調だ……この流れを絶対に崩させない!)

 俺の胸に熱が広がっていく。
 この調子で快進撃だ。

◇◇◇

 校庭のアナウンスが響く。
「続いては――借り物競走!」

 観客席から歓声が上がり、赤と白の代表者たちがスタートラインに並んだ。
 俺もその中に立つ。真白や紗和が応援席から手を振ってくれているのが見えた。

(……絶対に負けられない!)

 笛の合図で一斉に駆け出し、机の上に置かれた紙を引き抜く。
 俺の紙に書かれていたのは――

『好きな人』

「……っ!?」
 一瞬で心臓が跳ねた。

(マジかよ! ど定番中のど定番がここで来るのか!)

 視線を上げると、応援席で真白が首をかしげてこちらを見ていた。
 紗和は一歩引いたように目を細め――どこか含みのある笑みを浮かべている。

(こ、これは……試されてるってことか……?)

 俺は迷わず駆け出した。
 一直線に――真白のもとへ。

「ま、真白! 一緒に来てくれ!」
「えっ!? わ、わたし!?」
「お前しかいない!」

 真白は顔を真っ赤にしながらも、ぎこちなく立ち上がった。
 周囲からは「おおおおーっ!」と歓声が上がる。

 二人で手をつないで走り出す。
 俺の胸は爆発しそうに高鳴っていた。
「急ごう、真白!」
「う、うんっ!」

 必死にゴールへ向かう。
 真白の髪が夕陽を受けて揺れ、横顔が綺麗すぎて直視できない。

 そして――
 二人一緒にゴールテープを切った瞬間、観客席から大きな拍手と歓声が沸き起こった。

「赤組、トップゴールです!」

「すごいよ、蒼真君!」
「いや、真白が一緒に走ってくれたからだ」

 俺たちは自然と顔を見合わせ、照れ笑いを浮かべる。
 周囲からは「お似合いだな!」「青春してる!」とからかう声。
 紗和は応援席で拍手しながら、どこか複雑そうな表情を浮かべていた。

(……真白と一緒に勝てた。この思い出は、絶対に守る)

 俺は改めて胸の奥で強く誓った。

◇◇◇

 スタートラインに立つ蒼真を見て、私は胸がどきどきしていた。
 走る姿はいつも以上に頼もしくて、クラスの中心で声を張り上げているときの彼とはまた違う格好良さがある。

 でも、その紙を手にした瞬間――蒼真の表情が一瞬止まった。
(な、何が書かれてたんだろ……?)
 気になって仕方なかった。

 そして、彼は迷いなく私の方へ駆けてきた。

「ま、真白! 一緒に来てくれ!」

 えっ……私!?
 思わず立ち上がった瞬間、顔が一気に熱くなった。
 周りの視線が一斉に集まってくる。

「お前しかいない!」

 その言葉に、心臓が跳ねた。
 ――そんな風に言われるなんて。
 もう頭が真っ白で、何も考えられなくなってしまった。

 二人で手をつないで走る。
 風を切る音、足音、歓声。全部が遠くに感じて、ただ横にいる蒼真の横顔だけが鮮明に映る。
 汗で額が濡れているのに、真剣な眼差しはとても綺麗だった。

(あ……これ、夢じゃないよね……?)

 必死に走りながらも、胸の奥が甘く、くすぐったくて仕方がない。

 ゴールテープを切った瞬間、みんなの歓声が弾ける。
「赤組、トップゴールです!」
 アナウンスの声が響き、自然と涙が滲んだ。

「すごいよ、蒼真!」
 声をかけると、彼は笑って「真白が一緒に走ってくれたからだ」って。

 その言葉に、胸がいっぱいになる。
 周りのからかいなんてもう耳に入らない。
 ただ、蒼真の隣で笑えることが――何より嬉しかった。

(蒼真……ありがとう。ずっと一緒に走ってくれて……これからも、ずっと隣にいさせてね)

 歓声に包まれながら、私はまだ胸の鼓動が落ち着かなくて、息も荒かった。
 でも、それ以上に気になって仕方がないことがあった。

(……あの紙、いったい何が書いてあったんだろう?)

 勇気を振り絞って、私は口を開いた。
「ねえ、蒼真君……あのカード、なんて書いてあったの?」

 一瞬、彼の肩がぴくりと揺れた。
 目を逸らし、口ごもる。

「そ、それは……」
 頬が赤くなっている。こんな蒼真、あんまり見たことがない。

「す、好きな人……って」

 その瞬間、私の世界が止まった。

 耳まで一気に熱くなる。
 鼓動が早鐘みたいに鳴って、手に持っていたハチマキをぎゅっと握りしめた。

(す、好きな人……!? で、それで私を選んだってことは……!)

 考えれば考えるほど頭がぐるぐるして、胸の奥が甘くてくすぐったい。
 恥ずかしくて、でも嬉しくて、どうしたらいいか分からない。

「そ、そうなんだ……」
 小さな声でそう返すのがやっとだった。

 でも、きっと顔には笑顔が浮かんでいたと思う。
 涙が出そうなくらい、幸せで。

(ありがとう、蒼真君……その一言だけで、もう全部報われた気がするよ)

 蒼真君の答えを聞いたあとの胸の高鳴りは、しばらく止まらなかった。
 観客席のざわめきも、周りから飛んでくる冷やかしも、全部遠くに霞んでいく。

 今、私の世界には――隣にいる彼だけがはっきり映っている。

(“好きな人”……。その言葉に私を選んでくれたんだ……)

 思い返すだけで頬がまた熱くなる。
 嬉しくて、誇らしくて、胸の奥が甘く痺れる。

 蒼真は視線を逸らしながら頭を掻いていたけど、その横顔さえ愛おしい。
 不器用で、でも真っ直ぐで、だからこそ誰よりも頼れる。

(……この瞬間を、絶対に忘れたくない。
 ずっと――ずっと、大事にしたい)

 胸の中で、そっと強く願った。
 ゴールテープを越えた足元の白線を見下ろしながら、私は確信する。

 これは、私にとっての――一生ものの思い出になるんだ、と。
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