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第四章 ダンジョン騒動編
1 そろそろ春が来る
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朝食を終えた後寝室の窓を開けると、外の空気が緩み、暖かくなりはじめていると気づいた。
街路樹の蕾が白い花をちらほら咲かせているのを見て、俺はごくりと唾を飲みこむ。
「そろそろ来るな……」
「どうした?」
「カイル、おはよう」
灰銀の髪を手で撫でつけながら、カイルが俺の立つ窓際まで歩み寄ってくる。
俺の肩に毛布をかけようとして、空気が春めいてきていることに気づいたらしい。
紫がかった柘榴色の瞳は、辺り一面に生えはじめた新芽へと向いた。俺はそわそわしながら下を向く。
「いや、また換毛期が来るなって思ってさ」
「それと、発情期もか」
性感を引き出すような動きでゆっくりと兎耳を撫でられて、ぞわりと肌が泡だつ。慌ててカイルの手を掴んだ。
「やめろって」
「やっとか。一年間待ちわびた」
「待つな、そんなもん」
「なぜだ? 普段よりも更に愛らしいお前を愛でるいい機会なのに」
「あーなんか猛烈に出かけたくなってきたな、今のうちに買い出ししようぜ!」
追いかけてくる視線を振り払うように、急いで薄手の上着を羽織る。朝っぱらから変な空気を醸しだすなって。
カイルはわずかに頬を緩めた後、身支度をしはじめた。
魔人國プルテリオンからマーシャルに戻って、約半年になる。
ようやくリッドおじさんは魔王業に慣れてきたみたいで、元魔王である俺に相談事を持ちかけることも少なくなった。
「行くか」
「ああ」
尖り耳と立派な角をそのままにした魔人姿のカイルと、連れ立って外に出る。
隣人のリス獣人が、ホウキを手に持ったまま俺たちに手を振ってくれたので、振り返しておいた。
最初に魔人姿のカイルを見かけた時は、目が落っこちそうなほど驚いていたが、さすがに半年も経つと慣れたらしい。
「それでイツキ、何を買うんだ」
「一週間分の食料の備蓄とか」
「もう済んでいる」
「え、早いな。じゃあ、フェルクの本屋でも覗きにいくか」
準備万端すぎていっそ怖いな。それほど俺との……その、発情期を過ごすのを楽しみにしていたんだろうか。
去年の痴態を思い出してしまい、顔がかっかと火照りだす。確か去年は恥も遠慮も何もなく、カイルに甘え鳴きをしながら、全力で迫り倒したんだよな……
そして、カイルもそんな俺の誘いにノリノリで応えてくれて……クッソ、まともにカイルの顔が見れねえ。
「イツキ、暑いのか? 去年の発情期も暑がっていたな、もう家に戻った方がいいんじゃないか」
「暑くない、全然暑くないから心配するな」
両頬を叩いて無理矢理ごまかしながら、足早に商店街へと歩いていく。
まだ春のはじめだから閉店中かもしれないと思ったが、古本屋は営業を開始していた。
「おお、開いてるじゃねえか」
店の前に立つ馬獣人のホセと挨拶を交わし、店内へと入る。
「あ、イツキさん! いらっしゃいませ!」
「よおフェルク、元気だったか?」
「はい。イツキさんもカイルさんも、お元気そうで何よりです」
フェルクは小さなフェレットの耳をぴこぴこ動かしながら、ふんわりと笑う。彼は持っていた本をカウンターの上に置くと、両手をパンと打った。
「そうだ、冬の間に新しい本を仕入れておいたんです。きっとイツキさんたちが好きな本だと思います」
「へえ、なんだろうな」
「ちょっと待っててくださいね、今持ってきます」
フェルクはいそいそと店の奥に引っこむと、数冊の本を抱えて戻ってきた。
「これです!」
「おお、見せてもらうぜ」
