9 / 41
9 意外な来客
しおりを挟む
突然家に訪れたカロリーナ様は、本日も可憐な装いだった。
水色のレースがふんだんに使われた、華奢な腰をさらに細く見せるようなドレスは、カロリーナの儚さを感じさせる美貌をさらに引き立たせている。
大きく澄んだ青の瞳を細めて、カロリーナは親しみを込めてアレッタに語りかけた。
「ご機嫌よう、アレッタ様。私どうしてもあなたに会いたくて、こうして屋敷まで押しかけてしまいましたわ。ご迷惑でなかったらよろしいのだけれど」
どうしてこんなに親しげに話しかけられてるんだろう、私……ほとんど初対面だし、いわゆる恋敵なのよね? 私達って。
アレッタはカロリーナにお茶をすすめた後、ひきつった笑みを返した。
「いえその、迷惑だなんてことは……」
迷惑だとハッキリ顔に出てしまっている自覚がある。アレッタが思わず用意した扇子で顔を覆うと、カロリーナはしゅんと眉尻を下げた。
「そうですよね、突然押しかけて非常識でしたね。あの、用事を済ませたらすぐに帰るから安心なさって!」
「わ、わかりました……用件を伺ってもよろしいですか?」
チラリと目だけ出したアレッタがそう問いかける。マナー的にはこんなに顔を隠すのはアウトだが、カロリーナ様は気にしていないようだから今回だけは見逃してほしい。
カロリーナは胸の前で手を組んで申し訳なさそうな顔をした。そうしていると華奢な肩や、体に比べて大きい胸が強調されて見える。
「アレッタ様、この度は大変申し訳なかったですわ。わたくしがテオ様に懸想しただけならまだしも、両思いになった途端にあんな風にお披露目されるなど思ってもみなかったんですの」
「はあ……そうでしたか」
「全くもう、テオ様ったら。ガーデンパーティーの後抗議をしたら、私への愛おしさが抑えきれなかったって仰ったんですのよ。そんなこと言われたら許さざるおえないじゃないですか、もう」
カロリーナはうっとりとため息をついた。頬は可愛らしく薔薇色に色づいている。
いちいち仕草が女らしくて、アレッタからすれば少しわざとらしいと感じるくらいだった。
アレッタが一度相槌を打ったきり沈黙していると、カロリーナは身を乗りだして本題に入った。
「そうそう、今日はその話をしにきたのではないのですわ。私、よろしければアレッタ様とお友達になりたいのです!」
「ええ?」
どうして? なんで? 私はあなたとテオドール殿下によって社交界の笑い者にされて、今後爪弾きにされる予定なのでしょう?
アレッタの困惑を受けて、カロリーナは人差し指を頬に当てて小首を傾げた。
「アレッタ様は妖精が見えるのですわよね? 私、妖精にお願いしたいことがあるのですわ!」
ああ、なるほど。妖精さん目当ての方なのね……大切な妖精さんに無茶なお願いをしてほしいと頼まれることはこれまでにもあった。
その度にアレッタは定型文のようにこう切り返すことにしていた。
「妖精さんは善意でお願いを叶えてくれることはあるらしいけれど、私からお願いしたことはないんです。聞いてもらえるかどうかわかりません」
「そうなんですの? では妖精はどうやって魔法を使っているかご存知かしら?」
「妖精の魔法も、使ってほしいと頼んだことがないので私も詳しく知らないんです」
「では、王都で妖精さんに会える場所はあるのかしら?」
