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第2章 現実と仮想現実
第253話 酔い覚まし
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「……そんなわけで酔い覚ましの薬を作らないといけないんですが」
あの後部隊の割り振りが終わり次第に解散して、それぞれに担当する場所へ足を向けた。
僕の場合はみんなとは違い、報告だけじゃなくて相談も兼ねているわけだけど。
「酔い覚まし、ですか」
僕の説明に、作業場に集まっていた調薬系プレイヤー達が唸る。
ちなみにレニーさんは僕の代わりに生産プレイヤーや初心者プレイヤーへの連絡なんかをしてくれているため、この場にはいない。
「薬っていうと語弊があるかもしれないけど、マナの過剰摂取で酔った精霊を正気に戻すなにかって感じなんだけどね」
「その精霊が酔うって状況があまり想像出来なくて、薬のイメージが湧かないんですよね。まず精霊って酔うんだっていう」
「あー、うん。僕……あー、私も最初そうだったからわかるよ」
自分のことを私と言い直す僕を見てか、みんながなんだか微笑んでくる。
たぶん背伸びしてるって思われているのかも知れない。
リアルでも160cm足らずしかない僕だけど、こっちでの姿はそれよりもかなり低い。
だから余計に子供扱いされてそうだし。
「こう、苦いもので正気に戻す! とかですかねぇ」
「でも相手が精霊だから、下手に機嫌を損ねても面倒なことになりそう」
「だったらスッキリするものとか?」
「お酒飲んだときってその後の水が美味しく感じるよねー」
次々に飛び出してくる意見を僕は脳内でまとめていく。
苦いもの……は却下で、スッキリするものや、水か。
水だったらそのままで良いから楽なんだけどね。
「スポーツドリンクとかをがぶ飲みすると、二日酔いには効くとか聞いた事があるよ」
「リンゴが良いんだっけ? バナナとかも」
「オレンジは逆効果だったはずだし、コーヒーなんかも胃が荒れるからダメだよね」
「私、二日酔いの日はお母さんがお味噌汁作ってくれるよー、なんか効くんだって」
え……え?
スポーツドリンクってどうやって作るの?
リンゴってこっちだとアルペが似てるけど、アルペで効くのかな?
オレンジはダメで、コーヒーもダメ。
胃が荒れると駄目ってことは、刺激物は避けた方が良さそうだね……ってお味噌汁は良いの!?
「ちょ、ちょっとストップ、ストップ」
どんどん出てくる情報に僕は両手を挙げて、身体で静止をかける。
ありがたいんだけど、速度が速すぎて頭が追いつかないよ!
「とりあえずこの島で採れる材料で考えよう? それにお味噌汁とかもはや料理だし、それだったら調理系のスキルを持ってる人にお願いするよ」
「でしたらまずは使えそうな素材を抽出してみますか? 各自で持ってる物を持ち寄ればそれなりの数になるでしょうし」
「良いの?」
「ええ、今回の件はこの島全体のことですから。みんなもそれでいいですよね?」
僕の近くにいた女性が手早く意見をまとめ、皆の了承を得る。
レニーさんみたいな手際の良さだけど、なんだろう、この作業場の女性はみんな手際が良いのかな?
そういえばおばちゃんもテキパキ動くし、気が強いし……そういうことなんだろうか。
そんなことを思考していた僕を置いて、気付けばみんなが虚空を見上げながら素材を吟味していた。
っと、僕もやらないと……。
「んー、あ、樹液って結局何だったんだろ。色々あって確認せずに帰ってきたからなぁ……」
インベントリを眺めていればアイテムの中に、瓶詰めされた樹液が入っていた。
鑑定するために、それを一度手の上に取り出してみれば――
[ヒプルスの樹液:柔らかな甘みのある樹液。煮詰めることで甘みが増し、料理などに使われる]
「ふむ。煮詰めればってことはシロップ系かな?」
いってみればメープルシロップみたいな。
あれも確か樹液を長時間煮詰めることで作るものだって聞いた事がある。
でも今回は使えないかなぁ……。
「アキさん?」
「あ、うん。どうしました?」
「いえ、みんなから出された素材としてはこの辺りかなと……」
そう言われて視線の先……机の上に置かれた素材を確認していく。
あ、アルペもここで採れたんだ……でもルコの実は無さそうだし、果汁入りポーションは作れそうにないかな……?
いや、でも使えそうな素材ってだけだから外してるのかも?
「結構色々ありましたね」
「風の神殿や水の神殿付近に果樹が多くありまして、そこで採れた物が大半ですね」
「お、これがリモか。ここで採れるんですね。まだ使ったことないし、今度取りに行こうかな」
リモはイベント初日に、レニーさんが作っていた失敗作――即効性ポーションのような何かに入っていた果物だ。
レモンのようなものだってオリオンさんに聞いてたけど、実際見てわかる。
これは確かにレモンだ。
「でもレモンって二日酔いに効くんですか?」
「よくは知らないんですが、レモンに入っている成分が疲労回復に役立つみたいで。どうもアルコールを体内で分解するとエネルギーを使うみたいで」
「ふむ……。そういえば運動の時にレモン水が良いって聞いた事ありますね。疲労回復ってそんな感じなのかな?」
「たぶんそうではないかと」
だとすればレモンも見方によっては効果があるってことかー……。
でも、これ考えれば考えるほどに、僕じゃなくてオリオンさんに任せた方がいい気がしてきたぞ?
