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プロローグ 

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 私はウィリアム・ルーレント。
 エルムス王国、次期国王アルサス・フォン・エーデルハイド王太子殿下の護衛騎士長兼相談役として仕えている。

 しかし、私は元々平民出身だ。
 なぜ、元平民の私が王太子殿下に仕えることになったのかには理由がある。
 信じられないだろうが私には前世の記憶があり、小さいときから神童などともてはやされていた。
 また、前世の知識で効果的な体の鍛え方をしていたので同年代の子供より身体能力が格段に良かった。
 
 こういった噂が王国騎士学院などにも広まり、13歳のときに特待生として入学し、3年間ある教育課程をたった1年で飛び級で卒業し、14歳で騎士団に最年少入団を果たした。
 
 そして、侯爵でもある学院長の推薦で3つ年下の王太子殿下の護衛騎士として仕えることができるようになったというわけだ。


 王太子殿下に仕えて7年、私も21歳になり、数々の功績を残し、若輩ながら護衛騎士長となり、子爵という貴族位を貰えるまでになれた。
 
 しかし、私はまだ結婚をしていない。別にモテないというわけではない。むしろモテる方だと思う。
 自慢ではないが王太子殿下の護衛騎士というのは顔も良くなければならない。
 また、私の場合、最年少記録や数々の功績があり、護衛騎士長、子爵といった社会的地位もしっかりしている。
 こうしたことからパーティーなどに行けば女性はたくさん集まってくる。
 だが貴族の女性というのは私自身を見ていない。私の容姿や地位を見ている。
 そんな世界に転生して甘いと思うがやはり愛のある結婚をしたいと思ってしまう。
 また、めんどくさい、自分にはまだ早いと思ってしまうのだ。
 

 話は変わるが、私はこの7年間、王太子殿下の護衛騎士として王太子殿下やその婚約者、友人の方々を護衛し、観察してきた。
 それで分かったことなのだが、王太子殿下やそのご友人方は女性、男性関係なく、王太子殿下の婚約者である公爵令嬢のシルビア・アーノルド様のことを溺愛しているようだ。
 さながら、前世で読んだことがある悪役令嬢もののラノベみたいな話だ。
 
 しかし、この前、シルビア様を中心に皆んな仲良しだった関係が動いた。
 シルビア様が王太子殿下や他の方々に求婚されたのだ。
 その時、シルビア様はとても驚き、困っていたので、私が「一度じっくり考える時間をあげられてわ?」と他の方々を宥め、その場は解散になった。
 
 その後、私はシルビア様に呼ばれ、相談された。
 自慢ではないが私はよく、人に相談を受ける。
 特にシルビア様からはなぜかたくさん相談され、とても懐かれていると思う。
 私はそんなシルビア様のことを妹のように思っている。

 

 私は今日もシルビア様に相談されるのであった。
 
 
 
 
 
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