置かれた本の背表紙には、魔人の言葉が書かれていた。中身をペラペラめくってみたが、魔人が書いたもので間違いない。
彼らの國の言語は、話す言葉も書く言葉も獣人王国とよく似ている。
だが書き言葉は同じ文字でも、文字の意味が違う単語を使っているから、少し読めばすぐわかる。
ヨーロッパ圏の国々が、ラテン語から派生したアルファベットを使っているのと、同じような感じだな。
「魔人國プルテリオンから、本を仕入れられたのか?」
「はい、無事に取引が成立しました」
フェルクは誇らしげに胸を張った。本を手に持ったまま、カイルの腕を肘でつつく。
「ほら、見てみろよカイル。アンタの読みたい本があったりしないか」
カイルは受け取った本のページをめくり、いつもより熱心に目を通している。全てに目を通してから口を開いた。
「そうだな、これと、あの赤い背表紙の本をもらおう」
「ありがとうございます!」
カイルは高額な魔人國産の本を、二冊購入した。
正直に言えば本なんて、現役魔王であるリッドおじさんにお願いすればいくらでも送ってもらえそうだが、ここで買うことに意味がある。
フェルクは代金を受け取ると、ふふっと口元を綻ばせた。
「実は、カイルさんの前にもお店に立ち寄った学者さんが、魔人のかたが書いた本を買ってくれたんです」
「そうか」
「この調子で魔人國と獣人王国の交易が、活発になるといいですね!」
「本当にな」
そう言ってもらえると、必死こいて二国間の仲を取り持った甲斐があるぜ。俺が笑いかけると、フェルクも満面の笑みをみせた。
「きっとそうしたら、もっとたくさんの冒険小説や美術本が読めるようになります、ふふふっ。僕も今、魔人國の言語を習得中なんです」
ブレねえな、フェルク……冒険小説オタクっぷりは健在らしい。
アンタの願う通り、魔人國の文字や文化に興味を持つヤツが増えて、そのうち翻訳本とかも発売されて、いろんな人に読んでもらえるといいな。
「そんじゃ、また来るわ」
「はい、ご来店ありがとうございました!」
ホセにも別れの挨拶をして、店を出る。カイルはすでに、本をインベントリにしまったようだ。
「なあカイル、何を買ったんだ?」
「創作料理本だ。今度作って、お前にも食べさせてやる」
「おお」
それは楽しみというかなんというか……魔人の味覚は独特だからな、どんな物が出てくるのか想像できない。
でも、カイルが料理に興味を持つのは歓迎すべきことだ。魔人の料理文化は花開いたばかりだし、伸び代があるよな。
「俺も手伝っていいか?」
「ああ、頼む」
元王子で魔人のカイルはろくに料理をしたことがない。素直に俺の申し出を受けてくれた。
どんなすごい料理が出てこようと、カイルの作ったもんなら食べようと覚悟はしているが。
どうせなら美味い料理ができた方が、俺もカイルも嬉しい。
「じゃあさ、レシピの料理を作るために、足りない食材を仕入れていこうぜ」
春が来たので、冬の間は休業していた市場も立ちはじめていた。
まだ野菜や果物の種類は豊富じゃなかったが、創作料理本に必要な食材に近い物を探して、肉や根菜などを少量買い足す。
カイルは赤いりんごのような果実を手に取り、少し考えて代金を支払った。
「リゴの実も買っていこう」
「あれ、料理本には載ってなかったが」
「だが、お前が好きだろう。なんていったか……リゴの実パイとかいう菓子が」
「ああ、そうだけど……もしかして作ってくれるつもりなのか?」
カイルは頷いた。ふわふわと心が弾み、俺の口角は勝手に緩んでしまう。
「そうだな、久しぶりに食いてえな。でもパイなんて、難しいと思うが」
「練習しよう。手伝ってくれるのだろう?」
「もちろん」
