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第2章 現実と仮想現実
第110話 珍妙な2人
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街の喧騒から少し離れて、のんびりと道を歩いて行く。
待ち合わせの時間まではまだまだ全然時間があるし、のんびり歩いても大丈夫だよね。
「んー、この辺りは……、風が気持ちいいなぁ……」
日差しが暖かくて、通り抜けていく風も優しく感じる。
時間までこの辺りで、少し休憩しちゃおうかなっ!
「それなら、どこか座れるところがないかなーっと」
少し辺りを見まわしてみれば、ぽつんと置かれたベンチが見えた。
周りには何もないけど、この辺りに来る人の休憩用なのかもしれない。
歩いてベンチに近づくと、腰掛ける前にシルフが風で土を払ってくれる。
そうして綺麗になったベンチへゆっくりと腰を落とせば、日差しで暖かくなったベンチが気持ちいい。
「あー……」
今僕のいる街の東側は、いつも通りというべきか……、相変わらず人が全くいない。
特に最近は、みんなイベントや第2生産組に向けての準備をしているからか、この辺りには誰も来ないみたいだ。
さらに街の中心部に近いからか、静かさが余計に際立って感じる。
けど、なんだか……そのおかげでゆっくりできる気もする……ん、だ……。
「だから何度も言っておったじゃろう!? 儂は早うカタを付けろと!」
「んーでもぉー。こーゆーのってミーには合わないからぁ」
「えぇい、その喋りが余計苛立たしい!」
「そんなこといわれても、こまるわぁ」
ん、ん……?
気付いたら寝ちゃってたみたいだけど……、この声なんだろ……?
女の子と男性みたいなんだけど……、妙な感じっていうか……。
「……なんだろ、あれ……」
声のする方へ顔を向ければ、真っ黒な髪をまっすぐ腰まで伸ばした和服の少女と、金と黒の髪をした細身の男性がそこにいた。
男性の方は、なんだかすごい身体をクネクネさせてるけど……。
「あん? なんじゃワレ? 儂らになんか用か?」
「ふぇ!?」
見た目に合わない言葉を使いながら、黒髪の少女が僕の方を向き、大股で歩いてくる。
そのたびに、履いている下駄からカランコロンと軽快な音が鳴り、僕の視線を彼女だけに釘付けにした。
「さっきからじろじろじろじろと、こっちの方見おってからに。バレとらんとでも思うてか!?」
「ぁ、え!? あの……ごご、ごめんなさい!」
「謝って済むんなら、この世に警察なんざいら「はーい、ストップ」ぞ!?」
詰め寄られ慌てる僕の正面から、軽い声が聞こえた。
その声が一緒にいた男性のものと思い当たる前に、少女の頭の上にまっすぐ手刀が落とされる。
「あだっ!?」
「ほーら、あんまり怖がらせちゃだめよぉ? お嬢ちゃん、ごめんなさいねぇ」
片手で少女の頭を後ろから鷲掴みしながら、男性は僕にのんびりとした声で謝る。
しかし、その頬には空いた手が添えられてるし、動きもしなやかでなんだかすごい女性らしさを感じる……。
でも声も低かったし……一応男性で良いんだよね……?
