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3.犬猫獣人ほのぼの
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「お前は犬獣人ぽくなくて扱いづらいね、和を乱さないでおくれ」と煙たがられる犬獣人。
周りに馴染もうとがんばっても、疲れてしまってつい地が出ちゃって結局嫌われてしまう。
自分は猫の国の方が生きやすいのではと考えて、思いきって行ってみることにした。
すると、向かい側から猫獣人がやってきて声をかけてくる。
「すいません、この先って犬獣人の国がありますかね? 猫の帰巣本能のせいか、何度出発しても猫の国へ戻ってしまうんです。連れていってくれませんか」
面白そうだと思った犬獣人は、猫獣人を連れていってあげることにした。
道中二人は色々な話をして、どうやらこの猫獣人は犬っぽい性質だぞってことがわかる。
「俺達、反対に生まれればよかったね」
「見た目と中身が入れ替えられたらいいのに」
とても気があった二人は急速に仲良くなるけど、そのうちに国にたどり着いてお別れの時間がきてしまう。
猫獣人はとても感謝して、犬獣人と別れた。犬獣人は猫の国へと旅立った。
ところが、犬獣人は猫の国にも馴染めなかった。猫達からは犬らしくないとそっぽを向かれてしまい、ここでもひとりぼっち。
寂しくなった犬獣人は、やっぱり故郷に帰ろうと思ってまた道を歩いていると、あの時の猫獣人とであう。
「また会いましたね」
「実は馴染めなくて、故郷に帰ろうかと」
「僕もです!」
はみ出し者の二人は家を建てて中間地で暮らすことにした。
お互いの特性がよくわかる二人は、相手の猫らしいところ、犬っぽいところに安心感を覚えるし、何を言われたら傷つくかもわかってるので、仲良く暮らしていく。
中間地点なので、宿屋と飯屋をはじめてみることにした。
行商人から食べ物を仕入れて、旅人に泊まってもらい、心を込めて仕事をした。
そのうちにあそこの宿屋はいいぞと評判になりはじめる。
「どうやら夫夫で経営してるらしい」
「猫と犬の中身が入れ替えわったみたいで、面白い二人組だ」
みたいに噂されて、ふうふ!? とビックリする二人。
「いっそのこと番っちゃう?」
「いいね、僕たち気があうし」
友達のようなノリで番になったら、猫獣人ったら甲斐甲斐しく尽くしてくれて、大好きになっちゃう。
「君の犬獣人らしくない、気ままで可愛らしいところが好きだよ」
「僕もあなたの猫獣人らしくない、元気で素直なところが好き」
そうして名実共に結ばれ、幸せにのびのびと暮らす二人のお話。
周りに馴染もうとがんばっても、疲れてしまってつい地が出ちゃって結局嫌われてしまう。
自分は猫の国の方が生きやすいのではと考えて、思いきって行ってみることにした。
すると、向かい側から猫獣人がやってきて声をかけてくる。
「すいません、この先って犬獣人の国がありますかね? 猫の帰巣本能のせいか、何度出発しても猫の国へ戻ってしまうんです。連れていってくれませんか」
面白そうだと思った犬獣人は、猫獣人を連れていってあげることにした。
道中二人は色々な話をして、どうやらこの猫獣人は犬っぽい性質だぞってことがわかる。
「俺達、反対に生まれればよかったね」
「見た目と中身が入れ替えられたらいいのに」
とても気があった二人は急速に仲良くなるけど、そのうちに国にたどり着いてお別れの時間がきてしまう。
猫獣人はとても感謝して、犬獣人と別れた。犬獣人は猫の国へと旅立った。
ところが、犬獣人は猫の国にも馴染めなかった。猫達からは犬らしくないとそっぽを向かれてしまい、ここでもひとりぼっち。
寂しくなった犬獣人は、やっぱり故郷に帰ろうと思ってまた道を歩いていると、あの時の猫獣人とであう。
「また会いましたね」
「実は馴染めなくて、故郷に帰ろうかと」
「僕もです!」
はみ出し者の二人は家を建てて中間地で暮らすことにした。
お互いの特性がよくわかる二人は、相手の猫らしいところ、犬っぽいところに安心感を覚えるし、何を言われたら傷つくかもわかってるので、仲良く暮らしていく。
中間地点なので、宿屋と飯屋をはじめてみることにした。
行商人から食べ物を仕入れて、旅人に泊まってもらい、心を込めて仕事をした。
そのうちにあそこの宿屋はいいぞと評判になりはじめる。
「どうやら夫夫で経営してるらしい」
「猫と犬の中身が入れ替えわったみたいで、面白い二人組だ」
みたいに噂されて、ふうふ!? とビックリする二人。
「いっそのこと番っちゃう?」
「いいね、僕たち気があうし」
友達のようなノリで番になったら、猫獣人ったら甲斐甲斐しく尽くしてくれて、大好きになっちゃう。
「君の犬獣人らしくない、気ままで可愛らしいところが好きだよ」
「僕もあなたの猫獣人らしくない、元気で素直なところが好き」
そうして名実共に結ばれ、幸せにのびのびと暮らす二人のお話。
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