カロリーナは矢継ぎ早にアレッタに質問を繰り返した。アレッタは答えられる質問には答えたが、答えられない質問もたくさんされてだんだん疲れてきた。
「へえー、そうなんですの。アレッタ様はやっぱり妖精に好かれるんですのね」
「あはは、まあ見えない人よりは好かれているかもしれません」
「お茶も飲み終えてしまったし、そろそろ帰りますわ。今日は貴重なお話をありがとう、また来てもいいかしら?」
「ええと、カロリーナ様が私に会いにこられることについて、テオドール殿下は心配なさったりしないんですか?」
アレッタはなんとか断りたくて、テオドールの名前を引き合いに出してみた。
「テオ殿下は御心の広い方ですから、私がすることにとやかく口を出したりなさりませんわ。まあでも、心配はされるかもしれませんね」
そうですか、カロリーナ様相手だと彼は御心の広い方なんですね。
私に対しては、会うたびにやれ似合わないドレスを着ている、もっと地味な方がお似合いだ、地味にしたらしたでその地味さをバカにしてくる、と御心の広さを感じたことはなかったんですけれど。
アレッタが呆れて半眼になっていると、金色の巻き毛の彼女は悪戯っぽく唇に人差し指を当てた。
「ですから、アレッタ様も私と会ったことはテオ殿下に秘密になさってくださいな? また会いにきますから、お友達として!」
さも嬉しいでしょう? と言いたげにカロリーナが微笑むので、アレッタも精一杯の笑みを返す。きっと盛大に引きつっているだろうけれど。
嵐のようにアレッタの心の中を荒らしていったカロリーナは、来た時と同じように唐突に帰っていった。アレッタはホッと胸を撫で下ろす。
ああ、やっと帰ってくれた。まったくもう……妖精さんに興味があったみたいだけれど、結局なんのお願いをしたいのかよくわからなかったわ。
なんだかもう屋敷にいてもいいことがないから、公園にでも出かけて気分転換しようかな。
「ごめんなさい、そこのあなた。外出をしたいから、手の空いているメイドに着いてきてもらえるようお願いできる?」
「かしこまりましたお嬢様、手配致します」
メイド達はよそよそしいが、仕事はきっちりしてくれる。ほどなくしてメイド一人と御者を用意してもらえたので、アレッタは出かけることができた。
公園は王侯貴族であれば自由に利用できる。狩りを楽しむ人が多いが、アレッタはもっぱら森林浴や散策をするという名目で公園に訪れていた。
王都の街並みを抜けしばらく進むと、やがて大きく育った木々が何本も立ち並ぶ場所に着く。
「ここで下ろして、あなた達は馬車で待っていて。少し散策してくるわ」
「お嬢様、お一人では危険です」
「大丈夫、いつもなにも危ないことはないでしょう? ちゃんと帰ってくるから今は一人にしてほしいの」
アレッタがそう頼みこむと、メイドは馬車で待機してくれた。アレッタは悠々と木々の中に分け入っていく。
とは言っても、本当に一人になったりはしない。姿が見えなくなるほど遠くに行けば、今度から外出を渋られてしまうと経験済みなので、馬車が見えるか見えないかくらいの範囲でうろちょろするだけだ。
アレッタは森林浴が好きだが、妖精はもっと好きだ。公園を訪れれば、だいたいは妖精さんに会うことができた。
今日はどんな妖精さんに会えるかな。この前は土妖精の女の子と会って、彼女のお気に入りのふわふわな土を見せてもらったのよね。まだ同じ場所にいるかしら?
