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113ドS執着×ヤンキー受け
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目の前の利発そうな顔を睨みつける。
脅しても凄んでも、びくともしない。
それどころか、両手を壁に押さえつけられている。
「いけない子ですね。ふふ、でも元気があっていいです、躾甲斐があります」
「あ、やめろ……!」
膝頭で際どいところをグリグリされる。
ヤバい男に捕まってしまった。
腕っ節が弱そうなエリートっぽいし、ちょっと脅せば金を出すだろうと思ったのに、とんだ誤算だ。
路地裏で散々弄ばれて、前後不覚になるくらい激しく抱かれた。
「とてもいいです、貴方の体」
「テメェ、やめっ……ああ!」
ドロドロに溶かされたところを写真に撮られた。
「また遊びましょう。私の連絡先、登録しておいてくださいね」
渡された名刺を放り投げると、じっとり微笑まれる。
「いいんですか? 貴方の写真も名刺みたいに道端にばら撒きますよ」
「ふざけんな!」
「ふざけてません、本気です」
目の奥が笑っていない。ゾッとした。コイツ、マジだ。
「……何が狙いだ」
「また遊びましょうと言いましたよね。時間ができたら連絡します……ああ、そうだ」
グイッと顎を持ち上げられる。
「私以外の人と遊ばないでくださいね? 嫉妬で何をするかわかりませんから」
「一回抱いたくらいで彼氏面すんな」
「足りませんでしたか? ではもう一回」
「そういうことじゃねえ!」
キスで念押しされて、意外にも丁寧に身体を拭かれて解放された。
尻が痛い……名刺を握り潰しながらフラフラと路地を立ち去った。
アイツの言うことなんて聞くかよ。
いつものように仲間と連み、寄ってきた女とホテルに入ろうとしたら、ヤツに見られた。
「おや」
「ゲッ」
呆然とする女を置いて、首根っこを掴まれてホテルの部屋に連れ去られる。
力が強すぎて振り解けない!
「テメェ、殺すぞ!」
「それは私の台詞です」
目の座った彼にぐずぐずになるまで溶かされ、恥ずかしい言葉を強要される。
「私以外の人と遊ばないよう、言いましたよね?」
「あ、ごめ、なさ、許し……っあああぁ!」
気づいたらヤツの部屋だった。
外界と遮断され、何度も何度も欲望をぶつけられる。
「君はもう、私のものです。わかりましたか?」
「俺は、俺のもん……っ嫌ぁ! そこ駄目……!」
『わかる』までめちゃくちゃにされた。
「あ……俺、俺のここに、いれて、ください……」
「ふふ、可愛い。もっと足を広げて」
何日経ったか忘れた頃に、突然解放された。
「一度帰っていいですよ。また連絡します」
久しぶりに家に帰ったが、体が疼いて落ち着かない。
女といい雰囲気になっても反応しない。欲望の行き場がない。
仲間と会っていても、アイツの顔が頭によぎる。
「お前、一時期連絡取れなくなった後、雰囲気変わったよな。少し痩せたか?」
「うるせえ、ほっとけ」
あれからひと月連絡がない。
出会った路地やホテル街、自宅の周りをうろついてみたが、ヤツの姿はない。
道端にしゃがみこんだ。
「もう俺のことは要らねえのかよ……」
スマホがバイブした。急いで電話に出る。
「やっと仕事が片づきました。今から会いにいっていいですか?」
「おせーよ、馬鹿が」
「ふふ、寂しかったですか?」
「……」
「おや、まさか本当に?」
「悪いかよ」
「いえ。すぐに埋め合わせしますから、家に来てください」
家に行くと、大量のお土産と手料理が待ち構えていた。
「……すぐに抱くんじゃねえのか」
「え? ああ、それは後でいくらでも。まずはひと月の間、何をしていたか聞かせてください」
「ふ、お前ってよくわかんねえ。体目当てじゃなかったのかよ」
彼は目を丸くしてヤンキーに魅入った。
「可愛い……貴方、笑えたんですね」
「笑うだろ。人のことをなんだと思ってんだ」
「よく考えてみれば、私は貴方のことを体しか知りません。今日も何を買っていくか迷って、こんなに大量の土産を買う羽目に」
「はは、間抜けだな」
「もっと教えてください、貴方のこと」
「いいぜ。お前もこのひと月何してたんだよ?」
実は大好物が被っていたり、映画の趣味が同じだったりと、身体の相性以外も抜群にいいと気づいた二人。
どんどん仲を深めて、ついには同棲することになった。
ラブラブケンカップルになったけれど、ヤツが初エッチの写真を持ち続けていることについては、未だに根に持っている。
「いい加減消せよな」
「嫌です。貴方との思い出は、何一つ手放したくないですから」
「変態」
「そんな私が好きなんでしょう?」
「……ったく、調子乗ってんじゃねえよ。誰にも見られんじゃねえぞ」
「もちろん。他の誰にも見せません」
背中から抱きしめられ肩に顎を乗せられる。