長い指に手を添えると、絡められる。旅人らしきロバの青年が、魔人と手を繋ぐ俺を見てギョッと目を見張っていたが、構わず通り過ぎていく。
ああ、なんだか急にカイルと二人きりになりたくなってきた。そろそろ帰ろうと思ったところで、白枝のせせらぎ亭に差しかかる。
「……ちょっと挨拶していくか」
マーシャルのダンジョンが閉鎖した影響で、春から見込めるはずだった宿泊客が減ってねえかなと、いらぬ心配をしてしまう。
そんなとこまで気にしてたらやっていけねえとわかっちゃいるが、やっぱ知り合いが困っているところを見るのは嫌だからな。
異世界に来たばっかの頃は、女将におおいに世話になったし、なにか問題があればさりげなく助けてやりたい。
カイルを連れて宿の中に入る。食事所は盛況なようで、ほとんどのテーブルが埋まっている。
角が抜けた状態の女将が鹿耳をこちらに向け、柔らかな笑みで迎え入れてくれた。
「あら、いらっしゃいイツキさん。エイダンさんとセルジュさんに会いに来たのかしら」
「ん? あいつら帰ってきたのか」
熊獣人で元ダンジョン探索者のエイダンは、元ギルド職員だった猫獣人のセルジュと、つきあっているらしい。
彼らは冬の間、出稼ぎとか言ってちょくちょく近隣の村に、魔物退治をしに行っていた。
魔物からは魔石は出ないが、ダンジョンのモンスターみたいに死体が消えたりしない。残った肉や皮を売ったり、村から御礼金をもらったりして稼いでいると聞いた。
「帰ってるなら会っていこうかな」
「ちょうど朝食を食べているところよ」
「それなら、俺とカイルの分も頼む。この前渡した酒を混ぜて、料理を作ってみてくれないか?」
女将は魔人料理に興味があるとかで、俺が量産した魔酵母の酒を分けたことがある。彼女はカイルの尖った耳を見てから、少し考えて頷いた。
「わかったわ」
「よろしくな」
女将はカイルが魔人であると聞いても、取り立てて話題にしたりせず、普通に受け入れてくれている。
まったく、ありがたい話だなと微笑んで、エイダンたちの座るテーブルに向かった。
街路樹の蕾が白い花をちらほら咲かせているのを見て、俺はごくりと唾を飲みこむ。
「そろそろ来るな……」
「どうした?」
「カイル、おはよう」
灰銀の髪を手で撫でつけながら、カイルが俺の立つ窓際まで歩み寄ってくる。
俺の肩に毛布をかけようとして、空気が春めいてきていることに気づいたらしい。
紫がかった柘榴色の瞳は、辺り一面に生えはじめた新芽へと向いた。俺はそわそわしながら下を向く。
「いや、また換毛期が来るなって思ってさ」
「それと、発情期もか」
性感を引き出すような動きでゆっくりと兎耳を撫でられて、ぞわりと肌が泡だつ。慌ててカイルの手を掴んだ。
「やめろって」
「やっとか。一年間待ちわびた」
「待つな、そんなもん」
「なぜだ? 普段よりも更に愛らしいお前を愛でるいい機会なのに」
「あーなんか猛烈に出かけたくなってきたな、今のうちに買い出ししようぜ!」
追いかけてくる視線を振り払うように、急いで薄手の上着を羽織る。朝っぱらから変な空気を醸しだすなって。
カイルはわずかに頬を緩めた後、身支度をしはじめた。
魔人國プルテリオンからマーシャルに戻って、約半年になる。
ようやくリッドおじさんは魔王業に慣れてきたみたいで、元魔王である俺に相談事を持ちかけることも少なくなった。
「行くか」
「ああ」
尖り耳と立派な角をそのままにした魔人姿のカイルと、連れ立って外に出る。
隣人のリス獣人が、ホウキを手に持ったまま俺たちに手を振ってくれたので、振り返しておいた。
最初に魔人姿のカイルを見かけた時は、目が落っこちそうなほど驚いていたが、さすがに半年も経つと慣れたらしい。
「それでイツキ、何を買うんだ」
「一週間分の食料の備蓄とか」