アレッタが前回歩いた道を同じように進むと、土妖精の彼女はそこにいた。今日は同じ土妖精の男の子も一緒だ。
どちらも茶色い髪をしていて、女の子は赤褐色の瞳、男の子の方は金色だ。鉱石で飾られたコウモリ羽をバサバサと動かしながら、女の子の土妖精がアレッタの元に飛んできた。
「アレッタだー、久しぶり!」
「こんにちはフラウ、今日はお友達と一緒なの?」
「やあ、フラウの友達? 俺はタウだ」
「こんにちはタウ、少しお邪魔してもいいかな?」
「いいよ」
気さくな妖精に迎えられて、アレッタはタウとフラウとお話をした。
この前のふわふわの土は今フラウとタウの住処になっているらしい話や、タウが最近妖精界から人間界にやってきたことを聞いた。
妖精界の話が出たので、アレッタもその話題に乗っかってみる。
「私もこの前妖精の国に行ったの」
「へえー! どこの国?」
「花と水の国よ、知ってる?」
「俺知ってるよ! 兄ちゃんがそこに住んでんだ」
タウは嬉しそうに宙返りをした。
「なあなあ、アレッタは花と水の国の王子に会ったことはあるのか?」
「あるわ。実は、その王子様が妖精の国に連れていってくれたの」
フラウはそれを聞いて、手を叩いて喜んだ。
「そうなのー!? じゃあアレッタは王子様のお嫁さんになるんだ!」
「わお、兄ちゃんも喜ぶな!」
「えっ」
なんでそういう話になるの? 驚くアレッタを尻目に、妖精達は興奮して辺りを飛び回った。
「なあ、こんなところで俺達と話をしている場合じゃないぜ!」
「そうだよアレッタ、私達と会っている暇があるんだったらぜひ王子様に会ってきて!」
やたらと押しの強い妖精達に、アレッタはたじたじだ。
「ええっ!? でも昨日会ったばかりだよ?」
「そんなの関係ないよ、王子様は絶対アレッタに会いたいはずだよ」
「そうそう、なんなら俺らがその王子様のところに送ってやるよ!」
タウのその一言に、フラウはパッと笑顔になった。
「タウ、それいいね! そうしよー」
「よっしゃ、フラウやるか!?」
「できるできる、いけるいけるー」
「な、なになに!?」
アレッタの周りに土の壁が築かれ、膝まであるそれに身動きがとれなくなる。
「アレッタ、行ってらっしゃい!」
「俺の兄ちゃんに会えたらよろしくな! 俺とおんなじ色してるソルってやつだ!」
「待って待って、ちょっとー!!」
アレッタが叫ぶも二人の勢いは止まらない。土壁がどんどん迫り上がり、目の前が真っ暗になる。
水色のレースがふんだんに使われた、華奢な腰をさらに細く見せるようなドレスは、カロリーナの儚さを感じさせる美貌をさらに引き立たせている。
大きく澄んだ青の瞳を細めて、カロリーナは親しみを込めてアレッタに語りかけた。
「ご機嫌よう、アレッタ様。私どうしてもあなたに会いたくて、こうして屋敷まで押しかけてしまいましたわ。ご迷惑でなかったらよろしいのだけれど」
どうしてこんなに親しげに話しかけられてるんだろう、私……ほとんど初対面だし、いわゆる恋敵なのよね? 私達って。
アレッタはカロリーナにお茶をすすめた後、ひきつった笑みを返した。
「いえその、迷惑だなんてことは……」
迷惑だとハッキリ顔に出てしまっている自覚がある。アレッタが思わず用意した扇子で顔を覆うと、カロリーナはしゅんと眉尻を下げた。
「そうですよね、突然押しかけて非常識でしたね。あの、用事を済ませたらすぐに帰るから安心なさって!」
「わ、わかりました……用件を伺ってもよろしいですか?」
チラリと目だけ出したアレッタがそう問いかける。マナー的にはこんなに顔を隠すのはアウトだが、カロリーナ様は気にしていないようだから今回だけは見逃してほしい。
カロリーナは胸の前で手を組んで申し訳なさそうな顔をした。そうしていると華奢な肩や、体に比べて大きい胸が強調されて見える。
「アレッタ様、この度は大変申し訳なかったですわ。わたくしがテオ様に懸想しただけならまだしも、両思いになった途端にあんな風にお披露目されるなど思ってもみなかったんですの」
「はあ……そうでしたか」
「全くもう、テオ様ったら。ガーデンパーティーの後抗議をしたら、私への愛おしさが抑えきれなかったって仰ったんですのよ。そんなこと言われたら許さざるおえないじゃないですか、もう」
カロリーナはうっとりとため息をついた。頬は可愛らしく薔薇色に色づいている。
いちいち仕草が女らしくて、アレッタからすれば少しわざとらしいと感じるくらいだった。
アレッタが一度相槌を打ったきり沈黙していると、カロリーナは身を乗りだして本題に入った。
「そうそう、今日はその話をしにきたのではないのですわ。私、よろしければアレッタ様とお友達になりたいのです!」
「ええ?」
どうして? なんで? 私はあなたとテオドール殿下によって社交界の笑い者にされて、今後爪弾きにされる予定なのでしょう?
