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5 城の案内するぞー
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気が向いたのでカリオスと朝食を食べることにした。なんにするかな、オムライスとかでいいか。
机に座ってポンとほかほかのオムライスを出現させる。ついでにカリオスの分も出しておく。
「今日のところは俺が食事を用意するよ。どーぞ」
カリオスはピクリと眉を跳ねさせつつも、警戒しながら近づいてきて俺の向かいの席に着席した。
ちなみにテーブルは木でできた素朴な感じの四人がけテーブルだ。王様時代は見栄えのいい長テーブルで食事したものだが、今は客も来ないしなーってことで適応にしている。
部屋はクッソ広いのに、ちんまりとした四人がけのテーブルが一つだけ。
なになに、落ち着かないって? まあそうかもな。ぶっちゃけ食堂作ってもろくに使わなかったから、内装に力入れてなかったんだ。
「昨日の食事もですが、一体これはどういう仕組みで出現させているんですか? マジックポーチや次元魔法を使った様子もないですし」
「なんだろうな? 昔俺のことを調べたいって言って調べたやつがいたんだが、結局わからなかったんだよな。つまりはアレだ。神様の力ってことで」
「そうですか……あ、美味しいですね」
カリオスも俺の不思議能力について詳しく聞くのは諦めたようだった。俺もなんでできるのかって聞かれても、だってできるからとしか言いようがないしな。
カリオスはペロリとオムライスを平らげると、ナフキンで口元を拭いた。うーん、なんか品があるよね。冒険者って聞いたから平民かと思ったけど、貴族の出身かもしれない。
「食べ慣れない料理でしたが非常に美味でした。ありがとうございました」
「口にあったのならよかった。さて、この後どうする?」
「貴方のことを見張ります」
「却下」
「では言い換えます」
すぅっと息を吸いこんだカリオスは声のトーンを落とし、囁くように俺に語りかけた。
「貴方の黒曜のような瞳に、一目見た時から心が囚われてしまったんです。この先ずっと一緒にいたい、貴方から視線を逸らしたくない……駄目ですか?」
やめれ。絶妙に熱っぽさを込めた瞳でこっち見んなし。
「いや一緒にいたいっていうなら、案内がてらしばらく一緒に行動するけどさ。ガン見宣言はやめてくんない?」
「この言い方でも駄目でしたか」
「いや言い方の問題じゃなくてだな。もういいや、案内するからついてきて」
一階は今出てきた食堂の他に、玄関ホールと吹き抜け、リビング、厨房、風呂場や倉庫なんかがある。ぶっちゃけ俺の無限収納に大事な物は全部仕舞いこんであるから、倉庫はいらない物を置いてあるだけの部屋と化している。
二階はコレクション部屋。かつての王様時代や冒険者時代、神様時代にもらった思い出の品なんかをまとめてある。博物館みたいなノリで、覚えている範囲で時代も分けている。
正直こうでもしないと細かいところは忘れ去ってしまいそうだったんだよな。今でもたまにくると、あーこんなことあったなーって懐かしい気持ちになる。
カリオスは興味深げに辺りを歩き回り、聖剣と同じ色した青い盾の前で足を止めた。
「……これは聖剣と対をなしていたという、伝説の盾のレプリカにそっくりですね」
「ああ、本物はこっちな」
「はあ……そうなんですか」
「あれ、あんま驚かないのな」
「貴方が本当に神だと言うのなら、持っていても不思議ではないですから」
おうおう、その調子で俺にもっと敬意をもって接してくれてもいいんだぞ? と胸を張ってみせるが、カリオスは俺の思い出の品々を見るのに夢中だ。
「おかしいですね、つい昨日もここを通ったはずなのに、全く見向きもしないで通り過ぎてしまいました。こんなに貴重な品が集められているなら、もっと注目したはずなのに」
「あまり人から認識されにくい仕様にしておいたからね」
生き物相手や世界の法則に関しては制約の多い神様魔法だが、物に魔法をかける分には結構万能で使い勝手がよかったりするんだよなーこれが。
一通り二階を見て回ったら三階に移動する。三階は図書館だ。一番天井が高い造りにしてあって、空間を大きくぶち抜いて天井まで本を積み上げてある。
俺の自慢の図書館だ。飾るだけ飾って保管魔法かけたら満足してしまったから、あまり読んではいないんだが。
カリオスは首を長くして、天井までみっちり積まれた本を眺めている。
「これは一生かかっても読みきれないのでは」
「ああ、人間にとっちゃそうかもな」
「知らない文字が多いですね」
「お前からしたらあっちもこっちも古代文字だらけだろうなー。比較的最近集めたのはこの辺かな? ほら」
俺は三百年くらい前に仕入れた本を適当に一冊手に取る。
「……これは、ヨロレイヒ王国時代の貴族家系図ですか!? なんて貴重な……」
「そうなん? ほしいなら持ってってもいいよ」
「いえ、争乱の種となりかねない情報が眠っていてもおかしくないですから、謹んで遠慮させていただきます」