「もう済んでいる」
「え、早いな。じゃあ、フェルクの本屋でも覗きにいくか」
準備万端すぎていっそ怖いな。それほど俺との……その、発情期を過ごすのを楽しみにしていたんだろうか。
去年の痴態を思い出してしまい、顔がかっかと火照りだす。確か去年は恥も遠慮も何もなく、カイルに甘え鳴きをしながら、全力で迫り倒したんだよな……
そして、カイルもそんな俺の誘いにノリノリで応えてくれて……クッソ、まともにカイルの顔が見れねえ。
「イツキ、暑いのか? 去年の発情期も暑がっていたな、もう家に戻った方がいいんじゃないか」
「暑くない、全然暑くないから心配するな」
両頬を叩いて無理矢理ごまかしながら、足早に商店街へと歩いていく。
まだ春のはじめだから閉店中かもしれないと思ったが、古本屋は営業を開始していた。
「おお、開いてるじゃねえか」
店の前に立つ馬獣人のホセと挨拶を交わし、店内へと入る。
「あ、イツキさん! いらっしゃいませ!」
「よおフェルク、元気だったか?」
「はい。イツキさんもカイルさんも、お元気そうで何よりです」
フェルクは小さなフェレットの耳をぴこぴこ動かしながら、ふんわりと笑う。彼は持っていた本をカウンターの上に置くと、両手をパンと打った。
「そうだ、冬の間に新しい本を仕入れておいたんです。きっとイツキさんたちが好きな本だと思います」
「へえ、なんだろうな」
「ちょっと待っててくださいね、今持ってきます」
フェルクはいそいそと店の奥に引っこむと、数冊の本を抱えて戻ってきた。
「これです!」
「おお、見せてもらうぜ」
置かれた本の背表紙には、魔人の言葉が書かれていた。中身をペラペラめくってみたが、魔人が書いたもので間違いない。
彼らの國の言語は、話す言葉も書く言葉も獣人王国とよく似ている。
だが書き言葉は同じ文字でも、文字の意味が違う単語を使っているから、少し読めばすぐわかる。
ヨーロッパ圏の国々が、ラテン語から派生したアルファベットを使っているのと、同じような感じだな。
「魔人國プルテリオンから、本を仕入れられたのか?」
「はい、無事に取引が成立しました」
フェルクは誇らしげに胸を張った。本を手に持ったまま、カイルの腕を肘でつつく。
「ほら、見てみろよカイル。アンタの読みたい本があったりしないか」
カイルは受け取った本のページをめくり、いつもより熱心に目を通している。全てに目を通してから口を開いた。
「そうだな、これと、あの赤い背表紙の本をもらおう」
「ありがとうございます!」
カイルは高額な魔人國産の本を、二冊購入した。
正直に言えば本なんて、現役魔王であるリッドおじさんにお願いすればいくらでも送ってもらえそうだが、ここで買うことに意味がある。
フェルクは代金を受け取ると、ふふっと口元を綻ばせた。
「実は、カイルさんの前にもお店に立ち寄った学者さんが、魔人のかたが書いた本を買ってくれたんです」
「そうか」
「この調子で魔人國と獣人王国の交易が、活発になるといいですね!」
「本当にな」
そう言ってもらえると、必死こいて二国間の仲を取り持った甲斐があるぜ。俺が笑いかけると、フェルクも満面の笑みをみせた。
「きっとそうしたら、もっとたくさんの冒険小説や美術本が読めるようになります、ふふふっ。僕も今、魔人國の言語を習得中なんです」
ブレねえな、フェルク……冒険小説オタクっぷりは健在らしい。
アンタの願う通り、魔人國の文字や文化に興味を持つヤツが増えて、そのうち翻訳本とかも発売されて、いろんな人に読んでもらえるといいな。
「そんじゃ、また来るわ」
「はい、ご来店ありがとうございました!」
ホセにも別れの挨拶をして、店を出る。カイルはすでに、本をインベントリにしまったようだ。