あの後部隊の割り振りが終わり次第に解散して、それぞれに担当する場所へ足を向けた。
僕の場合はみんなとは違い、報告だけじゃなくて相談も兼ねているわけだけど。
「酔い覚まし、ですか」
僕の説明に、作業場に集まっていた調薬系プレイヤー達が唸る。
ちなみにレニーさんは僕の代わりに生産プレイヤーや初心者プレイヤーへの連絡なんかをしてくれているため、この場にはいない。
「薬っていうと語弊があるかもしれないけど、マナの過剰摂取で酔った精霊を正気に戻すなにかって感じなんだけどね」
「その精霊が酔うって状況があまり想像出来なくて、薬のイメージが湧かないんですよね。まず精霊って酔うんだっていう」
「あー、うん。僕……あー、私も最初そうだったからわかるよ」
自分のことを私と言い直す僕を見てか、みんながなんだか微笑んでくる。
たぶん背伸びしてるって思われているのかも知れない。
リアルでも160cm足らずしかない僕だけど、こっちでの姿はそれよりもかなり低い。
だから余計に子供扱いされてそうだし。
「こう、苦いもので正気に戻す! とかですかねぇ」
「でも相手が精霊だから、下手に機嫌を損ねても面倒なことになりそう」
「だったらスッキリするものとか?」
「お酒飲んだときってその後の水が美味しく感じるよねー」
次々に飛び出してくる意見を僕は脳内でまとめていく。
苦いもの……は却下で、スッキリするものや、水か。
水だったらそのままで良いから楽なんだけどね。
「スポーツドリンクとかをがぶ飲みすると、二日酔いには効くとか聞いた事があるよ」
「リンゴが良いんだっけ? バナナとかも」
「オレンジは逆効果だったはずだし、コーヒーなんかも胃が荒れるからダメだよね」
「私、二日酔いの日はお母さんがお味噌汁作ってくれるよー、なんか効くんだって」
え……え?
スポーツドリンクってどうやって作るの?
リンゴってこっちだとアルペが似てるけど、アルペで効くのかな?
オレンジはダメで、コーヒーもダメ。
胃が荒れると駄目ってことは、刺激物は避けた方が良さそうだね……ってお味噌汁は良いの!?
「ちょ、ちょっとストップ、ストップ」
どんどん出てくる情報に僕は両手を挙げて、身体で静止をかける。
ありがたいんだけど、速度が速すぎて頭が追いつかないよ!
「とりあえずこの島で採れる材料で考えよう? それにお味噌汁とかもはや料理だし、それだったら調理系のスキルを持ってる人にお願いするよ」
「でしたらまずは使えそうな素材を抽出してみますか? 各自で持ってる物を持ち寄ればそれなりの数になるでしょうし」
「良いの?」
「ええ、今回の件はこの島全体のことですから。みんなもそれでいいですよね?」
僕の近くにいた女性が手早く意見をまとめ、皆の了承を得る。
レニーさんみたいな手際の良さだけど、なんだろう、この作業場の女性はみんな手際が良いのかな?
そういえばおばちゃんもテキパキ動くし、気が強いし……そういうことなんだろうか。
そんなことを思考していた僕を置いて、気付けばみんなが虚空を見上げながら素材を吟味していた。
っと、僕もやらないと……。
「んー、あ、樹液って結局何だったんだろ。色々あって確認せずに帰ってきたからなぁ……」
インベントリを眺めていればアイテムの中に、瓶詰めされた樹液が入っていた。
鑑定するために、それを一度手の上に取り出してみれば――
[ヒプルスの樹液:柔らかな甘みのある樹液。煮詰めることで甘みが増し、料理などに使われる]
「ふむ。煮詰めればってことはシロップ系かな?」
いってみればメープルシロップみたいな。
あれも確か樹液を長時間煮詰めることで作るものだって聞いた事がある。
でも今回は使えないかなぁ……。
「アキさん?」
「あ、うん。どうしました?」
「いえ、みんなから出された素材としてはこの辺りかなと……」
そう言われて視線の先……机の上に置かれた素材を確認していく。
あ、アルペもここで採れたんだ……でもルコの実は無さそうだし、果汁入りポーションは作れそうにないかな……?
いや、でも使えそうな素材ってだけだから外してるのかも?
「結構色々ありましたね」
「風の神殿や水の神殿付近に果樹が多くありまして、そこで採れた物が大半ですね」
「お、これがリモか。ここで採れるんですね。まだ使ったことないし、今度取りに行こうかな」
リモはイベント初日に、レニーさんが作っていた失敗作――即効性ポーションのような何かに入っていた果物だ。
レモンのようなものだってオリオンさんに聞いてたけど、実際見てわかる。
これは確かにレモンだ。
「でもレモンって二日酔いに効くんですか?」
「よくは知らないんですが、レモンに入っている成分が疲労回復に役立つみたいで。どうもアルコールを体内で分解するとエネルギーを使うみたいで」
「ふむ……。そういえば運動の時にレモン水が良いって聞いた事ありますね。疲労回復ってそんな感じなのかな?」
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でも、これ考えれば考えるほどに、僕じゃなくてオリオンさんに任せた方がいい気がしてきたぞ?
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