読みたい本があれば自由に部屋に持ちだして読んでいいことを伝えてから、四階に移動する。
机に座ってポンとほかほかのオムライスを出現させる。ついでにカリオスの分も出しておく。
「今日のところは俺が食事を用意するよ。どーぞ」
カリオスはピクリと眉を跳ねさせつつも、警戒しながら近づいてきて俺の向かいの席に着席した。
ちなみにテーブルは木でできた素朴な感じの四人がけテーブルだ。王様時代は見栄えのいい長テーブルで食事したものだが、今は客も来ないしなーってことで適応にしている。
部屋はクッソ広いのに、ちんまりとした四人がけのテーブルが一つだけ。
なになに、落ち着かないって? まあそうかもな。ぶっちゃけ食堂作ってもろくに使わなかったから、内装に力入れてなかったんだ。
「昨日の食事もですが、一体これはどういう仕組みで出現させているんですか? マジックポーチや次元魔法を使った様子もないですし」
「なんだろうな? 昔俺のことを調べたいって言って調べたやつがいたんだが、結局わからなかったんだよな。つまりはアレだ。神様の力ってことで」
「そうですか……あ、美味しいですね」
カリオスも俺の不思議能力について詳しく聞くのは諦めたようだった。俺もなんでできるのかって聞かれても、だってできるからとしか言いようがないしな。
カリオスはペロリとオムライスを平らげると、ナフキンで口元を拭いた。うーん、なんか品があるよね。冒険者って聞いたから平民かと思ったけど、貴族の出身かもしれない。
「食べ慣れない料理でしたが非常に美味でした。ありがとうございました」
「口にあったのならよかった。さて、この後どうする?」
「貴方のことを見張ります」
「却下」
「では言い換えます」
すぅっと息を吸いこんだカリオスは声のトーンを落とし、囁くように俺に語りかけた。
「貴方の黒曜のような瞳に、一目見た時から心が囚われてしまったんです。この先ずっと一緒にいたい、貴方から視線を逸らしたくない……駄目ですか?」
やめれ。絶妙に熱っぽさを込めた瞳でこっち見んなし。
「いや一緒にいたいっていうなら、案内がてらしばらく一緒に行動するけどさ。ガン見宣言はやめてくんない?」
「この言い方でも駄目でしたか」
「いや言い方の問題じゃなくてだな。もういいや、案内するからついてきて」
一階は今出てきた食堂の他に、玄関ホールと吹き抜け、リビング、厨房、風呂場や倉庫なんかがある。ぶっちゃけ俺の無限収納に大事な物は全部仕舞いこんであるから、倉庫はいらない物を置いてあるだけの部屋と化している。
二階はコレクション部屋。かつての王様時代や冒険者時代、神様時代にもらった思い出の品なんかをまとめてある。博物館みたいなノリで、覚えている範囲で時代も分けている。
正直こうでもしないと細かいところは忘れ去ってしまいそうだったんだよな。今でもたまにくると、あーこんなことあったなーって懐かしい気持ちになる。
カリオスは興味深げに辺りを歩き回り、聖剣と同じ色した青い盾の前で足を止めた。
「……これは聖剣と対をなしていたという、伝説の盾のレプリカにそっくりですね」
「ああ、本物はこっちな」
「はあ……そうなんですか」
「あれ、あんま驚かないのな」
「貴方が本当に神だと言うのなら、持っていても不思議ではないですから」
おうおう、その調子で俺にもっと敬意をもって接してくれてもいいんだぞ? と胸を張ってみせるが、カリオスは俺の思い出の品々を見るのに夢中だ。
「おかしいですね、つい昨日もここを通ったはずなのに、全く見向きもしないで通り過ぎてしまいました。こんなに貴重な品が集められているなら、もっと注目したはずなのに」
「あまり人から認識されにくい仕様にしておいたからね」
生き物相手や世界の法則に関しては制約の多い神様魔法だが、物に魔法をかける分には結構万能で使い勝手がよかったりするんだよなーこれが。
一通り二階を見て回ったら三階に移動する。三階は図書館だ。一番天井が高い造りにしてあって、空間を大きくぶち抜いて天井まで本を積み上げてある。
俺の自慢の図書館だ。飾るだけ飾って保管魔法かけたら満足してしまったから、あまり読んではいないんだが。
カリオスは首を長くして、天井までみっちり積まれた本を眺めている。
「これは一生かかっても読みきれないのでは」
「ああ、人間にとっちゃそうかもな」
「知らない文字が多いですね」
「お前からしたらあっちもこっちも古代文字だらけだろうなー。比較的最近集めたのはこの辺かな? ほら」
俺は三百年くらい前に仕入れた本を適当に一冊手に取る。
「……これは、ヨロレイヒ王国時代の貴族家系図ですか!? なんて貴重な……」
「そうなん? ほしいなら持ってってもいいよ」
「いえ、争乱の種となりかねない情報が眠っていてもおかしくないですから、謹んで遠慮させていただきます」
読みたい本があれば自由に部屋に持ちだして読んでいいことを伝えてから、四階に移動する。
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