「お嬢ちゃん、ミーは一応オトコよ」
「は、はひっ!?」
「ふふふ、大体みんな思うことは同じだもの。いいの、慣れてるから」
そう言って、笑う男性。
すごい穏やかなんだけど……、片手で少女の頭を鷲掴みしてるからか、なんだかすごい妙な感じ……。
「ええい、フェン! ええ加減離さんか!」
「あらあら、すっかり忘れてたわぁ。でも、リュン……、あなた離したらまた彼女に詰めよったりするんじゃなくて?」
「せん! せんから離せ!」
しょうがないわねぇ、と言いながら男性は掴んでいた手を離す。
すると、タイミングがいきなりだったからか、リュンと呼ばれた少女はバランスを崩し……。
「――ッ!」
倒れ込んでくるっ! と思った矢先、少女は右足を大きく地面に叩きつけ、むりやりその場所でバランスを持ち直した。
「ふんっ! 儂の手助けなんぞ、百年早いわ!」
「もぅ、リュンったら……」
いや、何事もなかったなら良いんだけど……。
受け止めようと広げた腕がなんだか恥ずかしいけれど、とりあえずそれは忘れよう、うん。
そう思って、意識を切り替えるため横目で時間を確認すれば、すでに約束の時間に近くなっていた。
「あ、そろそろ私は行かないと……」
「あらあら、そうだったのね」
「ふん、ならば行けば良かろう」
柔らかく微笑む男性とは反対に、腕を組み、不機嫌そうに言い放つ少女。
なんだかこの二人、あらためて見てもすごい変な組み合わせだ……。
「う、うん。あ、でもじろじろ見ちゃってごめんね。それじゃ!」
「気にしないでちょうだいねぇ」
「……待て」
ベンチ前に立つ二人の横をすり抜けて行こうとした瞬間、少女が僕の手を取り引き留める。
「ん?」
「おんし、名は?」
「え? あっと……、アキって言いますけど……」
「……ほぅ」
一瞬だけ間を空けて、少女は小さく呟く。
そして、掴んでいた手を離し、僕の方へと向き直った。
「申し遅れたの。儂はリュン。そしてこっちが……」
「ミーはフェンよぉ。よろしくねぇ」
そう言って、彼女たちは笑う。
でもなんだろ……、笑ってる……んだよね?
顔は笑顔なのに、笑ってないみたいに見えるような……?
「なんじゃ? また儂らをじろじろと見おって」
「あっ、ごめんね!」
「ふん。フェン行くぞ」
「あらあら、はいはい。それじゃぁねぇ」
僕の向かう方向と逆の方へ、2人は歩いて行く。
それを見て首を傾げつつ、僕も約束の場所へと急ぐことにした。
待ち合わせの時間まではまだまだ全然時間があるし、のんびり歩いても大丈夫だよね。
「んー、この辺りは……、風が気持ちいいなぁ……」
日差しが暖かくて、通り抜けていく風も優しく感じる。
時間までこの辺りで、少し休憩しちゃおうかなっ!
「それなら、どこか座れるところがないかなーっと」
少し辺りを見まわしてみれば、ぽつんと置かれたベンチが見えた。
周りには何もないけど、この辺りに来る人の休憩用なのかもしれない。
歩いてベンチに近づくと、腰掛ける前にシルフが風で土を払ってくれる。
そうして綺麗になったベンチへゆっくりと腰を落とせば、日差しで暖かくなったベンチが気持ちいい。
「あー……」
今僕のいる街の東側は、いつも通りというべきか……、相変わらず人が全くいない。
特に最近は、みんなイベントや第2生産組に向けての準備をしているからか、この辺りには誰も来ないみたいだ。
さらに街の中心部に近いからか、静かさが余計に際立って感じる。
けど、なんだか……そのおかげでゆっくりできる気もする……ん、だ……。
「だから何度も言っておったじゃろう!? 儂は早うカタを付けろと!」
「んーでもぉー。こーゆーのってミーには合わないからぁ」
「えぇい、その喋りが余計苛立たしい!」
「そんなこといわれても、こまるわぁ」
ん、ん……?
気付いたら寝ちゃってたみたいだけど……、この声なんだろ……?
