魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき

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第3章

お騒がせな魔法使い2

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王都の地下には、網の目のように巨大な水路が張り巡らされている。

普段は静かなその場所に、今は若手冒険者たちの怒号と、アイアンラットの鳴き声が響き渡っていた。

午前中の討伐時間が終わり、水路の出口付近にある広場には、泥や返り血にまみれた若手たちが続々と集まってきた。彼らは自分たちの戦果を誇らしげに語り合い、獲物であるアイアンラットの尾を数えて報告している。

その中で、僕とフィオナの周囲だけは、妙に冷え冷えとした空気が漂っていた。

「信じられませんわ。信じられませんわよ!」

フィオナが、怒りに震える拳を膝に叩きつけた。

彼女の戦果は、最初の一戦で倒した数匹のみ。それ以降、僕たちが水路のどの区画へ移動しても、アイアンラットの一匹さえ見つけることができなかったのだ。

「討伐数、たったの五匹! この私、フィオナ・エル・ローランが、こんな数で終わるなんて。末代までの恥ですわ!」

「まあまあ。たまたま運が悪かっただけかもしれないし」

僕は苦笑いしながら彼女をなだめようとしたが、周囲からの視線は刺すように痛い。

他のギルドの連中は、袋いっぱいの戦果を抱えてこちらをニヤニヤと眺めている。

「おい、見ろよ。あのお騒がせギルド『漆黒の鴉』の連中、午前中ずっと水路の散歩をしてたらしいぜ」

「ギルドの先輩たちはあそこの連中に一目置いてる人もいるけどよ。新人の格については、俺らが圧倒的に上みたいだな」

心ない言葉が耳に届くたび、フィオナの顔が真っ赤に染まっていく。

幸い、僕がスキル0だということは伏せられているけれど、それでも「期待外れの新入り」というレッテルは貼られているようだった。

「あー、腹立たしい! カイル、あんたがぼやぼやしているから魔物が逃げてしまったんですわ! 私が魔法を撃とうとするたびに、気配が消えていくんですもの!」

「ごめん。たぶん、僕のせいだと思う」

僕は申し訳なくなって、頭をかいた。僕が魔物をテイムしようと近づくと、みんな逃げ出すか、ひどい時には自ら命を絶ってしまうことさえあった。

その事実をフィオナに説明した。

「自分のせいで魔物がいなくなったと言いたいの!? 傲慢にもほどがありますわ!」
フィオナは立ち上がり、僕に杖を突きつけた。

「いいですこと、午後は別行動ですわよ! あんたと一緒にいたら、私の才能が腐ってしまいますわ! 私一人で、あんたが一生かかっても追いつけないくらいの戦果を挙げてご覧に入れますから!」

彼女はそう言い捨てると、僕の返事も待たずに、再び地下水路の入り口へと駆け戻っていった。

僕は一人残された広場で、シリウスの背中を撫でながら立ち尽くした。

このままだと、何もしていないことになる。なんとかしてアイアンラットを討伐しないと。冒険者になった意味がない。
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