「なあカイル、何を買ったんだ?」
「創作料理本だ。今度作って、お前にも食べさせてやる」
「おお」
それは楽しみというかなんというか……魔人の味覚は独特だからな、どんな物が出てくるのか想像できない。
でも、カイルが料理に興味を持つのは歓迎すべきことだ。魔人の料理文化は花開いたばかりだし、伸び代があるよな。
「俺も手伝っていいか?」
「ああ、頼む」
元王子で魔人のカイルはろくに料理をしたことがない。素直に俺の申し出を受けてくれた。
どんなすごい料理が出てこようと、カイルの作ったもんなら食べようと覚悟はしているが。
どうせなら美味い料理ができた方が、俺もカイルも嬉しい。
「じゃあさ、レシピの料理を作るために、足りない食材を仕入れていこうぜ」
春が来たので、冬の間は休業していた市場も立ちはじめていた。
まだ野菜や果物の種類は豊富じゃなかったが、創作料理本に必要な食材に近い物を探して、肉や根菜などを少量買い足す。
カイルは赤いりんごのような果実を手に取り、少し考えて代金を支払った。
「リゴの実も買っていこう」
「あれ、料理本には載ってなかったが」
「だが、お前が好きだろう。なんていったか……リゴの実パイとかいう菓子が」
「ああ、そうだけど……もしかして作ってくれるつもりなのか?」
カイルは頷いた。ふわふわと心が弾み、俺の口角は勝手に緩んでしまう。
「そうだな、久しぶりに食いてえな。でもパイなんて、難しいと思うが」
「練習しよう。手伝ってくれるのだろう?」
「もちろん」
長い指に手を添えると、絡められる。旅人らしきロバの青年が、魔人と手を繋ぐ俺を見てギョッと目を見張っていたが、構わず通り過ぎていく。
ああ、なんだか急にカイルと二人きりになりたくなってきた。そろそろ帰ろうと思ったところで、白枝のせせらぎ亭に差しかかる。
「……ちょっと挨拶していくか」
マーシャルのダンジョンが閉鎖した影響で、春から見込めるはずだった宿泊客が減ってねえかなと、いらぬ心配をしてしまう。
そんなとこまで気にしてたらやっていけねえとわかっちゃいるが、やっぱ知り合いが困っているところを見るのは嫌だからな。
異世界に来たばっかの頃は、女将におおいに世話になったし、なにか問題があればさりげなく助けてやりたい。
カイルを連れて宿の中に入る。食事所は盛況なようで、ほとんどのテーブルが埋まっている。
角が抜けた状態の女将が鹿耳をこちらに向け、柔らかな笑みで迎え入れてくれた。
「あら、いらっしゃいイツキさん。エイダンさんとセルジュさんに会いに来たのかしら」
「ん? あいつら帰ってきたのか」
熊獣人で元ダンジョン探索者のエイダンは、元ギルド職員だった猫獣人のセルジュと、つきあっているらしい。
彼らは冬の間、出稼ぎとか言ってちょくちょく近隣の村に、魔物退治をしに行っていた。
魔物からは魔石は出ないが、ダンジョンのモンスターみたいに死体が消えたりしない。残った肉や皮を売ったり、村から御礼金をもらったりして稼いでいると聞いた。
「帰ってるなら会っていこうかな」
「ちょうど朝食を食べているところよ」
「それなら、俺とカイルの分も頼む。この前渡した酒を混ぜて、料理を作ってみてくれないか?」
女将は魔人料理に興味があるとかで、俺が量産した魔酵母の酒を分けたことがある。彼女はカイルの尖った耳を見てから、少し考えて頷いた。
「わかったわ」
「よろしくな」
女将はカイルが魔人であると聞いても、取り立てて話題にしたりせず、普通に受け入れてくれている。
まったく、ありがたい話だなと微笑んで、エイダンたちの座るテーブルに向かった。
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