女の子と男性みたいなんだけど……、妙な感じっていうか……。
「……なんだろ、あれ……」
声のする方へ顔を向ければ、真っ黒な髪をまっすぐ腰まで伸ばした和服の少女と、金と黒の髪をした細身の男性がそこにいた。
男性の方は、なんだかすごい身体をクネクネさせてるけど……。
「あん? なんじゃワレ? 儂らになんか用か?」
「ふぇ!?」
見た目に合わない言葉を使いながら、黒髪の少女が僕の方を向き、大股で歩いてくる。
そのたびに、履いている下駄からカランコロンと軽快な音が鳴り、僕の視線を彼女だけに釘付けにした。
「さっきからじろじろじろじろと、こっちの方見おってからに。バレとらんとでも思うてか!?」
「ぁ、え!? あの……ごご、ごめんなさい!」
「謝って済むんなら、この世に警察なんざいら「はーい、ストップ」ぞ!?」
詰め寄られ慌てる僕の正面から、軽い声が聞こえた。
その声が一緒にいた男性のものと思い当たる前に、少女の頭の上にまっすぐ手刀が落とされる。
「あだっ!?」
「ほーら、あんまり怖がらせちゃだめよぉ? お嬢ちゃん、ごめんなさいねぇ」
片手で少女の頭を後ろから鷲掴みしながら、男性は僕にのんびりとした声で謝る。
しかし、その頬には空いた手が添えられてるし、動きもしなやかでなんだかすごい女性らしさを感じる……。
でも声も低かったし……一応男性で良いんだよね……?
「お嬢ちゃん、ミーは一応オトコよ」
「は、はひっ!?」
「ふふふ、大体みんな思うことは同じだもの。いいの、慣れてるから」
そう言って、笑う男性。
すごい穏やかなんだけど……、片手で少女の頭を鷲掴みしてるからか、なんだかすごい妙な感じ……。
「ええい、フェン! ええ加減離さんか!」
「あらあら、すっかり忘れてたわぁ。でも、リュン……、あなた離したらまた彼女に詰めよったりするんじゃなくて?」
「せん! せんから離せ!」
しょうがないわねぇ、と言いながら男性は掴んでいた手を離す。
すると、タイミングがいきなりだったからか、リュンと呼ばれた少女はバランスを崩し……。
「――ッ!」
倒れ込んでくるっ! と思った矢先、少女は右足を大きく地面に叩きつけ、むりやりその場所でバランスを持ち直した。
「ふんっ! 儂の手助けなんぞ、百年早いわ!」
「もぅ、リュンったら……」
いや、何事もなかったなら良いんだけど……。
受け止めようと広げた腕がなんだか恥ずかしいけれど、とりあえずそれは忘れよう、うん。
そう思って、意識を切り替えるため横目で時間を確認すれば、すでに約束の時間に近くなっていた。
「あ、そろそろ私は行かないと……」
「あらあら、そうだったのね」
「ふん、ならば行けば良かろう」
柔らかく微笑む男性とは反対に、腕を組み、不機嫌そうに言い放つ少女。
なんだかこの二人、あらためて見てもすごい変な組み合わせだ……。
「う、うん。あ、でもじろじろ見ちゃってごめんね。それじゃ!」
「気にしないでちょうだいねぇ」
「……待て」
ベンチ前に立つ二人の横をすり抜けて行こうとした瞬間、少女が僕の手を取り引き留める。
「ん?」
「おんし、名は?」
「え? あっと……、アキって言いますけど……」
「……ほぅ」
一瞬だけ間を空けて、少女は小さく呟く。
そして、掴んでいた手を離し、僕の方へと向き直った。
「申し遅れたの。儂はリュン。そしてこっちが……」
「ミーはフェンよぉ。よろしくねぇ」
そう言って、彼女たちは笑う。
でもなんだろ……、笑ってる……んだよね?
顔は笑顔なのに、笑ってないみたいに見えるような……?
「なんじゃ? また儂らをじろじろと見おって」
「あっ、ごめんね!」
「ふん。フェン行くぞ」
「あらあら、はいはい。それじゃぁねぇ」
僕の向かう方向と逆の方へ、2人は歩いて行く。
それを見て首を傾げつつ、僕も約束の場所へと急ぐことにした。
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