1 / 41
1 突然の婚約破棄
しおりを挟む
「アレッタ・ユクシー。俺は真実の愛を見つけた。お前との婚約を破棄する!」
アレッタはやっぱりそうなったかという思いでいっぱいだった。
最近、カロリーナ様をいつも連れ歩いていたものね。
テオドール殿下に腰を抱かれたカロリーナ様は、アレッタを見ておろおろしている。なぜあなたがそんなに焦っているの?
ガーデンパーティーに呼び出されたテオドール殿下のお友達の方々は、みんなこうなることを知っていたみたい。せせら笑う声が背後から聞こえた。
アレッタはなるべく動揺が声に出ないように気をつけながら答えた。
「そうですか。このことは陛下や父は了承されているのですか?」
「陛下には認められた。お前の父親にも、婚約破棄すると書いた陛下直筆の書状が届くように既に手配してある」
アレッタの目の前が暗くなる。
あんなに苦手な社交をがんばって、妖精さんと会うのもなるべく我慢して王家に連なる者として恥じないよう、たくさん勉強したのに。
あの努力は全て無駄になってしまったのね。
「カロリーナは侯爵家の娘のお前と違って公爵家生まれだしな。お前の父から是非にと言われて婚約者にしてやったが、カロリーナの方がどう考えても王族の一員として相応しいだろう」
「テオ殿下、そんなにハッキリ口にされてはアレッタ様が傷ついてしまいますわ」
テオドールにぴったりとはりついたカロリーナが、口先だけでアレッタを気遣う。
「カロリーナは優しいな。しかしこんな陰気な女に気を遣わなくてもいいんだぞ? 美しいだけでなく優しいなんて、俺の婚約者は素晴らしいな」
「まあ、テオ殿下ったら」
カロリーナはかわいらしく頬を染めた。輝く金の髪に澄んだ青の瞳は、明るい茶色の髪と落ち着いた印象のグリーンの瞳のアレッタとは全然違う。
ピンク色のドレスも、ふんわりとしたフリルがたっぷり縫いつけられている最新の流行の型だった。カロリーナの人形のように可愛らしい容姿に恐ろしく似合ってる。
アレッタにはこんな可愛らしいドレスは着こなせる自信がない。
テオドール殿下は私のことを、陰気で地味な女っていつも罵っていたものね。こういう女らしくてキラキラした方がお好みだったのね。
銀の髪と金の髪の二人が寄り添っていると、そこだけ光の妖精が舞い降りたかのように見えた。
周りのみんなも同じように思ったのか、口々に二人がお似合いだと褒め称える。
「テオドール様はご自身に相応しい方を見つけられたようだな」
「カロリーナ嬢は王太子后のシルビア様になんとなく似ているな、守ってさしあげたくなる」
男性陣が口々にカロリーナを褒める。カロリーナの愛らしい容姿は男性受けがいいようだ。
王都で慣れない社交をがんばって、少しは仲良くなれたと思っていた伯爵家のご令嬢もこのパーティーに参加していた。アレッタを見て目を細め噂している。
「それに比べてアレッタ様の見た目もドレスのセンスも地味ですこと。いくら妖精が見える瞳をお持ちになっているからって、社交のひとつも満足にこなせないようですから第二王子の婚約者にはふさわしくありませんわよね」
「そうよねえ。妖精の瞳の持ち主だからってもてはやされた時代は終わりましたのよ。妖精の魔法なんて気まぐれだし的外れな時もあって、なんの役にも立たないことも多いらしいですし」
どっと笑い声が上がる。アレッタはキュッと唇を噛み締めた。
私のことを馬鹿にするのは構わないわ。でも妖精さんを馬鹿にしないで!