重たい。
けれど伝わってくるぬくもりは悪くないなと、密かに笑った。
脅しても凄んでも、びくともしない。
それどころか、両手を壁に押さえつけられている。
「いけない子ですね。ふふ、でも元気があっていいです、躾甲斐があります」
「あ、やめろ……!」
膝頭で際どいところをグリグリされる。
ヤバい男に捕まってしまった。
腕っ節が弱そうなエリートっぽいし、ちょっと脅せば金を出すだろうと思ったのに、とんだ誤算だ。
路地裏で散々弄ばれて、前後不覚になるくらい激しく抱かれた。
「とてもいいです、貴方の体」
「テメェ、やめっ……ああ!」
ドロドロに溶かされたところを写真に撮られた。
「また遊びましょう。私の連絡先、登録しておいてくださいね」
渡された名刺を放り投げると、じっとり微笑まれる。
「いいんですか? 貴方の写真も名刺みたいに道端にばら撒きますよ」
「ふざけんな!」
「ふざけてません、本気です」
目の奥が笑っていない。ゾッとした。コイツ、マジだ。
「……何が狙いだ」
「また遊びましょうと言いましたよね。時間ができたら連絡します……ああ、そうだ」
グイッと顎を持ち上げられる。
「私以外の人と遊ばないでくださいね? 嫉妬で何をするかわかりませんから」
「一回抱いたくらいで彼氏面すんな」
「足りませんでしたか? ではもう一回」
「そういうことじゃねえ!」
キスで念押しされて、意外にも丁寧に身体を拭かれて解放された。
尻が痛い……名刺を握り潰しながらフラフラと路地を立ち去った。
アイツの言うことなんて聞くかよ。
いつものように仲間と連み、寄ってきた女とホテルに入ろうとしたら、ヤツに見られた。
「おや」
「ゲッ」
呆然とする女を置いて、首根っこを掴まれてホテルの部屋に連れ去られる。
力が強すぎて振り解けない!
「テメェ、殺すぞ!」
「それは私の台詞です」
目の座った彼にぐずぐずになるまで溶かされ、恥ずかしい言葉を強要される。
「私以外の人と遊ばないよう、言いましたよね?」
「あ、ごめ、なさ、許し……っあああぁ!」
気づいたらヤツの部屋だった。
外界と遮断され、何度も何度も欲望をぶつけられる。
「君はもう、私のものです。わかりましたか?」
「俺は、俺のもん……っ嫌ぁ! そこ駄目……!」
『わかる』までめちゃくちゃにされた。
「あ……俺、俺のここに、いれて、ください……」
「ふふ、可愛い。もっと足を広げて」
何日経ったか忘れた頃に、突然解放された。
「一度帰っていいですよ。また連絡します」
久しぶりに家に帰ったが、体が疼いて落ち着かない。
女といい雰囲気になっても反応しない。欲望の行き場がない。
仲間と会っていても、アイツの顔が頭によぎる。
「お前、一時期連絡取れなくなった後、雰囲気変わったよな。少し痩せたか?」
「うるせえ、ほっとけ」
あれからひと月連絡がない。
出会った路地やホテル街、自宅の周りをうろついてみたが、ヤツの姿はない。
道端にしゃがみこんだ。
「もう俺のことは要らねえのかよ……」
スマホがバイブした。急いで電話に出る。
「やっと仕事が片づきました。今から会いにいっていいですか?」
「おせーよ、馬鹿が」
「ふふ、寂しかったですか?」
「……」
「おや、まさか本当に?」
「悪いかよ」
「いえ。すぐに埋め合わせしますから、家に来てください」
家に行くと、大量のお土産と手料理が待ち構えていた。
「……すぐに抱くんじゃねえのか」
「え? ああ、それは後でいくらでも。まずはひと月の間、何をしていたか聞かせてください」
「ふ、お前ってよくわかんねえ。体目当てじゃなかったのかよ」
彼は目を丸くしてヤンキーに魅入った。
「可愛い……貴方、笑えたんですね」
「笑うだろ。人のことをなんだと思ってんだ」
「よく考えてみれば、私は貴方のことを体しか知りません。今日も何を買っていくか迷って、こんなに大量の土産を買う羽目に」
「はは、間抜けだな」
「もっと教えてください、貴方のこと」
「いいぜ。お前もこのひと月何してたんだよ?」
実は大好物が被っていたり、映画の趣味が同じだったりと、身体の相性以外も抜群にいいと気づいた二人。
どんどん仲を深めて、ついには同棲することになった。
ラブラブケンカップルになったけれど、ヤツが初エッチの写真を持ち続けていることについては、未だに根に持っている。
「いい加減消せよな」
「嫌です。貴方との思い出は、何一つ手放したくないですから」
「変態」
「そんな私が好きなんでしょう?」
「……ったく、調子乗ってんじゃねえよ。誰にも見られんじゃねえぞ」
「もちろん。他の誰にも見せません」
背中から抱きしめられ肩に顎を乗せられる。
重たい。
けれど伝わってくるぬくもりは悪くないなと、密かに笑った。
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