多機能型特別公衆便所 ==特便==

辻 野乃子

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case4 ~漁師町の雪女~ ーother sideー #2

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 一度帰宅して各自用事を済ませた俺達は、再びタツの部屋に集まった。

「で...何だよタツ?改まって呼び出したりなんかしてよお。」

「・・・また女でもデキたって自慢か・・・。」

「そんなんじゃねえって!そうだな...とりあえずコレを見てくれ!!」
 そういうとタツはホワイトボードを裏返す―――。
 そこにデカデカと書かれていたのは『冷凍マグロ解凍大作戦!!』の文字だった。

「・・・・・・。」

「・・・オラ、けぇるだ・・・」

「イヤイヤイヤ!待てってクロ!!
 確かにちょっと悪ふざけが過ぎたけど…このまま何となく姉ちゃんのトコに通い詰めてるだけじゃ何も変わらねぇってのは、二人も薄々は感じてるだろ?」

「・・・まあ、それはそうだが・・・」

「でもよぉ...だったらどうしたらいいってんだ?」

「だから、それを考えるための"作戦会議"っスよ。」

「なるほど...三人寄ればの知恵って言うし、俺達三人ならいいアイデアが浮かびそうだな!」

「『もんじゃ』じゃなくて『文殊』っスよ!ゲンさん...絶対ワザとやってるでしょ…。」

「・・・もんじゃ焼き、食いたくなってきただ・・・」

「だーーー!!話が進まねえし、ツッコミが追い付かねえ…。いいからさっさと始めんぞ!」

 こうして俺達の『冷凍マグロ解凍大作戦!!』第一回作戦会議が幕を開けた――。


「まず...初めに確認しておくけど、俺達の最終目標はどこにあると思う?」

「そりゃあ、姉ちゃんをイカせる事だべ。」

「そう!だが…そのために、今の俺達には明確に足りないものがある…それは何だと思う?」

「・・・見た目の良さか・・・?」

「悲しくなること言うんじゃねえよ、クロ――!
 そりゃあ...アレだろ?テクだべさ。」

「どっちも違う!いいか…今の俺達に足りないもの、それはな・・・信頼だよ!」

「・・・信頼・・・。」

「けんども…そんなモン、姉ちゃんを感じさせる事とはな~んも関係ねえべ?」

「か~~っ!!これだからゲンさんは女ってのを分かってねえんスよ…。」

「何を~~ぅ!!」

「いいっスか?女は男と違ってセックスに快楽は求めてないんスよ。」

「何っ...?じゃあ一体、ナニを求めてるってんだよ!」

「女が求めてるモノ・・・それは・・・

 『愛情ラヴ』っスよ。」


「・・・・・・はあ。」

「・・・また、『モテ男になるための恋愛講座』みたいなヤツの影響か・・・」

「何だよっ!その反応は..."タケ男先生"の言うことにケチ付けようってのか!」

「本当にそうなのかよ...」

「とにかく...女ってのは男からの愛情を感じて初めてイクことができるものなんスよ。」

「・・・んだども、オラ達だって姉ちゃんを愛してるだ・・・」

「考えてもみろ。よく知りもしないヤツから一方的に"愛してる"なんて言われて嬉しいと思うか?」

「俺は嬉しいだ~よ。」

「ゲンさんは黙っててください!ゲンさんみたいに他人からの好意に飢えてる人間ならともかく、あれだけ美人な姉ちゃんならそんなのは慣れっこなんスよ。そこで必要になってくるのが・・・」

「・・・信頼か・・・。」

「おう。どんな甘いセリフもイケメンムーブも信頼あっての物種だ。その点、俺達はまだスタート地点にすら立てていないとも言える。」

「確かに一理あるな…。でもよぉ、俺が昨日観た痴漢モノのAVに出てた姉ちゃんは、見ず知らずの男に触られて感じてたし、集団で犯されるシーンでは何回もイカされてたぜ?」

「あんなモン、創作物の中だけの話に決まってるでしょうが!!」

「何……っ!じゃあもしかして、催眠モノや時間停止モノも…。」

「・・・ゲンさん・・・アンタ・・・」

「…それ、マジで言ってます?」

「なんだよっ...その目は!俺だって流石に時間停止モノは信じてねえよ!!」

「他は信じてたんなら同じ事っスよ!前々からバカだとは思ってたけどまさかここまでだったとは・・・。
 …てかゲンさん...結構マニアックなの観てるんスね。」

「わ…悪いかよ…。」

「そりゃ悪くはないっスけど…。
 お願いだから、創作とリアルの区別くらいはつけてくださいね…。」
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