アレッタの困惑を受けて、カロリーナは人差し指を頬に当てて小首を傾げた。
「アレッタ様は妖精が見えるのですわよね? 私、妖精にお願いしたいことがあるのですわ!」
ああ、なるほど。妖精さん目当ての方なのね……大切な妖精さんに無茶なお願いをしてほしいと頼まれることはこれまでにもあった。
その度にアレッタは定型文のようにこう切り返すことにしていた。
「妖精さんは善意でお願いを叶えてくれることはあるらしいけれど、私からお願いしたことはないんです。聞いてもらえるかどうかわかりません」
「そうなんですの? では妖精はどうやって魔法を使っているかご存知かしら?」
「妖精の魔法も、使ってほしいと頼んだことがないので私も詳しく知らないんです」
「では、王都で妖精さんに会える場所はあるのかしら?」
カロリーナは矢継ぎ早にアレッタに質問を繰り返した。アレッタは答えられる質問には答えたが、答えられない質問もたくさんされてだんだん疲れてきた。
「へえー、そうなんですの。アレッタ様はやっぱり妖精に好かれるんですのね」
「あはは、まあ見えない人よりは好かれているかもしれません」
「お茶も飲み終えてしまったし、そろそろ帰りますわ。今日は貴重なお話をありがとう、また来てもいいかしら?」
「ええと、カロリーナ様が私に会いにこられることについて、テオドール殿下は心配なさったりしないんですか?」
アレッタはなんとか断りたくて、テオドールの名前を引き合いに出してみた。
「テオ殿下は御心の広い方ですから、私がすることにとやかく口を出したりなさりませんわ。まあでも、心配はされるかもしれませんね」
そうですか、カロリーナ様相手だと彼は御心の広い方なんですね。
私に対しては、会うたびにやれ似合わないドレスを着ている、もっと地味な方がお似合いだ、地味にしたらしたでその地味さをバカにしてくる、と御心の広さを感じたことはなかったんですけれど。
アレッタが呆れて半眼になっていると、金色の巻き毛の彼女は悪戯っぽく唇に人差し指を当てた。
「ですから、アレッタ様も私と会ったことはテオ殿下に秘密になさってくださいな? また会いにきますから、お友達として!」
さも嬉しいでしょう? と言いたげにカロリーナが微笑むので、アレッタも精一杯の笑みを返す。きっと盛大に引きつっているだろうけれど。
嵐のようにアレッタの心の中を荒らしていったカロリーナは、来た時と同じように唐突に帰っていった。アレッタはホッと胸を撫で下ろす。
ああ、やっと帰ってくれた。まったくもう……妖精さんに興味があったみたいだけれど、結局なんのお願いをしたいのかよくわからなかったわ。
なんだかもう屋敷にいてもいいことがないから、公園にでも出かけて気分転換しようかな。
「ごめんなさい、そこのあなた。外出をしたいから、手の空いているメイドに着いてきてもらえるようお願いできる?」
「かしこまりましたお嬢様、手配致します」
メイド達はよそよそしいが、仕事はきっちりしてくれる。ほどなくしてメイド一人と御者を用意してもらえたので、アレッタは出かけることができた。
公園は王侯貴族であれば自由に利用できる。狩りを楽しむ人が多いが、アレッタはもっぱら森林浴や散策をするという名目で公園に訪れていた。
王都の街並みを抜けしばらく進むと、やがて大きく育った木々が何本も立ち並ぶ場所に着く。
「ここで下ろして、あなた達は馬車で待っていて。少し散策してくるわ」
「お嬢様、お一人では危険です」
「大丈夫、いつもなにも危ないことはないでしょう? ちゃんと帰ってくるから今は一人にしてほしいの」
アレッタがそう頼みこむと、メイドは馬車で待機してくれた。アレッタは悠々と木々の中に分け入っていく。
とは言っても、本当に一人になったりはしない。姿が見えなくなるほど遠くに行けば、今度から外出を渋られてしまうと経験済みなので、馬車が見えるか見えないかくらいの範囲でうろちょろするだけだ。
アレッタは森林浴が好きだが、妖精はもっと好きだ。公園を訪れれば、だいたいは妖精さんに会うことができた。
今日はどんな妖精さんに会えるかな。この前は土妖精の女の子と会って、彼女のお気に入りのふわふわな土を見せてもらったのよね。まだ同じ場所にいるかしら?
