超好みな奴隷を買ったがこんな過保護とは聞いてない

兎騎かなで

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第四章 ダンジョン騒動編

★14 こ、こんなところで!

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 カイルは理性も遠慮もかなぐり捨てて、俺に逸物を押しつけてくる。隣の部屋では今も内緒話が進行していた。

 くっそ、リドアートたちの会話にどういうことなんだよって乱入してやりてえのに、こんな状態のカイルを一人で残していけやしない。

「カイル、ほんの少しだけ待てないか? お願い聞いてやるから、な?」
「待てない、今すぐイツキがほしい」

 カイルはもう本気の本気で限界らしく、息を荒げながら前をくつろげだした。だから待てって!

「やはりな。南部の者が結託しているのだろうと予想していた」
「調べによると、議会に在籍していた者が暗躍しているようです。ですが確たる証拠がない」

 リドアートとキエルステンの話もどんどん流れちまう。どうすりゃいいんだと頭を抱えているうちに、カイルは俺の下衣にも手をかけた。

「おい、カイル!」
「イツキ、イツキ」

 駄目だ、もう話が通じる状況じゃねえな。カイルの目が完全にとろけている。

「離れないでくれ、いつも俺のことだけを見ていてほしい」

 こんなに弱気なカイルは珍しい。我慢強いヤツだから、俺が気にするかと思って本音をさらけだせないでいたのかもしれない。

 どうにかしてやりたくなり、気持ちをなだめるつもりで顔を引き寄せ、額にキスを送る。

「俺がアンタから離れるはずがねえだろ?」
「その言葉だけじゃ足りないんだ。証明してくれ」

 証明しろって、どうやってだよ? 確かめる前に美麗な顔が至近距離に迫り、唇を塞がれた。

「ん……っ」
「元ダンジョン主の協力を仰ぎ……」
「それは悪手ではないでしょうか、既得権益を侵害されたと、恨みを抱く元ダンジョン主たちが……」

 ダメだ、話の聞き取りに集中できない。遠慮もなにもなく情熱的に口内を貪られて、俺はだんだん息を乱していく。

「!」

 俺の愚息がカイルの手の中に捉えられ、直に握られる。だからダメだって、こんなところで……!

「う……ぅんん」

 ジタバタと抵抗するものの、下履きまで全て剥ぎ取られてしまった。ぐいっと足を肘で持ち上げられて、蕾にぬるつきを帯びた指が入ってくる。

「んんぅっ」

 カイルの背を叩くが、指の動きは止まらず奥まで潜りこんできた。前立腺を擦りあげられて、じゅわっと気持ちいいのが腰から全身に伝播していく。

「ぅう、んーっ」
「ん? 今なにか聞こえなかったか?」
「いいえ、私はなにも。クレミア様の帰りが待ち遠しすぎて、空耳でも聞こえたのではないですか」
「いや、クレミアの声ではなかったように思うがね。気のせいだろうか」

 やばいマズイ、絶対に声を聞かれたくない。リッドおじさんにバレたら、デリカシーなくからかわれるのが目に見えている。

 首を振ってキスから逃れる。ごく小声でカイルに注意を促した。

「カイル、移動陣で部屋まで飛ぶから、ちょっとだけっん! は、離せってば」
「嫌だ、離さない」

 カイルはますます熱心に前を扱き、俺を追い詰めようとしてくる。半勃ちの雄を何度も擦られ、どんどん大きく育っていってしまう。

 ほんの数秒集中できれば、部屋に飛べるのに……!

 腕を引き剥がそうと抵抗すると、ますます奥を穿つ指の動きが速くなった。

「逃げないでくれ、イツキ」
「だから、逃げるってわけじゃ、ぁっ、ないぃっ」
「お前に逃げられたら、俺はっ!」

 違う逃げるんじゃなくて、部屋に戻ってアンタに集中したいんだってば!

 しかし思い直すのが遅すぎた。もはや音を遮断する結界を張る集中力すら保てない。

 限界を迎えたカイルは指を引き抜き、剛直を俺の孔に押し当てて一気に貫いた。

「ぁ……っ!」

 目蓋の裏に星が散る。圧迫感と異物感が腹の底を貫いて、息を詰めた。

「ぅ、く……っ!」

 とっさに両手で口を塞ぎ、叫ぶのを堪える。長大なモノが引き抜かれ、また塞がれを繰り返しているうちに、肉壁に馴染んできた。

「ふぅ……う、ぅっ」

 突かれる度に気持ちよさが増し、俺は嫌々と首を振った。カイルは俺に覆い被さり抱きしめながら、何度も奥を穿つ。

「イツキ、もっとほしい、足りない……っ」
「ぅ、ん、んっ、ぅん……っ!」

 ギシギシとベッドが音を立てる。声は抑えられてもこっちはどうしようもない。もし気づかれたら……心臓がドキドキと早鐘を打つ。


「いや、やはりなにか音がする気がする」
「そこまでおっしゃるのなら、一緒に確かめに行きましょう」

 待て待て待て、来るんじゃねえー! こうなったら背に腹は変えられないと、後ろ手をついて起き上がり、カイルを突き放そうとした。

「イツキ、抵抗しないでくれ」

 カイルはいとも簡単に俺の両手をシーツに縫いつけ、ますます激しく抽送する。

 奥をこじ開けられそうになり、足をばたつかせた。あっ、バカ! 結腸まで入ろうとするんじゃねえよ……!

「この部屋ですね」
「ええ。確かに音がしますね、何かが軋むような音が」

 俺はなんとか一瞬だけ集中力を発揮して、カイルと俺の身体の上にシーツを被せた。ああ、入らないでくれ……っ!

「あら? リドアート」
「クレミア!」

 絶体絶命かと思われたその時、扉の外からクレミアの声が聞こえた。

「あっ!」

 油断して声を出しちまった。シーツから顔だけ出して、扉に釘づけになっている俺を、カイルは眉尻を下げながら見下ろす。

「俺だけを見てほしいのに、イツキ……」
「っ、あ、カイル……っ!」

 ゴリゴリと奥側をきっさきで抉られて、腹の底に響くような快感が背骨を突き抜けていく。

「何をなさっているのですか?」
「いやなに、執務室の隣からなにか音がするような気がしたので、確かめにきたのだ」

 確かめないでくれ、頼む! 念を込めて扉を睨みつけ、腹にも力を込めてカイルの侵入を拒む。

「なぜ挿れさせてくれない」
「だから、こんなところで、最後までするなよ……!」
「誰かいるのですか?」

 クレミアの声がクリアに聞こえる。扉の方を振り向くと、細い隙間から部屋の中をのぞいているクレミアと、目があった。
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