そう言ってもさらに笑いを誘うだけだとわかっているから、唇を引き結んで嘲笑に耐えた。
「そういう訳だからアレッタ、役立たずのお前との縁はこれっきりだ。俺はカロリーナを友に紹介するのでもうお前に構っている暇はない、さっさと田舎の領地でもどこへなりとでも去るがいい」
「あ、待ってテオ殿下、私アレッタ様とお話したいことがあるんです。アレッタ様~?」
アレッタはカロリーナの甘えるような声を振りきり、ガーデンパーティーの会場から抜けだした。
もう一秒だってこんなところにいたくない。ここで王子に時間を割くより早く妖精さんに会いたい。
焦っていたせいで誰かとぶつかり、その拍子に飲み物がアレッタのドレスの足元にかけられた。紅茶の茶色っぽいシミがドレスにじっとりと染みこむ。
「あっ」
「失礼、ドレスに飲み物がかかってしまった。だがまあ枯草色のドレスだし、目立たなくていいな」
「はははっ、地味なドレスを着ていてよかったなアレッタ嬢」
殿下の取り巻きがアレッタの地味さをバカにして笑った。アレッタは無視してすり抜ける。
ここで何を言ってもテオドール殿下に馬鹿にされて終わりだから。
ガーデンパーティーの会場を抜けて、庭の奥の方にある温室へと移動する。
ここは王族とそれに連なる者専用の温室だから、婚約破棄されたアレッタがここに来れるのも最後だろう。
来られなくなる前にどうしてもあの子達に会っておきたい。
心を許せる人がいない中で優しくしてくれたあの子達に、せめてお別れを伝えたい。
温室に入るとホッとする。ここにはほとんど誰も来ない、ここでならアレッタは素の自分を出すことができた。
咲き誇る色とりどりの花の間を抜けて、ひときわ綺麗な花のオブジェとベンチがある空間に歩を進める。
ベンチに座ると、ふわりふわりと花の間から妖精が姿を現した。
「アレッタ、こんにちは!」
「今日は私達に会いにきてくれたの?」
「そうなんでしょアレッタ、久しぶりねー!」
華やかなオレンジ色の髪の、三つ子みたいに似ている妖精がアレッタの前に次々とやってくる。
「マリー、リリー、ポピー! 久しぶり!」
アレッタは先程までの固い表情を一変させ、笑顔になった。
アレッタはやっぱりそうなったかという思いでいっぱいだった。
最近、カロリーナ様をいつも連れ歩いていたものね。
テオドール殿下に腰を抱かれたカロリーナ様は、アレッタを見ておろおろしている。なぜあなたがそんなに焦っているの?
ガーデンパーティーに呼び出されたテオドール殿下のお友達の方々は、みんなこうなることを知っていたみたい。せせら笑う声が背後から聞こえた。
アレッタはなるべく動揺が声に出ないように気をつけながら答えた。
「そうですか。このことは陛下や父は了承されているのですか?」
「陛下には認められた。お前の父親にも、婚約破棄すると書いた陛下直筆の書状が届くように既に手配してある」
アレッタの目の前が暗くなる。
あんなに苦手な社交をがんばって、妖精さんと会うのもなるべく我慢して王家に連なる者として恥じないよう、たくさん勉強したのに。
あの努力は全て無駄になってしまったのね。
「カロリーナは侯爵家の娘のお前と違って公爵家生まれだしな。お前の父から是非にと言われて婚約者にしてやったが、カロリーナの方がどう考えても王族の一員として相応しいだろう」
「テオ殿下、そんなにハッキリ口にされてはアレッタ様が傷ついてしまいますわ」
テオドールにぴったりとはりついたカロリーナが、口先だけでアレッタを気遣う。
「カロリーナは優しいな。しかしこんな陰気な女に気を遣わなくてもいいんだぞ? 美しいだけでなく優しいなんて、俺の婚約者は素晴らしいな」
「まあ、テオ殿下ったら」
カロリーナはかわいらしく頬を染めた。輝く金の髪に澄んだ青の瞳は、明るい茶色の髪と落ち着いた印象のグリーンの瞳のアレッタとは全然違う。
ピンク色のドレスも、ふんわりとしたフリルがたっぷり縫いつけられている最新の流行の型だった。カロリーナの人形のように可愛らしい容姿に恐ろしく似合ってる。
アレッタにはこんな可愛らしいドレスは着こなせる自信がない。
テオドール殿下は私のことを、陰気で地味な女っていつも罵っていたものね。こういう女らしくてキラキラした方がお好みだったのね。
銀の髪と金の髪の二人が寄り添っていると、そこだけ光の妖精が舞い降りたかのように見えた。
周りのみんなも同じように思ったのか、口々に二人がお似合いだと褒め称える。
「テオドール様はご自身に相応しい方を見つけられたようだな」
「カロリーナ嬢は王太子后のシルビア様になんとなく似ているな、守ってさしあげたくなる」
男性陣が口々にカロリーナを褒める。カロリーナの愛らしい容姿は男性受けがいいようだ。