アレッタが前回歩いた道を同じように進むと、土妖精の彼女はそこにいた。今日は同じ土妖精の男の子も一緒だ。
どちらも茶色い髪をしていて、女の子は赤褐色の瞳、男の子の方は金色だ。鉱石で飾られたコウモリ羽をバサバサと動かしながら、女の子の土妖精がアレッタの元に飛んできた。
「アレッタだー、久しぶり!」
「こんにちはフラウ、今日はお友達と一緒なの?」
「やあ、フラウの友達? 俺はタウだ」
「こんにちはタウ、少しお邪魔してもいいかな?」
「いいよ」
気さくな妖精に迎えられて、アレッタはタウとフラウとお話をした。
この前のふわふわの土は今フラウとタウの住処になっているらしい話や、タウが最近妖精界から人間界にやってきたことを聞いた。
妖精界の話が出たので、アレッタもその話題に乗っかってみる。
「私もこの前妖精の国に行ったの」
「へえー! どこの国?」
「花と水の国よ、知ってる?」
「俺知ってるよ! 兄ちゃんがそこに住んでんだ」
タウは嬉しそうに宙返りをした。
「なあなあ、アレッタは花と水の国の王子に会ったことはあるのか?」
「あるわ。実は、その王子様が妖精の国に連れていってくれたの」
フラウはそれを聞いて、手を叩いて喜んだ。
「そうなのー!? じゃあアレッタは王子様のお嫁さんになるんだ!」
「わお、兄ちゃんも喜ぶな!」
「えっ」
なんでそういう話になるの? 驚くアレッタを尻目に、妖精達は興奮して辺りを飛び回った。
「なあ、こんなところで俺達と話をしている場合じゃないぜ!」
「そうだよアレッタ、私達と会っている暇があるんだったらぜひ王子様に会ってきて!」
やたらと押しの強い妖精達に、アレッタはたじたじだ。
「ええっ!? でも昨日会ったばかりだよ?」
「そんなの関係ないよ、王子様は絶対アレッタに会いたいはずだよ」
「そうそう、なんなら俺らがその王子様のところに送ってやるよ!」
タウのその一言に、フラウはパッと笑顔になった。
「タウ、それいいね! そうしよー」
「よっしゃ、フラウやるか!?」
「できるできる、いけるいけるー」
「な、なになに!?」
アレッタの周りに土の壁が築かれ、膝まであるそれに身動きがとれなくなる。
「アレッタ、行ってらっしゃい!」
「俺の兄ちゃんに会えたらよろしくな! 俺とおんなじ色してるソルってやつだ!」
「待って待って、ちょっとー!!」
アレッタが叫ぶも二人の勢いは止まらない。土壁がどんどん迫り上がり、目の前が真っ暗になる。
28
あなたにおすすめの小説
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活
しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。
新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。
二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。
ところが。
◆市場に行けばついてくる
◆荷物は全部持ちたがる
◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる
◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる
……どう見ても、干渉しまくり。
「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」
「……君のことを、放っておけない」
距離はゆっくり縮まり、
優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。
そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。
“冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え――
「二度と妻を侮辱するな」
守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、
いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる