前世ゲーマーの俺、最悪の寝取られルートをハッピー学園ラブに改造中

かくろう

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第2章 体育祭の思い出作り

第26話「体育祭開幕!」

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 朝から空は雲ひとつない快晴だった。
 澄み渡る青空の下、校庭はすでに人の波と熱気で埋め尽くされていた。
 色とりどりのクラス旗が風にはためき、アナウンスの声と応援団の掛け声が交錯する。

(……始まったな)

 心臓が高鳴る。
 教室での作戦会議や、放課後の練習を何度も重ねてきた。
 その積み重ねが今日、この瞬間に試される。

「新堂! こっちで整列だ!」
 クラスメイトに呼ばれ、俺は赤組の列に加わった。

 背筋を伸ばして立つと、隣から小さな声が聞こえる。
「……緊張してる?」

 振り返れば、真白が応援団の衣装を身につけて立っていた。
 赤いリボンで結んだ黒髪が朝日に輝き、清楚な雰囲気に鮮やかな彩りを添えている。

「してないって言ったら嘘になるな。でも――」
 俺はわざと笑って言った。
「絶対勝つ。だから大丈夫だ」

 真白は一瞬驚いたように見つめて、すぐにふわっと笑った。
「……うん、信じてる」

 その笑顔を見ただけで、胸の奥がぐっと熱くなる。

 やがて開会式が始まった。
 校長の挨拶や選手宣誓が続き、生徒たちの声援が何度も沸き起こる。
 グラウンドに整列する全校生徒を見渡すと、数百の視線が集まる光景は圧巻だった。

「赤組、絶対優勝するぞー!」
「おおーーっ!!」

 掛け声とともに拳を突き上げる。
 クラスメイトの声が重なり合い、まるで巨大な波が押し寄せるようだった。

(……これだ。この一体感を待ってたんだ)

 ふと視線を巡らせると、校庭の端で紗和が荷物のチェックをしている姿が見えた。
 目立たない場所にいながら、誰よりも真剣に働いている。
 その横顔に、俺は小さく頷いた。

(白石も、ちゃんと自分の持ち場を果たしてる。……俺も負けてられない)

 開会式が終わり、最初の種目の準備が始まる。
 クラスごとの声援が校庭に響き渡り、空気が一気に熱を帯びていく。

 真白が隣に立ち、小さく拳を握った。
「頑張ろうね、蒼真くん」

「ああ。――赤組の勝利、取りに行くぞ!」

 その言葉に応えるように、グラウンド全体が揺れるほどの歓声が広がった。

 体育祭は、ついに幕を開けた。

◇◇◇

 開会式が終わり、最初の大きな種目――騎馬戦の時間がやってきた。
 校庭の中央に白線で区切られたフィールドが広がり、各組の騎馬たちが整列する。
 観客席ではクラスメイトたちが「赤組がんばれー!」と声を張り上げていた。

(いよいよ始まる……!)

 俺たちのクラスからは、体格に恵まれた男子三人が馬役となり、その上に俊敏な一人が乗る編成。
 事前の作戦会議で練り上げた「攻め重視」の布陣だ。

「新堂! 俺たちは声出してサポート頼む!」
「任せろ!」

 俺はサイドラインに立ち、声を張る役を引き受けた。
 仲間が全力を出せるよう、目と声で支えるのも立派な役目だ。

 隣では真白が赤いハチマキをぎゅっと結び直していた。
 普段の清楚な雰囲気とは違い、その横顔は戦う人の真剣さに満ちている。

「……蒼真くん、負けたら絶対悔しいよね」
「ああ。だから勝つ」
「うん、私も全力で応援する!」

 真白が拳を握り、笑顔で声を張る姿を見て、胸の奥が熱くなった。

 笛の音が鳴り響いた瞬間、騎馬たちが一斉に動き出した。

「行けー!」
「落とせー!」

 土煙を上げながら、敵と味方の騎馬がぶつかり合う。
 上に乗った騎手同士が頭のハチマキを掴み合い、必死に押し合う光景はまるで戦場だった。

「赤組、下がるな! 押せ押せ!」
 俺は喉が枯れるほど叫んでいた。
 仲間が必死に体を支え、相手の騎馬を崩そうと踏ん張る。

「いけぇええ!」
 ついに我がクラスのエースが敵のハチマキを引き抜いた。

 瞬間、赤い歓声が爆発した。
 真白も両手を叩いて飛び跳ねる。

「やったぁ! 赤組、先取点だよ!」

 その無邪気な笑顔に、俺も思わず笑みがこぼれた。


 だが勝負はまだ終わらない。
 相手の次の騎馬が突撃してくる。
 砂煙の向こうで、敵の大将格が狙いを定めていた。

(……こいつら、本気で潰しに来る気だな)

 拳を握り、仲間に声を飛ばす。
「気を抜くな! ここで踏ん張れ!」

 第一種目、騎馬戦。
 赤組の戦いは、まだ始まったばかりだった。


◇◇◇

 敵の大将格が真正面から突っ込んできた。
 巨体の男子を三人抱えた迫力ある騎馬。その上に乗る騎手は腕力に自信があるらしく、すでに赤組の頭を狙って手を伸ばしていた。

「やばい! 下がれ!」
 俺が叫ぶより早く、仲間の騎馬がすかさず横に回り込む。

「今だ、挟め!」

 左右から挟み撃ちにされた敵騎馬は、バランスを崩し――大将の騎手が体勢を立て直す間もなく、赤組のエースが一気にハチマキを引き抜いた。

「とったぁーーっ!!」

 校庭に歓声が炸裂する。


「赤組つえぇ!」
「いいぞ、そのまま押し切れ!」

 観客席からも声援が飛ぶ。
 真白が隣で両手を叩き、目を輝かせていた。
「すごい! 本当に作戦通りに動けてる!」

 その笑顔を見た瞬間、俺は胸の奥に熱いものが込み上げてくる。
(ああ、絶対に負けられない。……この瞬間を守りたいんだ)


 残る敵はあと二騎。
 赤組の士気は最高潮に達していた。

「最後まで油断するな! 一気に決めるぞ!」
 俺は声を張り上げる。

 仲間の騎馬たちは砂煙を巻き上げて突進し、敵を追い詰めていく。
 左右から囲い込み、バランスを崩した隙に――またしてもハチマキが赤組の手に収まった。

「よっしゃああ!」
「二連続! あと一騎だ!」

 校庭が揺れるような大歓声。

 最後の一騎は必死に逃げようとする。
 だが赤組の勢いは止まらない。
 クラスメイト全員の声が一つになり、押し出すように背中を後押ししていた。

「赤組、勝つぞぉおおお!!」
「うおおおーーっ!!」

 渾身の突撃で、最後の敵騎馬もついに崩れ落ちる。
 審判の笛が鳴り響き――

「勝者、赤組ーー!!」

 その瞬間、仲間たちが歓声と共に抱き合った。
 真白は涙を浮かべて笑い、紗和も胸に手を当てて安堵の息を漏らしていた。

(よし……まずは一勝。最高のスタートだ)

 拳を握りしめる。
 熱気に包まれた校庭で、赤組の快進撃が始まった。


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