王都で慣れない社交をがんばって、少しは仲良くなれたと思っていた伯爵家のご令嬢もこのパーティーに参加していた。アレッタを見て目を細め噂している。
「それに比べてアレッタ様の見た目もドレスのセンスも地味ですこと。いくら妖精が見える瞳をお持ちになっているからって、社交のひとつも満足にこなせないようですから第二王子の婚約者にはふさわしくありませんわよね」
「そうよねえ。妖精の瞳の持ち主だからってもてはやされた時代は終わりましたのよ。妖精の魔法なんて気まぐれだし的外れな時もあって、なんの役にも立たないことも多いらしいですし」
どっと笑い声が上がる。アレッタはキュッと唇を噛み締めた。
私のことを馬鹿にするのは構わないわ。でも妖精さんを馬鹿にしないで!
そう言ってもさらに笑いを誘うだけだとわかっているから、唇を引き結んで嘲笑に耐えた。
「そういう訳だからアレッタ、役立たずのお前との縁はこれっきりだ。俺はカロリーナを友に紹介するのでもうお前に構っている暇はない、さっさと田舎の領地でもどこへなりとでも去るがいい」
「あ、待ってテオ殿下、私アレッタ様とお話したいことがあるんです。アレッタ様~?」
アレッタはカロリーナの甘えるような声を振りきり、ガーデンパーティーの会場から抜けだした。
もう一秒だってこんなところにいたくない。ここで王子に時間を割くより早く妖精さんに会いたい。
焦っていたせいで誰かとぶつかり、その拍子に飲み物がアレッタのドレスの足元にかけられた。紅茶の茶色っぽいシミがドレスにじっとりと染みこむ。
「あっ」
「失礼、ドレスに飲み物がかかってしまった。だがまあ枯草色のドレスだし、目立たなくていいな」
「はははっ、地味なドレスを着ていてよかったなアレッタ嬢」
殿下の取り巻きがアレッタの地味さをバカにして笑った。アレッタは無視してすり抜ける。
ここで何を言ってもテオドール殿下に馬鹿にされて終わりだから。
ガーデンパーティーの会場を抜けて、庭の奥の方にある温室へと移動する。
ここは王族とそれに連なる者専用の温室だから、婚約破棄されたアレッタがここに来れるのも最後だろう。
来られなくなる前にどうしてもあの子達に会っておきたい。
心を許せる人がいない中で優しくしてくれたあの子達に、せめてお別れを伝えたい。
温室に入るとホッとする。ここにはほとんど誰も来ない、ここでならアレッタは素の自分を出すことができた。
咲き誇る色とりどりの花の間を抜けて、ひときわ綺麗な花のオブジェとベンチがある空間に歩を進める。
ベンチに座ると、ふわりふわりと花の間から妖精が姿を現した。
「アレッタ、こんにちは!」
「今日は私達に会いにきてくれたの?」
「そうなんでしょアレッタ、久しぶりねー!」
華やかなオレンジ色の髪の、三つ子みたいに似ている妖精がアレッタの前に次々とやってくる。
「マリー、リリー、ポピー! 久しぶり!」
アレッタは先程までの固い表情を一変させ、笑顔になった。
30
あなたにおすすめの小説
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活
しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。
新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。
二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。
ところが。
◆市場に行けばついてくる
◆荷物は全部持ちたがる
◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる
◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる
……どう見ても、干渉しまくり。
「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」
「……君のことを、放っておけない」
距離はゆっくり縮まり、
優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。
そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。
“冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え――
「二度と妻を侮辱するな」
守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、
いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる